1歳に満たない子を養育する従業員が育児休業を取得する場面で提出する様式。育児介護休業法第5条に基づく1か月前の申出や分割取得・延長の記載欄を備える。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
育児休業申出書
第1部: 書式本文
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児介護休業法」という)第5条に基づき、下記のとおり育児休業を申し出ます。
- 申出日 【西暦】年【 】月【 】日
- 申出者(従業員) 所属【部署名】 氏名【氏名】 社員番号【番号】
- 休業の対象となる子 氏名【子の氏名】 続柄【実子・養子等】 生年月日【西暦】年【 】月【 】日 (出産予定の子の場合は出産予定日【西暦】年【 】月【 】日)
- 育児休業を開始しようとする日 【西暦】年【 】月【 】日
- 育児休業を終了しようとする日 【西暦】年【 】月【 】日(子が原則として1歳に達する日まで)
- 申出に係る休業がその期間中の各日について所定労働時間の全部にわたるものであるか □ はい □ いいえ(その場合の勤務形態【 】)
- 本申出が育児休業の初回の申出か、法第5条第2項に基づく再度の申出(分割取得。原則2回まで)かの別 □ 1回目 □ 2回目(1回目の休業期間【 】〜【 】)
- 1歳到達日後の延長を希望する場合はその事情 □ 保育所等に入所できない □ 配偶者の死亡・負傷疾病等その他の事情【具体的事情】
- 申出者と配偶者の育児休業取得状況(パパ・ママ育休プラスの利用希望の有無) □ 利用を希望する(その場合の休業終了予定日【西暦】年【 】月【 】日、配偶者の休業開始日【西暦】年【 】月【 】日) □ 利用を希望しない
- 申出者の署名 署名【署名】 連絡先【電話番号・メールアドレス】
- 添付書類 □ 母子健康手帳の写し □ 続柄を証明する書類 □ その他【 】
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 従業員側(申出用)
- 記載例: 「第4項の休業開始予定日は、育児介護休業法第5条第3項に基づき、原則として休業を開始しようとする日の1か月前までに申し出ます」と冒頭注記を加える。 一言解説: 申出期限(原則1か月前、出産予定日前の申出等特例あり)を明記することで、会社側の後日の「申出期限違反」との争いを未然に防げる。
- 記載例: 第7項の分割取得欄に「本申出は令和【 】年改正後の制度に基づく分割2回目の申出であり、1回目取得済み期間との通算子の年齢が1歳未満であることを確認済み」と付記する。 一言解説: 分割取得は原則2回までという上限があるため、従業員自身が取得回数を自己申告する形にしておくと会社の管理負担が軽減される。
B. 会社側(受理・確認用)
- 記載例: 書式末尾に「受理日【西暦】年【 】月【 】日 受理担当者【氏名】 受理番号【 】」の欄を追加する。 一言解説: 育児介護休業法第6条は事業主に申出を拒めない旨を定めるため、受理日を明確に記録し拒否ではなく確認のプロセスであることを書式上も示す。
- 記載例: 「本申出について、労使協定に基づき雇用期間1年未満等の除外事由に該当するか確認欄」を設ける。 一言解説: 労使協定で対象外とできる従業員の範囲は限定的であり、除外事由の有無を書式上でチェックすることで恣意的な拒否を防止する。
- 記載例: 「本申出を受け、育児介護休業法施行規則に基づき、開始予定日等を記載した育児休業取扱通知書を【西暦】年【 】月【 】日までに交付する」と後続手続の期限を明記する。 一言解説: 申出書の受理だけで手続を終えると、会社が負う通知義務(施行規則第7条)の履行が漏れやすいため、次の書類作成までの社内タイムラインを申出書上に組み込むことが望ましい。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本書式は、1歳に満たない子を養育する従業員が育児介護休業法第5条に基づき育児休業を申し出る場面で使用する。既に休業期間が満了した後の再取得や、子が1歳を超えた後の延長申出には、本書式ではなく別途「1歳6か月まで延長申出書」等を用いるべきであり、本書式をそのまま流用してはならない。
