セット内容

  • 電子帳簿保存法対応 書類保存規程 Word形式
  • 電子取引データの保存要件チェックリスト(検索性・真実性確保)
  • 保存対象書類の棚卸しシート

こんな場面で

請求書・領収書等の電子データ保存が義務化される中、社内の保存ルール・担当部署・保存期間を規程として整備したい場面。

特長

  • 電子取引データの保存要件(タイムスタンプ付与・検索機能確保等)に対応した条項構成
  • 紙保存からの移行時に必要な運用ルール変更点を整理
  • 電子契約運用規程(denshi-keiyaku-unyo-kitei)とあわせて文書管理体制を一体で整備可能
以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

電子帳簿保存法対応 書類保存規程(監修用ドラフト)

⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。

商品ID: denbaiho-taio-hozon-kitei / 価格: 3,480円 / 立場バージョン: 事業者 / 規程厳格度: 電子取引データ多量取扱企業向け厳格版・小規模事業者向け簡易版

本ドラフトは第2部で「電子取引データを多く扱う企業向け厳格版(検索要件のシステム対応前提)」と「小規模事業者向け簡易版(システム未導入前提の猶予的取扱い)」の差分を提示する構成とし、第1部には両者の中間的な標準構成をベース条文として掲載する。


第1部: 規程本文(標準構成)

書類保存規程

第1条(目的)

本規程は、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下「電子帳簿保存法」という。)その他関係法令の定めるところに従い、〇〇株式会社(以下「会社」という。)における国税関係帳簿、国税関係書類及び電子取引データの保存に関する取扱いを定め、適正な保存体制を確保することを目的とする。

第2条(定義)

本規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 (1)国税関係帳簿 仕訳帳、総勘定元帳その他の国税に関する法令の規定により備付け及び保存をしなければならないこととされている帳簿をいう。 (2)国税関係書類 棚卸表、貸借対照表、損益計算書、契約書、領収書、見積書、請求書その他の国税に関する法令の規定により保存をしなければならないこととされている書類をいう。 (3)電子取引 取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。)の授受を電磁的方式により行う取引をいう。 (4)電子取引データ 電子取引の取引情報に係る電磁的記録をいう。 (5)スキャナ保存 国税関係書類(決算関係書類を除く。)について、書面による保存に代えて、スキャナ等により電磁的記録に変換して保存することをいう。

第3条(適用範囲)

本規程は、会社の全ての部署における国税関係帳簿、国税関係書類及び電子取引データの作成、受領、保存及び廃棄に適用されるものと解される。

第4条(保存の原則)

  1. 会社は、国税関係帳簿及び国税関係書類について、法令に定める保存期間中、適正に保存しなければならない。
  2. 会社が電子取引により取引情報を授受した場合、当該電子取引データについては、書面に出力して保存することに代えて、電磁的記録のまま保存しなければならない。これは、令和3年度税制改正により電子取引データの書面保存が原則として認められないこととされたこと、及び令和5年度税制改正を経てなお維持されている取扱いを踏まえたものである。
  3. 前項の規定にかかわらず、国税関係帳簿及び国税関係書類(電子取引データを除く。)を紙面で作成又は受領した場合、当該書面を保存することにより保存義務を履行したものとすることができる。会社が任意にスキャナ保存を行う場合は、第8条の定めるところによる。

第5条(電子取引データの保存要件)

  1. 会社は、電子取引データを保存するに当たり、次の各号に掲げる要件を満たさなければならないものと解される。 (1)保存に使用するシステムの概要書(自社開発プログラムを使用する場合に限る。)を備え付けること (2)電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力できるようにしておくこと (3)次条に定める真実性の確保の措置を講じること (4)第7条に定める検索機能を確保すること
  2. 会社は、前項各号の要件を満たすことができない場合であっても、第11条に定める猶予的取扱いの要件を満たすときは、当該取扱いにより電子取引データを保存することができる。

第6条(真実性の確保の措置)

会社は、電子取引データについて、次の各号のいずれかの措置を講じることにより、その真実性を確保しなければならない。 (1)電子取引データの授受後、遅滞なく(当該授受からおおむね7営業日以内を目安とする。)タイムスタンプを付し、これを保存すること (2)電子取引データの授受から一定期間内(会社が定める事務処理サイクルの期間を含む。おおむね2か月と7営業日以内を目安とする。)にタイムスタンプを付すとともに、当該電子取引データの保存に関する事務の処理に係る規程を備え付けること (3)電子取引データの記録事項について、訂正又は削除を行った場合にその事実及び内容を確認することができるシステム又は訂正若しくは削除ができないシステムを使用して当該電子取引データの授受及び保存を行うこと (4)電子取引データの記録事項の訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、当該電子取引データの保存に併せて当該規程の備付けを行うこと

