セット内容

  • 代理店契約書 2バージョン(委託者側/代理店側)Word形式
  • 代理権の範囲(媒介・取次・代理)の解説
  • 手数料算定方法の取り決め例

こんな場面で

自社商品・サービスの販売やサービス契約の締結を、代理店に媒介・取次してもらう取引を書面化する場面。

特長

  • 売買形式の販売店契約(hanbaiten-keiyaku)と異なり、在庫を持たない媒介・取次型に特化
  • 代理権の範囲・契約締結権限の有無を明確化する条項構成
  • 手数料の発生タイミング(契約成立時/入金時)を選択式で規定
以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

代理店契約書(媒介・取次型)標準版(監修用ドラフト)

⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。

商品ID: dairiten-keiyaku / 価格: 3,480円 / 立場バージョン: 委託者側有利・代理店側有利

本ドラフトは、自社の商品又はサービスの販売若しくはサービス契約の締結を代理店に媒介・取次してもらう取引(在庫を保有せず、契約締結権限も原則として代理店に付与しない媒介・取次型の代理店取引)を想定する。売買形式(代理店が商品を買い取り自己の名で再販する販売店契約)とは法的性質が異なるため、両者を混同しないよう注意する必要がある。第1部には中立的なベース条文を掲載し、第2部で「委託者有利」「代理店有利」の2バージョンの差分を提示する構成とする。


第1部: 契約書本文(標準版・中立)

代理店契約書

〇〇〇〇(以下「甲」という。)と〇〇〇〇(以下「乙」という。)とは、甲が製造又は提供する〇〇〇〇(以下「本商品」という。)の販売又は本商品に関する契約の締結について、乙がこれを媒介又は取次ぐことに関し、以下のとおり代理店契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(目的及び契約の性質)

  1. 本契約は、甲が本商品の販売促進のため、乙に対し本商品の販売の媒介又は取次ぎ(以下「本業務」という。)を委託し、乙がこれを受託することを目的とする。
  2. 乙は、本契約に基づき甲の代理店として本業務を行うものであり、本商品を買い取って自己の計算において再販売するものではない。乙が本商品の在庫を保有することは想定しない。
  3. 乙は、本契約に別段の定めがある場合を除き、甲を代理して顧客との間で本商品に関する契約を締結する権限を有しない。乙の業務は、甲と顧客との間の契約締結に向けた勧誘、紹介及び条件調整の媒介に限られるものとし、契約の成否は甲の承諾を経て初めて確定するものとする。

第2条(代理権の範囲)

  1. 乙が甲のために行うことができる行為は、次の各号に掲げるものに限る。 (1)本商品の紹介、説明及び販売促進活動 (2)見込み顧客の発掘及び甲への取次ぎ (3)顧客からの照会対応及び甲への報告 (4)甲があらかじめ書面で承諾した範囲における条件交渉の媒介
  2. 乙は、前項各号に定める範囲を超えて、甲の名において契約を締結し、甲に代わって意思表示を行い、又は甲を代理して金銭の受領その他の履行行為を行ってはならない。
  3. 甲が乙に対し特定の顧客又は取引類型について契約締結の代理権を付与する場合は、その都度、対象範囲、代理権の期間及び代理権授与の方式(委任状の交付等)を明記した書面により行うものとする。

第3条(テリトリー)

  1. 甲は、乙に対し、〇〇〇〇(地域・業種・顧客層等を特定する。以下「本テリトリー」という。)における本業務を委託する。
  2. 乙は、本テリトリー外における本業務を行うことができない。ただし、甲が事前に書面で承諾した場合はこの限りでない。
  3. 本テリトリーの範囲は、契約期間中の実績、市場環境の変化その他合理的な事情に応じ、甲乙協議のうえ変更することができる。

第4条(非独占的取引)

  1. 本契約に基づき乙に付与される地位は、非独占的なものとする。甲は、本テリトリー内においても、乙以外の第三者に本業務を委託し、又は自ら顧客に対し直接本商品を販売することを妨げられない。
  2. 乙に独占的な代理店の地位を付与する場合は、その旨、独占の範囲(地域・商品・顧客層)及び独占の対価として乙に課す最低取扱高その他の条件を別途書面で定めるものとする。

第5条(乙の業務遂行義務)

