火災時の自衛消防組織の役割分担を明示する編成表です。通報、初期消火、避難誘導、安全防護の各班と代替要員を定めます。後日の紛争を防ぐための確認欄をあらかじめ設けています。

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自衛消防隊編成表

第1部: 書式本文

自衛消防隊編成表

防火対象物名称:【 】  作成年月日:【 】年【 】月【 】日 防火管理者:氏名【 】  最終改訂日:【 】年【 】月【 】日

1 自衛消防隊の設置目的 本編成表は、消防法第8条及び消防法施行令第3条の2に基づき設置する自衛消防組織について、火災その他の非常時における各班の役割分担、要員及び代替要員を定めるものである。

2 自衛消防隊長 一 隊長:氏名【 】 役職【 】 連絡先【 】 二 副隊長(隊長不在時の代行者):氏名【 】 役職【 】 連絡先【 】

3 各班の編成 一 通報連絡班  班長:氏名【 】 連絡先【 】  班員:氏名【 】、氏名【 】  任務:火災発見時の119番通報、防災センター・関係者への連絡、状況の記録及び伝達  代替要員:氏名【 】(班長不在時)

二 初期消火班  班長:氏名【 】 連絡先【 】  班員:氏名【 】、氏名【 】  任務:消火器及び屋内消火栓設備等による初期消火活動、火元の確認  代替要員:氏名【 】

三 避難誘導班  班長:氏名【 】 連絡先【 】  班員:氏名【 】、氏名【 】  任務:在館者・来訪者の避難誘導、避難経路上の安全確認、要配慮者への対応、避難完了の確認及び報告  代替要員:氏名【 】

四 安全防護班  班長:氏名【 】 連絡先【 】  班員:氏名【 】、氏名【 】  任務:防火戸・防火シャッターの閉鎖確認、電気設備・ガス設備の遮断、エレベーターの管理運行停止措置  代替要員:氏名【 】

五 救護班(設置する場合)  班長:氏名【 】 連絡先【 】  任務:負傷者の応急手当、救急隊への引継ぎ  代替要員:氏名【 】

4 参集基準 一 勤務時間内に火災等が発生した場合、上記編成のとおり各班が直ちに任務に従事する。 二 夜間・休日等、上記要員が不在の場合の対応者:氏名【 】、連絡先【 】 三 参集要員が同時に不足する場合の応援要請先:【他部署・警備会社等】

5 装備及び保管場所 一 携帯無線機・メガホン:保管場所【 】 二 避難誘導用の懐中電灯・笛:保管場所【 】 三 救急箱:保管場所【 】

6 教育・訓練との関係 本編成表に定める要員は、消防計画に定める消火訓練及び避難訓練に参加し、任務内容を年【2】回以上確認する。異動・退職等により要員に変更が生じた場合は、速やかに本編成表を改訂する。

7 確認欄 本編成表の内容を確認し、各自の役割を了知したことを証するため、以下に署名する。

隊長 署名:【 】 確認日:【 】 副隊長 署名:【 】 確認日:【 】 通報連絡班長 署名:【 】 確認日:【 】 初期消火班長 署名:【 】 確認日:【 】 避難誘導班長 署名:【 】 確認日:【 】 安全防護班長 署名:【 】 確認日:【 】 防火管理者 署名:【 】 確認日:【 】

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節: 防火管理者が編成・改訂する場面での書き換え

  1. 少人数事業所における兼任編成 従業員数が少なく班ごとに要員を分けられない事業所では、「3 各班の編成」を「1名が複数の班を兼任する場合、優先順位は通報連絡>初期消火>避難誘導>安全防護とする」旨の注記を追加した上で、氏名欄に複数の班を併記する形式に修正する。

  2. 交替制勤務(シフト制)の事業所における時間帯別編成 24時間稼働の施設や交替制勤務の事業所では、「3 各班の編成」を時間帯(日勤・準夜勤・深夜勤)ごとに複数の編成表を作成する構成に改め、各時間帯の責任者を明記する。「4 参集基準」にも、シフト交代時の引継ぎ方法(「班長は交代時に自衛消防隊編成表の写しを次の班長に引き継ぐ」)を追加する。

  3. 複数フロア・複数テナントが混在する建物での階層別編成 大規模ビルでは、各階又は各テナントに「地区隊」を置き、本編成表に「地区隊は自区画の状況を本部隊(安全防護班)に報告する」旨の連絡系統を追加し、地区隊長の氏名・連絡先を別紙に一覧化する構成に修正する。

