セット内容
- 賃貸借契約書(事務所・店舗)2バージョン(貸主側有利/借主側有利)Word形式
- 原状回復特約の解説シート
- 中途解約違約金条項の解説
こんな場面で
小規模不動産オーナーがテナントへ事務所・店舗を賃貸する場面、スタートアップがオフィス・店舗を借りる場面。
特長
- 造作買取請求権の排除など事業用物件特有の特約を収録
- 原状回復の範囲(通常損耗・経年変化の扱い)を明確化
- 中途解約時の違約金・予告期間を選択式で規定
賃貸借契約書(事務所・店舗)(監修用ドラフト)
⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。
商品ID: chintaishaku-keiyaku-jimusho / 価格: 2,980円 / 立場バージョン: 貸主側有利・借主側有利
小規模不動産オーナーが事務所・店舗等の事業用物件をテナントに賃貸する場面、スタートアップ・中小企業がオフィス・店舗を借りる場面を想定する。居住用ではなく事業用の建物賃貸借であるため借地借家法の適用があることを前提に、原状回復特約・造作買取請求権の排除特約・中途解約違約金条項など事業用物件特有の条項を含む。定期建物賃貸借ではなく期間の定めのある普通建物賃貸借を基本形として構成している。
第1部: 契約書本文(標準版・中立)
建物賃貸借契約書(事務所・店舗)
〇〇〇〇(以下「甲」という。)と〇〇〇〇(以下「乙」という。)とは、甲が所有する別紙物件目録記載の建物(以下「本物件」という。)について、次のとおり建物賃貸借契約(以下「本契約」という。)を締結する。
第1条(目的)
本契約は、甲が乙に対し本物件を事務所(店舗)としての使用に供することを目的として賃貸し、乙がこれを賃借することに関し、甲乙間の権利義務関係を定めることを目的とする。
第2条(契約の性質)
本契約は、借地借家法の適用を受ける建物賃貸借契約であり、同法に定めるところによるほか、本契約の定めるところによる。本契約は期間の定めのある普通建物賃貸借契約であって、借地借家法第38条に定める定期建物賃貸借契約ではない。
第3条(賃貸借の目的物)
甲は乙に対し、別紙物件目録記載の本物件を賃貸し、乙はこれを賃借する。
第4条(使用目的)
- 乙は、本物件を事務所(店舗)としての用途にのみ使用するものとし、甲の事前の書面による承諾なく使用目的を変更してはならない。
- 乙は、本物件において、風俗営業その他甲が事前に承諾していない業種の営業を行ってはならない。
第5条(賃貸借期間)
- 本契約の賃貸借期間は、〇〇〇〇年〇〇月〇〇日から〇〇年間とする。
- 期間満了の6か月前から期間満了の日までの間に、甲又は乙が相手方に対し更新をしない旨の通知をしないときは、本契約は同一条件でさらに〇〇年間更新されるものとし、以後も同様とする。
- 甲が前項の更新拒絶の通知をする場合には、借地借家法第28条に定める正当の事由があると認められる場合でなければ、当該通知をすることができない。
第6条(賃料)
- 賃料は、月額金〇〇〇〇円(消費税別)とする。
- 乙は、賃料を毎月末日までに翌月分を甲が指定する銀行口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は乙の負担とする。
- 甲は、公租公課の増減、本物件の価格変動、経済事情の変動、近隣の類似物件の賃料水準との比較等により賃料が不相当となったときは、借地借家法第32条に基づき、乙に対し将来に向かって賃料の改定を求めることができる。
第7条(敷金)
- 乙は、本契約に基づく乙の一切の債務を担保するため、本契約締結時に甲に対し敷金として賃料の〇か月分に相当する金〇〇〇〇円を預託する。
- 敷金には利息を付さない。
- 甲は、本契約が終了し、かつ、本物件の明渡しを受けたときは、民法第622条の2の定めるところにより、乙の甲に対する金銭債務の額を控除した残額を、遅滞なく乙に返還する。
- 乙は、本契約の存続中、敷金をもって賃料その他の債務の弁済に充当することを甲に対して請求することができない。
- 賃貸借期間中に賃料の改定があった場合、甲は乙に対し、敷金の額を改定後の賃料に応じた額に増額するよう請求することができる。
第8条(保証金)
甲乙間で別途保証金の預託について合意した場合は、別紙「賃貸借条件」に定めるところによる。
