労働者の責に帰すべき事由により予告なく解雇するため労基署の認定を求める申請書です。事実経過と証拠資料の整理方法を示します。

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解雇予告除外認定申請書

第1部: 書式本文

解雇予告除外認定申請書

【所轄労働基準監督署長】殿

申請者(事業主) 【会社名】 所在地 【本店所在地】 代表者 【代表者役職・氏名】 事業の種類 【業種】 労働者数 【常時使用労働者数】

下記労働者について、労働基準法第20条第1項ただし書及び第3項並びに同法施行規則第7条に基づき、解雇予告除外認定を申請する。

第1条(対象労働者) 氏名 【労働者氏名】 生年月日 【生年月日】 入社年月日 【入社年月日】 所属部署・職種 【部署・職種】

第2条(認定を求める事由の区分) 本申請は、労働基準法施行規則第7条に定める事由のうち「労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合」に該当することの認定を求めるものである。

第3条(解雇予定日) 会社は、本認定を受けたときは、【解雇予定日】をもって当該労働者を予告期間を置かずに解雇する予定である。

第4条(責に帰すべき事由の要旨) 対象労働者について、次の事実が認められる。 一 【事実の要旨・発生日時】 二 【事実の要旨・発生日時】 三 【事実の要旨・発生日時】

第5条(事実経過の詳細) 別紙「事実経過報告書」のとおり、時系列に沿って事実関係を整理し添付する。事実経過報告書には、発覚の端緒、調査の経過、本人への事情聴取の内容及び日時を記載する。

第6条(添付証拠資料) 本申請には、次の資料を添付する。 一 事実経過報告書 二 就業規則(懲戒事由該当条項の抜粋) 三 本人からの始末書、顛末書又は事情聴取記録 四 関係者(上司・同僚等)の陳述書又は聴取記録 五 客観的証拠(監視カメラ記録、入退室記録、業務日誌、メール記録等) 六 本人の弁明の機会を付与したことを示す記録

第7条(就業規則上の根拠) 本件事実は、就業規則第【〇条】(懲戒解雇事由)第【〇号】に該当する。当該条項の内容は次のとおりである。「【条項内容】」

第8条(弁明の機会の付与) 会社は、【年月日】に対象労働者に対し弁明の機会を付与し、その結果は別紙記録のとおりである。

第9条(除外事由に該当すると判断する理由) 会社は、前各条の事実及び証拠資料を総合し、本件が労働者の故意又は重大な過失による職場秩序の著しい侵害に該当し、予告期間を置くことが著しく信義に反すると判断する事由に当たると考える。

第10条(認定後の手続) 会社は、認定を受けた場合、速やかに対象労働者に解雇通知を交付し、認定を受けなかった場合は労働基準法第20条第1項本文に従い、予告又は予告手当の支払により対応する。

第11条(申請日及び連絡先) 申請年月日 【年月日】 担当者・連絡先 【氏名・部署・電話番号】

以上

【会社名】 【代表者役職・氏名】

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節: 会社(申請者)の立場から

A-1 証拠の網羅性を強調する記載例 「客観的証拠(勤怠記録、入退室記録、監視カメラ映像の保存データ、業務システムのログ)を優先的に添付し、供述証拠(始末書・聴取記録)はこれを補強する位置づけとする」との方針を第6条に付記する。会社側としては、労働基準監督署の認定審査において主観的な証言のみでは足りず、客観的資料による裏付けが認定の可否を左右するため、証拠の性質を区別して整理することが実務上重要である。

A-2 弁明機会付与の手続を詳細化する記載例 「弁明の機会の付与にあたり、事前に具体的な事実を告知した上で、本人に十分な準備期間(【〇日】)を与え、本人の陳述内容を録音又は書面化して保存した」と第8条を具体化する。会社側の視点では、弁明機会の実質的保障を記録化しておくことが、認定後に労働者から手続の不備を指摘されるリスクへの備えとなる。

B節: 労働基準監督署の立場から(申請書の想定審査観点)

B-1 審査観点を踏まえた事実整理の記載例 労働基準監督署は、認定にあたり「予告なく即時に解雇しなければならないほどの重大性・緊急性」があるかを個別に審査する運用が実務上見られる。この観点を踏まえ、第4条・第5条において「なぜ30日の猶予を置くことが不相当といえるか」を明示的に論じる項目を追加することが望ましい。単に懲戒事由に該当する事実を並べるだけでなく、事由の重大性・会社への影響・予告期間中の職場秩序への支障を具体的に記載する。