第7条(検索機能の確保)

  1. 会社は、電子取引データについて、次の各号に掲げる要件による検索ができるようにしておかなければならない。 (1)取引年月日、取引金額及び取引先を検索の条件として設定できること (2)日付又は金額に係る記録項目について、その範囲を指定して検索できること (3)2以上の任意の記録項目を組み合わせて検索できること
  2. 前項第2号及び第3号の要件については、税務職員による当該電子取引データのダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、これを不要とすることができるものと解される。
  3. 前項の規定にかかわらず、基準期間(電子取引データに係る事業年度の前々事業年度をいう。)の売上高が5,000万円以下である場合、又は電子取引データの出力書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力され、取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理されたものに限る。)の提示若しくは提出の求めに応じることができるようにしている場合には、税務職員による電子取引データのダウンロードの求めに応じることができるようにしていることを要件として、第1項の検索要件の全てを不要とすることができるものと解される。

第8条(国税関係書類のスキャナ保存)

  1. 会社が国税関係書類(決算関係書類を除く。)についてスキャナ保存を行う場合、書類の受領後、速やかに(おおむね7営業日以内を目安とする。)タイムスタンプを付す等、電子帳簿保存法及びその関係法令に定める要件を満たすものとする。
  2. スキャナ保存を行った書類の原本(紙)は、解像度・階調・大きさに関する情報の保存その他の要件を満たしたことを確認した上で、会社が別途定める期間の経過後に廃棄することができる。
  3. スキャナ保存に係る事務については、相互けん制(一人の担当者が受領から入力までの事務を単独で完結させない体制をいう。)、事務処理の定期的な検証及び再発防止策の社内規程等の整備を行うよう努めるものとする。

第9条(電子帳簿等保存)

会社が会計システム等を用いて国税関係帳簿を電磁的記録により作成する場合、当該電磁的記録の保存をもって当該帳簿の保存に代えることができる。この場合、優良な電子帳簿の要件(訂正削除履歴の確保、帳簿間の相互関連性の確保、検索機能の確保等)を満たすときは、過少申告加算税の軽減措置その他の優遇措置の適用を受けられる場合があるものと解される。

第9条の2(電子取引データの受領・作成に関する社内ルール)

  1. 従業員は、電子取引データを受領し、又は作成した場合、遅滞なく主管部署が指定する保存先に当該データを格納するものとする。
  2. 電子取引データの保存に当たり、ファイル名には、取引年月日、取引先名及び取引金額を含めることを原則とする(例:「20260415_株式会社〇〇_110000円」)。ただし、主管部署が別途定める規則的な命名方法による場合はこの限りでない。
  3. 従業員は、同一の取引について、電子取引データと書面の両方を受領した場合であっても、電子取引データについては第4条第2項の規定に従い電磁的記録のまま保存しなければならず、電子取引データのみを廃棄してはならない。

第9条の3(システム障害等が生じた場合の対応)

  1. 会社は、電子取引データの保存に使用するシステムに障害が生じ、通常の保存方法によることができない場合には、当該障害が復旧するまでの間、一時的に電子取引データを他の記録媒体に保存する等の代替措置を講じるものとする。
  2. 前項の代替措置を講じた場合、会社は、システムの復旧後、速やかに当該電子取引データを本来の保存方法に移行するものとする。

第10条(保存期間)

  1. 国税関係帳簿、国税関係書類及び電子取引データの保存期間は、各税目に関する法令の定めるところによるものとし、原則として、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間とする。ただし、欠損金の繰越控除の適用を受ける事業年度に関しては、10年間の保存を要する場合があるものと解される。
  2. 会社は、前項の保存期間を経過した国税関係帳簿、国税関係書類及び電子取引データについて、情報管理規程その他会社が定める文書管理に関する規程に従い、適切に廃棄するものとする。

第11条(相当の理由による猶予的取扱い)

