自社商標に類似するドメイン名の不正取得や使用について、不正競争防止法第2条第1項第19号により移転や使用中止を求める書面です。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
ドメイン名不正使用警告書
第1部: 書式本文
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表題 「ドメイン名不正使用警告書」
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作成年月日 【発送年月日】
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宛先(ドメイン保有者) 〒【郵便番号】【住所又は登録先住所】 【ドメイン保有者の氏名又は名称】殿 (whois情報上の連絡先がある場合はその旨併記)
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差出人(商標権者) 〒【郵便番号】【住所】 【商標権者の氏名又は名称】 (代理人がいる場合)代理人【氏名】
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前文 「貴殿が保有する下記ドメイン名は、当社の登録商標と類似し、不正競争防止法第2条第1項第19号に規定するドメイン名の不正取得等の行為に該当すると考えられます。本書をもって、下記のとおり警告いたします。」
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商標権の特定 「当社は、下記商標(以下『本件商標』)について商標権を有しています。 登録番号:【第〇〇〇〇〇〇〇号】 登録商標:【商標】 指定商品・役務:【区分・内容】 登録年月日:【西暦年月日】」
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対象ドメイン名の特定 「貴殿は、【西暦年月日】に『【対象ドメイン名】』(以下『対象ドメイン名』)を取得し、現在に至るまで保有しています。対象ドメイン名は本件商標と【同一/類似】の文字列から構成されています。」
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図利加害目的の指摘 「対象ドメイン名のウェブサイトでは【転売の申出・コンテンツの不掲載・当社商品と誤認させる表示等、具体的事実】が確認されており、貴殿には自己若しくは他人に不正の利益を得させ、又は当社に損害を加える目的(図利加害目的)があるものと考えられます。これは不正競争防止法第2条第1項第19号に規定するドメイン名の不正取得又は保有・使用行為に該当します。」
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商標法上の関係への言及 「対象ドメイン名を使用した行為が本件商標の指定商品・役務に関する商標的使用に該当する場合、商標法第37条の間接侵害を含む商標権侵害にも該当し得ることを申し添えます。」
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請求事項 「貴殿におかれては、下記いずれかの対応をされたく請求いたします。 ①対象ドメイン名の当社への移転 ②対象ドメイン名の登録抹消 ③対象ドメイン名を使用したウェブサイトの運用中止」
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裁判外紛争解決手続(ADR)への言及 「本書到達後【14日以内】に誠実な対応がない場合、当社は日本知的財産仲裁センターにおけるJPドメイン名紛争処理方針(JP-DRP)又は該当する場合は統一ドメイン名紛争処理方針(UDRP)に基づく裁判外紛争解決手続の申立てを検討いたします。」
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訴訟提起の予告 「ADRによる解決に至らない場合、又は緊急性が認められる場合には、当社は不正競争防止法第3条に基づく使用差止請求及び同法第4条に基づく損害賠償請求訴訟の提起を検討いたします。」
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回答期限 「本書到達後【14日以内】に、上記請求への諾否を書面又は電子メールにて回答されたく申し入れます。」
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末尾文言 「以上、警告いたします。」
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差出人署名・押印欄 【氏名】㊞