  1. 乙は、善良な管理者の注意をもって本業務を遂行しなければならない。
  2. 乙は、本商品の販売促進のため、甲が提供する商品情報、価格表その他の資料に基づき、正確な情報を顧客に提供しなければならず、甲の承諾なく本商品の性能、効能又は価格について誇大な表示又は虚偽の説明を行ってはならない。
  3. 乙は、本業務の遂行状況について、甲の求めに応じ、速やかに報告しなければならない。

第6条(手数料)

  1. 甲は、乙が媒介又は取次いだ本商品に関する契約が成立した場合、乙に対し、当該契約に係る取引金額(消費税を除く。以下同じ。)の〇〇パーセントに相当する金額を手数料として支払う。
  2. 前項の手数料は、次のいずれかの時点で発生するものとする(甲乙間で選択のうえ、該当する号を残すものとする)。 (1)甲と顧客との間の契約が成立した時点 (2)甲が顧客から当該契約に基づく代金の全部又は一部の入金を受けた時点
  3. 甲は、乙が媒介又は取次いだ契約について、顧客都合による解約、返品又は代金の未回収が生じた場合、当該部分に対応する手数料の全部又は一部を乙に請求し、又は次回以降の手数料支払額から控除することができる。
  4. 手数料の支払時期及び方法は、第7条の定めるところによる。

第7条(手数料の支払方法)

  1. 甲は、毎月末日をもって当該月に確定した手数料を締め、翌月末日までに乙が指定する銀行口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。
  2. 乙は、甲に対し、手数料の計算の基礎となる取引実績について、資料の提出を求めることができる。

第8条(費用負担)

  1. 乙が本業務を遂行するために要する費用(交通費、通信費、販売促進物の作成費用等)は、乙の負担とする。ただし、甲が事前に費用負担を承諾した場合はこの限りでない。
  2. 甲が乙に貸与する見本品、カタログその他の販売促進資料の取扱いについては、甲乙協議のうえ別途定める。

第9条(競合品取扱いの制限)

  1. 乙は、本契約期間中、甲の事前の書面による承諾を得ることなく、本商品と競合する第三者の商品又はサービスの販売の媒介、取次ぎ又は代理店業務を行ってはならない。
  2. 前項の競合品の範囲は、〇〇〇〇のとおりとする。
  3. 本条の規定は、乙が本契約締結前から取り扱っている商品又はサービスには適用しないものとする。ただし、甲乙間で別段の合意をした場合はこの限りでない。

第10条(顧客情報の取扱い及び帰属)

  1. 乙は、本業務の遂行に際して知り得た顧客の氏名、連絡先その他の情報(以下「顧客情報」という。)を、本業務の遂行以外の目的に使用してはならない。
  2. 顧客情報は、甲乙いずれが取得したものであるかを問わず、甲に帰属するものとする。乙は、本契約が終了した場合、遅滞なく甲に対し顧客情報を引き渡し、自己の保有する複製物を廃棄又は消去しなければならない。
  3. 乙は、顧客情報の取扱いに関し、個人情報の保護に関する法律その他の関連法令を遵守しなければならない。

第11条(知的財産権の使用許諾)

  1. 甲は、乙に対し、本業務の遂行に必要な範囲に限り、甲の商号、商標その他の表示(以下「甲の表示」という。)を使用することを許諾する。
  2. 乙は、甲の事前の書面による承諾を得ることなく、甲の表示を本業務の遂行以外の目的に使用し、又は第三者に使用させてはならない。
  3. 乙は、甲の表示を使用するに当たり、甲が別途定める使用基準を遵守しなければならない。
  4. 本契約が終了した場合、乙は直ちに甲の表示の使用を中止し、乙が保有する甲の表示を付した物品を返還又は廃棄しなければならない。

第12条(契約不適合責任等)

  1. 本商品に関する契約不適合責任その他の債務不履行責任は、専ら甲と顧客との間で処理されるものとし、乙は、媒介又は取次ぎの委託を受けたにとどまる限りにおいて、当該責任を負わないものとする。
  2. 前項の規定にかかわらず、乙が本商品の品質、性能その他の事項について、甲の提供した情報と異なる説明を顧客に行ったこと等、乙の責めに帰すべき事由により顧客との間で紛争が生じた場合、乙は自己の責任と負担においてこれを解決し、甲に生じた損害を賠償しなければならない。

第13条(報告及び調査)

  1. 甲は、必要と認めるときは、乙に対し、本業務の遂行状況について報告を求め、又は乙の事務所その他の営業拠点における業務遂行状況を調査することができる。
  2. 乙は、前項の求めがあったときは、正当な理由なくこれを拒んではならない。