第9条(連帯保証人・保証会社)
- 乙は、甲の指定する連帯保証人を立てる、又は甲の承認する家賃債務保証会社との間で保証委託契約を締結し、その保証書若しくは保証委託契約成立を証する書面を甲に提出しなければならない。
- 連帯保証人は、乙が本契約に基づき甲に対して負担する一切の債務について、乙と連帯して履行する責任を負う。
第10条(造作の設置・造作買取請求権の不適用)
- 乙は、本物件の使用に必要な設備・造作を設置しようとするときは、事前に甲の書面による承諾を得なければならない。
- 乙は、本契約が期間満了又は解約により終了する場合、前項により設置した造作について、借地借家法第33条に定める造作買取請求権を行使しないものとする。
第11条(修繕)
- 甲は、本物件の使用に必要な修繕のうち、建物の構造躯体及び主要設備の経年劣化に起因するものについて、自己の費用と責任において修繕する。
- 乙は、乙の責めに帰すべき事由により生じた本物件の損傷について、自己の費用で修繕し、又は甲が修繕した場合の費用を負担する。
- 乙は、本物件の修繕を要する箇所を発見したときは、遅滞なく甲に通知しなければならない。
第12条(増改築等の禁止)
乙は、甲の事前の書面による承諾なく、本物件の増築、改築、模様替えその他現状を変更する工事を行ってはならない。
第13条(原状回復義務)
- 乙は、本契約が終了したときは、本物件を別紙「原状回復の条件」に定める状態に回復のうえ、甲に明け渡さなければならない。
- 前項の原状回復の範囲には、通常の使用により生じた損耗及び経年変化を含むものとし、乙はその復旧費用を負担する。
- 前項にかかわらず、乙の故意又は過失によらない自然的な劣化であっても、事業用物件としての用途及び使用状況に鑑み、別紙「原状回復の条件」に定める工事区分に従い乙が費用を負担する。
第14条(転貸・賃借権の譲渡禁止)
乙は、甲の事前の書面による承諾なく、本物件の全部若しくは一部を第三者に転貸し、又は本契約に基づく賃借権を第三者に譲渡してはならない。
第15条(中途解約)
- 乙は、少なくとも〇か月前に甲に対し書面で解約の申入れをすることにより、本契約の期間中であっても本契約を中途解約することができる。
- 前項の予告期間を置かずに乙が解約を申し入れた場合、乙は甲に対し、当該予告期間に相当する期間分の賃料相当額を解約金として支払うことにより、即時に本契約を終了させることができる。
- 甲は、本契約の期間中、借地借家法第28条に定める正当の事由がある場合を除き、自ら本契約を解約することができない。
第16条(禁止事項)
乙は、本物件において、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(1)危険物その他本物件又は近隣に損害・迷惑を及ぼすおそれのある物品を持ち込むこと (2)本物件の外観・構造を損なう広告物・看板等を甲の承諾なく設置すること (3)近隣に著しい迷惑を及ぼす行為
第17条(立入り)
甲は、本物件の維持管理上必要があるときは、事前に乙と日程を調整のうえ、本物件に立ち入ることができる。ただし、緊急やむを得ない場合はこの限りでない。
第18条(解除)
- 甲は、乙が次の各号のいずれかに該当したときは、相当期間を定めて催告のうえ、本契約を解除することができる。 (1)賃料の支払を〇か月分以上怠ったとき (2)第4条又は第14条に違反したとき (3)その他本契約上の義務に違反し、催告後相当期間内に是正しないとき
- 乙が次の各号のいずれかに該当したときは、甲は何らの催告を要せず本契約を解除することができる。 (1)支払停止若しくは支払不能の状態に陥ったとき、又は破産手続、民事再生手続その他の倒産手続の申立てがあったとき (2)本物件について差押え、仮差押え、仮処分若しくは競売の申立てを受けたとき (3)甲乙間の信頼関係を著しく破壊する行為があったとき
第19条(明渡し)
- 乙は、本契約が終了したときは、直ちに乙の費用負担において本物件内の動産を撤去し、第13条の原状回復を完了のうえ、本物件を甲に明け渡さなければならない。
- 乙が明渡しを遅延したときは、乙は甲に対し、明渡しまでの期間について賃料相当額の倍額に相当する損害金を支払う。
第20条(反社会的勢力の排除)
