映像作品の製作に出資する条件を定める契約書です。出資額、権利の持分、収益分配の順序、意思決定の方法を規定します。実務で迷いやすい記載箇所には解説コメントを付しています。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

映画・映像製作出資契約書

第1部: 書式本文

【出資者名】(以下「甲」という)と【製作幹事会社名】(以下「乙」という)は、乙が幹事会社として製作する映画・映像作品「【作品名】」(以下「本作品」という)の製作に甲が出資することに関し、次のとおり契約(以下「本契約」という)を締結する。

第1条(目的) 甲は本作品の製作資金として乙に対し出資を行い、乙はこれを本作品の製作費に充当する。甲乙は、本作品から生じる収益を本契約の定めに従い分配する。

第2条(出資額及び出資方法) 1. 甲の出資額は金【出資額】とする。 2. 甲は、本契約締結後【支払期日】までに、乙の指定する口座に出資金を払い込むものとする。

第3条(出資金の性質) 1. 本出資は、甲乙間の匿名組合契約(商法第535条以下)としての性質を有し、甲は乙の営業(本作品の製作及び利用に関する事業)のために出資し、乙はその営業から生じる利益を甲に分配する。 2. 甲は乙の営業財産について、乙に対する分配請求権を有するにとどまり、本作品の著作権その他の財産を直接共有するものではない。

第4条(製作費の管理及び使途) 1. 乙は、甲からの出資金を含む製作資金を本作品の企画・製作・完成に必要な費用にのみ充当するものとする。 2. 乙は、甲の求めに応じ、製作費の使途に関する報告を【報告頻度(例:四半期ごと)】に行うものとする。

第5条(権利の帰属) 1. 本作品の著作権(著作権法第29条に定める映画の著作物の著作権の帰属に関する規律を含む)は、製作に発意と責任を有する者として乙又は乙が指定する製作委員会に帰属する。 2. 甲は、本作品について著作権その他の知的財産権を直接取得するものではなく、本契約に基づく収益分配請求権を有するにとどまる。

第6条(収益分配の順序) 1. 本作品から生じる興行収入、配信収入、二次利用収入その他の収益(以下「本収益」という)から、配給手数料、宣伝費、回収未了の製作費その他あらかじめ合意された費用(以下「控除費用」という)を控除した残額(以下「純収益」という)を分配対象とする。 2. 純収益の分配順序及び割合は次のとおりとする。 第一順位: 出資者への出資元本の回収(出資額に応じた按分) 第二順位: 出資者への優先分配(出資額の【優先分配率】) 第三順位: 乙及びその他の出資者との間の残余収益按分(甲の按分割合は出資比率に応じ【按分割合】とする) 3. 分配の計算及び支払は、本作品の公開開始日から【分配頻度(例:半期ごと)】に行う。

第7条(意思決定の方法) 1. 本作品の企画内容の重大な変更、主要キャスト・スタッフの変更、公開時期の変更その他本契約別紙に定める重要事項については、乙は甲を含む出資者の【意思決定方法(例:過半数の同意、事前協議)】を経るものとする。 2. 前項以外の日常的な製作進行に関する事項は、乙が製作幹事会社としての裁量により決定することができる。

第8条(報告義務) 乙は、甲に対し本作品の製作進捗、公開後の興行成績、収益状況について、【報告頻度】ごとに書面又は電磁的方法により報告するものとする。

第9条(出資持分の譲渡制限) 甲は、乙の事前の書面による承諾なく、本契約に基づく出資持分及び分配請求権を第三者に譲渡し、又は担保に供してはならない。

第10条(製作中止の場合の取扱い) 本作品の製作が、資金不足、主要キャストの降板その他の事由により中止された場合、乙は甲に対し中止に至る経緯を報告し、既払込出資金の精算方法について甲乙協議のうえ定める。

第11条(表明保証) 1. 乙は、本作品の製作にあたり第三者の著作権その他の権利を侵害しないよう必要な権利処理を行うことを表明し、保証する。 2. 甲は、本出資が甲の適法な資金によるものであり、反社会的勢力との関係を有しないことを表明し、保証する。

第12条(解除) 甲又は乙は、相手方が本契約に重大に違反し、催告後【30日】以内に是正されない場合、本契約を解除することができる。

第13条(合意管轄) 本契約に関する紛争については、【管轄裁判所】を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

本契約締結の証として本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ各1通を保有する。

契約締結日: 【契約締結日】

甲(出資者) 住所: 名称: 代表者: 印

乙(製作幹事会社) 住所: 名称: 代表者: 印

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節: 出資者(甲)側から見た有利な書き換え

  1. 優先分配率の引き上げと元本保証的表現の回避 「純収益の分配は、まず出資者への出資元本相当額の回収を最優先とし、次に出資額の【優先分配率を通常より高く設定】を出資者に分配したうえで、残余を乙及び他の権利者で按分する。」 一言解説: 出資回収を最優先させる書き方だが、「元本を保証する」との表現は金融商品取引法上の規制や実質的な貸付とみなされるリスクを招くため、あくまで収益からの分配である旨を明記する必要がある。