  1. 会社がシステム対応その他の準備が整わないこと等につき相当の理由があると認められる場合には、税務署長が当該事情を認めるときに限り、次の各号を条件として、第5条から第7条までに定める要件によらずに電子取引データを保存することができるものと解される。 (1)電子取引データにつき、その電磁的記録を単に保存すること (2)税務職員による電子取引データのダウンロードの求め及び当該電子取引データの出力書面の提示又は提出の求めに、いずれも応じることができるようにしておくこと
  2. 前項の「相当の理由」に該当するか否かは、システム及び社内の体制の整備が間に合わないことについて、事業者の規模、取引の量等の事情に照らして判断されるものと解される。会社は、当該猶予的取扱いによることが直ちに保存義務の不履行を意味するものではないと考えられるものの、恒常的にシステム未対応の状態を継続することは想定された取扱いではないと解されるため、計画的なシステム導入等の対応を進めるものとする。

第12条(管理体制)

  1. 会社は、経理部門を国税関係帳簿書類及び電子取引データの保存に関する主管部署とし、社内における取扱いの周知及び運用状況の確認を行わせる。
  2. 各部署は、電子取引データを授受した場合、主管部署が指定する保存方法(共有サーバ、クラウドストレージ、会計システム等)に従い、遅滞なく当該データを保存するものとする。
  3. 主管部署は、電子取引データの保存状況について、定期的に確認を行い、不備が認められた場合には速やかに是正措置を講じるものとする。

第13条(従業員の責務)

従業員は、業務上取り扱う国税関係書類及び電子取引データについて、本規程に定める保存方法に従い、適正に保存しなければならない。従業員が電子取引データを受領した場合、これを紙に出力の上、電子データを削除する取扱いをしてはならない。

第14条(教育及び周知)

会社は、本規程の内容について、経理担当者及び電子取引データを取り扱う可能性のある従業員に対し、定期的な研修その他の方法により周知するよう努めるものとする。

第15条(規程の改廃)

本規程の改廃は、取締役会又は会社が定める機関の決議による。

第16条(施行期日)

本規程は、〇〇〇〇年〇〇月〇〇日から施行する。

以上


第2部: バージョン差分

本商品は、電子取引データの取扱量・システム対応状況に応じて「電子取引データ多量取扱企業向け厳格版」と「小規模事業者向け簡易版」の2バリエーションを想定する。第1部は両者の中間的な標準構成であり、以下は各バージョンへ調整する際の差分(代替条文)である。

A. 電子取引データを多く扱う企業向け厳格版への変更

会計システム・文書管理システムの導入が進み、検索要件をシステム上で確保できる企業を想定した加重修正。

A-1. 第5条(電子取引データの保存要件)にシステム要件の詳細を追加

追加条文例: 「会社は、電子取引データの保存に当たり、文書管理システムその他の電子計算機処理システムを用いて、取引年月日、取引金額、取引先名称及び任意のキーワードによる全文検索を可能とする環境を整備するものとする。」

解説: 検索要件をシステムで機械的に満たせる体制がある企業では、猶予的取扱い(第11条)や小規模事業者向けの検索要件緩和(第7条第3項)に依拠せず、正面から検索要件を満たす運用を明記することが望ましいと考えられる。

A-2. 第6条(真実性の確保の措置)をシステムによる訂正削除履歴確保方式に統一

修正後: 「会社は、電子取引データの記録事項について訂正又は削除を行った場合にその事実及び内容を自動的に確認することができる機能を有するシステムを用いて、電子取引データの授受及び保存を行うものとする。タイムスタンプの付与による方式及び事務処理規程による方式は、前段のシステムを使用できない例外的な場合に限り採用することができる。」

解説: システム的な統制(訂正削除履歴の自動記録)は、事務処理規程による人的統制よりも証跡の客観性が高く、税務調査対応の観点からも望ましいとされる。取扱件数が多い企業では、担当者ごとの運用ばらつきを避けるため、システム方式に統一することが合理的と考えられる。

A-3. 第8条(スキャナ保存)にAI-OCR等の自動処理に関する規定を追加

追加条文例: 「会社は、スキャナ保存に係る事務の効率化のため、AI-OCR等による自動読み取り機能を備えたシステムを利用することができる。この場合であっても、解像度、階調、大きさ及びタイムスタンプの付与その他の法定要件を満たすことを、主管部署が定期的に検証するものとする。」