- 甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、自己が暴力団、暴力団員、暴力団関係企業その他の反社会的勢力に該当せず、かつ反社会的勢力と資金提供その他の関係を有しないことを表明し、保証する。
- 甲又は乙が前項の表明保証に違反した場合、相手方は、何らの催告を要せず本契約を解除することができる。
第21条(損害賠償)
甲又は乙は、自己の責めに帰すべき事由により本契約に違反し、相手方に損害を与えたときは、相手方に生じた通常かつ直接の損害を賠償する責任を負う。
第22条(協議事項)
本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠意をもって協議のうえ解決するものとする。
第23条(合意管轄)
本契約に関する紛争については、本物件の所在地を管轄する地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
以上、本契約締結の証として本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各自1通を保有する。
〇〇〇〇年〇〇月〇〇日
(甲・貸主)住所 商号又は名称 代表者名 印 (乙・借主)住所 商号又は名称 代表者名 印 (連帯保証人)住所 氏名 印
別紙「物件目録」(所在地、家屋番号、構造、床面積、賃貸部分の範囲等を記載) 別紙「賃貸借条件」(賃料、敷金・保証金の額、支払方法、契約期間、更新料の有無等を記載) 別紙「原状回復の条件」(原状回復の範囲・工事区分・費用負担の詳細を記載)
第2部: 立場別修正パターン
A. 貸主側有利バージョンへの変更
A-1. 第7条(敷金)の返還時期を明渡し後さらに一定期間経過後に設定
修正後: 「甲は、本物件の明渡しを受けた日から6か月以内に、原状回復費用等を精算のうえ、敷金の残額を乙に返還する。」(明渡し後「遅滞なく」ではなく明確な猶予期間を設ける)
解説: 原状回復費用の確定に時間を要することを理由とした返還時期の後ろ倒し。民法622条の2は返還時期について明文で「遅滞なく」としているため、過度に長い猶予期間は同条の趣旨に反すると解される可能性がある点に留意が必要(第4部参照)。
A-2. 第13条(原状回復義務)の借主負担範囲を拡大
修正後: 「乙は、通常の使用により生じた損耗及び経年変化の有無にかかわらず、別紙『原状回復の条件』に定める工事一式の費用を負担する。」(通常損耗の範囲を限定せず包括的な負担とする)
解説: 事業用物件では通常損耗を借主負担とする特約が有効と解される場合が多いが、特約の対象・範囲が契約書上明確であることが必要とされる。曖昧な包括条項は無効と判断されるリスクがあるため、原状回復の工事区分表を別紙に具体的に添付することが望ましい。
A-3. 第15条(中途解約)の借主からの解約予告期間を延長・違約金を追加
修正後: 「乙は、少なくとも12か月前に書面で解約の申入れをするものとし、これによらず解約する場合は、残存期間に相当する賃料の〇か月分を違約金として甲に支払う。」
解説: 貸主にとっては次のテナント誘致までの空室リスクを補填する条項。ただし違約金の額が著しく高額な場合、公序良俗違反(民法90条)として一部無効と判断されるリスクがあるため、金額水準は近隣相場や一般的な実務水準を踏まえて設定すべきである。
A-4. 第11条(修繕)の甲の修繕義務を限定
修正後: 「甲は、本物件の構造躯体に関する修繕義務を負うものとし、その他の設備の修繕は乙の負担とする。」(設備の修繕義務を貸主から借主に転換)
解説: 貸主の維持管理コストを抑える修正。ただし借地借家法上、貸主の修繕義務(民法606条)を全面的に免除する特約は賃借人に一方的に不利であり、程度によっては信義則上問題となる可能性がある。
A-5. 第9条(連帯保証人・保証会社)に極度額の上限撤廃を追加
修正後: 「連帯保証人の責任の限度額は定めない。」又は「極度額は賃料の〇〇か月分相当額(高額な設定)とする。」
解説: 民法改正により個人根保証契約は極度額の定めがなければ無効となる(民法465条の2)。連帯保証人が個人である場合は必ず極度額を明記する必要があり、上限を撤廃することはできない点に注意(第4部参照)。
B. 借主側有利バージョンへの変更
B-1. 第13条(原状回復義務)に国交省ガイドラインの原則を明記
