投資後の株主間の権利関係を定める契約書です。取締役指名権、優先引受権、共同売却権、みなし清算の取扱いを規定します。関連書式とあわせて使うことで手続の漏れを防げます。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

株主間契約書(ベンチャー投資)

第1部: 書式本文

株主間契約書

【投資家】(以下「甲」という)、【創業株主氏名】(以下「乙」という)及び【会社名】(以下「丙」という)は、丙の株主間の権利義務関係について、次のとおり契約(以下「本契約」という)を締結する。

第1条(目的) 本契約は、甲が丙の発行する株式を取得することを契機として、甲、乙及び丙の相互の権利義務関係、丙の経営に関する事項及び株式の譲渡制限等について定めることを目的とする。

第2条(取締役指名権) 甲は、甲の丙に対する出資比率が【 】パーセント以上である間、丙の取締役【 】名を指名する権利を有する。丙は、株主総会において当該指名候補者が取締役に選任されるよう必要な手続を行う。指名権は会社法第329条に定める株主総会の選任決議を妨げるものではなく、あくまで指名候補者の推薦に係る合意である。

第3条(事前承諾事項・拒否権) 丙は、甲の書面による事前の承諾なくして、次の各号の行為を行ってはならない。 ① 定款(種類株式の内容を含む)の変更 ② 新株、新株予約権又は社債の発行 ③ 合併、会社分割、株式交換・株式移転、事業の全部又は重要な一部の譲渡 ④ 年間予算から【 】パーセントを超える資本的支出又は借入れ ⑤ 役員報酬総額の重要な変更 ⑥ 解散又は倒産手続の申立て

第4条(優先引受権) 丙が新たに株式等を発行しようとするときは、甲に対し事前に発行条件を通知し、甲は既存持株比率を維持する範囲(Pro-rata)で優先的に引受ける権利を有する。甲が当該権利を行使しない場合、丙は当該条件と同一又はより丙に有利でない条件で第三者に発行することができる。

第5条(先買権) 乙が丙の株式の全部又は一部を第三者に譲渡しようとするときは、あらかじめ甲に対し書面で通知し、甲は当該通知記載の条件と同一の条件で当該株式の全部又は一部を優先的に買い取ることができる。

第6条(共同売却権) 乙が先買権不行使後に第三者に株式を譲渡しようとする場合、甲は、乙が譲渡しようとする株式数に応じ、甲の保有株式を同一条件で当該第三者に売却するよう乙に参加を求めることができる(Tag-along Right)。乙は、甲からの参加請求があった場合、甲の参加分を含めて譲渡が実行されるよう合理的な範囲で協力する。

第7条(強制売却権) 甲及び乙の合計で発行済株式総数の【 】パーセント以上を保有する株主が丙の全株式を第三者に譲渡することに合意した場合、当該株主は他の株主(乙を含む)に対し、同一条件での売却参加を求めることができる(Drag-along Right)。ただし、当該条項の発動には甲乙双方の事前の書面同意を要する種類株主総会決議を経るものとする。

第8条(みなし清算条項) 丙がM&A(株式の過半数譲渡、合併により丙が消滅会社となる場合、事業の全部又は重要な一部の譲渡)を行う場合、その対価の分配については、丙の発行する種類株式の内容(会社法第108条に基づく残余財産分配に関する定め)及び別途締結する財産分配に関する契約の定めに従う。

第9条(デッドロック解消) 取締役会又は株主総会において甲の指名する取締役又は甲の議決権行使により可否同数となり意思決定が停滞した場合(以下「デッドロック」という)、甲及び乙は、発生後【 】日以内に誠実に協議するものとし、協議が調わない場合は第三者調停人による調整、又はあらかじめ定める買取価格算定方式によるいずれかの株式買取(バイ・セル)手続に移行することができる。

第10条(株式譲渡制限) 乙は、甲の事前の書面承諾なく、丙の株式を第三者に譲渡し、又は担保に供してはならない。ただし、丙の定款上の譲渡制限株式に関する取締役会承認手続を妨げるものではない。

第11条(準拠法及び管轄) 本契約は日本法に準拠し、本契約に関する紛争は【 】地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節: 投資家の視点による修正例 - 第3条の拒否権事項に、「丙の主要な知的財産権の第三者への譲渡又は独占的licenseの供与」を追加する。一言解説:事業価値の根幹を成す知的財産の流出は投資回収に直結するため対象を拡張する趣旨。 - 第7条の強制売却権について、発動要件の保有比率を引き下げ、「甲単独でも一定の対価水準を満たす場合は発動できる」旨の修正を求める。一言解説:少数株主である創業株主の反対によりExit機会が失われることを防ぐ狙い。 - 第9条のデッドロック解消手続について、「協議不調時は甲が乙の保有株式を公正価値で買い取る一方的オプションを有する」旨を追加する。一言解説:経営停滞の長期化による企業価値毀損を防ぐため投資家側に解消の主導権を確保する。

