保険金支払により保険代位で取得した債権に基づき求償する通知書です。支払の事実、求償額の内訳、支払期限を通知します。ひな型をもとに数分で自社仕様に調整できます。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
代位求償通知書
第1部: 書式本文
代位求償通知書
【通知日】
【加害者側名】様 (住所: )
【保険会社名】(以下「甲」という。) 担当部署: 担当者: 連絡先:
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。甲は、下記事故に関し、甲の保険契約者【契約者名】に対して保険金を支払ったことにより、保険法第25条に基づき、貴殿(以下「乙」という。)に対する損害賠償請求権を代位取得しましたので、下記のとおり通知申し上げます。
記
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事故の表示 事故番号: 【 】 発生日時: 【 】 発生場所: 【 】 事故の概要: 【 】
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代位取得の根拠 甲は、【保険証券番号】に基づく保険契約により、被保険者【氏名】に生じた損害に対し、【支払日】に金【 】円の保険金を支払った。これにより、保険法第25条の規定に基づき、被保険者が乙に対して有していた損害賠償請求権を、支払った保険金の額の限度で代位取得した。
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求償額の内訳 (1) 車両修理費(又は物的損害額) 金【 】円 (2) 代車費用 金【 】円 (3) 休車損害・営業損害 金【 】円 (4) その他【 】 金【 】円 (5) 求償額合計 金【 】円
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過失割合の考慮 本件事故における乙の過失割合を【 】割と算定し、前項合計額に当該割合を乗じた金【 】円を請求額とする。過失割合の算定根拠は別紙【 】のとおりである。
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支払期限 乙は、本通知到達後【14日/30日】以内に、下記口座へ前項の請求額を振り込む方法により支払うものとする。 振込先: 【銀行名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義】
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分割払いの申出について 乙が一括での支払が困難な場合、本通知到達後【 】日以内に甲担当窓口まで分割払いの希望を申し出ること。甲は乙の資力状況を踏まえ、分割払いの可否及び条件を別途協議する。
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民法第501条による代位との関係 乙が他の連帯債務者又は保証人に対して弁済をした場合の求償関係については、民法第501条の弁済による代位の規定に従い、甲乙間で別途精算する。
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異議がある場合の対応 乙が本通知の内容(事故の事実関係、過失割合、損害額等)に異議がある場合、本通知到達後【14日】以内に、その理由を明記した書面を下記窓口まで提出すること。
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不払いの場合の措置 前記5の期限までに支払がない場合、甲は遅延損害金(年3分の割合)を付加して請求するほか、訴訟その他の法的手続を検討する。
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消滅時効との関係 本件求償権は、民法第724条の規定により、損害及び加害者を知った時から3年(人身損害の場合は5年)、不法行為の時から20年で時効消滅する可能性があるため、乙は本通知記載の期限に留意すること。
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問い合わせ窓口 本通知に関する問い合わせは、下記まで連絡すること。 【部署名・担当者名・電話番号・メールアドレス】
敬具
以上
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節 保険会社・支払者側の視点による修正パターン
保険会社側が通知書を発する場合、求償額の内訳と算定根拠を明確にし、後日の争いを避けることが重要である。第3項を次のように修正することが考えられる。
修正例(第3項 求償額の内訳): 「求償額の算定にあたっては、修理費については【工場名】発行の見積書(発行日: )を、休車損害については【 】日分の実稼働率【 】%を基礎とする。算定根拠資料は本通知に添付する。」
