取引先の合併や事業譲渡に伴い契約当事者を切り替える承諾書。民法第539条の2の契約上の地位の移転と会社法第467条の事業譲渡手続を踏まえ承諾します。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

取引先の事業承継に伴う契約上の地位移転承諾書

第1部: 書式本文

【甲商号】(以下「甲」という。)、【乙商号】(以下「乙」という。)及び【丙商号】(以下「丙」という。)は、乙が丙に対して行う事業譲渡に伴い、甲乙間の【〇〇年〇〇月〇〇日付】【契約名称】(以下「原契約」という。)に基づく乙の契約上の地位を丙に移転することについて、次のとおり承諾書(以下「本承諾書」という。)を締結する。

第1条(契約上の地位の移転の承諾) 甲は、民法第539条の2の規定に基づき、乙が原契約に基づき有する契約上の地位(原契約に基づく一切の権利及び義務を含む。以下「本契約上の地位」という。)を丙に移転することを承諾する。

第2条(移転の効力発生日) 本契約上の地位の移転は、【〇〇年〇〇月〇〇日】(乙丙間の事業譲渡契約に定める事業譲渡の効力発生日をいう。以下「移転日」という。)をもってその効力を生ずるものとする。

第3条(移転対象契約の特定) 本承諾書に基づき丙に移転する契約は、原契約及び原契約に付随する別紙記載の個別契約、覚書その他の合意書とする。

第4条(移転前に生じた債権債務の帰属) 1. 移転日前に原契約に基づき乙甲間に生じた債権及び債務(既に履行期が到来している代金債権を含む。)は、別段の合意がない限り、乙に帰属するものとし、丙に承継されない。 2. 移転日以後に原契約に基づき生じる債権及び債務は、丙に帰属するものとする。

第5条(丙による契約条件の遵守) 丙は、移転日以後、原契約に定める一切の条件(価格、数量、納期、支払条件、秘密保持義務及び知的財産権の取扱いに関する条項を含む。)を遵守し、乙が甲に対して負っていた義務と同一の内容の義務を負うことを確認する。

第6条(乙の一定期間の責任) 1. 乙は、移転日から【6】か月間、丙が本契約上の地位に基づき甲に対して負う金銭債務の履行について、丙と連帯してその責任を負う。 2. 前項の期間経過後は、乙は原契約に基づく一切の義務を免れるものとし、甲はこれを承諾する。

第7条(表明保証) 乙及び丙は、甲に対し、次の各号の事項を表明し、保証する。 一 乙丙間の事業譲渡が、会社法第467条その他適用法令上必要とされる手続(株主総会の特別決議その他の内部承認手続を含む。)を適法に経て行われるものであること 二 本契約上の地位の移転が、乙丙間の事業譲渡契約その他の関連契約に違反するものではないこと 三 丙が、本契約上の地位に基づく債務を履行するために必要な業務遂行能力及び財務能力を有すること

第8条(移転後の解除権) 1. 移転日以後、丙の信用状態の著しい悪化その他甲乙間の原契約の継続を困難とする合理的な事情が判明した場合、甲は、丙に対する催告のうえ、原契約を解除することができる。 2. 前項の解除は、移転日前に生じた甲乙間の債権債務に影響を及ぼさない。

第9条(秘密保持義務の承継確認) 原契約に定める秘密保持義務は、本契約上の地位の移転後も、丙が原契約の当事者として引き続き負うものとし、乙が移転前に取得した甲の秘密情報についても、原契約に定める秘密保持義務は移転後もなお乙に存続する。

第10条(通知及び届出) 甲、乙及び丙は、本契約上の地位の移転に関し、監督官庁への届出、取引先への通知その他必要な手続がある場合には、相互に協力してこれを行うものとする。

第11条(協議事項及び合意管轄) 1. 本承諾書に定めのない事項又は解釈に疑義が生じた事項については、甲乙丙誠実に協議のうえ解決する。 2. 本承諾書に関する紛争については、【〇〇地方裁判所】を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 承諾する取引相手向け

