休職中の従業員が主治医の診断書を添えて職場復帰を申し出る場面で使う様式。就業可能な業務や勤務時間の希望を記載し、産業医面談につなぐ運用にも対応する。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
復職申請書
第1部: 書式本文
- 提出日:【西暦】年【 】月【 】日
- 申請者氏名:【 】、所属部署・役職:【 】、社員番号:【 】
- 休職発令日および休職期間:【西暦】年【 】月【 】日〜【西暦】年【 】月【 】日
- 休職事由:【私傷病/事故欠勤等】(差し支えない範囲で記載)
- 復職希望日:【西暦】年【 】月【 】日
- 主治医の診断書:発行日【西暦】年【 】月【 】日、発行医療機関【 】、添付の有無【有・無】
- 診断書に記載された就業に関する所見(就業可能/条件付き就業可能等の別、条件の内容):【 】
- 現時点で就業可能と考える業務内容:【従前の業務そのまま/一部制限あり(具体的に)】
- 希望する勤務時間・勤務形態:【フルタイム/時短勤務(○時間)/在宅勤務の可否】
- 通勤の可否および通勤方法:【自力通勤可/要配慮事項の有無】
- 服薬・通院の継続状況(就業時間に影響する場合):【通院頻度、就業時間中の離席の要否等】
- 復職にあたり会社に配慮を求める事項:【業務内容の軽減、残業免除、部署異動の希望等】
- 産業医面談を希望する日程の候補:【第1希望/第2希望】
- 添付書類一覧:【診断書/その他資料(自己記入の就労状況報告書等)】
- 申請者署名:【 】 連絡先(電話・メール):【 】
- 会社受付欄:受付日【 】、受付担当者【 】、産業医面談実施予定日【 】、判定通知予定日【 】
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節:従業員側(申請用)
- 記載例:項目7の後に「診断書の所見と実際の体調に差がある場合は、その旨を自由記載欄に記載できる」旨の補足欄を設ける。
- 一言解説:診断書は主治医が日常生活や一般的な就労可能性を基準に作成することが多く、職場固有の業務内容までは反映されていない場合があるため、本人の実感を併記できる欄を設けておくと産業医面談での確認に役立つ。
- 記載例:項目12に「配慮事項が長期化する見込みか、一時的なものかの見通し」を記載する欄を追加する。
- 一言解説:配慮の期間見通しを本人の認識として記載してもらうことで、会社側が就業上の措置の内容や期間を検討する際の参考情報になる。
B節:会社側(受付・判定用)
- 記載例:項目16の受付欄に「診断書の記載内容と申請書の記載内容に齟齬がないかの確認結果」欄を追加し、齟齬がある場合は産業医面談で確認する旨を明記する。
- 一言解説:診断書は復職可否判定の重要な資料であるが、それのみで会社が復職の可否を決定づけられるものではなく、産業医意見や職場の実情との照合が必要であることを受付段階から意識付けるため。
- 記載例:項目16に「本申請書を受理したことは復職を承認したことを意味しない」旨の注記を追加する。
- 一言解説:申請書の受理と復職可否の最終判定は別の手続であることを明確にし、本人が受理をもって復職確定と誤解しないようにする。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本書式は、休職中の従業員が休職期間の満了を控え、あるいは体調回復を理由に職場復帰を希望する場面で、本人からの申出として使用する。既に会社が復職の可否を判定した後の通知として用いるのは適切ではなく、あくまで判定の前段階で本人の意向と主治医の診断内容を会社に伝えるための書式である点に注意する。休職期間の途中であっても、体調が回復し就業可能な状態になったと本人が判断した場合には、満了を待たずに本書式を用いて早期の復職を申し出ることも可能である旨をあらかじめ案内しておくと、休職期間を漫然と消化させることなく、早期の職場復帰を後押しする運用につながる。復職の可否判断において、主治医の診断書は重要な資料であるものの、主治医は日常生活動作や一般的な就労可能性を基準に判断することが多く、職場で実際に求められる業務遂行能力や労働安全衛生法上求められる就業上の措置の要否までを踏まえたものとは限らない。そのため、診断書に加えて産業医の意見を聴取する運用(労働安全衛生法第13条の産業医制度、同法第66条の5に基づく就業上の措置)につなげることが望ましく、本書式の項目13で産業医面談の日程調整を組み込んでいる。
