機械学習用データを外部に提供し利用させる場面の契約書。著作権法第30条の4の情報解析目的利用を前提に、再配布禁止と免責を定めます。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

AI学習用データセット利用許諾契約書

第1部: 書式本文

【データ提供事業者名】(以下「甲」という。)と【AI開発企業名】(以下「乙」という。)は、甲が保有するデータセットの機械学習目的での利用に関し、以下のとおり契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(定義) 本契約において「本データセット」とは、別紙データ仕様書記載の【テキスト/画像/音声】データ群をいう。「学習利用」とは、機械学習モデルの開発、パラメータの調整及び性能評価のために本データセットを情報解析の用に供する行為をいう。

第2条(許諾の付与) 甲は乙に対し、著作権法第30条の4に定める情報解析(電子計算機による情報の解析)目的の範囲内において、本データセットを複製し、学習利用することを許諾する。本許諾は、本データセットに含まれる著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用に限る。

第3条(利用目的の限定) 乙は、本データセットを【〇〇】に関する機械学習モデルの開発及び改良の目的にのみ使用するものとし、当該目的の範囲を超えて、本データセット自体又はその実質的な複製物を含む形で公開・出力するモデルを開発してはならない。

第4条(再配布及び再許諾の禁止) 乙は、本データセットの原本、加工物又は複製物を、第三者に販売、貸与、再配布し、又は再許諾してはならない。ただし、乙の業務委託先に学習利用を行わせる場合であって、当該委託先が本契約と同等の秘密保持及び目的外利用禁止の義務を負うときはこの限りでない。

第5条(データの品質に関する免責) 甲は、本データセットの正確性、完全性、特定目的への適合性について保証しない。乙は、本データセットに誤り、欠損又は偏り(バイアス)が含まれる可能性を了知したうえで学習利用するものとする。

第6条(個人情報等の取扱い) 本データセットに個人情報保護法上の個人情報又は個人関連情報が含まれる場合、甲は当該情報の取得及び提供が個人情報保護法の定める手続(利用目的の特定、第三者提供に関する本人同意の取得又は匿名加工情報としての加工等)に従って行われたものであることを表明する。乙は、本データセットに係る個人情報について、自ら個人情報取扱事業者として適用法令を遵守する。

第7条(第三者の権利侵害への対応) 本データセットに第三者の著作権、営業秘密その他の権利を侵害する内容が含まれることが判明した場合、甲は当該部分を速やかに乙に通知し、乙は当該部分を学習データから除外する。甲の甲自身に起因する事由により乙が第三者から権利侵害を理由とする請求を受けた場合、甲は乙が被った損害(合理的な弁護士費用を含む。)を賠償する。

第8条(利用料) 乙は甲に対し、本データセットの利用料として金【〇〇】円を、本契約締結後【30】日以内に支払う。

第9条(データの追加提供及び更新) 甲は、本契約期間中、本データセットを更新する場合、更新内容を乙に通知するものとし、更新版の学習利用の可否及び追加費用の要否は別途協議する。

第10条(契約終了時のデータ削除) 本契約が終了した場合、乙は、本データセットの原本及び複製物(学習済みモデルのパラメータを除く。)を遅滞なく削除し、甲の求めに応じて削除完了報告書を提出する。

第11条(監査) 甲は、乙による本データセットの利用状況を確認するため、年1回を上限として、乙に対し利用状況の報告を求め、又は必要に応じて監査を実施できる。

第12条(秘密保持) 甲及び乙は、本契約に関連して知り得た相手方の秘密情報を、事前の書面承諾なく第三者に開示し、又は本契約の目的以外に使用してはならない。

第13条(契約期間及び解除) 本契約の有効期間は契約締結日から【1】年間とする。甲又は乙は、相手方が本契約に違反し、相当期間の催告後も是正されない場合、本契約を解除できる。

第14条(準拠法及び合意管轄) 本契約の準拠法は日本法とし、本契約に関する紛争は【】地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

本契約締結の証として本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ各1通を保有する。

【契約締結日】 甲(データ提供事業者):住所 名称 代表者 印 乙(AI開発企業):住所 名称 代表者 印

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. データ提供事業者向けの修正

A-1. 用途限定の厳格化

追加条文例:「乙は、本データセットを競合他社が提供する製品・サービスと同一又は類似する機能を有するモデルの開発に使用してはならない。」 一言解説: データ提供事業者が自社の競争優位性の源泉であるデータを提供する際、提供先が競合製品の開発に転用することを防ぐための用途制限を追加する修正である。

