EPA特恵税率の適用に向け、取引先と原産地証明書や自己申告書類の提供手順を取り決める覚書。関税法および経済連携協定の原産地規則と、事後確認への協力義務を定めます。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

原産地証明の取得に関する覚書

第1部: 書式本文

【輸出者(生産者)】【商号・所在地】(以下「甲」という。)と【輸入者】【商号・所在地】(以下「乙」という。)は、両者間で取引される貨物につき経済連携協定(以下「EPA」という。)に基づく特恵関税の適用を受けるための原産地証明手続に関し、次のとおり覚書(以下「本覚書」という。)を締結する。

第1条(目的)

本覚書は、甲乙間で継続的に取引される別紙記載の貨物(以下「対象貨物」という。)について、乙の輸入国が締結するEPAに基づく特恵関税率の適用を受けるため、甲が原産地証明書又は原産地に関する自己申告書類を乙に提供する手続を定めることを目的とする。

第2条(適用協定の確認)

甲乙は、対象貨物の輸出入に適用されるEPAの名称及び原産地規則の該当条文を、取引開始前に別紙に明記して確認する。

第3条(原産資格の判定)

  1. 甲は、対象貨物が適用EPAの原産地規則(関税分類変更基準、付加価値基準、加工工程基準等)を満たすことを、原材料の調達先及び製造工程に基づき自ら判定する。
  2. 甲は、原産資格の判定に用いた資料(原材料の原産地証明、仕入書、製造記録等)を作成し、輸出の日から【5】年間保存する。

第4条(原産地証明書類の提供)

  1. 甲は、対象貨物の各輸出案件について、適用EPAが定める方式(第三者証明制度による原産地証明書、認定輸出者による自己証明、又は輸出者・生産者による自己申告のいずれか)に従い、原産地証明書類を作成し、乙に提供する。
  2. 甲は、原産地証明書類を、船積前又は乙が定める期限までに乙に提供するものとし、遅延により乙が特恵税率の適用を受けられなかった場合の責任について、第7条に定めるところによる。

第5条(原産地証明書類の様式及び有効期間)

甲は、原産地証明書類の記載事項(輸出者名、生産者名、貨物の品名・関税分類番号、原産地規則の適用基準等)を適用EPAの様式に従って正確に記載する。原産地証明書類の有効期間は発給日又は作成日から【1】年間とし、乙は当該期間内に輸入申告を行う。

第6条(事後確認への協力)

  1. 乙の輸入国税関当局から、関税法及び適用EPAに基づく原産地の事後確認(検証)の要請があった場合、乙は速やかに甲に通知する。
  2. 甲は、事後確認に必要な資料の提供及び質問への回答に誠実に協力する。甲が正当な理由なく協力を拒否し、又は虚偽の資料を提供したことにより乙が特恵税率の適用を取り消され追徴課税を受けた場合、甲は乙が被った損害を賠償する。

第7条(記載内容の誤り・原産資格喪失時の責任)

  1. 甲が提供した原産地証明書類の記載内容に誤りがあり、又は対象貨物が原産地規則を満たしていなかったことが判明した場合、甲は乙に対し速やかにその旨を通知する。
  2. 前項の事由により乙が特恵関税の適用を取り消され、関税等を追納する義務を負った場合、甲は当該追納額及びこれに付帯する延滞税等相当額を乙に補償する。ただし、乙が輸入申告手続において自ら誤りを生じさせた場合はこの限りでない。

第8条(製造工程・原材料変更時の通知)

甲は、対象貨物の原材料調達先又は製造工程を変更し、原産資格の判定に影響を及ぼすおそれがある場合、事前に乙に通知し、必要に応じて原産資格の再判定を行う。

第9条(秘密保持)

甲及び乙は、本覚書の履行に関連して知り得た相手方の製造工程、原価構成その他の営業上の秘密を、原産地証明手続及び事後確認対応の目的以外に使用し、又は第三者に開示してはならない。

第10条(有効期間及び見直し)

  1. 本覚書の有効期間は締結日から【1】年間とし、期間満了の【1】か月前までに解約の申出がないときは同一条件でさらに【1】年間更新する。
  2. 適用EPAの改正又は原産地規則の変更があった場合、甲乙は速やかに本覚書の内容を見直す。

第11条(協議及び管轄)

本覚書に定めのない事項については甲乙誠実に協議して解決するものとし、本覚書に関する紛争については【 】地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 輸出者(生産者)向け修正パターン

