セット内容

  • 業務提携契約書(基本合意)Word形式(相互条項型)
  • 役割分担・費用負担の整理表
  • 提携解消時の取り決め例

こんな場面で

複数企業が共同で新規事業・販路開拓・技術連携を行う際、正式契約に先立ち提携の枠組みを合意したい場面。

特長

  • 一方に偏らない相互条項型の構成で、提携当事者双方に配慮した設計
  • 成果物・利益の帰属や費用分担の考え方をあらかじめ整理
  • 共同開発契約書(kyodo-kaihatsu-keiyaku)など個別契約への橋渡しとして機能
以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

業務提携契約書(基本合意)(監修用ドラフト)

⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。

商品ID: gyomu-teikei-keiyaku / 価格: 2,980円 / 立場バージョン: 提携A社有利・提携B社有利・相互(中立)

本ドラフトは第2部で2バージョンの差分を提示する構成とし、第1部には「相互(中立)」版をベース条文として掲載する。本商品は業務提携(非独占・共同マーケティング等を想定する緩やかな協働関係)に関する基本合意書のひな形であり、共同事業として権利義務・損益を一体的に扱う契約(民法上の組合契約等)とは性質が異なる点に留意が必要である。


第1部: 契約書本文(標準版・中立)

業務提携契約書

〇〇〇〇株式会社(以下「甲」という。)と〇〇〇〇株式会社(以下「乙」という。)とは、甲乙間における業務提携に関し、以下のとおり業務提携契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(目的)

本契約は、甲及び乙が、それぞれの経営資源(顧客基盤、技術、ノウハウ、販売網その他一切の資源をいう。)を活用し、相互に協力して〇〇〇〇の分野における事業の発展を図ること(以下「本提携」という。)を目的とし、本提携の実施に関する基本的事項を定めるものとする。

第2条(本提携の内容)

  1. 本提携の内容は、次の各号に掲げる事項その他甲乙が別途合意する事項とする。 (1)甲及び乙による共同マーケティング及び共同プロモーションの実施 (2)甲及び乙相互の顧客の紹介及び送客(以下「相互送客」という。) (3)甲又は乙が保有する技術若しくはノウハウを活用した技術連携及び共同開発の検討 (4)その他甲乙が本提携の目的達成のために必要と認めて合意する協業
  2. 前項各号の具体的な実施方法、実施時期、対象範囲、数値目標その他の詳細は、本契約締結後、甲乙間の協議により別途書面(電磁的方法による記録を含む。以下同じ。)で定める(以下、当該書面を「個別合意書」という。)ものとし、個別合意書の定めは本契約の一部を構成する。
  3. 個別合意書の内容と本契約本文の内容との間に齟齬がある場合は、個別合意書の定めが優先するものとする。ただし、第10条から第14条までの規定については、個別合意書に別段の定めがない限り、本契約の定めを優先して適用する。

第3条(非独占)

  1. 本契約は、法令上又は公序良俗上疑義のない限り、甲及び乙が本提携と同種又は類似の提携を第三者との間で行うことを妨げるものではなく、本契約に基づく提携は非独占(ノンエクスクルーシブ)を原則とする。
  2. 甲又は乙が、本提携の一部又は全部について独占的取扱いを希望する場合は、その対象範囲、期間及び対価その他の条件を個別合意書において明確に定めるものとし、当該個別合意書に定めのない限り独占的取扱いは生じないものとする。

第4条(役割分担)

  1. 甲は、主として次の各号の役割を担うものとする。 (1)〇〇〇〇 (2)〇〇〇〇
  2. 乙は、主として次の各号の役割を担うものとする。 (1)〇〇〇〇 (2)〇〇〇〇
  3. 前2項の役割分担は、個別合意書により変更することができる。
  4. 甲及び乙は、自己が担当する役割を、善良な管理者の注意をもって履行するものとする。

第5条(費用負担)

