車両や建物などの物的損害について賠償額と支払方法を確定する示談書です。清算条項を入れて紛争の蒸し返しを防ぎます。相手方との認識のずれを防ぐ具体的な記載例を示します。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

物損事故示談書

第1部: 書式本文

示談書(物的損害)

【加害者住所】 【加害者氏名】(以下「甲」という。)と、 【被害者住所】 【被害者氏名】(以下「乙」という。)とは、下記交通事故(以下「本件事故」という。)に起因する物的損害の賠償に関し、次のとおり示談する。

第1条(事故の表示) 発生日時:令和【 】年【 】月【 】日 発生場所:【住所・交差点名等】 甲車両:登録番号【 】、車種【 】 乙車両又は乙所有物:登録番号【 】、車種【 】、又は損傷対象物【 】 事故態様の概要:【概要】

第2条(責任の確認) 甲は、本件事故が甲の過失(民法第709条)によって生じたものであることを認め、これにより乙に生じた物的損害を賠償する責任を負うことを確認する。

第3条(過失割合) 本件事故における過失割合は、甲【 】割、乙【 】割とする。以下の賠償額は、当該過失割合に基づき民法第722条第2項の過失相殺を行った後の金額である。

第4条(損害の内訳) 車両修理費:金【 】円(見積書番号【 】、修理業者【 】) 評価損(格落ち損):金【 】円 代車費用:金【 】円(使用期間【 】日間、日額【 】円) 休車損害(事業用車両の場合):金【 】円 その他物損(積荷、構造物等):金【 】円

第5条(賠償金額) 甲は乙に対し、前条の損害額から過失相殺及び既払金【 】円を控除した金【 】円(以下「本件解決金」という。)を支払う義務があることを認める。

第6条(支払方法) 甲は乙に対し、本件解決金を、令和【 】年【 】月【 】日限り、下記口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。 振込先:【金融機関名・支店名・種別・口座番号・口座名義】

第7条(分割払特約)※分割の場合のみ適用 甲が本件解決金を分割で支払う場合、初回令和【 】年【 】月【 】日限り金【 】円、以降毎月【 】日限り金【 】円ずつを、令和【 】年【 】月まで支払う。甲が分割金の支払を【 】回以上怠ったときは、乙の催告により期限の利益を失い、甲は残額を一括で支払う。

第8条(遅延損害金) 甲が支払を遅滞したときは、遅滞した金額に対し支払期日の翌日から支払済みまで年3パーセントの割合による遅延損害金を付して支払う。

第9条(原状回復・修理方法) 車両の修理は【乙の指定する工場・甲の指定する工場】において行い、修理内容及び費用について事前に乙の確認を得るものとする。

第10条(清算条項) 甲及び乙は、本件事故に関し、本示談書に定めるもののほか、名目のいかんを問わず、互いに債権債務のないことを相互に確認する。ただし、本件事故により後日新たに物的損害が判明した場合はこの限りでない。

第11条(口外禁止) 甲及び乙は、本示談の内容及び金額について、法令に基づく場合又は税務・保険手続上必要な場合を除き、第三者に口外しない。

第12条(合意管轄) 本示談書に関する紛争については、【地方裁判所・簡易裁判所名】を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第13条(本書面の作成通数) 本示談書は2通作成し、甲乙各自1通を保有する。

以上のとおり合意が成立したので、本書面に署名又は記名押印する。

令和【 】年【 】月【 】日 甲(加害者)住所・氏名:          印 乙(被害者)住所・氏名:          印

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節:加害者側の場面別パターン

A-1 加害者が任意保険に加入しており、保険会社が対応窓口となる場面 第6条を次のように修正する。「本件解決金は、甲が加入する【保険会社名】が乙に対し直接支払う。甲は、保険会社による支払をもって第5条の支払義務を履行したものとする。」 一言解説:保険対応の場合、甲個人ではなく保険会社が支払主体になるため、支払義務の履行を保険会社の支払完了時点に紐付けて明記する必要がある。

A-2 加害者が分割払いを希望し、保証人を立てる場面 第7条末尾に次を追加する。「連帯保証人【氏名・住所】は、甲が分割金の支払を怠った場合、甲と連帯して残額の支払義務を負う。」 一言解説:分割払いは回収リスクを伴うため、連帯保証人を付す場合は保証人本人の署名・押印を別途取得することが不可欠である。

