事業譲渡契約に添付する承継資産・負債の明細書式です。個別承継が原則となるため対象物件と除外財産を漏れなく特定できます。実務で迷いやすい記載箇所には解説コメントを付しています。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

事業譲渡承継財産目録

第1部: 記載項目一覧・記載要領

本目録は、事業譲渡契約書の別紙として添付し、譲渡会社が譲受会社に承継させる資産・契約上の地位・負債を個別に特定するための書式である。事業譲渡においては、会社分割のような包括承継ではなく、資産の種類ごとに個別の移転手続(個別承継)を要するため、本目録により承継対象物件と除外財産を漏れなく特定することが特に重要となる。

1. 表紙記載事項 記載項目: 事業譲渡契約の名称・締結日、譲渡会社(以下「甲」)及び譲受会社(以下「乙」)の商号、目録の作成基準日。 記載要領: 目録の内容がいつ時点の資産・負債状況を反映しているかを明確にするため、基準日を必ず記載する。契約締結日と基準日が異なる場合、基準日以降の変動をどちらが負担するかを契約書本体側で手当てする必要がある。

2. 有形資産目録 記載項目: 土地・建物(所在・地番・面積)、機械設備・什器備品(型番・数量・設置場所)、車両(登録番号・車検有効期限)。 記載要領: 不動産は登記事項証明書と、機械設備は固定資産台帳と、それぞれ突合し不一致がないかを確認する。実務で迷いやすいのは共有設備の扱いであり、対象事業と他事業が共用する設備は原則として除外財産とし、必要な場合は別途使用許諾の条項で手当てする。

3. 無形資産目録 記載項目: 特許権・商標権・著作権(登録番号)、ソフトウェア・顧客データベース、のれん(算定根拠)。 記載要領: 知的財産権は移転登録手続を要するものが多く、目録には登録番号のほか移転登録の要否・申請予定時期を付記しておくと後の手続漏れを防げる。

4. 契約上の地位目録 記載項目: 取引基本契約・賃貸借契約・リース契約(相手方・契約期間・承諾要否)、承継しない契約(除外契約)の明示。 記載要領: 契約上の地位の移転には原則として契約相手方の承諾(民法第539条の2)を要するため、目録には承諾取得の見込み欄を設け、未取得のまま効力発生日を迎える契約の取扱いを契約書本体で手当てする。

5. 債権目録 記載項目: 売掛金・貸付金(発生日・金額・弁済期)、対抗要件具備の方法欄。 記載要領: 債権の譲渡は民法第467条の定める確定日付のある証書による通知又は承諾がなければ第三者に対抗できないため、目録には対抗要件具備の予定日を記載する欄を設けることが望ましい。

6. 承継負債目録 記載項目: 買掛金・借入金(債権者名・残高・担保の有無)、承継しない負債(除外負債)の明示。 記載要領: 事業譲渡では負債の承継について債権者の個別の承諾(民法第472条の免責的債務引受の要件)を要する場合があるため、目録には債権者の承諾取得状況を記載する欄を設ける。

7. 従業員関係資産 記載項目: 転籍対象者リスト(氏名・所属・勤続年数)、未払残業代・有給休暇残日数。 記載要領: 従業員は目録上の「資産」として一覧化されるものではないが、実務上は引継ぎ管理のため氏名・処遇条件を一覧化することが多い。個人情報を含むため、目録の開示範囲を限定し秘密保持に関する定めと併せて管理する。

8. 除外財産一覧 記載項目: 甲の本社機能に係る資産、対象事業以外の事業と共用する資産、甲代表者の個人資産。 記載要領: 除外財産は「記載がないもの」として消極的に扱うのではなく、積極的に列挙することで、後日の対象・除外の解釈をめぐる紛争を防止する。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 譲渡会社(甲)向けの修正

A-1. 基準日後の資産変動の取扱い明確化

追加条文例:「本目録の基準日後、効力発生日までの間に生じた資産の滅失・毀損又は負債の増減については、甲は乙に対し遅滞なく通知し、甲乙協議のうえ譲渡対価の調整の要否を検討する。」 一言解説: 目録作成後に時間差で状態が変化することは避けられないため、譲渡会社側は通知義務と対価調整協議の仕組みを明記しておくことが望ましい。

