セット内容

  • ハラスメント防止規程(社内規程)Word形式
  • 相談窓口設置・相談対応フローチャート
  • 懲戒処分の判断基準チェックリスト

こんな場面で

労働施策総合推進法(パワハラ防止法)に基づく防止措置義務に対応し、相談窓口・対応手順を社内規程として整備したい場面。

特長

  • パワハラ・セクハラ・マタハラを網羅した禁止行為の定義と具体例を収録
  • 相談から事実確認・是正措置・再発防止までのフローを標準装備
  • 就業規則付属規程(shugyo-kisoku-hiho-kitei)と組み合わせて社内規程一式を整備可能
以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

ハラスメント防止規程(社内規程)(監修用ドラフト)

⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。

商品ID: harassment-boshi-kitei / 価格: 2,980円 / 立場バージョン: 事業者(社内規程)/規程厳格度: 大企業・中堅企業向け厳格版・中小企業向け簡易版

本ドラフトは第2部で「大企業・中堅企業向け厳格版」と「中小企業向け簡易版(相談窓口の外部委託を前提とした簡略構成等)」の差分を提示する構成とし、第1部には両者の中間的な標準構成をベース条文として掲載する。


第1部: 規程本文(標準構成)

ハラスメント防止規程

第1条(目的)

本規程は、〇〇株式会社(以下「会社」という。)の職場における職場のパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントその他あらゆるハラスメント(以下「ハラスメント」と総称する。)を防止し、良好な職場環境を維持することを目的として定めるものである。

第2条(適用範囲)

  1. 本規程は、会社の全ての従業員(正社員、契約社員、パートタイマー、アルバイト、嘱託社員その他の名称を問わず会社と労働契約を締結する者をいう。以下「従業員」という。)に適用されるものと解される。
  2. 会社は、派遣労働者に対しても、労働者派遣法の趣旨に照らし、本規程に準じた措置を講じるよう努めるものとする。
  3. 会社の役員についても、本規程の趣旨に鑑み、従業員に準じて本規程を適用することが望ましい。

第3条(職場のパワーハラスメントの定義)

  1. 職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる次の各号のいずれにも該当する言動をいう(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(以下「労働施策総合推進法」という。)第30条の2第1項参照)。 (1)優越的な関係を背景とした言動であること (2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること (3)労働者の就業環境が害されるものであること
  2. 前項の言動は、代表的な類型として次の各号のようなものが挙げられるが、これらに限られるものではないと解される。 (1)身体的な攻撃(暴行、傷害等) (2)精神的な攻撃(脅迫、名誉毀損、侮辱、ひどい暴言等) (3)人間関係からの切り離し(隔離、仲間外し、無視等) (4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害等) (5)過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じること、仕事を与えないこと等) (6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること等)
  3. 業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、前2項のパワーハラスメントに該当しないものと解される。ただし、その手段や態様が社会通念に照らして相当性を欠く場合には、該当し得ると考えられる。

第4条(セクシュアルハラスメントの定義)

  1. セクシュアルハラスメントとは、職場において行われる従業員の意に反する性的な言動に対する対応により当該従業員が労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により就業環境が害されることをいう。
  2. 前項のセクシュアルハラスメントは、性的な言動への対応により解雇、降格、減給等の不利益を受ける「対価型」と、性的な言動により就業環境が不快なものとなったため能力の発揮に重大な悪影響が生じる等の支障が生じる「環境型」に大別されるものと整理される。
  3. セクシュアルハラスメントは、異性間のみならず、同性間の言動も対象となり、また、被害者の性的指向又は性自認にかかわらず、性的な言動であれば該当し得るものと解される。

第5条(妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの定義)

  1. 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(以下「マタニティハラスメント等」という。)とは、職場において、妊娠・出産したこと、育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する制度又は措置の利用に関する言動により、従業員の就業環境が害されることをいう。
  2. 男性従業員が育児休業等を取得しようとし、又は取得したことに対する嫌がらせ等(いわゆるパタニティハラスメント)についても、前項に準じて本規程の対象に含まれるものと解される。
  3. 制度等の利用に関する言動には、育児休業等の取得を阻害する言動及び取得を理由とする不利益な取扱いを示唆する言動が含まれ得ると考えられる。

第6条(顧客等からの著しい迷惑行為への対応)

