保険業法第294条の2に基づき顧客の意向を把握し提案内容を記録する様式です。初期意向、提案理由、最終意向の確認欄を備えます。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
意向把握・情報提供記録(保険募集)
第1部: 書式本文
本様式は、保険募集人が顧客との保険契約締結の媒介または代理にあたり、顧客の意向を把握し、提案内容及び最終確認結果を記録するための書式である。以下の記載項目に沿って作成する。
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基本情報 顧客氏名【 】、契約者との続柄【 】、面談日【 年 月 日】、担当募集人氏名及び登録番号【 】、面談方法(対面・電話・非対面ツール)【 】
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初期意向の把握 顧客が保険加入を検討する目的【死亡保障・医療保障・老後資金準備・資産形成・その他( )】 希望する保障期間【 】、希望する保険料水準(月額・年額)【 】 既契約の有無及びその内容(重複・過不足確認のため)【 】
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意向把握のための質問事項と回答 質問1:保障を重視するか、貯蓄性を重視するか【 】 質問2:保険料払込みの継続可能性についての見込み【 】 質問3:健康状態・告知事項に関する懸念の有無【 】
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提案商品及び提案理由 提案商品名【 】、保険会社名【 】、主契約及び特約の内容【 】 当該商品を提案した理由(初期意向のどの要素に対応するか)【 】 比較検討した他商品がある場合はその商品名と選定に至らなかった理由【 】
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重要事項の説明実施記録 契約概要・注意喚起情報を交付した日【 】、クーリングオフに関する説明の実施【有・無】 告知義務の内容について説明した旨の確認【有・無】
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最終意向の確認 提案内容が顧客の意向に沿っているかの確認結果【合致・一部相違・不合致】 相違がある場合の修正内容及び再提案の要否【 】 顧客の最終的な申込意思【申込む・保留・申込まない】
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記録作成者及び確認者 作成者氏名【 】、作成日【 】、所属長確認欄【 】、確認日【 】
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保険期間・保険料に関する確認事項 保険期間の開始日及び満了日(見込み)【 】、払込方法(月払・年払・一時払)【 】 保険料が家計に与える影響についての顧客の認識確認【問題なし・要再検討】
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特約及び付随サービスの説明記録 付帯する特約の名称及び主契約との関係【 】 顧客からの質問及びそれに対する回答の要旨【 】
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記録の訂正履歴 訂正日【 】、訂正箇所【 】、訂正理由【 】、訂正者【 】
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節: 募集人の立場からの修正例
複数商品を比較推奨する場合、第4項を次のように詳細化することが望ましい。
修正例: 「提案商品を選定するにあたり比較した商品は【3】件であり、比較の観点は保険料水準、保障範囲及び解約返戻金の有無とした。最終的に本商品を提案した理由は、顧客の【教育資金準備】という意向に対し、払込期間と据置期間の設計が最も適合していたためである。」
一言解説: 比較推奨を行った際は、比較対象の商品数と比較軸を具体的に記載することで、保険業法第294条の3が求める説明義務の履行を客観的に裏付けられる書き方に改める。
B節: 顧客の立場からの修正例
顧客側が記録内容を確認・訂正する場面では、第6項に顧客本人の署名欄を追加する修正が有効である。
修正例: 「上記の提案内容及び最終意向の確認結果について、内容に相違ないことを確認しました。顧客署名【 】、確認日【 】」
一言解説: 顧客が自らの意向確認結果を追認したという事実を書面上に残すことで、後日の「意向に沿わない契約を締結させられた」という主張に対する反証資料としての価値を高める修正である。
さらに、高齢の顧客や判断能力に配慮が必要な顧客が契約者となる場面では、第6項に家族等の同席者確認欄を追加し、同席者の氏名・続柄・同席理由を記載する運用も考えられる。
修正例: 「本面談には家族【 】(続柄【 】)が同席し、契約内容について共に確認した。同席理由【判断補助・情報共有・その他】」
一言解説: 高齢者募集ガイドラインの趣旨を踏まえ、意向把握の過程に第三者の関与があったことを記録に残すことで、後日の意思能力に関する紛争を予防する意味合いを持たせる修正である。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本様式は、募集人が顧客との面談を通じて意向を把握し、提案・締結に至るまでの経緯を記録する場面で使用する。既に締結済みの契約について事後的に体裁を整えるためだけに作成することは、記録の実質的な意味を失わせるため避けるべきである。また、団体保険のように個々の被保険者との個別面談を前提としない募集形態にそのまま流用することも適切ではなく、その場合は制度全体の説明資料として別途整理する必要がある。
根拠法令として、保険業法第294条の2は、保険募集人に対し、保険契約の締結の勧誘をするに際して、あらかじめ顧客の意向を把握し、これに沿った保険契約の締結を勧誘するとともに、保険契約の締結前に、当該保険契約の内容が顧客の意向と合致していることを確認する機会を提供しなければならないと定めている。この確認機会の提供方法として、意向確認書面の交付や本様式のような記録の作成・保存が実務上広く用いられている。また、保険業法施行規則においては、募集関連の書類について一定期間の保存及び整備が求められており、社内規程で保存期間を具体的に定めておくことが望ましい。
なお、意向把握・確認の手法自体は法令上一律に定められているわけではなく、初回提案時に意向を把握し契約締結時に改めて確認する「注意喚起情報」方式や、契約概要と併せて交付する統合方式など複数の実務パターンが存在する。本様式はそのうち、面談の都度、初期意向と最終意向を対比させて記録する方式を採用しており、対面型の個人保険募集を主な想定場面としている。
よくある失敗として、第一に、初期意向の把握が抽象的な聞き取りにとどまり、後から見て何を基準に商品を選んだのか分からなくなる例がある。対策として、第2項及び第3項の質問事項を具体的な選択肢形式にし、回答を選択させる形で記録の再現性を確保する。第二に、比較推奨をしたにもかかわらず比較対象や比較軸を記録しない例がある。対策として、第4項に比較商品数と比較軸を必須記載事項として設ける。第三に、最終意向の確認を契約締結の直前に形式的に行い、相違があった場合の修正プロセスが記録に残らない例がある。対策として、第6項に「一部相違」の場合の再提案要否を明記する欄を設け、プロセスの連続性を担保する。また、紙媒体での交付を電子データによる記録に代替する場合、顧客が電子的方法での提供に同意していることを別途確認しておく必要があり、同意取得の有無を記録から欠落させると、記録自体の証拠力が減殺される点にも注意を要する。記載項目の増減や電子的記録への代替可否については、社内の募集人管理体制や取扱商品の特性によって異なるため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 顧客の基本情報と面談方法を記載したか
- [ ] 初期意向を具体的な選択肢形式で把握しているか
- [ ] 既契約の有無と重複・過不足の確認を行ったか
- [ ] 提案商品と提案理由が初期意向に対応する形で記載されているか
- [ ] 比較推奨を行った場合、比較対象と比較軸を記載したか
- [ ] 重要事項説明及びクーリングオフ説明の実施有無を記録したか
- [ ] 最終意向の確認結果と相違の有無を記録したか
- [ ] 相違があった場合の再提案・修正プロセスを記載したか
- [ ] 記録作成者及び確認者の署名欄を設けたか
- [ ] 記録の保存期間と保存方法を社内規程と整合させたか
- [ ] 電子データで作成する場合、顧客の同意取得を記録したか
- [ ] 高齢者など配慮が必要な顧客について同席者情報を記載したか