一言解説: 内訳の根拠資料を添付することで、加害者側からの一方的な減額主張を防ぎ、後の訴訟における立証負担を軽減できる。
B節 加害者側(通知を受ける側)の視点による修正パターン
加害者側が本通知に対して回答書を作成する場合、異議申立ての手続と資料開示請求を明確にした条項を加える。第8項を次のように修正する。
修正例(第8項 異議がある場合の対応): 「乙は、本通知記載の過失割合及び損害額の算定根拠資料(見積書、稼働実績資料等)の開示を求めることができ、甲は開示請求受領後【10日】以内に資料を交付するものとする。乙の異議申立て期間は、資料交付日から起算する。」
一言解説: 加害者側にとっては、根拠資料の開示を受けてから異議期間が進行する仕組みにすることで、実質的な反論機会を確保できる。
C節 求償額に一部不服がある場合の折衷的な書き換え
加害者側が求償額の一部のみを争う場合、争いのない部分と争いのある部分を分離して処理する条項を加えると実務上の停滞を避けられる。第5項の後に次を追加する。
追加例: 「乙は、前項の請求額のうち争いのない部分について先行して支払い、争いのある部分については、第8項の異議申立て手続に従い別途協議する。一部支払いをもって求償額全体を承認したものとはみなさない。」
一言解説: 部分的な支払と異議の両立を認めることで、無用な全面対立を避けつつ、乙の防御権も確保できる。実務上も、全額を一括で争うよりも段階的な処理の方が早期解決につながりやすい。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
使う場面
保険会社その他の支払者が、保険金等の支払により取得した代位求償権(保険法第25条)に基づき、加害者又はその保険会社に対して支払を求める最初の意思表示として使用する。事故番号・損害内訳・支払期限を明示することで、任意交渉の出発点とする書面である。
使ってはいけない場面
保険金の支払が未了の段階、又は支払額が確定していない段階では、代位取得の要件を欠くため使用すべきでない。保険法第25条による代位は保険給付を行ったことを要件とするため、支払前に本通知を発すると、請求の法的根拠を欠く通知となる。
根拠法令
保険法第25条は、保険者が保険給付を行ったときは、被保険者等が第三者に対して有する権利を、支払った保険給付の額の限度で(損害保険契約の場合は保険価額を超えない範囲で)取得する旨を定める。また、民法第501条は、弁済をした者が債務者又は保証人に対して有することとなる求償権を確保するため、原債権者が有していた権利を代位行使できる旨を定めており、複数の求償関係が絡む事案(共同不法行為、保証等)では両条文の適用関係を整理する必要がある。
よくある失敗と条項上の対策
- 代位取得の要件事実(保険金支払の事実・金額・日付)の記載漏れ: 第2項のように支払日・支払額・保険証券番号を明記し、代位取得の根拠を客観的に示す。
- 過失割合の記載を欠いたまま全額請求してしまう: 第4項のように過失割合の算定根拠を別紙で示し、相手方の反論機会を確保する。
- 消滅時効の管理不備: 民法第724条の期間制限を意識せず通知が遅延すると時効の抗弁を受けるおそれがあるため、第10項のように時効期間を通知文中でも意識させる。
- 通知の宛先誤り: 加害者本人ではなく、その加入する任意保険会社を宛先とすべき場面で個人宛てに送付してしまうと、社内処理が遅延することがある。事前に相手方の保険加入状況及び担当窓口を確認したうえで宛先を選定する。
また、代位求償通知は事実上の督促行為であると同時に、消滅時効の完成猶予事由としての催告にも該当し得るため、送付日・到達日を記録し、配達証明付き郵便等の方法を用いることで、後日の紛争における証拠化を図ることが望ましい。到達の有無自体が争われるケースも少なくないため、通知方法の選択は慎重に検討すべきである。
代位求償の金額算定や過失割合の評価は事案ごとに異なるため、個別事案は専門家に確認のうえ、本通知の内容を事案に応じて調整すべきである。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 保険金の支払日・支払額・保険証券番号を記載したか
- [ ] 代位取得の根拠(保険法第25条)を明記したか
- [ ] 事故番号・発生日時・発生場所を正確に記載したか
- [ ] 求償額の内訳(修理費・代車費用・休車損害等)を項目別に示したか
- [ ] 過失割合とその算定根拠を明示したか
- [ ] 支払期限と振込先口座情報を記載したか
- [ ] 分割払いの申出手続を定めたか
- [ ] 異議申立ての手続と期間を明記したか
- [ ] 不払いの場合の遅延損害金・法的手続の予告を記載したか
- [ ] 消滅時効(民法第724条)との関係に留意したか
- [ ] 問い合わせ窓口を明記したか
- [ ] 算定根拠資料を添付又は開示可能な状態にしているか
- [ ] 送付方法(配達証明付き郵便等)を選定し、到達日を記録できる体制としたか
- [ ] 宛先(加害者本人か加入保険会社か)を事前に確認したか