第14条(契約期間)

  1. 本契約の有効期間は、本契約締結日から1年間とする。ただし、期間満了の〇〇か月前までに甲乙いずれからも書面による別段の意思表示がない場合、本契約は同一条件でさらに1年間自動的に更新されるものとし、以後も同様とする。
  2. 前項の規定にかかわらず、甲又は乙は、相手方に対し〇〇か月前までに書面で通知することにより、本契約を中途解約することができる。

第15条(解除)

  1. 甲又は乙は、相手方に次の各号のいずれかの事由が生じた場合、何らの催告を要せず、本契約の全部又は一部を解除することができる。 (1)本契約に違反し、相当の期間を定めて是正を求める書面による催告を受けたにもかかわらず、当該期間内に是正されないとき (2)手形若しくは小切手の不渡り、支払停止若しくは支払不能の状態に至ったとき (3)差押え、仮差押え、仮処分、強制執行又は競売の申立てを受けたとき (4)破産、民事再生、会社更生若しくは特別清算の申立てを受け、又は自ら申立てをしたとき (5)解散、会社分割、事業の全部若しくは重要な一部の譲渡の決議をしたとき (6)第16条(反社会的勢力の排除)の表明保証に違反したとき (7)その他前各号に準ずる事由があり、本契約を継続し難い重大な事情が生じたとき
  2. 乙は、次の各号のいずれかに該当した場合、甲は催告なく本契約を解除することができるものとする。 (1)第9条(競合品取扱いの制限)に違反したとき (2)虚偽又は誇大な説明により顧客との契約を誘引し、甲の信用を毀損したとき (3)第10条(顧客情報の取扱い)に違反し、顧客情報を目的外に使用したとき

第16条(反社会的勢力の排除)

  1. 甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、自己(自己の役員を含む。)が、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団その他これらに準ずる者(以下「反社会的勢力」と総称する。)に該当しないこと、及び反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有しないことを表明し、保証する。
  2. 甲又は乙が前項の表明保証に違反した場合、相手方は、何らの催告を要せず本契約を解除することができる。この場合、解除した当事者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。

第17条(損害賠償)

  1. 甲又は乙は、本契約に違反し、相手方に損害を与えた場合、これにより相手方に生じた損害を賠償する責めを負う。
  2. 前項の損害賠償の範囲及び上限については、甲乙間の取引規模に応じ、別途特約で定めることができる。

第18条(秘密保持)

  1. 甲及び乙は、本契約の遂行に関連して知り得た相手方の技術上又は営業上の秘密情報を、相手方の事前の書面による承諾を得ることなく第三者に開示又は漏えいしてはならず、本契約の目的以外に使用してはならない。
  2. 本条の規定は、本契約終了後〇年間、なお効力を有する。

第19条(権利義務の譲渡禁止)

甲及び乙は、相手方の事前の書面による承諾を得ることなく、本契約上の地位並びに本契約に基づく権利及び義務を第三者に譲渡し、承継させ、又は担保に供してはならない。

第20条(契約終了後の措置)

  1. 本契約が終了した場合、乙は、甲との間で成立した契約であって履行が完了していないものについて、甲の指示に従い引継ぎを行うものとする。
  2. 本契約終了前に成立した契約に係る手数料の支払については、本契約終了後も、第6条及び第7条の規定に従うものとする。

第21条(存続条項)

第10条、第11条第4項、第12条、第17条から第20条まで及び本条から第23条までの規定は、本契約が終了した場合においても、なお効力を有する。

第22条(協議事項)

本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠意をもって協議のうえ解決するものとする。

第23条(合意管轄)

本契約に関する紛争については、〇〇地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

以上、本契約締結の証として本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各自1通を保有する。

〇〇〇〇年〇〇月〇〇日

(甲)住所    商号又は名称    代表者名         印

(乙)住所    商号又は名称    代表者名         印


第2部: 立場別修正パターン

商品には「委託者側有利」「代理店側有利」の2バージョンを収録する。第1部は中立版を基準としており、以下は各バージョンを作成する際の差分(代替条文)である。

A. 委託者側有利バージョンへの変更

委託者(本商品を提供し、代理店に媒介・取次を委託する側。甲)に有利にするための修正パターン。

A-1. 第2条(代理権の範囲)を厳格化

修正後: 「乙は、いかなる場合においても、甲の名において契約を締結し、又は甲を代理して金銭を受領する権限を有しない。前条各号の代理権授与の書面による個別合意がある場合を除き、乙の権限は媒介行為に限定される。」