輸出者側では、第7条第2項の補償義務が無限定に定められている点がリスクとなりやすい。そのため「甲の補償義務は、甲が原産資格の判定に用いた資料を第3条に基づき適切に保存し、かつ判定に故意又は過失がなかった場合を除き、対象貨物の取引価格相当額を上限とする」との上限規定を追加することが有効である。また第6条第1項について、事後確認対応に要する実費(翻訳費用、資料作成費用等)を乙が負担する旨を追加し、輸出者側の負担を軽減する修正も考えられる。

B. 輸入者向け修正パターン

輸入者側では、第4条第2項の「乙が定める期限までに」提供させる規定を具体化し、「船積日の【7】営業日前まで」のように明確な期限を設定することで、通関スケジュールへの影響を防ぐ修正が重要である。また第7条第2項について、免責事由である「乙が輸入申告手続において自ら誤りを生じさせた場合」の範囲を狭め、「乙の故意又は重大な過失による場合に限る」と改めることで、輸入者に有利な補償範囲を確保することが望ましい。さらに第6条に「甲が事後確認への協力を【 】日以内に行わない場合、乙は独自に追加調査を実施し、その費用を甲に請求できる」との条項を追加することも有効である。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

本覚書は、EPAの特恵関税率の適用を継続的に受けたい輸入者と、原産地判定の基礎資料を保有する輸出者(生産者)との間で、原産地証明書類の提供手順や事後確認への協力体制をあらかじめ取り決める場面で使用する。単発の取引でEPA特恵税率を利用しない場合や、原産地証明書類の発給を輸出者以外の第三者(商工会議所等の発給機関)が単独で担う制度のみを利用し、輸出者・輸入者間で特段の取決めを要しない場合には、本覚書を用いる必要性は乏しい。

根拠法令としては、関税法(特恵関税の適用手続、輸入申告に関する規定)及び日本が締結する各EPA(例えば日EU・EPA、CPTPP、日米貿易協定等、対象貨物の輸出入に適用される個別協定)の原産地規則章が中心となる。EPAごとに、第三者証明制度、認定輸出者による自己証明、輸出者・生産者・輸入者による自己申告制度のいずれを採用するかが異なるため、第4条において適用協定と証明方式を必ず特定する必要がある。また、事後確認(検証)については各EPAの原産地手続章に規定があり、関税法に基づく更正・修正申告とも関連する。

実務でよくある失敗として、第一に、原産資格の判定根拠資料(原材料の原産地、製造工程記録)を輸出者が保存しておらず、事後確認時に立証できず特恵税率が遡って否認されるケースが多い。対策としては、第3条の資料保存義務を具体的な保存期間・保存方法まで定めることが有効である。第二に、原産地証明書類の有効期間や提供期限を定めずに運用し、輸入申告時に証明書類が期限切れとなって特恵税率を適用できない例が見られる。第三に、原材料調達先の変更(第8条)を輸出者が輸入者に通知しないまま出荷を続け、原産資格を失った貨物に特恵税率を適用してしまうケースがある。

原産地規則の充足性判断や事後確認への対応方針は、対象品目のHSコード、適用EPA、原材料の調達構造によって個別に異なるため、判定や補償条項の妥当性については、契約締結前に貿易実務又は関税法務に詳しい弁護士若しくは通関士に個別事案として確認することを推奨する。

第4部: 使用前チェックリスト(原産地証明取得覚書用)

  • [ ] 対象貨物に適用されるEPAの名称と原産地規則の該当条文を特定したか
  • [ ] 採用する証明方式(第三者証明・認定輸出者自己証明・自己申告)を確認したか
  • [ ] 原産資格の判定根拠資料の保存期間・保存方法を定めたか
  • [ ] 原産地証明書類の提供期限(船積前等)を具体的に定めたか
  • [ ] 原産地証明書類の有効期間と輸入申告期限の関係を確認したか
  • [ ] 事後確認(検証)発生時の通知・協力手続を定めたか
  • [ ] 記載誤り・原産資格喪失時の追徴税額の補償範囲と上限を定めたか
  • [ ] 原材料調達先・製造工程変更時の通知義務を定めたか
  • [ ] 事後確認対応に要する実費の負担者を定めたか
  • [ ] 秘密保持の対象範囲(製造工程・原価構成等)を明確にしたか
  • [ ] 適用EPA改正時の見直し手続を定めたか
  • [ ] 紛争解決のための管轄裁判所を明記したか