法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する際の申請書式です。保管の要件、本人出頭、手数料、通知先の指定方法を整理します。押さえるべき法令上の要件を反映した記載としています。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
自筆証書遺言書保管申請書(法務局)
第1部: 書式本文
自筆証書遺言書保管申請書 (法務局における自筆証書遺言書保管等に関する法律第4条の規定による申請)
- 申請年月日: 【年】年【月】月【日】日
- 申請先遺言書保管所: 法務局【支局・出張所名】遺言書保管官 宛
- 遺言者の氏名(戸籍上の氏名を記載): 【氏名】
- 遺言者の出生の年月日: 【生年月日】
- 遺言者の住所: 【住所】
- 遺言者の本籍: 【本籍地】
- 遺言者の国籍(外国籍の場合に記載): 【国籍】
- 遺言書の作成年月日: 【遺言書作成日】
- 遺言書の総ページ数: 本文【 】ページ、財産目録【 】ページ、合計【 】ページ
- 手数料の額及び納付方法: 一件につき3,900円、収入印紙を本申請書の所定欄に貼付して納付
- 受遺者・遺言執行者に関する情報(任意記載事項): 氏名【氏名】、住所【住所】、生年月日又は設立年月日【 】
- 死亡時通知の対象者の指定(希望する場合のみ): 氏名【氏名】、続柄【続柄】、住所【住所】、生年月日【生年月日】
- 添付書類一覧: 本籍の記載のある住民票の写し(作成後3か月以内のもの)、遺言書本体(法務省令で定める様式に適合し封筒に入れないもの)
- 本人確認資料の提示: 【運転免許証・個人番号カード・旅券等いずれか一点】
- 保管証の受領方法の希望: 窓口交付・郵送のいずれかを選択し【 】に記載
- 遺言者の申述文言: 「本申請書の記載内容は事実に相違ありません。」遺言者署名【氏名】 印
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節: 遺言者(申請人)側の記載パターン
A-1. 高齢・入院中で出頭に付添いを要する場合 「遺言者は現在【入院先名称】に入院加療中であるが、担当医師の許可を得たうえで、介助者【氏名(続柄)】の付添いにより車椅子にて遺言書保管所へ出頭する予定である。」 一言解説: 保管申請は遺言者本人が遺言書保管所へ自ら出頭することが法律上の要件であり(遺言書保管法4条6項)、家族による代理出頭や郵送提出は認められない。出頭困難が見込まれる場合は、予約時に法務局へバリアフリー対応の可否を確認しておくとよい。
A-2. 遠隔地に居住し管轄選択を検討する場合 「遺言者の住所地は【住所】であるが、本籍地は【本籍地】、所有不動産の所在地は【不動産所在地】であり、いずれかを管轄する遺言書保管所を選択して申請する。」 一言解説: 遺言書保管所は住所地・本籍地・所有不動産所在地のいずれかを管轄する法務局から選択できる。転居予定がある場合は、将来の変更届出の手間も考慮して選ぶことが望ましい。
A-3. 再婚等により推定相続人の範囲が複雑な場合 「遺言者には前婚の子【氏名】及び現配偶者との間の子【氏名】がおり、死亡時通知の対象者としては現配偶者【氏名】を指定する。」 一言解説: 通知対象者は相続人以外の受遺者や遺言執行者を指定することも可能であり、家族関係が複雑な場合ほど通知先の選定が遺言の実効性を左右する。
B節: 法務局(遺言書保管官)側の対応パターン
B-1. 様式不備を発見した場合の補正案内 「本申請に係る遺言書は、上部余白5ミリメートル以上・下部余白10ミリメートル以上・左余白20ミリメートル以上・右余白5ミリメートル以上を満たしていないため、法務省令で定める様式に適合するよう修正のうえ、あらためて予約のうえ来庁されたい。」 一言解説: 保管官の審査は用紙サイズ・余白・ページ番号・片面記載等の外形的様式に限られ、遺言内容の有効性(意思能力・記載内容の適法性)までは審査対象としない。
