説明を受けた内容に同意する意思を記録する汎用書式です。同意の対象、撤回の可否と方法、保護者同意欄の設け方を示します。社内の承認手続と証跡管理にもそのまま活用できます。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
同意書(一般用)
第1部: 書式本文
同意書は、説明を受けた者が特定の事項について自らの意思で同意したことを記録する書面である。個人情報の取得・提供、医療的処置以外の一般的な業務・イベント等の場面を想定した汎用様式は以下のとおりである。
同 意 書
作成日:【20XX年XX月XX日】
同意を求める者(説明者)
名称・氏名:【 】
住所・所在地:【 】
同意する者
氏名:【 】
住所:【 】
生年月日:【 年 月 日】
第1条(同意の対象)
同意する者は、下記の事項について説明を受けたことを確認し、これに同意する。
1. 同意の目的:【例:イベント参加、写真・映像の利用、個人情報の第三者提供等】
2. 対象となる情報・行為の具体的内容:【 】
3. 利用目的・利用範囲:【 】
4. 利用期間・保存期間:【 】
第2条(説明を受けた旨の確認)
同意する者は、同意を求める者から第1条記載の事項について、書面または口頭により
具体的な説明を受け、疑問点について質問し回答を得たことを確認する。
第3条(同意の任意性)
本同意は同意する者の自由意思に基づくものであり、同意しないことにより不利益な
取扱いを受けないものとする。ただし、【本同意が手続の前提条件となる場合はその旨
を明記】。
第4条(同意の撤回)
同意する者は、いつでも下記連絡先に申し出ることにより、本同意を将来に向かって
撤回することができる。ただし、撤回時点までに行われた行為の効力には影響しない。
撤回先:【部署名・担当者・連絡先】
第5条(未成年者等の法定代理人同意)
同意する者が未成年者その他の制限行為能力者である場合、その法定代理人が本書面
末尾の「法定代理人同意欄」に記名押印することにより、本同意を補充する。
以上、上記内容を確認のうえ同意します。
同意する者 署名:【 】
法定代理人同意欄(該当する場合)
氏名:【 】 続柄:【 】 署名:【 】
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節: 同意する者の立場からの修正パターン
同意する者は、同意の範囲を限定し、後日の不利益を回避する方向で修正する。
- 第1条3項の利用目的・利用範囲について、「本同意は上記目的の範囲に限定され、これを超える利用・提供には別途同意を要する」との限定文言を加える。目的外利用を防ぐ実効性のある歯止めとなる。
- 第4条の撤回条項について、「撤回の申出は書面または電子メールにより行い、同意を求める者は申出受領後【7日】以内に撤回完了の通知を行う」と具体化し、撤回手続の実効性を高める。
- 同意書に有効期間を設け、「本同意の有効期間は同意日から【 】年間とし、期間経過後は改めて同意を要する」との条項を追加する。
B節: 同意を求める者の立場からの修正パターン
同意を求める者は、説明義務の履行を記録し、同意の有効性を担保する方向で修正する。
- 第2条の説明確認欄に、説明資料の名称・交付日を記載する欄を追加し、「別紙【説明資料名】を交付し、これに基づき説明した」旨を明記して、説明義務履行の証跡を残す。
- 同意対象が複数の目的にまたがる場合、目的ごとに個別のチェックボックスを設け、「目的A: 同意する/同意しない」の形式にすることで、包括同意ではなく個別同意の取得を担保する。
- 未成年者から同意を取得する場面が多い事業では、第5条の法定代理人同意欄を必須項目とし、法定代理人の本人確認書類の写しを添付する運用を明記する。
- 継続的な取引関係の中で同意を反復取得する場合、「同意を求める者は、利用目的・範囲に重要な変更が生じた場合、変更内容を通知し改めて同意を取得する」との条項を追加し、当初同意の射程を超える利用を未然に防ぐ体制を整える。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
使う場面と使ってはいけない場面 同意書は、個人情報の取得・第三者提供、写真・映像の利用、イベントへの参加、業務上の一定の措置の受け入れ等、相手方の意思確認を書面化する必要がある場面全般に利用できる。他方、法令が特別な様式・手続を定めている同意(医療における説明と同意、特定の契約における法定書面交付義務等)については、当該法令の要件を優先して満たす必要があり、本汎用様式のみで代替することは適切でない。
根拠法令の解説 未成年者が法律行為をするには、法定代理人の同意を得なければならず、これを得ないでした法律行為は取り消すことができる(民法5条1項・2項)。したがって、未成年者本人の同意のみを取得しても、法定代理人の同意がなければ後日取り消される可能性がある。個人情報の取得に関しては、個人情報保護法18条により、個人情報を取得した場合はあらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかにその利用目的を本人に通知または公表しなければならず、第三者提供については同法27条により、原則として本人の同意を得ることが必要とされる。また、同意の意思表示に錯誤があった場合(民法95条)や、詐欺・強迫による場合(民法96条)は、意思表示を取り消すことができるため、説明が不十分なまま取得した同意は事後的に効力を争われるリスクがある。個別の同意取得手続が該当分野の法令(業法等)の要件を満たすかどうかは、専門家に確認することが望ましい。
よくある失敗と条項上の対策 第一に、「本サービスに関する一切の事項に同意する」といった包括的すぎる同意条項は、同意の対象が特定されておらず、有効性が争われるリスクがある。第1条のように目的・内容・範囲を具体的に列挙することが対策となる。第二に、同意しなければサービスを利用できない等の事実上の強制状態で取得した同意は、任意性を欠くとして瑕疵が問題となり得る。第3条のように任意性を明記し、不同意による不利益取扱いの有無を正直に記載することが望ましい。第三に、撤回手続を定めないまま同意書を運用し、撤回の申出があっても対応窓口が不明確なケースが多い。第4条のように撤回先と手続を明記することで防止できる。第四に、未成年者からの同意取得において法定代理人同意欄を欠落させ、後日取消しの主張を受けるケースがあるため、対象者の年齢確認と法定代理人同意欄の運用を徹底すべきである。第五に、当初同意を取得した後、事業内容の変更等により利用目的が拡張されたにもかかわらず、改めて同意を取得しないまま新たな目的で情報を利用してしまう例がある。利用目的の重要な変更時には再同意を取得する運用をあらかじめ組み込んでおくことが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- 同意の対象・目的が具体的に特定されているか(包括的すぎる記載になっていないか)
- 説明を受けた旨を確認する欄が設けられているか
- 説明資料がある場合、その名称・交付日が記録されているか
- 同意の任意性(不同意による不利益取扱いの有無)が明記されているか
- 同意の撤回方法・撤回先・撤回の効果(将来効か遡及効か)が明記されているか
- 利用目的・利用範囲・保存期間が具体的に記載されているか
- 同意する者が未成年者・制限行為能力者に該当する場合、法定代理人同意欄が設けられているか
- 法定代理人の本人確認方法が定められているか
- 同意書の有効期間が明記されているか
- 個人情報を含む場合、個人情報保護法上の利用目的通知・第三者提供同意の要件を満たしているか
- 同意書の保管期間・保管方法(原本・電子データ)が決まっているか
- 目的が複数にまたがる場合、目的ごとの個別同意欄になっているか
- 利用目的に重要な変更が生じた場合の再同意取得の手順が定められているか
- 同意する者の年齢・判断能力に応じた説明方法(平易な言葉での説明等)が工夫されているか