A-2. 出所表示・帰属表示義務の追加

追加条文例:「乙は、本データセットを用いて開発したモデルの技術文書又は公開資料において、データ提供元として甲の名称を表示する。」 一言解説: データ提供事業者としての実績を対外的に示せるようにし、継続的なデータ提供関係の構築に資する修正である。

B. AI開発企業向けの修正

B-1. データ品質保証の一定範囲での追加

追加条文例:「甲は、本データセットについて、著しい欠損又は重複が全体の【5】%を超えないことを保証し、これを超える場合、乙は代替データの提供又は利用料の減額を請求できる。」 一言解説: 完全な無保証では学習コストの見積りが困難であるため、最低限の品質水準を保証させ、開発企業側のリスクを一部軽減する修正である。

B-2. 第三者権利侵害時の補償上限の設定

追加条文例:「第7条に基づく甲の賠償責任は、乙が甲に支払った利用料の総額を上限とする。ただし甲の故意又は重過失による場合はこの限りでない。」 一言解説: データ提供事業者が無制限の補償責任を負うことを避けつつ、開発企業側にも一定の予見可能性を与えるバランス型の修正である。

C. 学習目的限定型の修正

C-1. 学習済みモデルの用途を試験研究に限定

追加条文例:「乙は、本データセットを用いて開発したモデルを、本契約の有効期間中は研究開発及び性能評価の目的にのみ使用し、商用サービスとして第三者に提供してはならない。」 一言解説: 検証段階でのデータ提供にとどめ、商用化には別途契約を要することを明確にすることで、提供データの価値が正当な対価なく商用利用に転用されることを防ぐ修正である。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面/使ってはいけない場面 本書式は、データ保有事業者が保有するデータセットを外部のAI開発企業に提供し、機械学習モデルの学習に利用させる場面で用いる。生成AIが出力した制作物の著作権の帰属や責任分担を定める場合は、本書式ではなく生成AI生成物の権利帰属に関する合意書を用いるべきであり、両者は規律対象が異なる(前者はデータの入力・学習段階、後者は生成物の出力・利用段階)。

根拠法令 著作権法第30条の4は、著作物は、これに表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず利用できる旨を定めており、情報解析(コンピュータによる大量データの解析)の用に供する場合はその代表例とされる。もっとも、同条ただし書は、著作権者の利益を不当に害することとなる場合はこの限りでないとしており、無制限の利用が許されるわけではない。データセットに個人情報が含まれる場合は個人情報保護法の適用があり、第三者提供には原則として本人同意等が必要となる。また、営業秘密として管理されたデータについては不正競争防止法上の限定提供データに関する規律も問題となりうる。

実務でよくある失敗と対策 第一に、再配布禁止を明確に定めなかったため、AI開発企業が学習済みモデルとは別にデータセット自体を第三者に転売・共有してしまう失敗がある。第4条のように再配布・再許諾を明確に禁止すべきである。第二に、データセットに含まれる個人情報の取扱いについて個人情報保護法上の手続を確認しないまま提供し、後日情報漏洩や不適切利用が発覚した際に責任の所在が不明確になる失敗がある。第6条のように取得経緯の表明と受領側の遵守義務を明記することが重要である。第三に、データに第三者の著作物が混入していた場合の責任分担を定めず、AI開発企業が著作権侵害で請求を受けた際にデータ提供者へ求償できなかった失敗がある。第7条のように補償条項を設け、責任の範囲(上限額等)もあわせて交渉することが望ましい。データの内容・取得経緯によりリスクの程度が大きく異なるため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 本データセットの内容・件数・形式を仕様書で具体的に特定したか
  • [ ] 利用目的を学習・情報解析目的に限定して明記したか
  • [ ] 再配布・再許諾の禁止を明記したか
  • [ ] 業務委託先への再委託を認める場合の条件を定めたか
  • [ ] データの正確性・完全性に関する保証の有無を確認したか
  • [ ] 個人情報・個人関連情報の有無及び取得経緯を確認したか
  • [ ] 第三者権利侵害が判明した場合の除外手続及び補償条項を定めたか
  • [ ] 補償責任の上限の要否を検討したか
  • [ ] 契約終了時のデータ削除義務及び削除確認方法を定めたか
  • [ ] 学習済みモデルの商用利用の可否を明確にしたか
  • [ ] 利用料の金額及び支払条件を確認したか