  1. 会社は、取引先、顧客その他会社の従業員以外の者から従業員に対して行われる社会通念上相当な範囲を超えた言動(以下「カスタマーハラスメント」という。)についても、従業員の就業環境を害するものであることに鑑み、可能な範囲で必要な対応及び支援を行うよう努めるものとする。
  2. 会社は、カスタマーハラスメントを受けた従業員に対し、相談窓口の利用を案内するとともに、状況に応じて配置転換、複数名での対応その他の必要な措置を検討するものとする。

第7条(禁止行為)

従業員は、次の各号に掲げる行為を行ってはならない。 (1)第3条から第6条までに定めるハラスメントに該当する言動 (2)ハラスメントを助長し、又は正当化する言動 (3)ハラスメントの相談を行ったこと、事実確認に協力したことその他本規程に基づく対応に関与したことを理由として、当該従業員に対し不利益な取扱いを行うこと又は嫌がらせを行うこと

第8条(相談窓口の設置)

  1. 会社は、ハラスメントに関する相談(発生のおそれがある場合の相談を含む。)に対応するため、〇〇部内その他会社が指定する部署に相談窓口を設置する。
  2. 相談窓口の担当者は、人事部門の従業員その他会社が指名する者とし、必要に応じて外部の専門機関(弁護士、社会保険労務士、外部相談窓口サービス事業者等)と連携することができる。
  3. 相談窓口の連絡先及び利用方法は、従業員に周知するものとする。

第9条(相談の方法及び対象者)

  1. 従業員は、自らが受けたハラスメントのみならず、他の従業員が受けているハラスメントを見聞きした場合についても、相談窓口に相談することができる。
  2. 相談は、対面、電話、電子メールその他会社が定める方法により行うことができるものとする。
  3. 相談を行う従業員(以下「相談者」という。)は、実名を明らかにすることを原則とするが、会社は、匿名による相談についても可能な範囲で対応するよう努めるものとする。

第10条(相談対応における秘密保持及び不利益取扱いの禁止)

  1. 相談窓口の担当者その他相談対応に関与する者は、相談者及び当該相談に係る事実確認の対象となる者(以下「行為者」という。)等の関係者のプライバシーに配慮し、相談対応の過程で知り得た秘密を、事実確認及び再発防止のために必要な範囲を超えて第三者に漏らしてはならない。
  2. 会社は、相談者、行為者、事実確認に協力した者その他ハラスメントに関する相談又は対応に関与した者に対し、そのことを理由として、解雇、降格、減給、不利益な配置転換その他の不利益な取扱いを行ってはならない。
  3. 前項の規定は、労働施策総合推進法第30条の2第2項その他の関係法令の趣旨に沿うものと解される。

第11条(事実確認の手順)

  1. 相談窓口が相談を受け付けた場合、会社は、相談者の意向を踏まえつつ、速やかに事実関係の確認に着手するものとする。
  2. 事実確認は、相談者及び行為者双方から個別に事情を聴取するほか、必要に応じて第三者からの聴取、関連資料の確認その他の方法により行うものとする。
  3. 事実確認に当たっては、相談者及び行為者双方の主張が一致しない場合であっても、可能な限り客観的な証拠に基づき、公平かつ中立な立場から判断するよう努めるものとする。
  4. 会社は、事実確認の結果を、相談者及び行為者に対し、プライバシーに配慮した範囲で説明するよう努めるものとする。

第12条(是正措置及び懲戒処分)

  1. 会社は、事実確認の結果、ハラスメントの事実が認められた場合、行為者に対し、配置転換、注意指導その他の是正措置を講じるとともに、就業規則の定めるところにより懲戒処分を検討するものとする。
  2. 懲戒処分の要否及び程度の判断に当たっては、次の各号に掲げる事情を総合的に考慮するものとする。 (1)行為の態様、頻度及び継続期間 (2)行為者の職務上の地位及び相談者との関係性(優越性の程度) (3)被害の程度(心身への影響、就業環境への影響等) (4)行為者の認識(故意又は過失の程度)及び反省の有無 (5)会社への報告の有無及び事実確認への協力の程度 (6)過去の同種事案の有無及びその際の対応との均衡
  3. 会社は、事案の内容が刑事上の犯罪行為に該当するおそれがある場合、被害者の意向を踏まえつつ、警察等関係機関への相談を検討するものとする。
  4. 会社が行為者に対して民事上の損害賠償責任を追及する場合又は行為者の行為につき会社が使用者責任(民法第715条)を問われる可能性がある場合には、別途弁護士に相談の上で対応することが望ましいと考えられる。

第13条(再発防止措置)