解説: 取扱件数が多い企業では、手作業でのタイムスタンプ付与や検証は現実的でないため、システムによる自動処理を前提とした規程整備が実務上重要になると考えられる。

A-4. 第12条(管理体制)に内部監査の実施を追加

追加条文例: 「会社は、国税関係帳簿書類及び電子取引データの保存状況について、内部監査部門による監査を年1回以上実施し、その結果を代表者に報告するものとする。」

解説: 電子取引データの量が多い企業では、不備の発見が遅れると影響範囲も大きくなるため、独立した監査機能によるチェック体制を組み込むことが望ましいと考えられる。

A-5. 第11条(猶予的取扱い)の適用除外を明記

追加条文例: 「本条に定める猶予的取扱いは、会社がシステム対応を完了した業務領域については適用しないものとする。会社は、システム対応が完了した範囲を主管部署が管理し、当該範囲について第5条から第7条までの要件を満たす保存を行うものとする。」

解説: システム対応が進んでいるにもかかわらず、猶予的取扱いに安易に依拠し続けることは、相当の理由の該当性判断において不利に働く可能性があると考えられるため、対応完了範囲を明確に切り分ける規定を設けることが望ましい。

A-6. 第9条の2(電子取引データの受領・作成に関する社内ルール)にAPI連携の活用を追加

追加条文例: 「会社は、取引先とのシステム連携(API連携、EDI等)により電子取引データを自動的に取り込み、保存する仕組みを導入することができる。この場合であっても、取り込まれたデータについて第6条及び第7条の要件を満たすことを、主管部署が定期的に検証するものとする。」

解説: 取扱件数が多い企業では、手動でのファイル保存作業自体がボトルネックとなりやすいため、システム間連携による自動取込みを前提とした規程整備が有用と考えられる。自動取込みであっても法定要件の充足検証を省略できるわけではない点に留意が必要である。

B. 小規模事業者向け簡易版への変更

会計システムの本格導入が困難な小規模事業者を想定し、可視性確保措置及び猶予的取扱いを前提とした簡略構成に調整する。

B-1. 第5条(電子取引データの保存要件)を簡易な可視性確保措置に縮小

修正後: 「会社は、電子取引データを、取引先名又は取引年月日ごとにフォルダを分けて整理保存する、又はファイル名に規則性を持たせて命名する等の方法により、可視性を確保した状態で保存するものとする。検索機能を備えたシステムの導入までの間は、次条に定める猶予的取扱いによるものとする。」

解説: 高機能な文書管理システムを導入せずとも、フォルダ分類やファイル名の規則的な命名(例:「20260415_株式会社〇〇_請求書」等)により、最低限の検索性を確保することは可能であり、中小事業者にとって現実的な出発点になり得ると考えられる。

B-2. 第7条第3項(検索要件の不要化)を原則的な取扱いとして前面に記載

修正後: 「会社は、基準期間の売上高が5,000万円以下であることを踏まえ、電子取引データの出力書面を取引年月日及び取引先ごとに整理して提示又は提出できるようにしておくとともに、税務職員による電子取引データのダウンロードの求めに応じることができるようにしておくことをもって、検索要件を満たしたものとして取り扱うものとする。」

解説: 小規模事業者では、検索要件そのものを免除される基準(基準期間の売上高5,000万円以下、又は出力書面の提示・提出への対応)に該当する例が多いと考えられるため、この取扱いを規程上も原則的な運用として明記することで、過剰なシステム投資を避けつつ法令上の要件を満たすことができると考えられる。

B-3. 第11条(猶予的取扱い)を当面の標準運用として明記

修正後: 「会社は、電子取引データの保存に関するシステム及び体制の整備が令和6年1月1日時点で猶予的取扱いの対象となる事情に該当していたことを踏まえ、システム導入が完了するまでの当面の間、次の措置を講じることを条件として、電子取引データの電磁的記録をそのまま保存する取扱いとする。 (1)電子取引データを、授受のつど、指定するフォルダに保存すること (2)税務職員による電子取引データのダウンロードの求め及び当該電子取引データの出力書面の提示又は提出の求めに応じることができるようにしておくこと 会社は、上記の取扱いを漫然と継続することは想定されていないと解されることを踏まえ、システム導入の検討を継続的に行うものとする。」

解説: 令和5年度税制改正により、令和6年1月1日以後の電子取引データについては、いわゆる宥恕措置(令和3年度改正時に設けられた経過措置で令和5年12月31日をもって終了)に代わり、「相当の理由」があると認められる場合の恒久的な猶予措置が整備された。小規模事業者にとっては、この猶予措置を当面の運用の中心に据えつつ、将来的なシステム導入を前提とした規程とすることが現実的であると考えられる。

