越境した樹木の枝根・庇・ブロック塀の扱いを隣地と取り決める覚書。民法第233条の枝の切除規定と第234条の境界線付近の建築制限を踏まえ将来の撤去を約定。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

越境物に関する覚書

第1部: 書式本文

第1条(前提事実) 土地所有者甲及び隣地所有者乙は、甲所有の別紙物件目録記載の土地(以下「甲地」という。)と乙所有の隣接土地(以下「乙地」という。)との間に、別紙図面記載のとおり越境物(樹木の枝葉、ブロック塀の基礎、建物の庇等。以下「本越境物」という。)が存することを相互に確認する。

第2条(越境の内容) 本越境物は、〔選択A: 甲地の工作物が乙地に越境している/選択B: 乙地の工作物が甲地に越境している〕状態にあり、越境の範囲は別紙図面のとおりとする。

第3条(現状の許容) 乙(越境を受けている側)は、当面の間、本越境物が現状のまま存置されることを許容する。ただし、本条の許容は、乙が本越境物について所有権その他の権利を取得するものではない。

第4条(枝の切除に関する取扱い) 樹木の枝が越境している場合、甲(樹木の所有者)は、乙からの請求があったときは、越境部分の枝を相当期間内に切除する。甲が相当期間内に切除しないとき、又は甲を知ることができないときその他民法第233条第3項各号に該当するときは、乙は自らその枝を切り取ることができる。

第5条(根の越境) 竹木の根が越境している場合、乙は民法第233条第4項に基づき、自らその根を切り取ることができる。

第6条(将来の建替え・改修時の是正) 甲は、甲地上の建物の建替え又は大規模改修の際に、本越境物(庇、給排水管等)を是正し、越境状態を解消するよう努める。

第7条(越境状態の承継) 甲及び乙は、それぞれ甲地又は乙地を第三者に譲渡する場合、本覚書の内容を譲受人に説明し、承継させるよう努める。

第8条(是正費用の分担) 是正工事に費用を要する場合、その負担割合は別紙のとおりとし、原則として越境させている側(帰責者)が負担する。

第9条(境界確定との関係) 本覚書は境界(所有権界)の確認を目的とするものではなく、境界確認については別途境界確認書によるものとする。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 土地所有者(越境させている側)向けの修正

A-1. 是正期限の合理的な設定

追加条文例:「甲は、本覚書締結後〇年以内又は建替え時のいずれか早い時期に、本越境物の是正を行う。」 一言解説: 直ちに是正することが現実的でない場合(既存不適格建築物の庇等)に、将来の建替え時期を目安として是正時期を合理的に設定する修正である。

B. 隣地所有者(越境を受けている側)向けの修正

B-1. 越境の事実を示す資料の添付義務化

追加条文例:「本覚書には、越境の状況を撮影した写真及び測量図を別紙として添付し、将来の紛争予防資料とする。」 一言解説: 越境の範囲や程度についての認識の相違を防ぐため、客観的な資料を残しておく修正である。将来売却時の重要事項説明資料としても活用できる。

B-2. 越境による損害発生時の責任分担の明確化

追加条文例:「本越境物(ブロック塀等)の劣化により乙地又は第三者に損害が生じた場合、甲はその所有物として民法第717条に基づく責任を負う。」 一言解説: 越境している工作物が老朽化して倒壊等の事故を起こした場合の責任の所在を明確化する修正であり、工作物責任(土地工作物責任)の観点から重要である。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面/使ってはいけない場面 本書式は、隣接する土地の間で樹木の枝、ブロック塀の基礎、建物の庇等が境界を越えて存在している状態を、当面の間、当事者間の合意により許容し、将来の是正方法を取り決める場面で用いる。越境の程度が著しく、日照や通行に重大な支障を生じさせている場合や、越境により既に損害が発生している場合には、単なる覚書による現状容認では足りず、収去請求や損害賠償請求を含めた対応を検討すべきである。

根拠法令 2023年施行の改正民法第233条は、竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に枝を切除させることができる旨(第1項)に加え、竹木の所有者に催告したにもかかわらず相当の期間内に切除しないとき、竹木の所有者を知ることができず又はその所在を知ることができないとき、急迫の事情があるときは、土地の所有者が自ら枝を切り取ることができる旨(第3項)を新設した。同条第4項は、竹木の根が境界線を越えるときは、土地の所有者が自らこれを切り取ることができる旨を定める(枝と根とで取扱いが異なる点に注意)。また、民法第234条は、建物を築造するには境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない旨を定めるが、同条第2項により、この規定に反する建築についても、着手時から1年を経過し、又は建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができるとされている。

実務でよくある失敗と対策 第一に、枝の越境と根の越境を区別せず、いずれも相手方の承諾や催告を要すると誤解してしまう失敗がある。第4条・第5条のように改正民法第233条第3項・第4項に基づき両者の取扱いを区別して記載することが重要である。第二に、越境状態を「当面容認する」とのみ記載し、将来の是正時期や条件を定めないまま長期間放置され、次の世代(相続人)に問題が先送りされる失敗がある。A-1のように建替え時等の合理的な是正時期を設定することが望ましい。第三に、越境しているブロック塀等の工作物が老朽化した場合の責任の所在を明確にせず、倒壊事故が生じた際に責任の押し付け合いになる失敗がある。B-2のように土地工作物責任の所在を確認しておくことが有効である。

第四に、越境の是正を求める側が民法第234条の建築基準(境界線から50センチメートル以上の距離)を根拠に収去請求ができると誤解してしまう失敗もある。同条第2項により、建築着手から1年を経過し又は完成した後は損害賠償請求のみが可能とされているため、既に完成している建物の庇等について収去請求を前提とした条項を設けることは実現可能性の観点から慎重に検討する必要がある。第五に、越境物の是正を口頭でのみ約束し、書面化を怠ったために、当事者の記憶が薄れた数年後に「そのような約束はしていない」との水掛け論になる失敗もある。是正の合意内容は必ず書面化し、双方が署名押印した原本を保管しておくことが望ましい。

越境物の扱いは物理的な状況や当事者間の関係性によって適切な対応が異なるため、是正が必要と考えられる場合は専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 越境物の種類(枝、根、工作物等)を特定したか
  • [ ] 越境の範囲を示す図面又は写真を添付したか
  • [ ] 枝と根とで適用条文(民法第233条第3項・第4項)が異なることを踏まえた記載になっているか確認したか
  • [ ] 是正の時期(即時、一定期間内、建替え時等)を明確にしたか
  • [ ] 是正費用の負担割合を確認したか
  • [ ] 越境している工作物の維持管理・事故発生時の責任の所在を明確にしたか
  • [ ] 境界確認書との関係(境界の合意ではないこと)を明記したか
  • [ ] 将来の土地譲渡時に本覚書の内容を承継させる仕組みを設けたか
  • [ ] 民法第234条第2項の期間制限(収去請求の可否)を踏まえた記載になっているか確認したか
  • [ ] 合意内容を書面化し、双方が署名押印のうえ原本を保管する体制を整えたか