単元株式数を新たに定める定款変更の議事録。会社法第188条の単元株式数の上限と第466条の定款変更手続に触れ、単元未満株主の権利制限規定の記載例も収録します。

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株主総会議事録(単元株式数の設定・変更)

第1部: 書式本文

【株式会社〇〇】の定時株主総会は、【西暦】年【月】月【日】日午前【時】時、本店所在地【所在地】所在の会議室において開催の運びとなった。当日は、発行済株式総数【数】株、議決権を行使することができる株主の数【数】名、その有する議決権の数【数】個のうち、出席株主(委任状出席を含む。)の議決権数が【数】個に達していたため、定款所定の定足数を満たしていることが確認され、取締役会の決議に基づきあらかじめ議長として指名されていた代表取締役【氏名】が議長席に着席し、開会を宣言するに至った。

議長はまず、当会社が【背景事情、例:株式分割の実施に伴い1単元当たりの株式数と払込金額のバランスを見直す必要が生じたこと】を踏まえ、単元株式数を新たに設定する議案を提出する経緯を説明した。続いて議長は第1号議案「単元株式数設定の件」を上程し、下記のとおり定款の一部を変更して単元株式数を定める理由を述べた上、出席株主の審議に付した。

議案の内容は次のとおりである。

定款第【条】条(単元株式数)を次のとおり新設する。

「当会社の株式【数】株をもって1単元の株式とする。」

議長は、上記単元株式数が会社法第188条第2項所定の上限(1,000株及び発行済株式総数の200分の1に当たる数のいずれか少ない数)の範囲内にあることを説明資料に基づき確認した旨を付言し、単元未満株主については同法第189条により議決権その他一部の権利が制限される旨を株主に周知した。具体的には、当会社の発行済株式総数が【数】株であることから、200分の1に当たる数は【計算値】株となり、これと1,000株とを比較すると【計算値】株の方が少ないため、会社法第188条第2項による上限は【計算値】株であるところ、本議案で定めようとする単元株式数【数】株はこの上限の範囲内にとどまる旨を、議長は算定過程を示しながら説明した。

議長は続けて、本議案が可決された場合には、定款変更の効力発生日を本総会の決議の日である【西暦】年【月】月【日】日とし、当該効力発生日から法定の期間内に本店所在地を管轄する法務局に対して単元株式数設定の変更登記を申請する予定である旨を説明した。

議長が本議案の採否を諮ったところ、出席株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって、本議案は原案どおり承認可決された旨を宣言した。議長は、可決に要した議決権数が【数】個であり、賛成した議決権数【数】個がこれを上回っていることを確認した上で、可決の旨を重ねて宣言した。

議長は続けて、本議案の可決に伴い、当会社の株主管理事務を委託している証券代行会社に対し単元株式数の変更内容を速やかに通知し、株主名簿及び議決権の集計方法をあわせて更新する予定であることを報告した。

以上により、本総会に付議された議案の審議を終えたので、議長は閉会を宣言した。

上記の決議を明確にするため、この議事録を作成し、議長及び出席取締役がこれに記名押印(電子署名を含む)する。

【西暦】年【月】月【日】日 【株式会社〇〇】株主総会 議長・代表取締役 【氏名】 印 出席取締役 【氏名】 印 出席取締役 【氏名】 印

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節: 登記申請用として作成する場合

単元株式数の設定は会社法第911条第3項の登記事項に該当するため、変更登記の添付書類として議事録を用いる場合は、決議事項を登記すべき事項の文言に対応させて特定する必要がある。

修正条文例: 「定款第【条】条を次のとおり変更する。 第【条】条 当会社の単元株式数は、【数】株とする。」

一言解説: 登記申請では、変更前後の条文を対比できる形で記載し、定款変更の効力発生日を明記すると、登記官による登記事項の特定が容易になる。あわせて、商業登記法第46条第2項により、代理人以外の者が出席して決議した場合の委任状その他出席を証する書面の添付を求められることがあるため、委任状の保管状況もあらかじめ確認しておくと申請時の手戻りを防げる。

B節: 特別決議の成立要件を明示するパターン

単元株式数の新設・増加は定款変更に該当するため、会社法第466条及び第309条第2項第11号により、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上に当たる多数による特別決議を要する。