  1. 本提携の実施に要する費用は、個別合意書に別段の定めがある場合を除き、甲乙が均等(各2分の1)に負担するものとする。
  2. 甲又は乙が本提携のために第三者に対して支出した実費については、事前に相手方の承認を得た場合に限り、前項の負担割合に従って相手方に請求することができるものとし、請求を受けた当事者は、請求内容を裏付ける資料の提示を受けたうえで、合理的な期間内にその当否を確認するものとする。
  3. 各当事者は、自己の従業員の人件費及び自己の通常の事業運営に要する費用については、原則として自ら負担するものとし、他方当事者に請求しないものとする。

第6条(成果物及び知的財産権の帰属)

  1. 本提携の実施に際して甲又は乙が本契約締結前から保有していた特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権その他の知的財産権(それらを受ける権利を含む。以下「知的財産権」という。)は、当該権利を保有していた当事者に帰属するものとし、本契約の締結によりその帰属に影響を及ぼさないものとする。
  2. 本提携の実施の過程で甲及び乙が共同で新たに生み出した発明、考案、著作物その他の成果(以下「共同成果」という。)に係る知的財産権は、甲及び乙の共有(持分は寄与度に応じて別途協議のうえ定める。別段の合意がない限り、寄与度が明らかでないときは持分均等とする。)とする。
  3. 前項の共同成果に係る知的財産権について、甲又は乙がこれを出願し、又は登録しようとするときは、事前に相手方の書面による同意を得るものとし、出願及び登録に要する費用の負担並びに実施権の設定については、別途協議のうえ個別合意書で定めるものとする。
  4. 甲及び乙は、共同成果に係る知的財産権につき、自己の持分については、相手方の事前の書面による承諾を得ることなく、自ら実施することができるものとする。ただし、第三者への実施許諾及び持分の譲渡については、相手方の事前の書面による承諾を要するものとする。

第7条(競業避止義務)

  1. 甲及び乙は、本契約の有効期間中、本提携の対象範囲において、相手方の事前の書面による承諾を得ることなく、相手方と競合する第三者との間で本提携と実質的に同一又は類似の内容の提携関係を締結しないよう努めるものとする。
  2. 前項の規定は、甲及び乙が本提携とは無関係に従前から行っている事業活動及び本提携の対象範囲に含まれない事業分野における活動を制限するものではない。
  3. 本契約終了後の競業避止義務の要否及びその期間・範囲については、第13条に定めるところによる。

第8条(秘密保持)

  1. 甲及び乙は、本提携に関連して相手方から開示を受けた秘密情報(技術上又は営業上の情報であって、開示の際に秘密である旨明示され、又は合理的に秘密であると認識し得る情報をいう。)を、本提携の目的以外に使用せず、相手方の事前の書面による承諾なく第三者に開示又は漏えいしてはならない。
  2. 秘密情報の定義、除外事由、管理方法、返還・廃棄義務等の詳細については、甲乙間で別途秘密保持契約(NDA)を締結している場合は当該NDAの定めを優先して適用するものとし、別途のNDAを締結していない場合は本条の定めによるものとする。
  3. 本条の規定は、本契約が終了した後もなお〇年間存続するものとする。

第9条(契約期間及び更新)

  1. 本契約の有効期間は、本契約締結日から1年間とする。
  2. 期間満了の3か月前までに甲又は乙のいずれからも書面による更新拒絶の申出がないときは、本契約は同一条件でさらに1年間自動的に更新されるものとし、以後も同様とする。

第10条(解除)

  1. 甲又は乙は、相手方に次の各号のいずれかに該当する事由が生じたときは、何らの催告を要せず、直ちに本契約の全部又は一部を解除することができる。 (1)本契約又は個別合意書に違反し、相手方から是正の催告を受けたにもかかわらず、相当の期間内にこれを是正しないとき (2)差押え、仮差押え、仮処分、強制執行若しくは競売の申立てを受け、又は公租公課の滞納処分を受けたとき (3)支払停止若しくは支払不能の状態に陥り、又は破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始若しくはこれらに類する手続の申立てを受け、若しくは自ら申し立てたとき (4)解散、会社分割、事業の全部若しくは重要な一部の譲渡の決議をしたとき (5)第11条(反社会的勢力の排除)の表明保証に違反したとき (6)その他前各号に準じる事由があり、本契約の継続が著しく困難と認められるとき
  2. 前項による解除は、解除を行う当事者の相手方に対する損害賠償の請求を妨げない。