解説: 契約締結権限や金銭受領権限を代理店に一切認めないことで、無権代理・表見代理のリスクを最小化する。委託者にとっては安全だが、代理店にとっては商談のスピード感が損なわれる場合がある。

A-2. 第6条(手数料)の発生タイミングを「入金時」に固定

修正後: 「手数料は、甲が顧客から当該契約に基づく代金の全部の入金を確認した時点で発生するものとする。」

解説: 契約成立時点ではなく入金完了時点を手数料発生の起算点とすることで、代金回収リスクを実質的に代理店側にも分散させる効果がある。代理店側からは、成約への対価が入金遅延により先延ばしにされる点で抵抗が予想される。

A-3. 第9条(競合品取扱いの制限)を強化し違反時の解除・違約金を明記

追加条文例: 「乙が前項に違反した場合、甲は本契約を無催告で解除できるほか、乙に対し、直近6か月間に乙に支払った手数料総額に相当する金額を違約金として請求できるものとする。」

解説: 競業避止義務違反への抑止力を高める条項。ただし、違約金額が乙の実際の帰責の程度に比して過大であると、公序良俗違反や消費者契約法類推適用(事業者間契約のため直接適用はないが参考裁判例に留意)の観点から無効と判断されるリスクがある点に注意する必要がある。

A-4. 第14条(契約期間)の中途解約予告期間を短縮

修正後: 「甲は、乙に対し1か月前までに書面で通知することにより、本契約を中途解約することができる。」(乙からの解約は3か月前予告のまま据え置く等、非対称な設計とする例もある。)

解説: 委託者側が機動的に代理店契約を見直せるようにする修正。代理店側の事業計画への影響が大きいため、代理店からは予告期間の対称化を求められることが一般的である。

A-5. 第10条(顧客情報の帰属)を明確化し、営業秘密としての管理義務を追加

追加条文例: 「乙は、顧客情報を不正競争防止法上の営業秘密に準じて管理するものとし、本契約終了後も、甲の書面による承諾なく顧客情報を自己又は第三者のために利用してはならない。」

解説: 代理店が退店後に顧客情報を持ち出し、自ら又は競合他社のために利用する事態を防ぐための条項。競業避止義務(第9条)と組み合わせて機能する。

B. 代理店側有利バージョンへの変更

代理店(媒介・取次業務を受託する側。乙)に有利にするための修正パターン。

B-1. 第2条(代理権の範囲)に限定的な契約締結権限を付与

修正後: 「乙は、甲があらかじめ承認した価格表及び取引条件の範囲内において、顧客との間で本商品に関する契約を甲に代わって締結する権限を有する。」

解説: 代理店に一定の裁量を認めることで商談を迅速化できる。委託者にとっては表見代理・無権代理のリスクが増すため、価格表・条件の範囲を明確に限定し、逸脱した場合の責任分担を別途定めることが望ましい。

B-2. 第6条(手数料)の発生タイミングを「契約成立時」に固定し、入金遅延の影響を遮断

修正後: 「手数料は、甲と顧客との間の契約が成立した時点で発生するものとし、その後の代金回収の遅延又は不能は、手数料請求権に影響を及ぼさない。」

解説: 代理店の成果(成約)に対する対価を確定的なものとする条項。委託者側は代金未回収リスクを自ら負担することになるため、代金回収体制や与信管理の強化とセットで検討する必要がある。

B-3. 第4条(非独占的取引)を修正し、テリトリー内の独占的地位を付与

修正後: 「甲は、本契約期間中、本テリトリー内において、乙以外の第三者に本業務を委託し、又は自ら本商品を直接販売してはならない。」

解説: 独占的代理店契約への転換。代理店にとっては投資回収の予見可能性が高まる一方、委託者にとっては販路が制約されるため、独占の対価としての最低取扱高条項(未達成の場合の独占解除等)とセットで交渉されることが一般的である。

B-4. 第9条(競合品取扱いの制限)の範囲を限定し、契約終了後の競業避止義務を否定

修正後: 「本条の制限は、本契約期間中に限り適用するものとし、本契約終了後、乙は何ら競業避止義務を負わない。」

解説: 契約終了後の職業選択の自由・営業の自由に配慮した規定。委託者側は退店後すぐに競合品を扱われることを懸念するが、期間・地域を限定しない包括的な競業避止義務は独占禁止法上の拘束条件付取引や優越的地位の濫用の問題を生じさせやすいため、代理店側からは合理的な範囲への限定が強く求められる。

