入会金や年会費の額、納入時期、滞納時の措置を定める規程です。会員種別ごとの区分と休会・退会時の取扱いを明確にします。想定される例外的な場面への対応方針も補足しています。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
会費規程
第1部: 書式本文
会費規程
第1条(目的) この規程は、【団体名称】(以下「本会」という。)の会則第【条数】条に基づき、会員が本会に納入する入会金及び会費(以下「会費等」という。)に関する事項を定めることを目的とする。
第2条(会員の種別) 本会の会員は、次の各号に定める種別とする。 一 正会員: 【要件】 二 賛助会員: 【要件】 三 名誉会員: 【要件】(会費免除)
第3条(入会金) 新たに会員となろうとする者は、入会に際し、次の入会金を納入しなければならない。 一 正会員 金【金額】円 二 賛助会員 金【金額】円 2 既納の入会金は、理由の如何を問わず返還しない。
第4条(年会費の額) 会員は、次の年会費を納入しなければならない。 一 正会員 年額 金【金額】円 二 賛助会員 年額 金【金額】円(一口 金【金額】円、【口数】口以上)
第5条(納入時期) 1 会費は、毎年度【納入月】までに、当該年度分を一括して納入するものとする。 2 年度の中途で入会した者の初年度会費は、日割計算によらず全額とする。ただし、理事会が別段の定めをしたときはこの限りでない。
第6条(納入方法) 会費等は、本会が指定する金融機関口座への振込み又は本会が指定するその他の方法により納入するものとする。振込手数料は会員の負担とする。
第7条(会費の改定) 会費等の額を改定するときは、総会の決議を経るものとする。改定後の会費等は、決議において定める日以後の年度から適用する。
第8条(滞納の措置) 1 会員が正当な理由なく会費を【期間】以上滞納したときは、理事会の決議により、会報の送付停止その他の会員向けサービスの提供を制限することができる。 2 会員が会費を【期間】以上滞納し、督促してもなお納入しないときは、理事会の決議により当該会員を除名することができる。
第9条(休会) 1 会員は、疾病その他やむを得ない事由により、あらかじめ理事会の承認を得て休会することができる。 2 休会期間中の会員は、年会費の納入を要しない。ただし、休会期間中は会員としての権利の一部を行使できないものとする。 3 休会期間は、通算して【期間】を超えることができない。
第10条(退会) 1 会員は、退会しようとするときは、退会届を本会に提出しなければならない。 2 退会は、退会届が受理された日又は退会届に記載された退会希望日のいずれか遅い日から効力を生じる。 3 既納の会費等は、退会の場合であっても返還しない。
第11条(除名) 本会の名誉を著しく毀損する行為又は会則に著しく違反する行為があった会員は、総会の決議により除名することができる。除名された会員は、既納の会費等の返還を請求することができない。
第12条(会費の減免) 理事会は、災害その他やむを得ない事情があると認めるときは、会員からの申請に基づき、会費の全部又は一部を減免することができる。
第13条(改廃) この規程の改廃は、総会の決議による。
附則 この規程は、【施行年月日】から施行する。
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
団体の立場
A. 滞納時の権利制限を明確にする修正 文例: 「会費を【期間】以上滞納した会員は、総会における議決権を行使することができない。」 一言解説: 会費滞納者への具体的な不利益を条文上明示しておくことで、滞納抑止効果を高め、運営側が対応に迷わない基準を作ることができる。
B. 会費改定の周知手続を厳格化する修正 文例: 「会費等を改定するときは、施行日の【期間】前までに会員に書面又は電磁的方法により周知するものとする。」 一言解説: 会費改定は会員の負担に直結するため、団体側としても事前周知の手続を明文化しておくことで、後日の紛争(周知不足を理由とする不服)を予防できる。
会員の立場