B-2. 予約制の運用案内 「本手続は完全予約制であり、法務局手続案内予約サービス又は電話による事前予約を経たうえで、指定日時に来庁されたい。当日受付は行っていない。」 一言解説: 繁忙期は予約が数週間先まで埋まることがあるため、遺言者の体調や希望時期に余裕を持って早めに予約することが望ましい。
B-3. 本人確認及び意思確認の実施 「遺言書保管官は、提示された本人確認書類により遺言者本人であることを確認するとともに、申請の趣旨及び遺言書の内容を理解しているかを口頭で確認する。」 一言解説: 保管官による本人確認は運転免許証等の写真付き証明書の提示を原則とし、本人確認ができない場合は申請を受け付けない取扱いとなる。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本書式は、自筆証書遺言(民法968条)を作成した遺言者が、法務局における自筆証書遺言書保管等に関する法律(平成30年法律第73号、通称「遺言書保管法」)第4条に基づき、遺言書保管所に保管を申請する際に用いる。保管を申請できるのは遺言者本人に限られ、成年後見人等の法定代理人による申請は想定されていない点に注意する。手数料は遺言書保管法12条及び関係の手数料令により一件3,900円と定められており、収入印紙で納付する。
本書式を使ってはいけない場面としては、既に公正証書遺言を作成済みで重ねて保管申請を行う必要がない場合や、遺言書の内容自体に条項の不備・訂正方法の誤り(民法968条3項)がある場合が挙げられる。保管申請の審査はあくまで様式面の外形的審査にとどまり、遺言の有効性を保証するものではない。したがって、内容面の適法性・実現可能性については別途確認を要する。また、本申請は代理人による提出ができない制度であるため、遺言者が意思表示困難な状態にある場合には、そもそも本制度の利用自体を見合わせるべき場面もある。なお、保管された遺言書は遺言者の生存中は遺言者本人以外閲覧できず、遺言者はいつでも保管の申請を撤回して遺言書の返還を受けることができる(遺言書保管法8条)。撤回後に内容を変更した場合は、変更後の遺言書について改めて保管申請を行う必要がある。
よくある失敗として、第一に余白不足による様式不適合が挙げられる。対策として、法務局が公表する様式見本に従い、上記第1部9項の記載どおり余白寸法を事前に定規で確認することが有効である。第二に、死亡時通知の指定を失念し、相続人が保管の事実を知らないまま遺産分割が進んでしまう例がある。対策として、第1部12項の通知対象者欄を必ず記載し、指定後に住所変更があった場合は変更届出(遺言書保管法6条3項)を怠らないことが重要である。第三に、予約を取らずに来庁し手続ができないという失敗がある。対策として、来庁予定日の2〜3週間前を目安に予約を確保することが望ましい。第四に、財産目録を別紙とする際にページ番号や署名押印を失念し、様式不適合として補正を求められる例も見られる。対策として、財産目録の各頁に署名押印を行い、通し番号を付す運用を徹底することが望ましい。個別の事案については専門家(弁護士・司法書士等)に確認することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 遺言者本人が出頭可能な日程を確保しているか
- [ ] 遺言書が民法968条の自書要件(財産目録を除く)を満たしているか
- [ ] 遺言書の用紙サイズ・余白寸法が法務省令の様式基準に適合しているか
- [ ] 本籍の記載のある住民票の写し(3か月以内)を準備したか
- [ ] 本人確認書類(運転免許証等)を準備したか
- [ ] 収入印紙3,900円分を用意したか
- [ ] 保管申請書の受遺者・遺言執行者欄を記載したか(該当する場合)
- [ ] 死亡時通知の対象者を指定するか検討したか
- [ ] 申請先の遺言書保管所(管轄)を確認したか
- [ ] 法務局への来庁予約を完了したか
- [ ] 保管証の受領方法(窓口・郵送)を決めたか
- [ ] 高齢・病気等により出頭が困難な事情の有無を確認したか
- [ ] 保管申請後に内容変更が必要となった場合の撤回・再申請の手順を理解しているか