修正後: 「乙は、故意又は過失、善良な管理者の注意義務違反、通常の使用方法を超える使用による損耗を除き、通常の使用により生じた損耗及び経年変化について原状回復義務を負わない。」
解説: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の考え方に沿った規定。事業用物件には同ガイドラインの直接適用はないが、借主側は同様の考え方を契約に反映するよう求めることが多い。
B-2. 第6条(賃料改定)に借主からの減額請求権を明記
追加条文例: 「乙は、賃料が経済事情の変動等により不相当となったときは、借地借家法第32条に基づき、甲に対し将来に向かって賃料の減額を請求することができる。」
解説: 借地借家法32条は賃料増減請求権を貸主・借主双方に認めた片面的強行規定であり、借主に不利にこれを排除する特約は無効と解される(同条の趣旨)。借主側バージョンでは念のため明記する。
B-3. 第15条(中途解約)の予告期間短縮・違約金の減免
修正後: 「乙は、少なくとも3か月前に書面で解約の申入れをすることにより、違約金なく本契約を中途解約することができる。」
解説: スタートアップ等、事業計画の変更により早期に退去する可能性がある借主にとって、解約の柔軟性は重要な交渉ポイントとなる。
B-4. 第10条(造作買取請求権)の一部復活
修正後: 「乙は、甲の書面による承諾を得て設置した造作のうち、別紙に定めるものについては、契約終了時に借地借家法第33条に基づき甲に対し買取りを請求することができる。」
解説: 借地借家法33条は任意規定であり特約による排除が可能だが、造作の内容によっては借主側が一部復活を求めることがある。高額な内装造作を借主が自己負担で設置する場合に特に重要な論点となる。
B-5. 第7条(敷金)の返還時期を明確化
修正後: 「甲は、本物件の明渡しを受けた日から1か月以内に、敷金の精算及び返還を行う。」
解説: 返還時期を具体的な日数で明記することで、貸主による恣意的な返還遅延を防ぐ。民法622条の2の「遅滞なく」の解釈をめぐる紛争を予防する実務的な工夫といえる。
第3部: 逐条解説(購入者向け)
第2条(契約の性質) 事務所・店舗等の事業用建物の賃貸借には、居住用建物と同様に借地借家法が適用される。同法は賃借人保護のための片面的強行規定を多く含むが、事業用物件については契約当事者双方が対等な事業者であることが多いため、居住用物件に比べて特約の効力が認められやすい傾向があると解されている。もっとも、造作買取請求権の排除(第33条)や中途解約条項のように、任意規定であることが明文又は解釈上明らかな事項について特約を設ける場合と、賃料増減請求権(第32条)のように片面的強行規定とされる事項とを区別して理解する必要がある。
第5条(賃貸借期間・更新拒絶) 普通建物賃貸借において、貸主から更新を拒絶するには借地借家法第28条の「正当の事由」が必要とされる。正当事由の有無は、賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情のほか、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況、建物の現況、立退料の申出等を総合的に考慮して判断されるとされる。事業用物件であっても居住用と同様にこの規律が適用されるため、貸主が任意に更新を拒絶できる契約類型を希望する場合は、定期建物賃貸借契約(借地借家法第38条)の利用を検討すべきである。定期建物賃貸借は、公正証書等の書面による契約であること、契約前に「更新がなく期間満了により終了する」旨を記載した書面を交付して説明することなど、普通借家契約とは異なる要件が課される点に留意が必要である。
第7条(敷金) 民法改正(2020年施行)により敷金の定義及び返還ルールが明文化された(民法622条の2)。敷金は賃貸借終了かつ目的物の返還を受けたときに、賃借人の債務不履行額を控除した残額を返還すべきものとされる。返還時期について条文上「遅滞なく」とされているのみで具体的な日数の定めはないが、原状回復費用の確定に要する合理的な期間を超えて返還を引き延ばす特約は、敷金の性質及び民法の趣旨に照らして問題となり得る。
