契約履行を担保する保証金の納付または金融機関の保証書提出に用いる書式です。還付の時期と没収事由を明確にします。必要事項を埋めるだけで短時間に整えられる書式です。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
契約保証金納付書・保証書
第1部: 書式本文
契約保証金納付書
【発注者名】 御中
【作成日】
【受注者住所】 【受注者商号又は名称】 【代表者役職・氏名】 印
下記のとおり、契約保証金を納付します。
記
- 契約名称: 【契約名称】
- 契約番号: 【契約番号】
- 契約金額: 金【契約金額】円(消費税及び地方消費税額を含む)
- 契約保証金の額: 金【保証金額】円(契約金額の【割合、例: 10分の1】に相当する額)
- 納付方法: 【現金納付・国債等有価証券の供託・銀行等金融機関の保証・保証事業会社の保証・履行保証保険契約の締結のいずれかを記載】
- 納付日: 【納付日】
- 保管先又は寄託先: 【会計管理者・出納機関・供託所の名称】
- 契約保証金に代えて提出する保証書がある場合の番号: 【保証書番号】
- 添付書類: 【納付を証する書面、保証書写し等】
以上
保証書(金融機関等が保証人となる場合の別紙様式)
保証書
【発注者名】 御中
【保証人(金融機関等)住所・名称】 【代表者役職・氏名】 印
当行(当社)は、【受注者名】(以下「主債務者」という。)が【発注者名】との間で締結した【契約名称】(契約番号【契約番号】、契約金額金【契約金額】円)に基づく債務を履行しないときは、その損害を賠償するため、金【保証金額】円を限度として、【発注者名】に対しその責めに任じることをここに保証する。
第1条(保証の範囲) 本保証は、主債務者の契約上の債務不履行により発注者に生じた損害の賠償に充てるものとし、履行遅滞、履行不能又は契約解除に伴う違約金その他契約に定める金銭債務を含む。
第2条(保証期間) 本保証の期間は、【契約始期】から【契約終期又は完了検査合格予定日】までとし、契約の完了検査に合格した日又は契約解除の効力が生じた日のいずれか早い日に終了する。
第3条(還付) 発注者は、契約の完全な履行を確認したときは、遅滞なく本保証に基づく保証債務を解除し、その旨を保証人及び主債務者に通知する。
第4条(没収事由) 発注者は、主債務者に次の各号のいずれかの事由があると認めるときは、契約保証金又は本保証に基づく金員の全部又は一部の没収若しくは請求をすることができる。 (1) 正当な理由なく契約上の義務の全部又は一部を履行しないとき (2) 契約が主債務者の責めに帰すべき事由により解除されたとき (3) 入札又は契約の締結若しくは履行に関し、談合その他不正な行為が判明したとき (4) 【その他発注者が定める没収事由】
第5条(通知義務) 保証人は、主債務者について破産手続開始の申立てその他保証債務の履行に重大な影響を及ぼす事実を知ったときは、直ちに発注者に通知する。
以上
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 受注者の立場からの修正
A-1 現金納付から金融機関保証への切替え
受注者は、契約保証金の納付に代えて、【発注者名】が定める基準を満たす金融機関の保証をもってこれに充てることができる。この場合、保証書の写しを添付して届け出るものとする。
一言解説: 現金納付は資金繰りを圧迫するため、実務上は保証書や履行保証保険による代替が広く用いられる。発注者側の承認基準を事前に確認する必要がある。
A-2 分割履行契約における保証金の按分
契約が複数回に分けて履行される場合、受注者は各履行分に対応する保証金額を、履行スケジュールに従い【別紙工程表】のとおり按分して納付することができる。
一言解説: 長期・分割契約では保証金を一括で固定すると資金負担が偏る。按分納付を条項化することで負担を平準化できる。
B. 発注者の立場からの修正
B-1 契約保証金の免除・軽減を行う場合
発注者は、受注者が保険会社との間に発注者を被保険者とする履行保証保険契約を締結したとき、その他契約の履行が確実と認められる相当の理由があるときは、契約保証金の全部又は一部を免除することができる。
一言解説: 保証金の免除・軽減は発注者の裁量的判断であり、免除できる場合を限定列挙しておくことで恣意的運用を防ぐ趣旨を明確にできる。
B-2 没収事由を具体化する場合
発注者は、受注者が正当な理由なく履行期限を【日数】日以上経過してもなお履行に着手しないときは、契約保証金の全部を没収することができる。
一言解説: 「正当な理由なく履行しないとき」だけでは発動基準が曖昧になりやすい。日数などの客観的指標を加えることで運用の予見可能性を高める。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
使う場面: 国、地方公共団体その他公共性の高い発注機関が、工事請負契約、物品製造契約、業務委託契約等を締結する際、契約の履行を担保する目的で契約保証金の納付又はこれに代わる保証書の提出を求める場面で使用する。
使ってはいけない場面: 私人間の一般的な売買契約における手付金や敷金の性質を持つ金銭のやり取りにこの書式をそのまま流用することは避けるべきである。契約保証金は公共調達における履行担保制度を前提とした概念であり、消費者契約における手付・違約金条項とは法的性質・規律根拠が異なる。
根拠法令: 国の契約については会計法第29条の9が契約保証金の納付を原則として規定し、予算決算及び会計令第100条の8が契約保証金の納付方法を、同令第100条の9が契約保証金の納付の免除に関する要件を定めている。地方公共団体の契約については地方自治法施行令第167条の16が契約保証金に関する規定を置き、条例又は規則により具体的な取扱いが定められることが多い。契約の相手方選定手続との関係では、地方自治法施行令第167条の2から第167条の13までが一般競争入札及び指名競争入札の手続を規定しており、契約保証金条項もこれらの手続の一環として設計する必要がある。
よくある失敗と条項上の対策: 1. 保証金額の算定基準(契約金額の何分の1か)を明記せず、後日金額の妥当性を巡って紛争になる。対策として、第1部のように割合と金額の両方を並記する。 2. 還付時期を単に「契約完了後」とのみ記載し、完了検査合格との先後関係が不明確になる。対策として、完了検査合格日又は検査合格通知到達日を明確な起算点として条文に落とし込む。 3. 没収事由を抽象的な文言のみで規定し、発動基準や手続(通知、弁明の機会等)が定められていないため運用時に紛争化する。対策として、号立てで具体的事由を列挙し、事前通知の手続を加える。
本書式はひな形であり、契約金額の規模、発注機関の内部規程、対象契約の性質によって保証金の要否や割合の基準は異なる。本書式の適用可否を含め、個別事案は専門家に確認することを推奨する。
第4部: 使用前チェックリスト
- 契約保証金の納付根拠となる法令又は発注機関の規程を確認したか。
- 契約金額に対する保証金の割合が発注機関の基準と一致しているか。
- 納付方法(現金、有価証券、金融機関保証、履行保証保険)の選択肢を受注者に示しているか。
- 保証金の還付時期を検査合格日等の客観的起算点で定めているか。
- 没収事由が号立てで具体的に列挙されているか。
- 保証書を用いる場合、保証人となる金融機関等の適格性基準を定めているか。
- 保証期間の始期・終期が契約期間と整合しているか。
- 分割履行契約の場合、按分納付の要否を検討したか。
- 保証金の免除・軽減を行う場合の要件を明確にしたか。
- 通知義務(破産手続開始の申立て等)の条項が入っているか。
- 談合等不正行為が判明した場合の没収条項が入っているか。
- 本書式の内容が最新の発注機関規程・入札公告と矛盾していないか。