  2. 重要事項への同意権拡大 「主要キャスト・監督の変更、公開時期の【3か月】を超える変更、製作費総額の【10%】を超える増額については、甲を含む出資者全員の書面による事前同意を要するものとする。」 一言解説: 経営関与の乏しい出資者の利益を守るため、重要な変更事項に対する拒否権的性質を持たせる書き方である。

  3. 報告義務の強化 「乙は甲に対し、製作費の支出明細を含む月次報告書を毎月末までに提出するものとする。」 一言解説: 資金使途の透明性を高め、乙による使途不明瞭な支出を早期に発見できるようにする条項である。

B節: 製作幹事会社(乙)側から見た有利な書き換え

  1. 裁量事項の拡大 「主要キャスト・スタッフの変更を除く製作進行上の判断は、すべて乙の裁量によるものとし、出資者への個別同意取得を要しない。」 一言解説: 製作現場の機動性を確保するため、出資者の関与範囲を重要事項に絞り込む書き方である。過度に関与範囲を広げると意思決定が遅延し製作進行に支障が出るための対応策となる。

  2. 控除費用の範囲明確化と乙の裁量確保 「控除費用には、配給手数料、宣伝費、製作費の未回収残額のほか、乙が本作品の利用のために合理的に支出した管理費及び権利処理費用を含むものとする。」 一言解説: 収益分配前に控除できる費用範囲を広めに定義し、乙の実務コストを収益から回収しやすくする書き方である。ただし範囲が不明確だと後日出資者との紛争を招くため項目を具体的に列挙することが望ましい。

  3. 出資持分譲渡の厳格な事前承諾制 「甲は、乙の書面による事前の承諾なく本契約上の地位又は分配請求権を第三者に譲渡してはならず、乙は当該承諾を拒否する場合、その理由を示すことを要しない。」 一言解説: 意図しない第三者への持分譲渡や名義変更による製作委員会運営の混乱を防ぐための厳格な譲渡制限である。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

解説: 使用場面と適用範囲

本書式は、映画・映像作品の製作にあたり、特定の出資者が単独又は複数で製作幹事会社に対して出資を行い、収益分配を受ける関係を定める場面での使用を想定している。複数の出資者が共同で権利を保有し委員会を組成する場合は、本契約に加え別途「製作委員会規約」による運営ルールの整備が必要になる(関連書式を参照)。単なる金銭消費貸借(貸付)や広告協賛とは異なり、本書式は収益連動型の出資を前提とするため、確定利息による元本保証的な性質を持たせる場合は別の検討が必要になる。

解説: 根拠法令の説明

本書式が想定する出資は、商法第535条以下に定める匿名組合契約としての性質を持たせる設計が一般的であり、出資者(匿名組合員)は営業者(製作幹事会社)の事業から生じる利益の分配を受けるが、事業財産を直接共有せず、第三者との取引について権利義務を有しない点が特徴である。複数人から出資を集めて収益を分配するスキームは、金融商品取引法第2条2項5号が定める集団投資スキーム持分に該当し得るため、勧誘方法や出資者数、性質によっては同法上の開示規制や業規制(第二種金融商品取引業の登録要否等)の適用可能性を検討する必要がある。著作権に関しては、著作権法第29条が映画の著作物の著作権は製作に発意と責任を有する映画製作者に帰属する旨を定めており、出資者が直接著作権を取得しない前提で契約設計するのが一般的である。

解説: よくある失敗と対策

第一に、出資であるにもかかわらず「元本を保証する」「確定利率で還元する」といった表現を用い、実質的に金銭消費貸借とみなされる失敗がある。第3条・第6条のように、営業から生じる収益の分配である旨を明確にし、元本保証的な表現を避けることが対策になる。第二に、収益分配の順序や控除費用の範囲を曖昧にしたまま契約し、公開後に何が控除対象かで紛争になるケースが多い。第6条のように分配順位と控除費用項目を具体的に定めておくことが有効である。第三に、重要事項の変更(キャスト降板や公開延期等)について出資者への説明・同意手続を定めず不信を招く失敗がある。第7条のように重要事項の範囲と意思決定方法をあらかじめ合意しておくことが望ましい。出資スキームが金融商品取引法の規制対象に該当するかは個別事情により異なるため、個別の事案については弁護士等の専門家に確認することを推奨する。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 出資額、払込方法、払込期日が明記されているか
  • [ ] 出資の法的性質(匿名組合契約等)が明確にされているか
  • [ ] 元本保証・確定利率と誤解されるような表現がないか
  • [ ] 著作権の帰属先(乙又は製作委員会)が明記されているか
  • [ ] 収益分配の順序(元本回収、優先分配、残余按分)が具体的に定められているか
  • [ ] 控除費用の項目が具体的に列挙されているか
  • [ ] 重要事項変更時の出資者への同意・報告手続が定められているか
  • [ ] 製作進捗・収益状況の報告頻度と方法が定められているか
  • [ ] 出資持分の譲渡制限条項があるか
  • [ ] 製作中止時の出資金精算ルールが定められているか
  • [ ] 金融商品取引法上の規制対象性(勧誘方法・出資者数等)について確認したか