取締役会を廃止し取締役の過半数決定へ移行する際の議事録。会社法第326条第2項・第327条の機関設計要件を踏まえ、代表取締役の定め方の定款変更も併せて決議します。
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取締役会設置会社の定め廃止 株主総会議事録
第1部: 書式本文
― 会社の名称: 【株式会社〇〇】 ― 所在地: 【〇〇県〇〇市〇〇】 ― 総会開催日時: 【20〇〇年〇月〇日午前・午後〇時〇〇分】 ― 開催場所: 【本店会議室】 ― 議決権を行使できる株主の数及びその議決権の数: 【〇〇名、〇〇個】 ― 出席した株主の数及びその議決権の数: 【〇〇名、〇〇個】
本日、【株式会社〇〇】本店会議室において臨時株主総会が開催された。定款の定めに従い、代表取締役【氏名】が議長となり、議決権を行使できる株主の議決権の過半数に当たる株主の出席があったことを確認したうえ、開会を宣言した。議長は、本総会の目的が、当会社を取締役会設置会社とする旨の定款の定めを廃止し、あわせて廃止後の代表取締役の選定方法を定めることにある旨を説明した。
議長は、当会社が非公開会社であり、株主数も限られていることから、取締役会を開催する実務上の負担に比して得られる牽制機能が乏しくなっていること、意思決定の迅速化を図る必要があることを理由として、取締役会設置会社の定めを廃止したい旨を述べ、下記の議案を順次上程した。
第1号議案 定款一部変更(取締役会設置会社の定め廃止)の件
現行定款第【〇】条を削除する。 「(現行)当会社に取締役会を置く。」
上記削除に伴い、取締役会の招集、決議方法及び議事録に関する現行定款第【〇】条から第【〇】条までを削除する。
議長は、本議案の可決に伴い、当会社は取締役会非設置会社となるため、会社法349条により各取締役が原則として会社を代表することとなる旨を説明し、代表取締役を定める場合には別途の手続が必要である旨を付言した。
議長がこの議案の必要性及び業務執行体制への影響について説明し質疑に応じたところ、出席株主から異論はなかった。議長がこの議案の可否を諮ったところ、出席株主の議決権の3分の2以上に当たる賛成が得られたので、議長は本議案が原案どおり可決確定した旨を宣言した。
第2号議案 代表取締役の選定方法に関する定款一部変更の件
新設条項(第【〇】条 代表取締役)を次のとおり定める。 「当会社の代表取締役は、取締役の互選によってこれを定める。」
議長は、本議案は、取締役会非設置会社への移行後も対外的な信用維持のため代表取締役を選定できるようにする趣旨である旨を説明した。議長がこの議案を諮ったところ、出席株主の議決権の3分の2以上に当たる賛成を得て、原案どおり可決確定した。
議長は、あわせて、当会社は監査役設置会社であるところ、取締役会設置会社であることを前提とした監査役の権限規定に変更が生じないか確認のうえ、必要があれば別途の定款整備を検討する旨を報告した。さらに、出席株主の一人から、代表取締役以外の各取締役が対外的に会社を代表する権限を有することになるのかとの質問があり、議長は、代表取締役を選定した場合には当該代表取締役のみが会社を代表し、他の取締役の代表権は制限される旨を説明した。
以上をもって本日の議事を終了し、議長は閉会を宣言した。
上記の議事の経過の要領及び結果を明らかにするため、この議事録を作成し、議長及び出席取締役が次に記名押印する。
【20〇〇年〇月〇日】 【株式会社〇〇】臨時株主総会 議長・代表取締役 【氏名】 印 出席取締役 【氏名】 印
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 非公開会社であることを前提に廃止の可否を確認する場面
修正後の文例:
議長は、当会社の発行する株式の全部について定款上譲渡制限が付されており、会社法上の公開会社に該当しないことを確認し、監査役会設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社のいずれにも該当しないことをあわせて確認したうえで、本議案を上程する旨を述べた。
一言解説: 会社法327条1項は、公開会社、監査役会設置会社、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社について取締役会の設置を義務付けているため、これらに該当しないことを議事録上で確認しておくと、廃止の適法性について後日疑義を生じにくい。