A. 返還請求権を一部確保する修正 文例: 「年度途中で退会した会員は、未経過期間に対応する会費の一部について、理事会が定める基準により返還を請求することができる。」 一言解説: 原則として会費は返還しない旨を定める団体が多いが、会員保護の観点からは未経過分の一部返還を認める規定を求めることで、不当な負担を回避できる。
B. 除名手続における弁明機会を確保する修正 文例: 「除名しようとするときは、あらかじめ当該会員に対しその理由を通知し、弁明の機会を与えなければならない。」 一言解説: 除名は会員の地位を一方的に失わせる重大な措置であるため、会員側からは手続的な適正さ(弁明の機会)を規程上に確保しておくことが望ましい。
場面別バリエーション: 口数制の賛助会費を採用する場合
文例: 「賛助会員の会費は、一口【金額】円とし、会員は任意の口数を申し込むことができる。ただし、最低【口数】口以上とする。」 一言解説: 賛助会員からの支援を柔軟に受け入れるため、口数制を採用する団体も多く、その場合は最低口数と口数変更の手続を規程上に明記しておく。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
使用場面の解説
本規程は、法人格の有無や法人形態(一般社団法人、公益社団法人、権利能力なき社団、任意団体等)を問わず、会員から入会金・会費を徴収して運営する団体において、会費等の額、納入時期、滞納時の措置、休会・退会時の取扱いを定める際に使用する。
使ってはいけない場面の解説
出資持分や利益配当を伴う組合契約・匿名組合契約に基づく拠出金の徴収には、本規程の枠組みをそのまま用いるべきではない。会費と出資は法的性質が異なり、出資であれば別途の契約書・組合契約書の整備が必要となる。また、消費者としての会員(個人が事業者たる団体のサービスを受ける場合)を対象とする会費規程では、消費者契約法上の不当条項規制(同法第9条、第10条)に抵触しないかを別途確認する必要がある。
根拠法令等の解説
会費規程それ自体を直接規律する単独の法律は存在しないが、会則・定款との関係では、一般社団法人においては規程は定款の下位規範として位置づけられ、定款に反する内容を規程で定めることはできない(一般法人法上、社員総会の決議事項を理事会等が決定できる旨の定款の定めが無効とされる第35条第4項の趣旨も参照)。権利能力なき社団・任意団体の場合、会費の徴収及び会員資格の得喪は会員と団体との間の契約的合意(民法第521条以下の契約に関する規定、及び会員規約への同意)として整理され、会費滞納による除名等の措置は民法の一般原則(信義則、権利濫用の禁止等)に照らして合理性を要する。
よくある失敗と対策の解説
第一に、会費の性質(入会金は返還不可、年会費は前払いか後払いか)を規程上明確にせず、退会時のトラブルに発展する例がある。既納会費の返還可否を条文上明記する。 第二に、除名の要件や手続を定めず、恣意的な運用との批判を受ける例がある。除名事由と手続(弁明機会の付与等)を規程に明記する。 第三に、会則・定款との整合性を確認せず規程を制定し、上位規範との矛盾が生じる例がある。会則・定款の委任条項を確認したうえで規程を制定・改廃する。
会費の額や滞納措置の内容は団体の性質や会員構成、さらに公益法人・一般法人・任意団体といった組織形態によって適切な水準や規律の厳格さが異なるため、個別事案は専門家に確認のうえ規程を確定することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- 会則・定款における本規程への委任根拠を確認したか
- 会員の種別ごとに入会金・年会費の額を明記したか
- 会費の納入時期及び納入方法を明記したか
- 会費の返還可否(退会・除名の場合を含む)を明記したか
- 滞納時の措置(サービス制限・除名等)とその手続を明記したか
- 除名にあたって弁明の機会等の手続的配慮を設けたか
- 休会制度を設ける場合、期間の上限と権利制限の範囲を明記したか
- 会費改定の手続(総会決議・周知期間)を明記したか
- 減免制度を設ける場合、その要件と決定機関を明記したか
- 規程の改廃手続(総会決議)を明記したか