第5条第3項により、育児休業の申出は原則として休業を開始しようとする日の1か月前までに行う必要がある。ただし出産予定日前に子が出生した場合等は特例で申出期限が短縮される。実務でよくある失敗の一つは、この1か月前ルールを従業員が認識せず直前に申し出てしまい、会社が開始日を後ろ倒しにできる権利(第6条第3項)を行使すべきか判断に迷うケースである。本書式第1項の申出日欄と第4項の開始予定日欄を対照させることで、1か月の猶予があるかを一目で確認できるようにしている。
二つ目の失敗例は、分割取得の回数管理を怠り、3回目以降の申出を誤って受理してしまうことである。育児介護休業法第5条第2項により分割取得は原則2回までとされており、本書式第7項で取得回数を明示させることでこの誤りを防ぐ。
三つ目の失敗例は、1歳到達後の延長要件(保育所に入所できない等)を確認せずに休業を継続させてしまうことである。延長には客観的な事情の疎明が必要であり、本書式第8項で延長事情の記載欄を設けている。
なお、休業取得を理由とする解雇その他不利益取扱いは育児介護休業法第10条により禁止されている。本書式の運用に際して、対象となる子の続柄や労使協定の除外事由の該当性など個別の事情によって結論が異なり得るため、最終的な判断は弁護士等の専門家に確認することが望ましい。
四つ目の失敗例として、有期雇用労働者からの申出を一律に対象外として扱ってしまうケースが挙げられる。かつては引き続き雇用された期間が1年以上であることが要件とされていたが、現行制度ではこの要件は撤廃されており、有期雇用労働者であっても子が1歳6か月に達する日までの間に労働契約が満了することが明らかでない限り申出の対象となる。本書式の第2項に雇用形態の記載欄を設け、有期・無期の別にかかわらず申出資格の有無を個別に確認する運用とすることが望ましい。労使協定で除外できるのは、雇用された期間が1年未満の従業員、申出の日から1年以内(1歳6か月・2歳までの延長申出の場合は6か月以内)に雇用関係が終了することが明らかな従業員、1週間の所定労働日数が2日以下の従業員に限られており、これら以外の理由で申出を拒否することはできない点にも注意が必要である。
また、休業開始予定日の変更(1回に限り、開始予定日の1週間前までの申出により可能)についても、本書式とは別に「育児休業開始予定日変更申出書」を用意し、本書式のみで開始日の変更まで処理しようとしないことが望ましい。開始日の変更と、休業自体の申出の撤回とは法的な扱いが異なり、撤回の場合は原則として同一の子について再度の申出ができなくなる(特別の事情がある場合を除く)ため、従業員に対してその区別を丁寧に説明する必要がある。
五つ目の失敗例として、育児休業を取得した従業員に対する評価や賞与算定において、休業期間を欠勤と同様に不利益に扱ってしまうケースが挙げられる。休業期間そのものを理由に賞与や昇給を一律に減額する取扱いは、育児介護休業法第10条が禁止する不利益取扱いに該当するおそれがある。本書式は申出の受付段階の書類であるが、人事担当者は申出受理時点で評価制度上の取扱いについても社内規程を確認し、休業取得を理由とした不利益な算定が生じないよう留意する必要がある。休業期間中の待遇や評価制度の設計そのものについては、就業規則・賃金規程との整合性を含めて専門家の確認を経ることが望ましい。
さらに、令和4年の改正により、事業主には妊娠・出産の申出をした従業員に対する個別の周知・意向確認義務(第21条)や、育児休業を取得しやすい雇用環境の整備義務が課されている。本書式のみで両立支援に関する会社の義務がすべて完結するわけではなく、申出の受付と並行して、これら関連手続が別途必要となる場合がある点に留意されたい。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 対象となる子が1歳に満たないことを確認したか
- [ ] 申出日が休業開始予定日の1か月以上前であるかを確認したか
- [ ] 出産予定日前の出生等、申出期限の特例に該当しないかを確認したか
- [ ] 分割取得の場合、通算の取得回数が2回以内であることを確認したか
- [ ] 労使協定による適用除外者に該当しないかを確認したか
- [ ] 続柄を証明する書類(母子健康手帳の写し等)の添付を確認したか
- [ ] パパ・ママ育休プラスの利用希望の有無を確認したか
- [ ] 1歳到達後の延長を希望する場合、その具体的事情を記載させたか
- [ ] 受理日・受理担当者を記録する欄を設けたか
- [ ] 休業中の連絡方法・緊急連絡先を確認したか
- [ ] 申出者本人の署名(または記名押印)があるか