第11条(反社会的勢力の排除)

  1. 甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、自己(自己の役員を含む。)が、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団その他これらに準ずる者(以下「反社会的勢力」と総称する。)に該当しないこと、及び次の各号のいずれにも該当しないことを表明し、保証する。 (1)反社会的勢力が経営を支配していると認められる関係を有すること (2)反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められる関係を有すること (3)自己若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に反社会的勢力を利用していると認められる関係を有すること (4)反社会的勢力に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有すること (5)自己の役員又は経営に実質的に関与している者が反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有すること
  2. 甲及び乙は、自ら又は第三者を利用して、次の各号の行為を行わないことを表明し、保証する。 (1)暴力的な要求行為 (2)法的な責任を超えた不当な要求行為 (3)取引に関して脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為 (4)風説を流布し、偽計を用い又は威力を用いて相手方の信用を毀損し、又は相手方の業務を妨害する行為 (5)その他前各号に準ずる行為
  3. 甲又は乙が前2項の表明保証に違反した場合、相手方は、何らの催告を要せず本契約を解除することができる。この場合、解除した当事者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。

第12条(損害賠償)

  1. 甲又は乙は、本契約若しくは個別合意書に違反し、又は自己の責めに帰すべき事由により相手方に損害を与えたときは、相手方に対しこれによって生じた通常かつ直接の損害(合理的な範囲の弁護士費用を含む。)を賠償する責任を負う。
  2. 前項の賠償責任の額は、個別合意書に別段の定めがある場合を除き、当該損害の原因となった行為に関連して現に甲乙間で授受された金額を超えないものとする。ただし、故意又は重過失による場合はこの限りでない。
  3. 本条の規定は、履行遅滞、履行不能又は契約不適合その他の債務不履行に基づく損害賠償請求権について、法令上別段の定めがある場合を除き適用されるものとし、消滅時効については、権利を行使することができることを知った時から5年間、権利を行使することができる時から10年間行使しないときは時効によって消滅するものとする。

第13条(存続条項)

本契約が終了した場合であっても、第6条(成果物及び知的財産権の帰属)、第7条第3項に基づく別途合意した競業避止義務、第8条(秘密保持)、第11条(反社会的勢力の排除)、第12条(損害賠償)、本条、次条及び第15条(合意管轄)の規定は、なお有効に存続するものとする。なお、契約終了後の競業避止義務を負わせる場合は、対象期間(目安として終了後1年から2年程度)及び対象範囲を個別合意書において具体的に定めるものとし、期間及び範囲が過度に広範にわたらないよう留意する。

第14条(権利義務の譲渡禁止)

甲及び乙は、相手方の事前の書面による承諾を得ることなく、本契約上の地位又は本契約に基づく権利若しくは義務の全部若しくは一部を第三者に譲渡し、承継させ、又は担保に供してはならない。

第15条(協議事項)

本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に疑義を生じた事項については、甲乙誠意をもって協議のうえ、これを解決するものとする。

第16条(合意管轄)

本契約に関する紛争については、〇〇地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

以上、本契約締結の証として本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各自1通を保有する。

〇〇〇〇年〇〇月〇〇日

(甲)住所    商号又は名称    代表者名         印

(乙)住所    商号又は名称    代表者名         印


第2部: 立場別修正パターン

商品には「A社(主導的立場)有利」「B社有利」「相互(中立)」の3バージョンを収録する。第1部は「相互(中立)」を基準としており、以下は他2バージョンを作成する際の差分(代替条文)である。ここでいうA社は本提携において主導的な立場(先行して構想・提案し、経営資源の提供割合が大きいことが多い当事者)を想定し、B社はこれに応じる立場を想定するが、実際の力関係は個別の取引実態に応じて入れ替わり得る。

A. A社(主導的立場)に有利なバージョンへの変更

A-1. 第2条(本提携の内容)に意思決定権限の集中規定を追加

修正前(中立版): 個別合意書の内容は甲乙協議により定める旨のみを規定

修正後(A社有利): 「本提携の実施方針、個別合意書の内容及び本提携の対象範囲の拡大・縮小については、甲乙協議のうえ、最終的には甲の合理的な判断により決定するものとし、乙はこれに従うものとする。ただし、乙に追加の費用負担又は義務を生じさせる事項については、乙の事前の書面による同意を要する。」