B. 登記申請の添付書類として用いる場面
修正後の文例:
議長は、本議案の可決により取締役会設置会社の定めが廃止されること、及びこれに伴い代表取締役を取締役の互選により選定する旨が定款上定められたことを確認し、選定された代表取締役を証する書面として本議事録及び別途作成する互選書を援用する旨を宣言した。
一言解説: 取締役会設置会社の定めの廃止に伴う変更登記では、取締役会に関する登記事項の抹消に加え、代表取締役の選定方法及び選定された者を証する書面の添付が必要となるため、議事録上で選定方法とその根拠を明確にしておく。
第3部: 書き方と法的ポイントの解説
本書式は、非公開会社が取締役会を置く旨の定款の定めを廃止し、あわせて廃止後の代表取締役の選定方法を定める場面で用いる。公開会社、監査役会設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社に該当する場合には、会社法327条1項により取締役会の設置が強制されるため、本書式をそのまま用いることはできない。
根拠法令は、会社法326条2項(取締役会を置く旨は定款の定めによるものとされ、非公開会社では任意であること)、会社法327条1項(公開会社等一定の会社類型では取締役会設置が強制されること)、会社法327条2項(取締役会設置会社は原則として監査役を置かなければならないこと)、会社法349条(取締役会非設置会社では各取締役が原則として会社を代表し、定款、株主総会決議又は取締役の互選によって代表取締役を定めることができること)である。
実務でよくある失敗の一つ目は、取締役会設置会社の定めを廃止するにとどまり、代表取締役の選定方法を定めないまま手続を終えてしまうことである。会社法349条1項により、取締役会非設置会社では各取締役が原則として会社を代表するため、特定の取締役のみを代表取締役としたい場合は、定款、株主総会決議又は取締役の互選のいずれかの方法をあらかじめ定める必要がある。対策として、本文に代表取締役の選定方法を定める条項を第2号議案として設けている。
二つ目の失敗は、取締役会設置会社であることを前提に監査役を置いていた会社が、取締役会廃止後も監査役設置の要否を見直さないことである。会社法327条2項は取締役会設置会社に監査役設置を原則として義務付けているが、取締役会を廃止した後は監査役設置の要否をあらためて検討する余地が生じる。対策として、本文末尾に監査役の権限規定への影響を確認する一文を設けている。
三つ目の失敗は、取締役会に関する定款条項(招集、決議方法、議事録等)を一括で削除したつもりが、一部条項が残存してしまい、定款全体の整合性が取れなくなることである。特に、他の条項が「取締役会の決議により」という文言を引用している場合、その引用元を削除すると意味が通らなくなるため、関連条項を横断的に洗い出す必要がある。
四つ目の失敗は、代表取締役を取締役の互選によって定める旨の条項を新設しながら、実際の互選の手続(互選書の作成や過半数の一致の記録)を行わずに登記申請をしてしまうことである。互選による選定は、株主総会決議とは別個の手続として証拠化しておく必要がある。条項の削除範囲及び互選手続の証拠化は事案ごとに定款の構成が異なるため慎重な確認を要し、個別事案は専門家に確認のうえで手続を確定することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 当会社が会社法上の公開会社に該当しないことを確認したか
- [ ] 監査役会設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社のいずれにも該当しないか確認したか
- [ ] 取締役会に関する定款条項(招集・決議方法・議事録等)を漏れなく削除対象としたか
- [ ] 代表取締役の選定方法(定款・株主総会決議・取締役の互選)を決定したか
- [ ] 選定方法に応じた添付書類(互選書等)の準備予定を確認したか
- [ ] 取締役会廃止後の監査役設置の要否を見直したか
- [ ] 特別決議(会社法309条2項)の定足数及び賛成要件を満たしているか
- [ ] 定款変更の効力発生日を確定したか
- [ ] 変更登記の申請期限(効力発生から2週間以内)を把握しているか
- [ ] 取締役会廃止後の意思決定プロセス(取締役の過半数による決定等)を社内で整理したか