  1. 会社は、ハラスメント事案が発生した場合、当該事案の内容及び対応状況を踏まえ、必要に応じて職場環境の改善、研修の実施その他の再発防止措置を講じるものとする。
  2. 会社は、前項の措置を講じるに当たり、相談者及び関係者のプライバシーに配慮し、必要な範囲を超えて事案の詳細を開示しないよう留意するものとする。

第14条(周知及び研修)

  1. 会社は、本規程の内容を、従業員に対し、入社時の研修、社内掲示、イントラネットへの掲載その他適切な方法により周知するものとする。
  2. 会社は、管理監督者及び一般従業員に対し、それぞれの立場に応じたハラスメント防止研修を定期的に実施するよう努めるものとする。

第15条(管理監督者の責務)

管理監督者は、日常の職務を通じてハラスメントの防止に努めるとともに、部下からハラスメントに関する相談を受けた場合には、速やかに相談窓口に取り次ぐ等、適切に対応しなければならない。

第16条(懲戒処分の周知に関する留意事項)

会社は、ハラスメント行為に対する懲戒処分の内容を社内に周知する場合、被害者及び行為者のプライバシーに配慮し、個人が特定されないよう匿名化その他の措置を講じることが望ましい。

第17条(規程の改廃)

本規程の改廃は、取締役会又は会社が定める機関の決議による。

第18条(施行期日)

本規程は、〇〇〇〇年〇〇月〇〇日から施行する。

以上


第2部: 立場別修正パターン(規程の厳格度によるバリエーション)

本商品は、企業規模・体制に応じて「大企業・中堅企業向け厳格版」と「中小企業向け簡易版」の2バリエーションを想定する。第1部は両者の中間的な標準構成であり、以下は各バージョンへ調整する際の差分(代替条文)である。

A. 大企業・中堅企業向け厳格版への変更

人事部門・法務部門が独立して機能し、複数の相談窓口担当者を配置できる規模の企業を想定した加重修正。

A-1. 第8条(相談窓口の設置)を複線化

追加条文例: 「相談窓口は、社内窓口(人事部門)及び社外窓口(顧問弁護士又は外部相談窓口サービス事業者)の2系統を設置し、従業員は相談内容に応じていずれかを選択できるものとする。特に、行為者が人事部門の従業員又は経営幹部である場合には、社外窓口を利用することを妨げないものとする。」

解説: 相談窓口担当者自身が行為者又はその関係者である場合の利益相反リスクに対応するため、社内・社外の複線化が望ましいと考えられる。大企業では監査役又は社外取締役への報告ルートを別途設ける例もある。

A-2. 第11条(事実確認の手順)にハラスメント防止委員会の設置を追加

追加条文例: 「会社は、事案の重大性が高いと認められる場合、人事部門、法務部門及び外部専門家(弁護士等)で構成するハラスメント防止委員会を設置し、事実確認及び是正措置の検討を行わせることができる。」

解説: 委員会形式による合議は、判断の公平性・客観性を担保する観点から、一定規模以上の企業では標準的な対応として採用される例が多いと考えられる。

A-3. 第12条(懲戒処分)に懲戒委員会の関与を明記

修正後: 「懲戒処分の要否及び内容は、就業規則に定める懲戒委員会の審議を経て決定するものとする。」

解説: 懲戒処分は従業員の身分に重大な影響を及ぼすため、恣意的な判断を避ける観点から、複数名による審議体を経る手続を明記することが望ましいと解される。

A-4. 第13条(再発防止措置)に組織的な実態調査を追加

追加条文例: 「会社は、年1回を目途に、全従業員を対象とした職場環境に関する匿名アンケート調査を実施し、その結果を再発防止措置の検討に活用するものとする。」

解説: 個別事案対応にとどまらず、組織全体のリスクを可視化する定期的なサーベイの実施は、大企業における先進的な取組みとして紹介される例が増えている。

A-5. 第14条(周知及び研修)を階層別・職種別に細分化

修正後: 「会社は、新入社員研修、管理職昇格時研修及び全従業員向け年次研修のそれぞれにハラスメント防止に関する項目を組み込み、対象者の役割に応じた内容で実施するものとする。」

解説: 研修対象を一律に扱うのではなく、階層ごとに求められる役割(管理監督者には部下からの相談対応、一般従業員には行為者・被害者いずれにもなり得る立場からの理解等)に応じて内容を分けることが実効性の観点から望ましいと考えられる。

B. 中小企業向け簡易版への変更

人事専任部署を置くことが難しい中小企業を想定し、相談窓口の外部委託を前提とした簡略構成に調整する。

B-1. 第8条(相談窓口の設置)を外部委託前提に簡略化

修正後: 「会社は、ハラスメントに関する相談窓口を、外部相談窓口サービス事業者又は顧問社会保険労務士に委託して設置する。従業員は、当該委託先が案内する方法により相談することができる。」