解説: 提携の企画立案を主導する当事者が意思決定の主導権を確保するための修正である。ただし、相手方に一方的な負担を強いる内容にならないよう、追加負担が生じる事項には同意を要件とするなど、あからさまな片務性を緩和する手当てを併せて検討することが望ましい。

A-2. 第3条(非独占)を独占条項に変更

修正前(中立版): 非独占を原則とし、独占は個別合意書がある場合に限定

修正後(A社有利): 「乙は、本契約の有効期間中、本提携の対象範囲に含まれる事業について、甲以外の第三者との間で本提携と競合し得る提携関係を締結してはならない。甲は、本提携の対象範囲について、乙以外の第三者との提携を制限されないものとする。」

解説: 乙のみを拘束する片務的な独占(排他的取扱い)条項の例である。このような条項は、対象市場における甲乙の市場シェアや取引上の地位によっては、独占禁止法上の拘束条件付取引又は排他条件付取引に該当するリスクがあるため、対象範囲を必要最小限に限定し、対価の均衡(後述B-4参照)を図るなど、公正取引委員会のガイドライン等に照らした慎重な検討を要する。

A-3. 第5条(費用負担)の負担割合を調整

修正前(中立版): 均等(2分の1ずつ)負担を原則

修正後(A社有利): 「本提携の実施に要する費用のうち、共同マーケティングに係る費用は乙が3分の2を負担し、その他の費用は個別合意書に定めるところによる。」

解説: 主導的立場にある当事者が費用負担を相手方に多く配分する修正である。負担割合の偏りが大きい場合、相手方の受け入れ可能性が下がるため、成果配分(第6条・持分割合)とのバランスを説明できる合理的な理由(乙側の受益の程度等)を用意しておくことが望ましい。

A-4. 第10条(解除)に加えてB社の中途撤退制限・違約金条項を追加

修正前(中立版): 債務不履行等の場合の解除事由のみを規定し、任意解除・違約金の定めなし

修正後(A社有利): 「乙は、本契約の有効期間中に自己の都合により本提携から離脱しようとするときは、6か月前までに甲に書面で通知し、甲の承諾を得るものとする。乙が本項の手続によらずに本提携を中止し、又は本提携の目的達成を著しく困難にしたときは、乙は甲に対し、違約金として金〇〇円を支払うものとする。」

解説: 先行投資を行う主導的当事者が、相手方の一方的な離脱により投資回収の機会を失うリスクを軽減するための規定である。違約金額が実際の損害額と著しく乖離する場合、公序良俗違反や消費者契約法類似の趣旨(事業者間契約でも著しく過大な違約金は裁判所により減額・無効と判断され得る)に照らして無効と判断される可能性があるため、想定される損害の実態に見合った金額設定とすることが望ましい。

A-5. 第6条(知的財産権の帰属)の共同成果の持分をA社優位に変更

修正前(中立版): 共同成果は寄与度に応じ、不明な場合は持分均等

修正後(A社有利): 「共同成果に係る知的財産権は、甲乙の寄与度にかかわらず甲に帰属するものとし、乙は当該知的財産権について、本提携の目的の範囲内で無償の通常実施権の許諾を受けるものとする。」

解説: 共同開発の成果を主導的当事者に集約させる修正である。乙側の実質的な開発貢献が大きい場合には受け入れられにくく、後述B-3のような対価的手当てとセットで検討されることが多い。

B. B社に有利なバージョンへの変更

B-1. 第9条(契約期間及び更新)に中途解約権を追加

修正前(中立版): 期間途中の任意解約に関する定めなし

修正後(B社有利): 「乙は、本契約の有効期間中であっても、3か月前までに甲に書面で通知することにより、違約金その他の追加費用の負担なく本契約を将来に向かって解約することができる。」

解説: 提携の成果が見込みどおりに上がらない場合等に備え、受け入れ側の当事者が過度な拘束を受けないようにするための撤退条件の緩和である。A-4のような違約金条項とは対をなす修正であり、双方のドラフトを比較する際の典型的な争点となる。