B-4. 第8条(スキャナ保存)を任意条項化し、書面保存の継続を許容

修正後: 「会社は、国税関係書類(電子取引データを除く。)について、スキャナ保存を行わず、引き続き書面により保存することができる。スキャナ保存を行う場合の要件は第1部第8条の定めるところによる。」

解説: スキャナ保存はあくまで任意の制度であり、書面で受領した書類を書面のまま保存することは従来どおり認められるため、システム対応の負担が大きい小規模事業者では、まず電子取引データの保存義務への対応を優先し、スキャナ保存は将来的な検討課題とする整理が現実的と考えられる。

B-5. 第14条(教育及び周知)を簡易な確認事項の伝達に縮小

修正後: 「会社は、電子取引データを受領した場合に書面出力の上で電子データを削除してはならないことを、経理担当者及び関係する従業員に対し、朝礼、社内連絡その他の簡便な方法により伝達するものとする。」

解説: 大規模な研修体制を組むことが難しい小規模事業者では、最も陥りやすい誤り(紙保存への回帰、電子データの削除)を確実に周知することを優先する簡易な条項とすることが実務上有用であると考えられる。

B-6. 第9条の3(システム障害等が生じた場合の対応)を紙原本の一時的な代替保存に限定

修正後: 「会社は、電子取引データの保存に用いる機器又はサービスに不具合が生じた場合、当該電子取引データについて、事後的に電磁的記録として復元又は再取得できることを確認できる限度で、一時的に出力書面を保管することができる。会社は、復元又は再取得が可能となった時点で、速やかに当該電子取引データを保存するものとする。」

解説: システム未導入の小規模事業者では、障害発生時の代替手段も限られるため、まず取引先への電子取引データの再送依頼等により電磁的記録を確保することを原則としつつ、それが直ちに困難な場合の暫定的な対応を明記しておくことが実務上安心材料になると考えられる。


第3部: 逐条解説(購入者向け)

第1条・第2条(目的・定義) 電子帳簿保存法は、国税関係帳簿書類の保存方法について、(1)電子帳簿等保存、(2)スキャナ保存、(3)電子取引データ保存の3つの制度から構成される。このうち電子取引データ保存については、令和3年度税制改正により令和4年1月1日以後、電子取引データを書面に出力して保存する代替措置が原則として認められないこととされた点が最も重要な変更点である。用語の定義を正確に規程に落とし込むことで、従業員が「何を電子取引データとして扱うべきか」を判断しやすくなると考えられる。

第4条(保存の原則) 書面で受領した書類は引き続き書面保存が可能である一方、メール添付やクラウドサービス経由で授受した請求書・領収書等(電子取引データ)は、紙に出力しての保存に代えることができない点が実務上の最大の分岐点である。この区別を誤ると、電子取引データを紙で保存し電子データを削除するという、電子帳簿保存法上問題となり得る運用に陥りやすいため、購入者には特に注意を促すべき箇所である。

第5条〜第7条(電子取引データの保存要件・真実性の確保・検索機能) 真実性の確保の4つの方式(タイムスタンプ付与、事務処理規程の整備等)のうち、中小事業者では、システム投資を要しない「事務処理規程の整備」(第6条第4号)を採用する例が多いとされる。国税庁が公表している事務処理規程のひな形を活用し、自社の実態に即して整備することが一般的な実務対応と考えられる。検索要件については、基準期間の売上高が5,000万円以下の事業者、又はダウンロードの求めに応じられる体制がある事業者は、検索要件そのものが不要となる取扱い(第7条第3項)が令和5年度税制改正で明確化された点が重要である。

第8条(国税関係書類のスキャナ保存) スキャナ保存はあくまで任意の制度であり、実施しなくても紙保存を継続すれば足りる。もっとも、紙の保管コスト削減やテレワーク対応の観点から導入を検討する事業者も増加傾向にあるとされる。相互けん制、定期検証等の適正事務処理要件は、令和3年度税制改正により事前承認制度の廃止と引き換えに重視されるようになった点に留意が必要である。

第9条(電子帳簿等保存) 優良な電子帳簿の要件を満たす場合の過少申告加算税の軽減措置(5%軽減)は、任意の選択制度である。中小事業者にとって、要件充足のハードルとインセンティブを比較衡量した上で対応の要否を検討すべき論点であり、必須の対応ではない点を購入者に伝えることが望ましい。