B節:被害者側の場面別パターン

B-1 被害車両が事業用車両で、修理期間中の営業損害を主張する場面 第4条の休車損害欄に次を追加する。「休車期間中の一日当たり平均売上高から変動経費を控除した金額を基礎として算定した金【 】円を休車損害として計上する。算定根拠資料(過去3か月分の売上台帳)を別紙として添付する。」 一言解説:休車損害は算定根拠が争われやすいため、売上台帳等の裏付け資料を添付しておくことで示談成立後の蒸し返しを防ぎやすくなる。

B-2 修理完了後に事故と因果関係のある損傷が追加で判明した場面 第10条ただし書を次のように修正する。「ただし、本示談成立後6か月以内に、本件事故と相当因果関係のある物的損害が新たに判明した場合、乙は甲に対し追加請求できるものとし、清算条項の効力はこれに及ばない。」 一言解説:清算条項は紛争の蒸し返し防止に有用だが、被害者側としては一定期間の留保を設けることで不測の損害を拾い漏らさない工夫が有効である。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

本書式を使う場面は、車両や建物などの物的損害について損害額の算定が終わり、過失割合についても当事者間で合意に達した段階である。修理費や代車費用の見積りが確定していない段階で急いで示談すると、後日の損害拡大に対応できなくなるため、必ず修理見積書や損害額の算定資料を確認したうえで作成することが望ましい。逆に、人身損害を伴う事故では、治療の終了や後遺障害の有無が確定するまで長期間を要するため、本書式をそのまま流用せず、人身損害用の書式を用いるべきである。

法的根拠としては、示談は民法上の和解契約(民法第695条)に該当し、当事者が互いに譲歩をして争いをやめることを約することによって成立する。示談が成立すると、民法第696条により、当事者の一方が和解によって争いの目的である権利を有するものと認められ、又は相手方がこれを有しないものと認められた場合において、その当事者の一方が従来その権利を有していなかった旨の確証が得られたときであっても、その権利は、その和解によってその当事者に移転し、又は消滅したものとする効力(確定効)が生じる。これにより、示談成立後は原則として当該事実関係を蒸し返して争うことができなくなる。また、損害賠償責任そのものの根拠は民法第709条の不法行為であり、過失相殺は民法第722条第2項に基づき、被害者にも過失があったときはこれを考慮して賠償額を定めることができる。

よくある失敗として、第一に、損害額の内訳を大まかな総額でしか記載せず、後日修理費の内訳を巡って争いが再燃する例がある。第4条のように費目ごとに金額と根拠資料番号を分けて記載することが対策となる。第二に、清算条項を無制限に及ぼしてしまい、示談後に判明した追加損害について請求できなくなる例がある。B-2のように一定の留保条項を設けることが対策となる。第三に、分割払いの場合に期限の利益喪失条項を入れず、不払いが続いても一括請求できない例がある。第7条のように喪失事由と効果を明記することが対策となる。過失割合の算定や休車損害の計上方法は個別の事情により大きく異なるため、金額確定前に個別事案は専門家に確認することが望ましい。さらに、示談成立後に甲が任意保険を解約していた、あるいは無保険であったことが判明し、実際の回収が困難になる例も見受けられる。示談締結前に甲の保険加入状況を確認し、必要であれば保険会社発行の事故受付番号を書面に記載しておくことで、支払原資の所在を事前に把握しておくことが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 事故の日時・場所・当事者車両の特定情報を正確に記載したか
  • [ ] 過失割合について双方が同意しているか
  • [ ] 修理費・代車費用・評価損等の損害項目を漏れなく計上したか
  • [ ] 損害額の算定根拠資料(見積書・領収書等)を確認したか
  • [ ] 既払金がある場合、控除額を正確に反映したか
  • [ ] 支払期日・振込先口座を正確に記載したか
  • [ ] 分割払いの場合、期限の利益喪失条項を入れたか
  • [ ] 遅延損害金の利率を明記したか
  • [ ] 清算条項の範囲及び後日判明損害への留保の要否を検討したか
  • [ ] 保険会社が支払主体となる場合、その旨を条項に反映したか
  • [ ] 合意管轄裁判所を記載したか
  • [ ] 甲乙双方の署名又は記名押印を取得したか