修正条文例: 「出席株主の議決権の総数【数】個のうち、賛成【数】個、反対【数】個であり、可決に要する議決権数【数】個を満たしたので、議長は本議案が特別決議として可決された旨を宣言した。」

一言解説: 定足数と可決要件の充足を具体的な議決権数で示しておくと、後日の決議取消しの訴え等における立証負担が軽減される。定款に定足数を緩和又は加重する別段の定めがある会社では、当該定めに従った要件を確認した上で記載を修正する必要がある。

第3部: 書き方と法的ポイントの解説

本書式は、株式会社が新たに単元株式数を設定し、又は既存の単元株式数を増加させる場合の株主総会議事録として使用することを想定している。他方、単元株式数を減少させる場合や単元株式制度そのものを廃止する場合には、会社法第195条により取締役の決定(取締役会設置会社にあっては取締役会の決議)のみで足り、株主総会の決議は不要とされているため、本書式をそのまま用いるべきではない。減少・廃止の場面では取締役会議事録その他の書式を選択する必要がある。

根拠法令としては、単元株式数の意義及び上限を定める会社法第188条(特に同条第2項の1,000株及び発行済株式総数の200分の1の上限規制)、単元未満株主の議決権その他の権利制限を定める同法第189条、定款変更の手続を定める同法第466条、株主総会の特別決議要件を定める同法第309条第2項第11号、並びに単元株式数の減少・廃止に関する同法第195条が中心となる。既存の単元株式数を増加させる場合(例えば100株から1,000株への引上げ)も、条文上は新設と同様に定款変更を要する特別決議事項であり、既に単元株式数の定めがあるからといって普通決議で足りるわけではない点にも注意を要する。

実務上よくある失敗としては、第一に、株式分割と単元株式数の設定を同時に行う際に、分割後の発行済株式総数を基準に第188条第2項の上限を計算せず、分割前の株式数で計算してしまい、結果的に上限超過の単元株式数を定めてしまう例が挙げられる。対策としては、決議事項の中に基準となる発行済株式総数とその算定時点を明記し、上限計算の根拠を議事録上に残しておくことが有効である。第二に、単元未満株主に対する権利制限の内容を説明せずに決議のみを行い、後日株主から異議が出るケースがある。対策として、議案説明部分に第189条の要点を簡潔に記載しておくとよい。第三に、定款変更の効力発生日を明記しないまま登記申請を行い、登記官から補正を求められる例もあるため、附則等で効力発生日を明確にすることが望ましい。

このほか、単元株式数の設定によって既存株主に1単元未満の端数株式が多数発生する場合には、会社法第192条に基づく単元未満株式の買取請求及び第194条に基づく買増請求への対応をあらかじめ検討しておく必要がある。これらの請求権行使に関する社内の事務フロー(請求書式、代金の算定方法、支払時期等)を整備しないまま単元株式数の設定を行うと、決議後の株主対応の場面で混乱が生じやすい点にも留意すべきである。

なお、単元株式数の水準や算定根拠の適法性については会社の資本構成や発行済株式総数によって結論が異なり得るため、個別事案については司法書士又は弁護士等の専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 単元株式数の新設・増加であり、減少・廃止(会社法第195条により取締役会決議等で足りる場合)ではないことを確認したか
  • [ ] 設定しようとする単元株式数が1,000株を超えていないか確認したか
  • [ ] 設定しようとする単元株式数が発行済株式総数の200分の1を超えていないか確認したか
  • [ ] 定足数(議決権を行使できる株主の議決権の過半数)を満たしていることを議事録上で確認できるか
  • [ ] 特別決議の可決要件(出席株主の議決権の3分の2以上)を具体的な議決権数で記載したか
  • [ ] 定款変更後の条文案を正確に記載したか
  • [ ] 定款変更の効力発生日を明記したか
  • [ ] 単元未満株主への権利制限に関する説明を記載したか
  • [ ] 登記申請に用いる場合、登記すべき事項と議事録の記載が一致しているか
  • [ ] 議長及び出席取締役の記名押印(電子署名を含む)欄を設けたか
  • [ ] 会社名・日時・場所等のプレースホルダーをすべて実際の情報に置き換えたか
  • [ ] 個別の事案特性について専門家への確認を経る予定があるか