助成事業の内容と経費計画を記載して申請する書式です。事業目的、実施体制、期待される成果、収支予算の記載欄を備えます。自社の実情に合わせて条項を取捨選択できる構成です。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
助成金申請書様式
第1部: 書式本文
様式第1号 助成金交付申請書
【提出日】令和〇年〇月〇日 【あて先】〇〇〇〇(以下「助成団体」という。) 【申請者】名称又は氏名:【 】、代表者:【 】、所在地:【 】、連絡先:【 】
下記のとおり助成金の交付を申請します。
1. 事業名 【 】(以下「本事業」という。)
2. 事業の目的 本事業を実施する背景となる社会的課題又は団体の使命を具体的に記載する。【本事業の目的を200字程度で記載】
3. 事業の内容 実施する活動の内容を、対象者・実施方法・実施場所を含めて具体的に記載する。【活動内容の詳細を記載】
4. 実施期間 【 年 月 日】から【 年 月 日】までとする。
5. 実施体制 本事業の実施責任者及び担当者の氏名・役割を記載する。外部委託を行う場合は委託先の名称と委託業務の範囲を併せて記載する。【実施体制図又は名簿を添付】
6. 期待される成果及び成果指標 本事業により達成しようとする定量的・定性的な成果を記載する。可能な限り測定可能な指標(参加人数、達成率等)を用いる。【成果指標を記載】
7. 収支予算書 | 費目 | 内容 | 金額 | |---|---|---| | 人件費 | 【 】 | 【 】円 | | 事業費 | 【 】 | 【 】円 | | 事務費 | 【 】 | 【 】円 | | 収入(自己負担・他の助成金等) | 【 】 | 【 】円 | | 助成金申請額 | ― | 【 】円 |
8. 他の助成金等の申請・受給状況 本事業又はその一部について、他の助成団体、国若しくは地方公共団体からの助成金・補助金の申請又は受給の有無を記載する。重複助成がある場合はその内容を明記する。【有・無、有の場合は内容を記載】
9. 添付書類 定款又は規約の写し、直近の決算書類、団体の登記事項証明書その他助成団体が指定する書類を添付する。【添付書類一覧】
10. 誓約事項 申請者は、次の各号を誓約する。 一 申請内容に虚偽の記載がないこと 二 助成金を本事業の実施以外の目的に使用しないこと 三 反社会的勢力に該当せず、また反社会的勢力と関係を有しないこと 四 助成団体が定める報告義務及び経費の使途に関する説明義務を履行すること
11. 個人情報の取扱いへの同意 申請者は、本申請書に記載した個人情報が、審査、助成金の交付及び実績報告の確認の目的の範囲内で助成団体により利用されることに同意する。
12. 申請者署名欄 上記のとおり相違ありません。 申請者:【署名又は記名押印】
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 申請者側の修正パターン
A-1. 経費使途の弾力的運用を認める文言の追加
追加条文例:「予算書に記載した費目間の流用は、総額の20%の範囲内であれば助成団体への事前届出をもって認められるものとする。」 一言解説: 事業の進行に伴い当初予算どおりに執行できない事態は珍しくないため、一定範囲の流用を認めておくことで実務上の柔軟性を確保する申請者側の修正である。
A-2. 不採択理由の開示請求権の明記
追加条文例:「申請者は、審査の結果不採択となった場合、助成団体に対しその主要な理由の開示を求めることができる。」 一言解説: 次回申請の改善につなげるため、不採択理由の説明を受ける機会を確保する修正である。
B. 助成団体側の修正パターン
B-1. 使途外使用が判明した場合の返還義務の明確化
追加条文例:「助成団体は、助成金が第3項に記載した事業以外の用途に使用されたと認めるときは、当該相当額の返還を申請者に請求することができる。」 一言解説: 交付後に使途違反が発覚した場合の回収根拠を明確にし、助成財源の適正な管理を図る助成団体側の修正である。
B-2. 重複助成の禁止と申告義務の強化
修正後:「申請者は、本事業と同一の経費について他の助成金・補助金の交付を重複して受けてはならず、交付決定後に重複が判明した場合は速やかに助成団体に届け出るものとする。」 一言解説: 同一経費への二重助成は助成財源の趣旨に反するため、事前申告に加え交付決定後の届出義務も課す修正である。