B-2 除外認定と懲戒処分の区別を明確にする記載例 労働基準監督署の審査は、就業規則上の懲戒解雇事由への該当性そのものを審査するものではなく、あくまで予告除外の可否を審査するものであるため、「本申請は懲戒処分の当否についての判断を求めるものではなく、予告義務の除外事由該当性についての認定を求めるものである」との一文を明記し、審査対象を正確に限定する記載とする。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

本書式の解説

使う場面は、労働者に重大な非違行為があり、会社が予告期間を置かず、又は予告手当を支払わずに即時解雇したい場合において、事前に労働基準監督署長の認定を受けようとするときである。労働基準法第20条第1項ただし書は、労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合において、行政官庁の認定を受けたときは同項本文の予告義務が適用されない旨定めており、同条第3項及び同法施行規則第7条がその手続を定める。本申請は行政手続法上の「申請」(同法第2条第3号)に該当し、労働基準監督署長は法令の要件に適合するか否かを審査した上で諾否の応答をする義務を負う。

使ってはいけない場面としては、事実関係の裏付けが乏しく、単なる能力不足や協調性の欠如といった程度の事情にとどまる場合である。除外認定の対象となる「労働者の責に帰すべき事由」は、極めて重大な服務規律違反等に限定して運用される傾向があるとされ、安易な申請は認定が得られないばかりか、事後に解雇そのものの有効性(労働契約法第16条)を争われた際に不利な事情として扱われかねない。また、認定を得ることを急ぐあまり、証拠収集や事実確認が不十分なまま申請書を提出してしまうと、審査が長期化するだけでなく、後日の調査で当初の説明と齟齬が生じ、会社の信用性そのものが疑われる結果にもなりかねない。

根拠法令は、労働基準法第20条第1項ただし書・第3項、同法施行規則第7条、行政手続法第2条第3号・第7条(申請に対する審査、応答義務)である。

よくある失敗として、第一に事実関係の時系列が不明確なまま申請し、審査が長期化する例がある。対策として、第5条のように事実経過報告書を時系列で整理し添付する。第二に、証拠が本人の供述のみに依存し客観性を欠く例がある。対策として、A-1のように客観的証拠を優先的に収集し添付する。第三に、弁明の機会を形式的にしか与えず、手続の相当性が争われる例がある。対策として、A-2のように弁明機会付与の過程を具体的に記録化する。

また、認定の審査には一定の期間を要することが多く、審査結果が出るまでの間、対象労働者の処遇(自宅待機の要否、賃金の取扱い等)をどうするかについてもあらかじめ方針を定めておく必要がある。審査の過程で労働基準監督署から追加の資料提出や事情聴取を求められることもあるため、申請段階で証拠の原本・写しを整理し、速やかに対応できる体制を整えておくことが望ましい。加えて、認定を得たことが直ちに解雇そのものの有効性を保証するものではなく、解雇の客観的合理的理由及び社会通念上の相当性(労働契約法第16条)は別途、独立して判断される点にも注意が必要である。

認定の可否は個別の事実関係により大きく異なり、認定を得られない場合の対応方針も含め、個別事案は専門家に確認の上で申請の要否・内容を検討することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • 対象事実が就業規則の懲戒事由に該当することを条文上確認したか
  • 事実の重大性・緊急性が予告期間の省略を正当化する程度に達しているか検討したか
  • 客観的証拠(記録・ログ・映像等)を優先的に収集したか
  • 本人への弁明機会を実質的に付与し、その記録を保存したか
  • 関係者の陳述書・聴取記録を整合的に整理したか
  • 事実経過報告書を時系列で作成したか
  • 申請書と添付資料の記載内容に矛盾がないか確認したか
  • 認定が得られなかった場合の代替対応(予告・予告手当支払)を準備したか
  • 申請前に管轄労働基準監督署への事前相談の要否を検討したか
  • 解雇そのものの有効性(労働契約法第16条)についても別途検討したか
  • 審査期間中の対象労働者の処遇(自宅待機・賃金の取扱い)方針を定めたか
  • 追加資料の提出要請に速やかに対応できるよう証拠を整理・保管したか
  • 申請書と就業規則・懲戒規程の該当条項の文言に齟齬がないか確認したか