B-2. 第5条(費用負担)に負担上限額を設定

修正前(中立版): 負担割合の定めのみで上限なし

修正後(B社有利): 「乙が本提携に関して負担する費用の総額は、1事業年度あたり金〇〇円を上限とする。当該上限を超える費用が見込まれる場合、甲は事前に乙に通知し、乙の書面による承諾を得た部分に限り、乙に追加負担を求めることができる。」

解説: 想定外の費用増加に対する歯止めをかける修正である。上限額は本提携から得られる乙の期待利益や取引規模を踏まえて設定することが望ましく、上限を著しく低く設定すると本提携の実効性自体が損なわれる点に留意する。

B-3. 第6条(知的財産権の帰属)の成果配分を見直し

修正前(中立版): 共同成果は寄与度、不明な場合は均等

修正後(B社有利): 「共同成果に係る知的財産権の持分は、乙の技術的貢献を考慮し、乙3分の2、甲3分の1とする。甲が共同成果を利用して得た収益がある場合、甲は乙に対し、当該収益の〇〇%に相当する額を実施料として支払う。」

解説: 技術やノウハウの主たる提供者が受領側(乙)である場合に、その貢献に見合った権利配分と収益還元を確保するための修正である。持分割合や実施料率は、実際の貢献度や業界慣行を踏まえて協議のうえ決定することが望ましい。

B-4. 第3条(非独占)に独占化の対価要求を追加

修正前(中立版): 独占とする場合は個別合意書で対象・期間・対価を定める旨のみ規定

修正後(B社有利): 「甲が乙に対し独占的取扱いを求める場合、甲は乙に対し、独占の対象範囲及び期間に応じた対価(最低取扱数量の保証又は独占対価の支払等)を個別合意書において明示するものとし、当該対価の合意がない限り、乙は独占的取扱いに応じる義務を負わない。」

解説: 独占条項は独占を受け入れる側の機会損失(他社との取引機会の喪失)を伴うため、その見返りとなる経済的対価を明確化する修正である。対価の設定と併せて、独占条項自体が独占禁止法上の拘束条件付取引に該当しないよう、対象範囲・期間を合理的な範囲に限定することも重要である。

B-5. 第13条(存続条項)の競業避止義務の範囲・期間を限定

修正前(中立版): 契約終了後の競業避止義務の期間・範囲は個別合意書で定める旨の一般的な言及にとどまる

修正後(B社有利): 「本契約終了後の競業避止義務は、本提携の対象製品又は対象地域に限定し、その期間は本契約終了後6か月を超えないものとする。当該義務の対象を超える事業活動は、乙が自由に行うことができる。」

解説: 契約終了後も広範な競業避止義務を負わされることは、受領側当事者の事業活動を過度に制約するおそれがあるため、対象範囲及び期間を具体的かつ限定的に定める修正である。契約終了後の競業避止義務は、職業選択の自由や事業活動の自由との関係で、期間・範囲が不合理に広い場合には公序良俗違反等により無効と判断される可能性がある点に留意する必要がある。

C. 相互(中立)バージョンの位置づけ

第1部の本文がこれに該当する。非独占を原則としつつ独占化の余地を個別合意書に委ね、費用負担は原則均等、共同成果は寄与度に応じた持分(不明な場合は均等)とするなど、いずれの当事者にも著しい有利・不利が生じないよう設計したバージョンである。実際の提携交渉においては、各当事者の交渉力、提供する経営資源の性質・量、想定されるリスク負担の程度等を踏まえ、本文を基礎としつつ第2部のA・B双方の修正パターンを参照して着地点を探ることが一般的である。


第3部: 逐条解説(購入者向け)

