組織再編や事業譲渡により契約当事者が交代する場合の三者間覚書です。承継の範囲、既発生債権債務、効力発生日を定めます。関連書式とあわせて使うことで手続の漏れを防げます。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

契約当事者変更(地位承継)覚書

第1部: 書式本文

契約当事者変更(地位承継)覚書

【従前の当事者】(以下「甲」という。)、【新当事者】(以下「丙」という。)及び【相手方】(以下「乙」という。)は、甲乙間で【契約締結日】付で締結した【原契約名称】(以下「原契約」という。)に係る契約上の地位の移転に関し、本日、以下のとおり覚書(以下「本覚書」という。)を締結する。

第1条(前提事実) 甲、丙及び乙は、下記の事実を相互に確認する。 (1) 甲は、【 年 月 日】付で【事業譲渡・会社分割・その他組織再編の内容を具体的に記載】を行い、原契約に係る事業(以下「本件対象事業」という。)を丙に承継させた、又は承継させる予定であること。 (2) 前号の組織再編の根拠及び形態: 【事業譲渡(会社法467条)/吸収分割(会社法2条12号)/新設分割/吸収合併(会社法2条27号)等を具体的に特定する】

第2条(契約上の地位の移転) 1. 甲は、原契約に基づく甲の契約上の地位(権利及び義務の一切を含む。)を丙に移転し、丙はこれを譲り受ける。 2. 乙は、民法第539条の2に基づき、前項の契約上の地位の移転について承諾する。 3. 前2項の移転の効力発生日は【 年 月 日】(以下「効力発生日」という。)とする。

第3条(承継の範囲) 1. 前条により丙が承継する権利義務の範囲は、原契約に定める一切の権利義務(未履行の債務を含む。)とする。ただし、下記に定めるものを除く。 除外事項: 【あれば具体的に記載。なければ「特になし」と記載】 2. 効力発生日より前に発生し、かつ、効力発生日時点で未履行又は未確定の債権債務(既発生の代金債権、既発生の損害賠償請求権等を含む。)の承継の有無及び範囲は、下記のとおりとする。 【承継する/承継せず甲が引き続き負担する、を具体的に定める】

第4条(通知及び確認書類) 1. 甲及び丙は、前条第1項に定める組織再編の効力発生を証する書類(登記事項証明書、事業譲渡契約書の写し、分割計画書又は分割契約書の写し等)を乙に提示又は交付する。 2. 乙は、前項の書類を確認のうえ、本覚書第2条第2項の承諾の意思表示を行う。

第5条(効力発生日までの取扱い) 効力発生日までの間、原契約上の権利義務は引き続き甲に帰属する。効力発生日以降、原契約上の甲としての地位は丙に帰属し、甲は原契約上の当事者としての地位を失う。

第6条(丙の表明保証) 丙は、乙に対し、本覚書締結日において下記の事項を表明し、保証する。 (1) 丙が本件対象事業に係る契約上の地位を承継する適法な権限を有していること (2) 前条の承継につき、丙の内部手続(取締役会決議その他必要な機関決定)を適法に履践していること

第7条(甲の連帯責任又は免責) 1. 効力発生日より前に発生した乙に対する甲の債務について、甲は丙と連帯してその履行の責任を負う。ただし、乙が別途書面により甲を免責する場合はこの限りでない。 2. 前項ただし書による甲の免責の要否及び範囲は、甲乙丙協議のうえ、本覚書又は別紙で定める。

第8条(原契約の継続) 本覚書に定めのない事項及び本覚書に反しない限度において、原契約の定めは丙・乙間においてなお効力を有する。

第9条(協議) 本覚書に定めのない事項又は解釈に疑義を生じた事項については、甲丙乙誠実に協議のうえ解決する。

本覚書締結の証として本書3通を作成し、甲丙乙記名押印のうえ各自1通を保有する。

【締結日: 年 月 日】

甲: 【住所・商号・代表者名】 印 丙: 【住所・商号・代表者名】 印 乙: 【住所・商号・代表者名】 印

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 従前の当事者(甲)の立場からの修正例

A-1. 効力発生日以降の一切の責任から免れたい場合 第7条第1項を「効力発生日より前に発生した乙に対する甲の債務は、効力発生日をもって丙が免責的に引き受け、甲はこれを免れる。」と修正し、あわせて第2項を削除する。ただし、免責的債務引受は乙(債権者)の承諾がなければ効力を生じないため、乙が明確に同意していることを本条内で確認する文言を残すことが必要である。

A-2. 事業譲渡において個別債権債務の帰属を明確にしたい場合 第3条第2項に、対象となる債権債務のリストを別紙として添付し、「別紙記載の債権債務のみを丙が承継し、別紙に記載のない債権債務は甲に留保する。」との限定列挙方式に修正する。事業譲渡は会社法上の包括承継ではないため、承継対象を個別に特定する必要がある。