A-2. 除外財産の使用継続に関する注記

追加条文例:「除外財産一覧に記載する本社共用設備のうち、乙が引き続き使用を必要とするものについては、別途使用貸借契約又は賃貸借契約を締結する。」 一言解説: 除外財産と定めた設備であっても事業運営上乙が使用を継続する必要がある場合があるため、目録上に将来契約を締結する旨を注記しておくと調整が円滑になる。

B. 譲受会社(乙)向けの修正

B-1. 対抗要件具備欄の進捗管理

修正後:「乙は、債権目録記載の対抗要件具備の予定日までに甲から通知書面の写しの交付を受けられない場合、甲に対し是正を催告できる。」 一言解説: 目録に予定日を記載するだけでは実効性が乏しいため、譲受会社側は進捗確認と是正催告の権利を明記する修正を行う。

B-2. 契約上の地位未承諾リストの優先処理

追加条文例:「乙は、契約上の地位目録のうち相手方の承諾が未取得の契約について、優先順位を付して甲と共同で承諾取得活動を行うことを甲に求めることができる。」 一言解説: 未承諾の契約が多いと引継ぎ後の事業運営に支障が生じるため、譲受会社は優先順位付けと共同対応を求める修正を行う。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面/使ってはいけない場面 本目録は、事業譲渡契約の別紙として、承継対象となる資産・契約上の地位・負債を個別に特定するために用いる。合併や会社分割のように資産・負債が包括的に承継される場合には、個別の目録による特定の必要性は事業譲渡ほど高くないため、本書式をそのまま流用する必要はない。また、目録の記載が契約書本体の承継範囲の定めと矛盾する場合、契約書本体の解釈が優先されることが一般的であるため、目録と契約書本体の文言を必ず整合させたうえで用いる。

根拠法令 事業譲渡による資産の承継は、会社分割における会社法上の包括承継とは異なり、資産の種類ごとに個別の移転手続を要する。不動産については不動産登記法に基づく登記、債権については民法第467条の対抗要件具備、契約上の地位の移転については民法第539条の2に基づく契約相手方の承諾、負債の移転については民法第472条の免責的債務引受の要件がそれぞれ問題となる。知的財産権についても特許法、商標法等に基づく移転登録の手続を要する場合がある。

実務でよくある失敗と対策 第一に、目録の記載が概括的で、どの資産が承継対象でどの資産が除外財産かの区別が曖昧なまま契約を締結し、引継ぎ後に帰属をめぐる紛争が生じる失敗がある。第8項の除外財産一覧のように、除外財産を積極的に列挙することが対策となる。第二に、目録作成の基準日と実際の効力発生日にずれがあるにもかかわらず、その間の資産変動の取扱いを定めずに契約を締結してしまう失敗がある。A-1のように通知義務と対価調整協議の仕組みを設けることが対策となる。第三に、契約上の地位の移転に必要な相手方の承諾取得状況を管理せず、効力発生日を迎えても未承諾の契約が放置される失敗がある。B-2のように優先順位付けと進捗管理の仕組みを設けることが対策となる。

資産の評価額や負債の範囲の確定は税務・会計上の判断を伴うことが多いため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 目録の作成基準日を記載したか
  • [ ] 有形資産(不動産・設備・車両)を登記事項・固定資産台帳と突合したか
  • [ ] 無形資産(知的財産権等)の登録番号及び移転登録の要否を確認したか
  • [ ] 契約上の地位について相手方の承諾取得の見込みを目録に記載したか
  • [ ] 債権目録に対抗要件具備の予定日を記載したか
  • [ ] 承継負債について債権者の承諾取得状況を記載したか
  • [ ] 除外財産を積極的に列挙したか
  • [ ] 従業員関係資産(転籍対象者リスト等)の開示範囲を限定したか
  • [ ] 基準日後の資産変動の取扱いを定めたか
  • [ ] 目録の記載と契約書本体の承継範囲の定めが整合しているか確認したか