また、復職申請書は本人にとって、休職からの復帰に向けた第一歩を会社に示す書式であると同時に、会社にとっては復職後の受入れ体制(配置部署、業務内容の調整、勤務時間の設定等)を準備するための情報源でもある。申請内容が具体的であるほど、会社側は産業医面談や配置調整をスムーズに進めやすくなるため、本人には可能な範囲で具体的に記載するよう案内し、記載が不十分な場合には受付段階で追加の聞き取りを行う運用としておくことが望ましい。
実務でよくある失敗の一つは、診断書に「復職可能」と書かれていることのみをもって、会社が本人の申出をそのまま鵜呑みにし、実際の業務内容や勤務時間に照らした検討を省略してしまうことである。項目7から項目9で診断書の所見と本人の希望する業務内容・勤務形態を分けて記載させることで、診断書の抽象的な判断と職場の具体的な業務との突き合わせを促す。第二に、復職申請書の提出自体を復職の確定と誤解し、産業医面談や会社の最終判定を経ずに職場復帰の準備を進めてしまう失敗がある。B節のように受付欄に「申請書の受理は復職の承認を意味しない」旨を明記することで、この誤解を防ぐ。第三に、服薬や通院の継続状況など就業時間に影響し得る事情の申告が漏れ、復職後に短期間で再度体調を崩す例が見られる。項目11で通院・服薬の状況を具体的に申告させることで、必要な配慮の見落としを減らす。第四に、添付書類の確認が不十分なまま受付を完了してしまい、後になって診断書の内容と本人の申告内容に齟齬があることが判明する例もある。項目14で添付書類を一覧化し、受付時点での確認を徹底することで、こうした後戻りを防ぐことができる。
また、本書式は「休職期間満了通知書」や「復職可否判定通知書」とは異なり、あくまで従業員本人が起点となって作成・提出する書式である点に特徴がある。会社が一方的に休職からの復帰時期を決めるのではなく、本人の申出を出発点として手続を進めることは、本人の自己決定を尊重するとともに、無理な復職を会社側から強いたと評価されることを避ける意味でも重要である。他方で、本人が経済的事情等から実際の体調以上に「就業可能」と申告してしまう例も見られるため、項目6・項目7で診断書の記載内容を客観的な資料として確認し、本人の自己申告のみに依拠しない仕組みとしておくことが求められる。
実務でよくある失敗として、さらに次の点が挙げられる。復職申請書の提出時期が休職期間満了日の直前になり、産業医面談や書類確認のための時間的余裕がないまま慌ただしく判定を行わざるを得なくなる例である。項目5の復職希望日と休職期間満了日との関係を確認し、余裕を持った提出を促す運用(休職発令通知書や休職期間満了通知書での事前案内と連動させること)が望ましい。また、希望する勤務形態(項目9)について、本人の希望と会社が提供できる勤務形態に齟齬がある場合、申請書の段階でその齟齬を放置すると、後の判定段階で初めて調整が難航することになるため、受付段階である程度の見通しをすり合わせておくことも有用である。
なお、復職の可否や配慮の内容は本人の症状・職種・診断書の内容によって個別性が高く、本書式のみで判断が確定するものではないため、実際の運用にあたっては弁護士等の専門家や産業医に確認することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 休職発令日・休職期間を正確に記載しているか
- [ ] 復職希望日が休職期間満了日との関係で整合しているか
- [ ] 主治医の診断書の発行日・発行医療機関を明記し、添付の有無を確認したか
- [ ] 診断書の就業可能所見(条件付きか無条件か)を具体的に記載させたか
- [ ] 希望する業務内容・勤務時間・勤務形態を本人に記入させたか
- [ ] 通院・服薬など就業時間に影響し得る事情の申告欄を設けたか
- [ ] 配慮を求める事項とその見通し(一時的か長期的か)を記載させたか
- [ ] 産業医面談の日程候補を確認する欄があるか
- [ ] 申請書受理が復職確定を意味しない旨を明記しているか
- [ ] 添付書類の一覧と受付時のチェック方法を定めているか
- [ ] 休職期間の途中であっても満了を待たずに申請できる旨を案内しているか
- [ ] 希望する勤務形態と会社が提供できる勤務形態の見通しを受付段階ですり合わせたか
- [ ] 本人の記載内容が抽象的な場合、受付段階で追加の聞き取りを行う運用になっているか