解説: 専任の相談窓口担当者を確保することが難しい中小企業では、外部委託により中立性を確保しつつ体制整備義務を履行することが現実的な選択肢になり得ると考えられる。労働施策総合推進法上の措置義務は企業規模を問わず適用されるため、外部委託であっても窓口自体を設置しないことは避けるべきと解される。

B-2. 第11条(事実確認の手順)を経営者直轄の簡易フローに変更

修正後: 「事実確認は、代表者又は代表者が指名する担当者が行うものとする。ただし、代表者が行為者である場合又は代表者に事案の関係者がある場合には、外部相談窓口サービス事業者又は顧問弁護士に事実確認への関与を依頼するものとする。」

解説: 委員会形式を組成する人員的余裕がない中小企業では、代表者主導の簡易フローとしつつ、代表者自身が利害関係を有する場合の除外規定を設けることで、最低限の公平性を確保することが望ましいと考えられる。

B-3. 第12条(懲戒処分)の判断基準を簡略化したチェックリスト形式に変更

修正後: 「懲戒処分の要否は、就業規則の懲戒事由への該当性及び前条各号の考慮要素のうち特に行為の態様・頻度・被害の程度の3点を中心に、代表者が総合的に判断するものとする。」

解説: 詳細な考慮要素をすべて逐一検討する体制を整えることが難しい場合、判断の核となる要素を絞り込んだ簡易チェックリストを用いることで、実務上の運用可能性を高めることができると考えられる。

B-4. 第14条(周知及び研修)を外部提供教材の活用に変更

修正後: 「会社は、厚生労働省が公開する啓発資料又は外部研修サービスを活用し、少なくとも年1回、全従業員に対してハラスメント防止に関する周知を行うものとする。」

解説: 自社で研修プログラムを開発する負担が大きい中小企業では、行政や外部機関が提供する無償又は低廉な教材を活用することが現実的な対応として紹介される例が多い。

B-5. 第13条(再発防止措置)を簡易な確認義務に縮小

修正後: 「会社は、ハラスメント事案が発生した場合、当該事案の概要及び対応結果を記録し、類似事案の再発防止に活用するよう努めるものとする。」

解説: 大規模なアンケート調査等の実施が難しい場合であっても、事案の記録・振り返りという最低限の取組みを明記することで、措置義務の趣旨を損なわない範囲での簡略化が可能になると考えられる。


第3部: 逐条解説(購入者向け)

第1条・第2条(目的・適用範囲) 本規程の対象者を明確化する条項。労働施策総合推進法に基づく防止措置義務は、正社員に限らずパートタイマー・契約社員等を含む全ての雇用形態の労働者を対象とするため、適用範囲を限定しないことが重要と考えられる。派遣労働者については、派遣先にも一定の配慮義務が課される点に留意が必要である。

第3条(パワーハラスメントの定義) 2020年(中小企業は2022年)施行の改正労働施策総合推進法により、事業主に対しパワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務が課されたことを踏まえた条項である。厚生労働省の指針(令和2年厚生労働省告示第5号)が示す6類型(身体的攻撃・精神的攻撃・人間関係からの切り離し・過大な要求・過小な要求・個の侵害)を条文に明記することで、従業員が具体的なイメージを持ちやすくなると考えられる。第3項の「適正な業務指導との区別」は実務上最も紛争が生じやすい論点であり、指導とハラスメントの境界について、購入者側で自社の業種・業務実態に即した具体例を追記することが望ましい。

第4条(セクシュアルハラスメントの定義) 男女雇用機会均等法第11条に基づく措置義務に対応する条項。対価型・環境型の区別は行政指針上の整理であり、実務における相談対応や懲戒処分の判断において、いずれの類型に該当するかを明確に意識することで、被害の実態に即した対応がしやすくなると考えられる。同性間のハラスメントやSOGIハラスメントも対象に含まれる点は、近年の実務上重要性が増している論点である。

第5条(マタニティハラスメント等の定義) 男女雇用機会均等法第11条の3及び育児・介護休業法第25条に基づく措置義務に対応する条項。制度等の利用への嫌がらせ(利用阻害型)と、妊娠・出産等の事実そのものへの嫌がらせ(状態への嫌がらせ型)の両方が含まれる点に留意が必要である。パタニティハラスメントについても近年相談件数が増加傾向にあるとされ、明示的に規程に含めることが望ましいと考えられる。