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 商標権者側の書き換え例
「対象ドメイン名のウェブサイトには、当社商標を含む広告リンク集が掲載され、第三者からの広告収入を得ている実態が確認されています。」
一言解説: 図利加害目的を基礎づける典型例(いわゆるタイプスクワッティングによる広告収入取得)を具体的事実として記載すると、ADR申立て時の主張立証に活用できる。
「貴殿から過去に当社へ対象ドメイン名の高額買取りを持ちかける連絡があった事実(【日時・内容】)を申し添えます。」
一言解説: 高額での買取要求はサイバースクワッティング事案における図利目的の典型的な間接事実であり、時系列で記録しておくことが重要である。
B. ドメイン保有者側の回答書き換え例
「対象ドメイン名は、当社の正式な事業名称『【名称】』の略称に由来するものであり、貴社商標を認識した上での取得ではありません。」
一言解説: 図利加害目的の不存在を主張する場合、ドメイン名取得の独自の由来・経緯を具体的に説明することが有効な防御方法となる。
「対象ドメイン名は【西暦年月日】から実際の事業活動に使用しており、貴社商標の指定商品・役務と異なる分野での使用にとどまります。」
一言解説: 現実の使用実態と商標の指定商品・役務との相違を示すことで、商標的使用や図利加害目的の該当性を争う材料となる。
第3部: 書き方と法的ポイントの解説
使う場面・使ってはいけない場面の解説 本書式は、自社の登録商標と同一又は類似する文字列から成るドメイン名が第三者により取得・保有され、転売目的の保有(サイバースクワッティング)や誤認混同を招く使用が疑われる場合に用いる。他方、ドメイン保有者が正当な事業上の理由により先に当該名称を使用していた場合(先使用の抗弁が成立し得る場合)や、商標の指定商品・役務と全く異なる分野での使用にとどまり図利加害目的が認め難い場合には、警告の前に事実関係を十分に精査する必要がある。
根拠法令の解説 中心となる根拠は不正競争防止法第2条第1項第19号(ドメイン名の不正取得等)であり、図利加害目的の要件を充足することが必要である。対象ドメイン名の使用態様によっては商標法第37条(間接侵害を含む商標権侵害行為の擬制)も問題となり得る。裁判外紛争解決手続としては、日本知的財産仲裁センターが運営するJPドメイン名紛争処理方針(JP-DRP、jpドメインが対象)や、国際的な統一ドメイン名紛争処理方針(UDRP、gTLDが対象)があり、警告書送付後は「警告→ADR申立て→訴訟提起」の順に対応を検討するのが実務上一般的な選択肢である。
実務でよくある失敗と条項上の対策 第一に、図利加害目的を裏付ける具体的事実(転売の申出、広告収入の取得、誤認混同を招く表示等)を示さないまま抽象的に不正取得を主張し、ドメイン保有者から正当な由来の反論を招くケースがある。対策として、対象ドメイン名の使用実態に関する具体的事実を時系列で記載する。第二に、JPドメイン名紛争処理方針とUDRPの対象範囲(jpドメインかgTLDか)を誤って選択し、ADR申立てが受理されないケースがある。対策として、対象ドメイン名のトップレベルドメインを確認し、適用される紛争処理方針を事前に特定する。第三に、商標権の指定商品・役務とドメイン名の使用実態との関連性を検討せずに商標法上の侵害を主張し、的外れな指摘となるケースがある。対策として、商標的使用の該当性を個別に検討し、商標法と不正競争防止法のいずれの構成で主張するかを整理する。なお、個別のドメイン名取得・使用行為が不正競争行為に該当するか否かの判断は、取得経緯や使用実態により異なるため、送付前に弁護士等の専門家に確認することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 自社商標の登録番号・指定商品役務・登録日を確認したか
- [ ] 対象ドメイン名と商標との同一性・類似性を文字列レベルで検討したか
- [ ] 対象ドメイン名のトップレベルドメイン(jp/gTLD等)を確認したか
- [ ] whois情報等によりドメイン保有者の連絡先を調査したか
- [ ] 図利加害目的を基礎づける具体的事実(転売打診・広告収入・誤認混同表示等)を収集したか
- [ ] 商標的使用に該当するか、商標法第37条の間接侵害の該当性を検討したか
- [ ] JP-DRPとUDRPのいずれが適用されるか整理したか
- [ ] 日本知的財産仲裁センターへの申立て要件・費用を確認したか
- [ ] 請求事項(移転・抹消・使用中止)の優先順位を決めたか
- [ ] 証拠(ウェブサイトのスクリーンショット・whois履歴等)を保全済みか
- [ ] 回答期限及びADR・訴訟提起の見通しを整理したか
- [ ] 個別事案について専門家への確認を予定しているか