第9条の2(電子取引データの受領・作成に関する社内ルール) 検索要件(第7条)を実質的に満たすためには、保存段階でのファイル名の規則的な命名やフォルダ分類が実務上の出発点になることが多いと考えられる。特に、同一取引について書面と電子取引データの双方を受領した場合に、電子取引データのみを削除してしまう誤りは実務上最も生じやすい失敗例とされ、本条第3項はこの点への注意喚起を明文化したものである。

第9条の3(システム障害等が生じた場合の対応) 電子取引データの保存義務は、システム障害等の不可抗力的事情によって直ちに免除されるものではないと解されるため、代替的な保存手段を確保しておくことが望ましい。もっとも、真にやむを得ない事情により一時的に要件を満たせない期間が生じた場合の取扱いについては、事案ごとの個別判断になり得ると考えられ、社内規程上は復旧後の是正手順を明確にしておくことが実務上の対応として重要である。

第10条(保存期間) 国税関係帳簿書類及び電子取引データの保存期間は原則7年(欠損金の繰越控除を受ける事業年度は最大10年)であり、この点は電子帳簿保存法の改正によって変更されていない。電子データの保存期間管理は、書面と異なり物理的な劣化リスクがない反面、ストレージの管理体制やアクセス権限の継続的な維持が課題になりやすい。

第11条(相当の理由による猶予的取扱い) 令和3年度税制改正で導入された宥恕措置(令和4年1月1日から令和5年12月31日までの経過措置)は期限到来により終了し、令和6年1月1日以後は、恒久的な制度として「相当の理由」による猶予措置に切り替わった。宥恕措置と異なり、猶予措置の適用に事前の手続(届出等)は不要とされているが、税務調査等の際にダウンロードの求め及び出力書面の提示・提出の求めに応じられる状態を維持することが条件となる。「相当の理由」の該当性は個別事情によるため、恒久的に猶予措置に依拠し続けることを前提とした事業計画は避け、システム導入を段階的に進める姿勢を規程上も示しておくことが望ましいと考えられる。

第12条〜第14条(管理体制・従業員の責務・教育及び周知) 制度対応は経理部門のみで完結するものではなく、日々電子取引データを受領する営業部門・購買部門等の従業員の理解と協力が不可欠である。特に、電子取引データを受領後に書面へ出力し電子データを削除する運用は、保存義務違反に該当するおそれがあるため、全社的な周知が重要となる。

第15条・第16条(改廃・施行期日) 規程の一般条項。経理規程・文書管理規程等の既存の社内規程との整合性を確認し、重複や矛盾がないよう調整することが望ましい。


第4部: 監修者への確認依頼事項

  1. 第6条の真実性の確保の措置に関するタイムスタンプ付与の目安期間(「おおむね7営業日以内」「おおむね2か月と7営業日以内」)について、現行の国税関係書類の電磁的記録等の保存等に関する取扱通達等の文言と齟齬がないか確認いただきたい。
  2. 第7条第3項の検索要件不要化の基準(基準期間の売上高5,000万円以下等)について、本ドラフト作成時点で最新の金額基準・要件から変更がないか確認いただきたい。
  3. 第11条の「相当の理由」による猶予的取扱いの記述について、令和6年1月1日以後の恒久措置としての性質の説明が、国税庁の一問一答(電子取引関係)の内容と整合しているか確認いただきたい。
  4. 第2部Bの小規模事業者向け簡易版について、猶予的取扱いを「当面の標準運用」と位置づける記載が、当該取扱いが本来的には経過的・個別事情に応じた措置であることとの整合性の観点から、表現として適切か確認いただきたい。
  5. 第9条の優良な電子帳簿の要件及び過少申告加算税の軽減措置について、任意選択制度である旨の説明が正確か、また要件の概要を第3部にどこまで詳述すべきか確認いただきたい。
  6. 第8条のスキャナ保存に関する相互けん制要件について、小規模事業者(少人数で経理を担当する場合)における代替的な運用例(例: 事後的な定期検証のみで足りるとする整理)の当否を確認いただきたい。
  7. 電子契約運用規程(denshi-keiyaku-unyo-kitei)との重複範囲(電子契約データも電子取引データに該当し得る)について、両規程の適用関係を整理する文言を追加すべきか確認いただきたい。
  8. インボイス制度(適格請求書等保存方式)との関係で、電子インボイスの保存要件について本規程に条項を追加する必要があるか、それとも別商品として切り出す方が適切か確認いただきたい。