第10条(造作買取請求権の排除) 借地借家法第33条は、賃借人が賃貸人の同意を得て建物に付加した造作について、賃貸借終了時に賃貸人に対しその買取りを請求できる権利(造作買取請求権)を定める。同条は任意規定と解されており、実務上、事業用物件の賃貸借契約では造作買取請求権を特約により排除することが一般的である。もっとも、排除特約の存在及び内容が契約書上明確であることが前提となる。
第13条(原状回復義務) 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、主として居住用建物を念頭に、通常の使用による損耗及び経年変化(通常損耗等)は賃料に含まれるものとして賃借人に原状回復義務を負わせるべきではないという考え方を示している。もっとも、事業用物件については同ガイドラインの直接の適用対象ではなく、実務上は特約により通常損耗を含めて賃借人負担とする例が多い。ただし、特約が有効と認められるためには、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書に具体的に明記され、賃借人がその内容を明確に認識した上で合意していることが必要と解される(最高裁平成17年12月16日判決の考え方が参考になる)。曖昧な包括的条項では特約の効力が否定されるリスクがある。
第15条(中途解約) 普通建物賃貸借において、貸主から一方的に中途解約することは、借地借家法上の正当事由がない限り認められない。他方、借主からの中途解約については法律上の制限はなく、契約に予告期間及び違約金(解約金)を定めることが実務上一般的である。予告期間を置かずに解約する場合の違約金の水準は、貸主が代替テナントを確保するまでに要する期間の賃料相当額を目安とすることが多いが、著しく高額な違約金は公序良俗違反等の争点となり得る。
第9条(連帯保証人・保証会社) 2020年施行の民法改正により、個人が連帯保証人となる根保証契約(賃貸借契約の保証はこれに該当する)については、極度額(責任の上限額)を書面で定めなければ保証契約自体が無効となる(民法465条の2)。実務上は保証会社を利用するケースが増加しており、保証会社を利用する場合は極度額規制の直接適用はないものの、保証委託契約の内容について別途消費者契約法等の適用可能性を考慮する必要がある。
第4部: 監修者への確認依頼事項
- 本テンプレートは普通建物賃貸借を前提としているが、貸主が契約期間満了により確実に契約を終了させたいというニーズに対応するため、定期建物賃貸借バージョンを別商品として用意すべきか、又は本テンプレートに定期建物賃貸借への切替えに関する解説を追加する程度で足りるか確認いただきたい。
- 第13条第2項・第3項の原状回復特約について、通常損耗・経年変化を賃借人負担とする特約の有効性判断において、どの程度具体的に工事区分・費用負担を明記すれば足りるか、別紙「原状回復の条件」のひな形として推奨すべき記載レベルを確認いただきたい。
- 本契約は事業者間契約であるため消費者契約法の直接適用はないと考えられるが、テナントが小規模事業者・個人事業主である場合に、原状回復特約や中途解約違約金条項が独占禁止法上の優越的地位の濫用や公序良俗違反(民法90条)に該当するリスクの有無について確認いただきたい。
- 第15条の中途解約違約金(第2部A-3)について、実務上許容される違約金の水準(賃料の何か月分程度が相当とされる例が多いか)の目安を確認いただきたい。
- 第9条の連帯保証人の極度額について、テンプレート上「賃料の〇〇か月分相当額」等の具体的な目安を提示すべきか、それとも空欄のまま当事者間の協議に委ねる設計とすべきか確認いただきたい。
- 第7条の敷金返還時期について、「遅滞なく」との民法上の文言に加えて、テンプレート上「明渡し後〇か月以内」といった具体的な期間を例示することの当否、また例示する場合の相当な期間の目安を確認いただきたい。
- 第10条の造作買取請求権排除特約について、賃借人が多額の内装投資を行う事業用物件(飲食店舗等)の場合に、排除特約の一部だけ復活させる代替案(第2部B-4)を標準版にも注記として加えるべきか確認いただきたい。
- 第18条の解除条項(賃料滞納〇か月分)について、実務上一般的とされる滞納月数の目安、及び信頼関係破壊の法理との関係で催告なき解除が認められる範囲について確認いただきたい。