B-3. 実地調査への協力義務の追加
追加条文例:「申請者は、助成団体が本事業の実施状況を確認するため実地調査を求めた場合、これに協力しなければならない。」 一言解説: 書面報告のみでは事業実態の把握に限界があるため、助成団体が現地確認を行う権限を確保しておく修正である。
場面別バリエーション: 継続事業(複数年度)の申請の場合
複数年度にわたる事業を申請する場合は、「4. 実施期間」の欄を年度ごとに区切り、各年度の到達目標を「6. 期待される成果」に併記する。また、次年度以降の交付継続の可否は当該年度の実績報告の内容を踏まえて助成団体が別途判断する旨を明記しておくことが望ましい。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
申請書様式を使う場面・使ってはいけない場面の解説 本様式は、民間の助成団体や公益法人等が実施する一般的な助成事業への申請に用いることを想定している。国や地方公共団体が実施する補助金については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(補助金適正化法)や各自治体の交付要綱に定められた専用様式が存在する場合が多く、その場合は当該様式を優先して使用すべきであり、本様式をそのまま流用することは避けるべきである。
根拠法令の解説 助成金の交付は、法的には助成団体から申請者への財産の無償供与であり、民法第549条が定める贈与契約としての性質を有すると整理されることが一般的である。もっとも、助成金には事業の実施及び報告という条件が付されることが通常であり、いわゆる負担付贈与(民法第553条)に近い性質を帯びる場合もある。国・地方公共団体が実施する補助金には補助金適正化法が直接適用されるが、民間助成団体による助成金にはこの法律は直接適用されない。ただし、実務上は同法が定める交付決定、実績報告、返還請求といった考え方が準用的に参照されることが多く、本様式の第10号・第11部の設計もこれに沿っている。また、助成金を受け取る側の消費税法上の取扱いについては、対価性のない贈与的な資金交付は消費税の課税対象とならない「不課税取引」に該当すると整理されるのが一般的であるが、成果物の納入等対価性を伴う場合は課税取引となりうるため、事業の実態に即した判断が必要である。
よくある失敗と条項上の対策 第一に、経費の使途区分が曖昧なまま申請し、後の実績報告時に使途の説明ができず返還を求められる失敗がある。第7号の予算書の費目を具体的に区分し、B-1のような返還義務の明記により事後の紛争を予防する。第二に、他の助成金との重複受給を認識せずに申請し、後日重複が発覚して助成金の取消しを受ける失敗がある。第8号及びB-2の届出義務により事前・事後の両面で対応する。第三に、個人情報保護法上の同意取得を怠ったまま申請者・関係者の個人情報を含む書類を提出させる失敗がある。第11号のように利用目的を明示した同意条項を設けることが対策となる。
なお、助成金の交付にあたって成果物の納品や役務提供の対価としての性質が強い契約(業務委託契約に近いもの)になっている場合には、贈与契約ではなく請負又は準委任契約として整理すべき場合もあり、その場合は消費税の取扱いや契約書式そのものを見直す必要がある。消費税法上の課税・不課税の区分及び補助金適正化法の準用の要否は事業の性質により異なるため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 事業の目的・内容が具体的かつ客観的に記載されているか
- [ ] 実施期間が助成団体の定める公募期間と整合しているか
- [ ] 収支予算書の費目区分が助成団体の指定様式と一致しているか
- [ ] 成果指標が測定可能な形で設定されているか
- [ ] 他の助成金等の申請・受給状況を正確に記載したか
- [ ] 添付書類(定款、決算書類等)に不足がないか
- [ ] 反社会的勢力排除に関する誓約事項を含めたか
- [ ] 個人情報の利用目的への同意条項を設けたか
- [ ] 経費流用に関する取扱いを明記したか
- [ ] 代表者印又は署名の欄に不備がないか