総論: 業務提携契約の法的性質

業務提携契約は、民法その他の法令に個別の典型契約として規定されているものではなく、当事者が合意した内容によってその法的性質が定まる非典型契約(混合契約)である。業務提携契約は、しばしば準委任契約(民法656条、643条)的な要素(一定の事務処理の委託)や請負契約的な要素(成果物の完成)を部分的に含むことがあるが、業務提携契約全体としては、特定の役務提供の対価関係のみを定めるものではなく、相互協力関係の大枠を定める性質を持つ点で、単純な準委任・請負とは異なる。また、当事者が損益を分配し合い、共通の目的のために出資し合う関係を構築する場合には、民法上の組合契約(民法667条以下)に該当すると評価される可能性があり、その場合には財産の合有、業務執行者の権限、組合員の連帯責任等、組合特有の規律が適用され得る。本契約は、共同マーケティングや相互送客等の緩やかな協業を想定し、損益の分配や共同出資を予定しない非独占の業務提携を基本形としているため、組合契約とは一線を画す設計としているが、個別合意書の内容次第では組合契約的性質を帯びる可能性がある点に留意が必要である(詳細は第4部参照)。

第1条(目的) 本提携の目的を明確にする総論規定である。対象分野(〇〇〇〇)を具体的に記載することで、後続の条項(特に第2条の提携内容、第7条の競業避止義務、第13条の契約終了後の競業避止義務)の解釈範囲を画する基準としての機能も持たせている。

第2条(本提携の内容) 共同マーケティング、相互送客、技術連携・共同開発を例示列挙し、詳細は個別合意書に委ねる二段階構成としている。基本合意書段階では大枠のみを定め、実施フェーズに入る都度、個別合意書で具体的な数値目標やスケジュールを合意する実務が一般的であるため、このような構成を採用した。個別合意書と本契約本文との優先関係を定める第3項は、実務上の解釈対立を避けるために重要な規定である。

第3条(非独占) 本提携が非独占を原則とすることを明示する条項である。独占条項は当事者の事業活動の自由を制約する強い効果を持つため、安易に設定せず、対象範囲・期間・対価を個別合意書で明確化することを求めている。独占的取扱いに関する法的留意点は第4部及び第2部B-4を参照されたい。

第4条(役割分担) 各当事者が担当する業務内容を定める規定である。基本合意書の段階では抽象的な記載にとどめ、個別合意書で具体化することも多いが、少なくとも大枠の役割分担を明記しておくことで、後日の紛争予防に資する。

第5条(費用負担) 費用負担の原則(均等負担)と、実費精算の手続を定める規定である。実費請求に関しては、根拠資料の提示を求めることで、恣意的な請求を防止する趣旨である。

第6条(成果物及び知的財産権の帰属) 既存の知的財産権(各当事者が本契約締結前から保有するもの)と、本提携の過程で共同して生み出された知的財産権(共同成果)とを明確に切り分ける規定である。共同成果に係る知的財産権を共有とする場合、特許法73条2項により、他の共有者の同意を得なければ自己の持分を譲渡し、又は質権を設定することができず、また同条3項により契約で別段の定めをしない限り他の共有者の同意なく自ら実施することができるとされている点を踏まえ、実施・譲渡・第三者への実施許諾の取扱いを契約上明確にしておくことが望ましい。

第7条(競業避止義務) 契約期間中の競業避止義務を定める規定である。契約期間中の競業避止義務は、本提携の実効性を確保するために一定程度は正当化されやすいが、対象範囲が本提携と無関係な事業にまで及ばないよう限定している。契約終了後の競業避止義務については第13条に譲る構成とした。

第8条(秘密保持) 簡潔な引用条項とし、詳細は別途NDAを締結している場合はそちらを優先する構成とした。業務提携の検討段階で既にNDAを締結しているケースは多く、本契約とNDAの内容が重複・矛盾しないよう整理する必要がある。

第9条(契約期間及び更新) 1年間の自動更新方式を採用した。契約期間の長短や更新の要否は、本提携の性質(短期のキャンペーン的な提携か、中長期の技術連携か)に応じて調整すべき事項である。

第10条(解除) 債務不履行、信用不安(差押え・倒産手続等)、反社該当を解除事由とする一般的な規定である。無催告解除を認める事由は、契約の継続を期待し得ない重大な事由に限定することが望ましく、軽微な違反にまで無催告解除を認めると、解除権の濫用と評価されるリスクがある。

第11条(反社会的勢力の排除) 暴力団排除条例等の実務に対応した表明保証条項である。多くの地方公共団体の暴力団排除条例が事業者間契約への同種条項の導入を求めており、本契約でもNDA等と同水準の詳細な規定を設けている。