第6条(カスタマーハラスメント) 労働施策総合推進法上の直接の措置義務の対象ではないが、令和4年改訂の厚生労働省指針において、事業主が配慮を行うことが望ましい旨が示された経緯がある。都道府県によっては条例でカスタマーハラスメント対策を義務化する動きもあり、購入者の事業所在地に応じて条文の強度を調整する余地がある論点と考えられる。

第7条(禁止行為) 実行行為そのものの禁止に加え、相談者・協力者への報復的取扱いを明示的に禁止している点が重要である。報復禁止規定を欠くと、相談を萎縮させる要因になり得ると考えられる。

第8条〜第10条(相談窓口・秘密保持・不利益取扱いの禁止) 措置義務の中核をなす体制整備条項。相談窓口の実効性は、窓口の存在を周知することのみならず、相談したことによる不利益取扱いがない旨を明確に保障することで初めて確保されると考えられる。第10条第2項の不利益取扱い禁止は、行為者とされた者についても、事実確認の結果が確定するまでは同様に配慮すべき旨を含意しており、冤罪リスクへの目配りとしても機能すると解される。

第11条・第12条(事実確認の手順・懲戒処分の基準) 実務上最も紛争化しやすい局面であり、手続の公正性(相談者・行為者双方からの聴取機会の確保等)を欠くと、懲戒処分の有効性自体が争われるリスクがあると考えられる。懲戒処分の量定については、裁判例上、行為の悪質性・継続性・被害の程度・行為者の反省の有無等が総合的に考慮される傾向にあり、第12条第2項のチェックリストはこれらの要素を実務向けに整理したものである。行為者の民事責任及び会社の使用者責任(民法第715条)については、2020年の民法(債権関係)改正による直接の影響は限定的であるが、消滅時効期間(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権につき民法第724条の2により20年に伸長された点等)との関係で、長期間経過後に請求がなされる可能性がある点は留意が望ましい。

第13条・第14条(再発防止措置・周知及び研修) 措置義務は個別事案対応で完結するものではなく、組織的な予防・教育活動を含むものと解される。研修の実施状況や実態調査の結果は、万一訴訟等に発展した場合に会社側の安全配慮義務の履行状況を示す資料としても機能し得ると考えられる。

第15条・第16条(管理監督者の責務・懲戒処分の周知) 管理監督者は、部下からの相談の「一次受け」となる場面が多く、その対応の適否が会社全体の措置義務の履行評価に直結し得ると考えられる。懲戒処分の周知に当たっては、個人情報保護及びプライバシー保護の観点から匿名化等の配慮を要する点に留意が必要である。

第17条・第18条(改廃・施行期日) 規程の改廃手続と施行日を明確にする一般条項。就業規則の一部又は付属規程として位置づける場合は、就業規則本体との整合性(矛盾抵触がないか)を確認することが望ましい。


第4部: 監修者への確認依頼事項

  1. 第3条第2項のパワーハラスメント6類型の記載について、厚生労働省指針(令和2年厚生労働省告示第5号)の最新の文言・具体例と齟齬がないか確認いただきたい。
  2. 第6条のカスタマーハラスメントに関する条項について、努力義務にとどめる現行案の表現で妥当か、条例で義務化されている地域を想定した強化版の要否について確認いただきたい。
  3. 第12条第2項の懲戒処分の判断基準(考慮要素)について、実務上の裁判例の傾向に照らし、追加すべき考慮要素(例: 会社への謝罪の有無、SNS等での二次拡散の有無)があるか確認いただきたい。
  4. 中小企業向け簡易版(第2部B)における代表者主導の事実確認フロー(B-2)について、代表者自身の利益相反排除の手当てが労働施策総合推進法の措置義務の水準を満たすものといえるか確認いただきたい。
  5. 中小企業の適用時期猶予(大企業は2020年6月、中小企業は2022年4月から義務化)に関する経緯の記載について、現時点(本ドラフト作成日以降)で追加の法改正情報がないか確認いただきたい。
  6. 第10条の不利益取扱い禁止の対象に、行為者とされた者(事実確認未了の段階)を含めることの妥当性、及びその場合の被害者保護とのバランスについて確認いただきたい。
  7. 民法第715条(使用者責任)及び民法第724条の2(人身損害の消滅時効の特則)との関係についての第3部の記述が、2020年民法改正後の実務の一般的理解として正確か確認いただきたい。
  8. 就業規則本体との関係(本規程を就業規則の一部とするか、独立した付属規程とするか)について、標準的な位置づけの提示方法に関する助言をいただきたい。