B. 新当事者・相手方(丙・乙)の立場からの修正例

B-1. 乙(相手方)が承継を拒否する場合に備えたい場合 第2条第2項の前に「乙は、本覚書締結前に、原契約を継続するか、又は原契約を効力発生日をもって解除するかを選択できるものとし、解除を選択する場合、乙は効力発生日の【14】日前までに甲及び丙に書面で通知する。」との選択条項を追加する。乙の承諾が契約上の地位移転の効力要件であることを踏まえ、乙に不利益な押し付けとならないよう配慮する修正である。

B-2. 丙(新当事者)の信用力に不安がある場合に担保を求めたい場合 第7条の後に「丙は、効力発生日から【 】か月間、原契約に基づく債務の履行を担保するため、甲又は第三者による連帯保証、若しくは乙が指定する金融機関の保証を付す。」を追加する。組織再編に伴い契約相手の信用力が変動するリスクに対応する趣旨である。

B-3. 吸収合併の場合の簡略化 甲が丙に吸収合併される場合(会社法第2条第27号)、合併は包括承継であり原則として乙の個別の承諾を要しないため、第2条第2項を「本合併は会社法上の包括承継であり乙の個別の承諾を要しないが、乙は本覚書により、原契約上の相手方が丙に変更されたことを確認する。」との確認条項に修正できる。この場合、本覚書は法的な効力発生要件ではなく、実務上の通知・確認のための書面として位置づけられる。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

本覚書は、事業譲渡、会社分割又は合併といった組織再編により、既存の継続的契約の当事者が交代する場面で使用する。契約当事者の変更は、単なる商号変更や代表者交代とは異なり、契約の相手方が法的に別の主体に置き換わるため、承継の根拠、範囲、効力発生日及び相手方の承諾の有無を明確にしておく必要がある。他方、株式譲渡(会社の株主が変わるにすぎない場合)は契約主体そのものに変更がないため、本覚書は不要であり、必要に応じてチェンジ・オブ・コントロール条項の該当性確認にとどめるべき点に留意する。

根拠法令としては、民法第539条の2が契約上の地位の移転について、契約の相手方が承諾をしたときにその効力を生ずる旨を定めている。事業譲渡(会社法第467条)による契約承継は、この民法上の契約上の地位の移転の一場面であり、譲渡会社と譲受会社の合意に加えて、契約の相手方の個別の承諾が必要となる。この点は、包括承継である吸収分割(会社法第2条第12号)や吸収合併(会社法第2条第27号)とは法的性質が異なる。吸収分割・吸収合併の場合、承継会社・存続会社は分割契約書又は合併契約書の定めに従い、原則として契約上の地位を包括的に承継し、相手方の個別の承諾を法律上の効力要件とはしない。もっとも、実務上は、相手方に対する事前の通知や、チェンジ・オブ・コントロール条項の有無の確認、円滑な取引継続のための確認書面の取り交わしが行われることが多く、本覚書はこうした場面にも用いることができるよう、第2部B-3のような確認型の条項例を用意している。

よくある失敗として、第一に、事業譲渡と会社分割・合併を区別せずに一律の書式を用いた結果、事業譲渡の場合に必要な相手方の個別承諾を得ないまま契約上の地位の移転を進めてしまうケースが挙げられる。第1条・第2条のように組織再編の形態を具体的に特定し、承諾の要否を正しく整理することが対策となる。第二に、効力発生日より前に発生した債権債務の帰属を曖昧にしたまま覚書を締結し、後日、甲・丙のいずれが責任を負うかで争いになるケースがある。第3条・第7条のように既発生債権債務の帰属と免責の要否を明記することが望ましい。第三に、丙(新当事者)の実在性や機関決定の適法性を確認しないまま契約上の地位の移転を承諾してしまうケースがあり、第4条・第6条のように登記事項証明書等の確認書類の提示と表明保証を組み合わせることが有用である。組織再編の類型やチェンジ・オブ・コントロール条項の解釈は個別性が高いため、個別の事案については専門家(弁護士等)に確認することを推奨する。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 組織再編の形態(事業譲渡・吸収分割・新設分割・吸収合併等)を正確に特定したか
  • [ ] 事業譲渡の場合、相手方(乙)の個別の承諾を得る手続を踏んでいるか
  • [ ] 吸収分割・吸収合併の場合、包括承継であることを踏まえた条項構成になっているか
  • [ ] 契約上の地位の移転の効力発生日を明記したか
  • [ ] 承継する権利義務の範囲(除外事項の有無)を明記したか
  • [ ] 効力発生日より前に発生した既存の債権債務の帰属を明記したか
  • [ ] 甲(従前の当事者)の連帯責任又は免責の有無・範囲を明記したか
  • [ ] 丙(新当事者)の権限及び内部手続の適法性についての表明保証を設けたか
  • [ ] 登記事項証明書その他の再編を証する書類の提示・確認手続を定めたか
  • [ ] 原契約に契約上の地位の移転を制限する条項(譲渡禁止特約等)がないか事前に確認したか
  • [ ] 原契約との継続関係(本覚書後も効力を有する部分)を明記したか
  • [ ] 本覚書への署名当事者が甲・丙・乙の三者そろっているか(二者間の通知で足りる場合との区別)