B節: 創業株主・会社の視点による修正例 - 第3条の拒否権事項について、「年間予算内の通常の業務執行行為は対象外とする」旨の限定を明記し、対象事項数を必要最小限に絞る。一言解説:拒否権項目が過大だと日常的な経営判断にまで投資家の承諾が必要となり意思決定が停滞する。 - 第6条の共同売却権及び第7条の強制売却権について、発動条件・対価配分方法(みなし清算条項との整合)を明記し、両条項の適用順序に矛盾が生じないようにする。一言解説:Tag-along条項とDrag-along条項が整合していないと、少数株主が想定外の不利益を被る可能性がある。 - 第2条の取締役指名権について、「甲の出資比率が【 】パーセントを下回った場合は指名権が自動的に消滅する」旨のサンセット条項を追加する。一言解説:持株比率低下後も指名権が存続するとガバナンスの実態と乖離する。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面・使ってはいけない場面の解説 本書式は、ベンチャー投資家が株式(普通株式又は種類株式)を取得した後、会社の経営関与及び将来のExit(IPO・M&A)に関する権利関係を投資家・創業株主・会社の三者間で明確化する場面で用いる。既に多数の投資家が存在し複雑な資本政策となっている場合や、種類株式の内容として既にこれらの権利が定款に規定されている場合には、本契約と定款・種類株式内容との重複・矛盾がないよう整理した上で利用する必要がある。単純な普通株式のみの少額出資で当事者間の信頼関係が厚い場合には、簡易な事前承諾事項のみを定めた投資契約書で足りることもある。

根拠法令の解説 取締役の選任は会社法第329条に基づき株主総会の決議によるものであり、株主間契約における取締役指名権はあくまで指名候補者の推薦及び選任決議における議決権行使の合意にとどまり、契約のみで取締役選任の効力を生じさせるものではない。種類株式を用いて優先引受権や残余財産分配に関する権利を担保する場合は、会社法第108条に基づき定款で当該種類株式の内容を定める必要があり、株主間契約の定めと定款の内容に齟齬がないよう整合させることが求められる。また、拒否権条項や取引先制限条項の内容によっては独占禁止法上の拘束条件付取引や優越的地位の濫用に該当するリスクがあるため、条項設計にあたっては同法の趣旨を踏まえた留意が必要である。

よくある失敗と条項上の対策 第一に、拒否権(事前承諾事項)の対象を過大に設定した結果、丙の日常的な業務執行にまで投資家の承諾を要することとなり経営が硬直化する例が多い。第3条のように対象事項を重要な意思決定に限定する対策が有効である。第二に、Tag-along条項(第6条)とDrag-along条項(第7条)の発動要件や対価配分方法が整合しておらず、少数株主が不利益な条件での売却を強制される、あるいは共同売却の機会を逸するといった不整合が生じやすい。両条項の適用順序と要件を相互に参照する形で明記することが望ましい。第三に、株主間契約の内容が丙の定款に定める種類株式の内容(残余財産分配、議決権制限等)と矛盾する例があり、この場合は定款の定めが会社及び第三者との関係で優先することが多いため、契約締結時に定款との整合性を確認する必要がある。個別の資本政策や種類株式設計の適法性については、案件ごとに弁護士等の専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  1. 取締役指名権の行使要件(出資比率の閾値)とサンセット条項の要否を確認したか。
  2. 拒否権(事前承諾事項)の対象事項が必要最小限に絞られているか。
  3. 優先引受権(Pro-rata Right)の通知期限及び行使方法が明記されているか。
  4. 先買権と共同売却権(Tag-along)の発動順序に矛盾がないか。
  5. 強制売却権(Drag-along)の発動要件及び対価配分方法が明記されているか。
  6. みなし清算条項の内容が種類株式の内容(定款)及び財産分配契約と整合しているか。
  7. デッドロック解消手続(協議期間、バイ・セル条項等)が実務上機能する内容か。
  8. 株式譲渡制限の範囲が丙の定款上の譲渡制限株式の規律と整合しているか。
  9. 独占禁止法上の拘束条件付取引・優越的地位濫用に該当するおそれのある条項がないか。
  10. 既存株主(他の投資家)との間の株主間契約との抵触の有無を確認したか。
  11. 取締役会の構成及び決議要件が本契約の指名権と整合しているか。
  12. 準拠法及び管轄裁判所の記載に誤りがないか。