B-5. 第15条(解除)に委託者からの理由なき解除の制限を追加

追加条文例: 「甲は、乙に本条各号の事由がない限り、本契約期間中に一方的に本契約を解除することができない。」

解説: 委託者側の恣意的な取引打切りから代理店を保護する条項。代理店が多額の設備投資や人員配置を行っている場合には特に重要な交渉ポイントとなる。

B-6. 第14条(中途解約)の予告期間を長期化し、代替収益確保の猶予を確保

修正後: 「甲は、乙に対し6か月前までに書面で通知することにより、本契約を中途解約することができる。」

解説: 代理店が委託契約の喪失に備えて代替の取引先を確保するための猶予期間を十分に確保する趣旨。委託者側の事業判断の機動性とのバランスが交渉の焦点となる。


第3部: 逐条解説(購入者向け)

第1条(目的及び契約の性質) 本契約が「媒介・取次型」であり、代理店が商品を買い取って再販する「販売店契約(買取型)」とは異なることを明示する条項。この区別を曖昧にすると、下請法・独占禁止法上の規律(再販売価格の拘束等)の適用関係や、契約不適合責任の所在について紛争を招きやすいため、実務上最も重要な確認事項の一つである。

第2条(代理権の範囲) 代理店に契約締結権限を認めるか否かは、本契約の実務上の核心にあたる。権限を認めない場合は民法上の「媒介」(委任・準委任類似の性質)にとどまり、権限を認める場合は「代理」(民法99条以下)の規律が適用され、無権代理・表見代理(民法109条、110条、112条)のリスクが生じる点に留意する必要がある。テンプレートでは原則権限なしとし、必要な範囲のみ書面で個別授権する設計としている。

第3条・第4条(テリトリー・非独占的取引) テリトリー制限と独占・非独占の別は、代理店の事業計画に直結する条項であり、交渉の初期段階で明確化すべき事項である。独占的地位を付与する場合、独占禁止法上の観点から、過度に長期又は広範な独占はセーフハーバーの範囲を超える可能性がある点に留意する必要がある。

第5条(乙の業務遂行義務) 代理店による誇大表示・虚偽説明は、景品表示法上の不当表示(優良誤認表示・有利誤認表示)や特定商取引法上の問題に発展するおそれがあり、委託者が最終的に顧客との関係で責任を問われる場合があるため、実務上の注意喚起として重要な条項である。

第6条・第7条(手数料及びその支払方法) 手数料の発生タイミング(契約成立時/入金時)は、委託者・代理店間で最も交渉になりやすい論点である。契約成立時とする場合は代理店に有利(回収リスクを負わない)、入金時とする場合は委託者に有利(未回収の手数料負担を避けられる)という構造を理解したうえで、両案を提示することが望ましい。

第8条(費用負担) 販売促進費用の負担者を明確にしないと、後日「見本品の提供費用は誰が負担するのか」等の細かい紛争を招きやすい。取引規模が大きい場合は、別紙で費用項目ごとの負担割合を定める方式も検討に値する。

第9条(競合品取扱いの制限) 競業避止義務の範囲・期間の設定には、独占禁止法上の拘束条件付取引(一般指定12項)や優越的地位の濫用の観点からの留意が必要である。契約終了後まで競業避止義務を及ぼす場合は、期間・地域・対象商品を合理的な範囲に限定することが望ましい。

第10条(顧客情報の取扱い及び帰属) 代理店契約終了後の顧客情報の帰属・利用制限は、実務上のトラブルが最も生じやすい論点の一つである。個人情報保護法上、代理店は委託者の「委託先」として個人情報を取り扱う場合が多く、委託者は法23条の委託先監督義務(改正後の条文番号に留意)を負う点にも注意が必要である。

第11条(知的財産権の使用許諾) 代理店による商標・商号の使用範囲を明確にしないと、契約終了後も代理店が委託者の商標等を使用し続け、需要者に誤認を生じさせる事例が想定される。契約終了時の看板撤去・広告物廃棄等の原状回復義務とあわせて規定することが望ましい。

第12条(契約不適合責任等) 2020年(令和2年)施行の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に整理された(民法562条から564条)。媒介・取次型の代理店契約では、本商品に関する契約不適合責任は委託者(甲)と顧客との間で処理されるのが原則であるが、代理店の誤った説明等に起因する紛争については代理店が責任を負う旨を明確にしておくことが望ましい。