第12条(損害賠償) 損害賠償の範囲(通常かつ直接の損害)及び上限額の考え方を示す規定である。上限額を授受された金額の範囲に限定する例を挙げているが、業種や取引規模によっては上限を設けない、あるいは別の基準(固定額等)を用いることも考えられる。消滅時効について、2020年施行の民法(債権法)改正後の規律(主観的起算点から5年、客観的起算点から10年、民法166条1項)を明記し、契約不適合責任等の関連する債務不履行責任にも適用され得ることに言及している。

第13条(存続条項) 契約終了後も存続すべき条項を列挙する規定である。契約終了後の競業避止義務については、対象期間・範囲を個別合意書で具体化すべき旨を明記し、無限定に存続させないよう配慮している。契約終了後の競業避止義務は、当事者の営業の自由を制約するものであるため、目的達成に必要な限度を超えないよう、期間はおおむね1年から2年程度を目安とすることが一般的である。

第14条(権利義務の譲渡禁止) 契約上の地位や権利義務の第三者への譲渡を制限する一般的な規定である。M&Aや事業譲渡の場面で本提携がどう扱われるかは別途検討を要する事項であり、必要に応じて事前承諾を要する譲渡の範囲(子会社への譲渡を除く等)を調整することも考えられる。

第15条(協議事項) 契約に定めのない事項について誠実協議を求める一般条項である。

第16条(合意管轄) 専属的合意管轄裁判所を定める規定である。管轄裁判所は、いずれかの当事者の本店所在地を管轄する裁判所とすることが一般的であるが、双方の所在地が離れている場合は、中間的な地を選択する、又は仲裁条項に置き換えることも検討に値する。


第4部: 監修者への確認依頼事項

  1. 第3条及び第2部A-2・B-4に関連し、独占的取扱条項(排他条件付取引)及び第7条の競業避止義務について、対象市場における甲乙の地位や取引規模によっては独占禁止法上の拘束条件付取引・排他条件付取引に該当するリスクがあるところ、標準版のドラフトにおいてどの程度の留意文言・免責的な限定を付すべきか、公正取引委員会の関連ガイドラインを踏まえたご確認をお願いしたい。
  2. 総論及び第2条に関連し、本契約が損益分配や共同出資を予定しない業務提携である旨を強調しているが、個別合意書の内容次第では民法上の組合契約(財産の合有、組合員の連帯責任等)と評価されるリスクがあるため、組合契約との区別を明確にするための追加的な文言(例: 「本契約は民法上の組合契約を構成するものではない」旨の確認規定)を本文に追加すべきか、ご意見を伺いたい。
  3. 第6条の共同成果に係る知的財産権の共有について、持分の定め方(寄与度基準、均等基準)及び自己実施・第三者への実施許諾・持分譲渡の取扱いが、特許法73条等の任意規定と整合しているか、また実務上より望ましい定め方があるかご確認をお願いしたい。
  4. 第13条及び第2部B-5に関連し、契約終了後の競業避止義務の合理的な期間・範囲について、業種横断的な標準ひな形としてどの程度の期間(案文では目安として1年から2年程度としている)を提示するのが適切か、ご意見を伺いたい。
  5. 第12条の損害賠償の上限設定(授受された金額を上限とする例)について、業務提携契約の実務上、より一般的な上限設定の考え方(固定額方式、年間取引額基準等)があれば、代替案としてご教示いただきたい。
  6. 第2部A-4の中途撤退制限・違約金条項について、違約金額の設定水準や、公序良俗違反・違約金減額の裁判例上のリスクをどう案内するのが適切か、購入者向け解説文言の追加要否をご確認いただきたい。
  7. 第9条の契約期間及び自動更新条項について、業務提携契約における一般的な期間設定(1年、3年等)や、更新拒絶の通知期限(本文では3か月前としている)の妥当性についてご意見を伺いたい。
  8. 第8条の秘密保持条項について、簡潔な引用条項にとどめている点が本商品の性質上適切か、あるいはNDA未締結の当事者間での使用を想定し、より詳細な秘密情報の定義・除外事由を本文に取り込むべきか、ご確認をお願いしたい。