同窓会の目的、会員資格、会費、役員、総会の運営を定める会則です。名簿の作成と個人情報の管理方針もあわせて規定します。必要事項を埋めるだけで短時間に整えられる書式です。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
同窓会会則
第1部: 書式本文
【〇〇高等学校】同窓会(以下「本会」という。)は、本会の目的、会員資格及び運営に関する事項を定めるため、次のとおり会則(以下「本会則」という。)を定める。
第1条(名称) 本会は「〇〇高等学校同窓会」と称する。
第2条(事務所) 本会は、事務所を【〇〇県〇〇市〇〇】に置く。
第3条(目的) 本会は、会員相互の親睦を図るとともに、母校の発展に寄与することを目的とする。
第4条(事業) 本会は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。 1. 会員名簿の作成及び管理 2. 総会、懇親会その他会員相互の交流を目的とする行事の開催 3. 母校に対する支援活動 4. その他理事会が必要と認める事業
第5条(会員資格) 1. 本会の会員は、〇〇高等学校を卒業した者及び本会の趣旨に賛同して入会した本校教職員経験者とする。 2. 卒業をもって当然に会員となるものとし、別途の入会手続を要しない。ただし、会員名簿への掲載又は会費納入の要否については第8条による。
第6条(会費) 1. 会員は、年会費【〇〇〇〇円】又は終身会費【〇〇〇〇円】を納入する。 2. 会費を【3年】以上滞納した会員は、役員会の決議により休会会員として取り扱うことができる。 3. 休会会員は、会費を追納することにより会員としての権利を回復することができる。
第7条(役員) 1. 本会に、会長1名、副会長【若干名】、理事【若干名】、幹事【若干名】及び監事【2名】を置く。 2. 役員は、総会において会員の中から選出する。 3. 役員の任期は【2年】とし、再任を妨げない。ただし、会長の連続再任は【2期】までとする。
第8条(会員名簿) 1. 本会は、会員相互の連絡及び本会の運営のため、会員の氏名、卒業年次、連絡先その他必要な範囲の個人情報を記載した名簿を作成する。 2. 名簿への掲載を希望しない会員は、事務局に届け出ることにより、掲載項目の全部又は一部の削除を求めることができる。 3. 名簿を同窓会活動以外の目的で第三者(名簿業者、同窓会関連事業者等を含む。)に提供する場合は、あらかじめ提供先及び提供する項目を明示したうえで、対象となる会員の同意を得るものとする。
第9条(総会) 1. 本会は、年1回、通常総会を開催する。 2. 総会は、本会の意思決定機関とし、予算及び決算の承認、役員の選任、会則の改正その他の重要事項を決議する。 3. 総会の議決は、出席会員(委任状による出席を含む。)の過半数をもって行う。
第10条(理事会) 理事会は、会長、副会長及び理事をもって構成し、総会から委任された事項及び日常の運営に関する事項を決定する。
第11条(会計年度) 本会の会計年度は、毎年【4月1日】から翌年【3月31日】までとする。
第12条(会則の改正) 本会則の改正は、総会において出席会員の【3分の2】以上の賛成による議決を要する。
第13条(解散及び残余財産) 本会が解散する場合、解散時の残余財産の処分方法は、総会の議決による。
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 同窓会運営側(役員会)の視点からの修正
A-1. 名簿の電子化・オンライン管理に関する条項の追加
追加条文例:「本会は、会員名簿を電磁的方法により管理することができる。この場合、不正アクセスの防止その他の安全管理措置を講じる。」 一言解説: 紙媒体を前提とした名簿管理から電子化へ移行する際、安全管理措置を講じる義務を明文化し、漏えいリスクへの対応を明確にする修正である。
A-2. 長期滞納者の会員資格に関する整理
修正後:「会費を5年以上滞納し、かつ連絡先が不明である会員は、役員会の決議により会員名簿から除籍することができる。」 一言解説: 連絡不能な会員の情報を名簿上に無期限に保持することによる管理コストと漏えいリスクを軽減するための修正である。
B. 会員側の視点からの修正
B-1. 名簿不掲載の申出手続の簡素化
修正後:「会員は、電話、電子メールその他事務局が定める方法により、いつでも名簿への不掲載を申し出ることができる。」 一言解説: 書面提出等の手続的負担を軽くし、会員が個人情報の取扱いについて実質的に選択できるようにする修正である。
B-2. 第三者提供に関する同意方式の厳格化
修正後:「名簿の第三者提供は、対象会員から個別かつ書面による同意を得た場合に限り行うことができる。」 一言解説: 包括同意ではなく個別同意を要求することで、会員の意思に反した名簿提供を防止するための修正である。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
使う場面/使ってはいけない場面 本書式は、学校の卒業生を主たる構成員とする同窓会が、法人格を取得せずに任意団体として活動を継続する場面で、組織運営及び名簿管理のルールを明文化するために用いる。他方、同窓会が収益事業を本格的に行い、対外的な契約主体としての明確性が強く求められる場合には、一般社団法人化等、法人格の取得を検討したうえで、本書式とは別の規程体系を整備することが望ましい。
解説 同窓会のような任意団体が、訴訟当事者能力を含む「権利能力なき社団」としての法的な実質を備えているというためには、判例上、団体としての組織を有すること、多数決の原則が行われていること、構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続すること、そして代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定していることが必要とされている。本会則は、これらの要素(第7条の役員選出、第9条の総会運営、第10条の理事会、第13条の財産処分)をできる限り具体的に定めることで、任意団体としての実質を備えることを企図している。 また、会員名簿の管理については、個人情報保護法第20条が個人情報を偽りその他不正の手段により取得してはならない旨を定め、同法第27条が本人の同意を得ない第三者提供を原則として禁止している。同窓会名簿は、卒業年次や連絡先等の要保護性の高い情報を含むことが多く、名簿業者等への提供や商業目的での利用については特に慎重な取扱いが求められる。
実務でよくある失敗と対策 第一に、卒業と同時に自動的に会員になる旨を定めながら、名簿掲載や会費納入について本人の意思を確認する手続を設けず、後日、本人から掲載の中止を求められる失敗がある。第8条第2項のような不掲載の申出制度を設けることが対策となる。第二に、名簿を同窓会関連の業者(名簿出版業者等)に安易に提供し、個人情報保護法上の第三者提供に該当することへの認識を欠く失敗がある。第8条第3項及びB-2のように、提供先・提供項目の明示と個別同意の取得を条項化することが対策となる。第三に、役員の任期や選出方法が曖昧なまま長年運営が続き、権利能力なき社団としての組織的実質を欠くと評価されかねない状態になる失敗がある。第7条のように任期と選出手続を明記することが望ましい。 団体の規模や活動実態によって適切な規定内容は異なるため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 会員資格の取得要件(卒業をもって当然に会員となるか等)を明確にしたか
- [ ] 会費の額、納入方法及び滞納時の取扱いを定めたか
- [ ] 役員の種類、選出方法及び任期を明記したか
- [ ] 総会の議決要件と理事会への委任事項の範囲を確認したか
- [ ] 名簿の作成目的と記載項目を明確にしたか
- [ ] 名簿への不掲載を求める会員への対応手続を定めたか
- [ ] 名簿の第三者提供に関する同意取得の方法を定めたか
- [ ] 名簿の電子的管理を行う場合の安全管理措置に触れたか
- [ ] 解散時の残余財産の処分方法について定めたか
- [ ] 会則改正の議決要件を定めたか