B節: 従業員が確認・運用する場面での書き換え

  1. 新入社員・異動者への周知を前提とした記載 従業員の入れ替わりが多い職場では、「7 確認欄」に加えて「本編成表は入社時及び配置転換時に本人に説明し、確認欄への署名をもって周知完了とする」旨を追加し、周知の証跡を残す運用に修正する。

  2. 要配慮者(高齢者・障害者・外国人労働者等)への対応を明記する場合 利用者・従業員に要配慮者が含まれる場合、「避難誘導班」の任務に「要配慮者の氏名、所在フロア、必要な介助内容をあらかじめ避難誘導班が把握し、優先的に避難を支援する」旨を追加し、個別の対応者を指定する記載に改める。

  3. 紛争予防のための役割分担の明確化 非常時対応の不備を巡って事後に責任の所在が争われることを避けるため、「7 確認欄」の署名に加え、「本編成表に定める役割分担は、火災発生時の初動対応における各自の任務を明確化する目的で定めるものであり、個々の対応結果について直ちに個人の法的責任を追及する趣旨のものではない」旨の注記を追加し、確認欄の趣旨を明確にする書き換えが考えられる。

第3部: 書き方と法的ポイントの解説

使う場面・使ってはいけない場面の解説

本書式は、消防法施行令第3条の2により自衛消防組織の設置が義務付けられる一定規模以上の防火対象物、及び義務対象ではないものの消防計画の実効性確保のために自主的に自衛消防組織を編成する防火対象物の双方で使用できる。ただし、自衛消防組織の設置義務の有無及び班編成の要件は防火対象物の用途・規模により異なるため、義務の有無を確認せずに画一的に本書式を適用すべきではない。また、本編成表は消防計画の一部を構成する運用文書であり、これのみを単独で消防署に届け出る性質のものではない点に留意する。

根拠法令の解説

自衛消防組織の設置義務は消防法施行令第3条の2に定められており、消防計画に定めるべき事項の一つとして自衛消防の組織に関する事項が消防法施行規則第3条に規定されている。消防計画の作成義務そのものは消防法第8条に基づく。本編成表は、これらの規定を踏まえ、消防計画に添付する形で具体的な要員配置を明示する文書として位置付けられる。

よくある失敗と条項上の対策

第一に、編成表を作成した後に異動・退職があっても更新されず、実際の非常時に記載された要員が不在であるという失敗が典型的である。「6 教育・訓練との関係」のように定期確認及び随時改訂のルールを明記し、改訂の契機を制度化することが対策となる。第二に、各班の任務が抽象的にしか記載されておらず、実際の初動でどう動けばよいか分からないという失敗がある。「3 各班の編成」のように、通報・消火・避難誘導・安全防護のそれぞれについて具体的な行動内容を列挙することが有効である。第三に、非常時対応の結果について、事後に個人の責任を追及するような形で編成表が用いられ、かえって従業員の協力が得られにくくなる失敗がある。「7 確認欄」の趣旨を、個人の法的責任追及ではなく役割の周知徹底にあることを明確にしておくことで、円滑な運用と紛争予防の両立を図ることができる。

なお、自衛消防組織の設置義務の要否や班編成の適正な人数・構成については防火対象物の個別事情により判断が異なるため、編成にあたっては個別事案について専門家(所轄消防署の予防課、防火管理者講習の実施機関、弁護士等)に確認することを推奨する。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 防火対象物が消防法施行令第3条の2の自衛消防組織設置義務の対象か確認したか
  • [ ] 隊長・副隊長の氏名及び連絡先を最新の状態に更新したか
  • [ ] 通報連絡・初期消火・避難誘導・安全防護の各班に班長及び班員を配置したか
  • [ ] 各班に代替要員(班長不在時の代行者)を定めたか
  • [ ] 夜間・休日等、通常要員が不在の時間帯の対応者を定めたか
  • [ ] 要配慮者が在館・在籍する場合の対応方法を明記したか
  • [ ] 装備品(無線機、懐中電灯、救急箱等)の保管場所を明記したか
  • [ ] 消火訓練・避難訓練への参加を通じた任務内容の確認頻度を定めたか
  • [ ] 異動・退職等が生じた場合の編成表改訂の手続を定めたか
  • [ ] 各班長及び防火管理者の確認欄への署名を取得したか
  • [ ] 複数フロア・複数テナントがある場合の連絡系統を明確にしたか