第13条(報告及び調査) 委託者による調査権限は、代理店の営業活動の適正性を担保するための規定であるが、過度な干渉は代理店の独立した事業者としての地位と矛盾しうるため、行使の要件・範囲を合理的なものにとどめることが望ましい。

第14条(契約期間) 自動更新条項と中途解約条項を併存させる場合、両者の関係(中途解約権は自動更新後も存続するか等)を明確にしておく必要がある。予告期間の長短が委託者・代理店いずれに有利かは、第2部で述べたとおり立場により評価が分かれる。

第15条(解除) 無催告解除事由を列挙する形式が一般的である。競合品取扱い制限違反や顧客情報の目的外使用等、代理店契約に特有の解除事由を明記することで、委託者の解除権行使の予見可能性を高める効果がある。

第16条(反社会的勢力の排除) 現在の契約実務でほぼ必須の条項。表明保証違反時に無催告解除でき、かつ解除した側が損害賠償責任を負わない旨を定めるのが標準形である。

第17条(損害賠償) 賠償範囲・上限を定めない場合、無制限の損害賠償責任を負うリスクがあるため、取引規模に応じた上限額の設定を検討することが望ましい。2020年民法改正により法定利率が変動制(民法404条、当初年3%、3年ごとに見直し)となった点にも留意し、遅延損害金条項を設ける場合は法定利率の変動を前提とした規定ぶりとすることが望ましい。

第18条(秘密保持) 代理店契約では、顧客情報以外にも価格戦略・販売計画等の営業秘密が共有される場面が多いため、独立した秘密保持条項を設けることが一般的である。

第19条(権利義務の譲渡禁止) 代理店が事業譲渡やM&Aにより地位を第三者に移転する場合に備え、委託者の事前承諾を要件とする規定を置くのが標準的である。

第20条・第21条(契約終了後の措置・存続条項) 契約終了時点で進行中の商談・契約の引継ぎルールを定めておかないと、代理店の退店に伴い顧客対応が宙に浮くおそれがある。存続条項の列挙漏れがあると、終了後に必要な条項が無効と解釈されるリスクがあるため、契約全体を見直した際は本条の列挙内容も必ず更新する必要がある。

第22条・第23条(協議・合意管轄) 合意管轄は当事者の所在地により交渉になりやすい。代理店の営業拠点が複数県にまたがる場合は、委託者の本店所在地を管轄とするのが一般的な実務である。


第4部: 監修者への確認依頼事項

  1. 第2条の代理権不存在を原則とする設計について、業種によっては代理店に一定の契約締結権限を認める実務が一般的な場合があると考えられるため、業種別(保険代理店、旅行業代理店等の個別法規制がある業種を除く一般商事代理店を想定)にどの程度の設計が実務相場として妥当か確認いただきたい。
  2. 第6条の手数料発生タイミング(契約成立時/入金時)について、選択式で規定する設計のままとしてよいか、それとも購入者の混乱を避けるため契約成立時を原則としたうえで入金時条項を第2部のオプションとして格下げすべきか確認いただきたい。
  3. 第9条の競合品取扱い制限について、契約終了後の競業避止義務を設ける場合の合理的な期間・地域の範囲(独占禁止法上の拘束条件付取引に該当しない範囲)につき、直近の公正取引委員会のガイドライン・審決例に照らして最新の考え方を反映すべきか確認いただきたい。
  4. 第10条の顧客情報の帰属条項について、個人情報保護法上の委託先監督義務(法25条相当)との関係で、追加すべき文言があるか確認いただきたい。
  5. 第12条の契約不適合責任の所在について、代理店の説明義務違反と委託者の契約不適合責任が競合する場面(例: 代理店の誤説明により顧客が本商品の性能を誤信して契約した場合)の責任分担ルールをより具体的に条文化すべきか確認いただきたい。
  6. 第14条・第15条の中途解約予告期間及び解除事由について、代理店保護の観点から特定商取引法・下請法等の適用可能性がある取引類型(該当性は個別事案によるが)が含まれる場合に、追加の考慮事項があるか確認いただきたい。
  7. 第2部A-3の競合品取扱い制限違反時の違約金条項(手数料6か月分相当)について、金額水準が過大又は過小でないか、実務相場に照らして確認いただきたい。
  8. 独占的代理店契約(第2部B-3)に転換する場合、独占の対価としての最低取扱高条項のひな形を本テンプレートに追加すべきか、又は別商品として切り出すべきか方針を確認いただきたい。