修正後: 「甲は、本承諾書の締結にあたり、丙から直近【2】期分の決算書その他の財務資料の提出を受け、これを審査したうえで本契約上の地位の移転を承諾するものとする。丙が当該資料の提出を拒み、又は虚偽の資料を提出したことが判明した場合、甲は本承諾を撤回することができる。」

一言解説: 取引の相手方が乙から丙に切り替わることは、取引先の信用力が入れ替わることを意味する。承諾に先立ち財務資料の提出を求める規定を置くことで、甲が丙の信用状態を確認しないまま承諾してしまう事態を防ぐ趣旨である。

追加条文例: 「乙及び丙は、本契約上の地位の移転後【1】年間、甲が原契約と実質的に同一の条件で取引を継続することを希望する場合には、丙はこれに応じるものとし、正当な理由なく取引条件を甲に不利益に変更してはならない。」

一言解説: 事業譲受人である丙が移転直後に取引条件の変更を求めてくると、甲は望まない条件変更を迫られる立場に置かれかねない。移転後一定期間の条件維持を明記することで、甲の取引環境の急変を防ぐ。

B. 地位を承継する事業譲受人向け

修正後: 「丙が甲に対して負う本契約上の地位に基づく義務については、乙は連帯責任を負わないものとし、丙は移転日をもって単独でこれを履行する。」

一言解説: 事業譲受人としては、旧事業主である乙の連帯責任が長期間残存すると、丙の財務状況や信用力に応じた取引条件の見直しが甲から求められにくくなるなど、事業運営上の独立性が損なわれる場面がある。連帯責任を早期に解消する規定により、丙が原契約の当事者として単独で信用を確立しやすくする。

追加条文例: 「甲は、丙が移転日以後に原契約の条件変更(取引数量の見直し、支払条件の変更等)を申し入れた場合には、乙との従前の取引実績にかかわらず、丙との協議に応じるものとする。」

一言解説: 事業譲受人にとって、承継した事業の実情に合わせて取引条件を見直す必要が生じることは少なくない。移転を機に条件協議の道を確保しておくことで、旧来の条件に拘束され続けることを避けられる。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

本承諾書は、取引先が事業譲渡により契約当事者を交代させる場合に、取引の相手方から契約上の地位の移転について個別の承諾を得る場面で用いる。合併(会社法第749条以下)のように会社の権利義務が包括的に承継される組織再編行為の場合には、原則として個別契約ごとの相手方の承諾は不要とされているため、本承諾書は主として事業譲渡(特定の事業に関する財産を個別に移転させる特定承継)の場面を前提とする。会社分割による事業承継の場合も、承継の方式や契約に付された譲渡制限条項の有無によって相手方の承諾の要否が異なるため、承継のスキームを事前に確認する必要がある。

根拠法令としては、民法第539条の2が中心となる。同条は、契約の当事者の一方が第三者との間で契約上の地位を譲渡する旨の合意をした場合において、契約の相手方がその譲渡を承諾したときは、契約上の地位が譲受人に移転する旨を定めており、契約上の地位の移転には相手方の承諾を要することを明文化している。事業譲渡による契約上の地位の移転が包括承継ではなく特定承継である以上、原契約に基づく債権債務や地位そのものを丙に移転させるためには、本承諾書のような相手方(甲)の承諾を得ることが法律上必要になる。あわせて、乙丙間の事業譲渡そのものについては、会社法第467条第1項に基づき、事業の全部又は重要な一部の譲渡に該当する場合には、原則として乙(譲渡会社)の株主総会の特別決議による承認を要する点にも留意が必要であり、本承諾書の当事者である甲としても、乙丙間の手続が適法に履践されているかを確認する意味がある。

実務でよくある失敗として、第一に、事業譲渡に伴う契約承継を、合併の場合と同様に相手方の承諾なく当然に生じるものと誤解し、個別の承諾取得を怠ってしまう例がある。会社法上の組織再編行為には合併・会社分割・事業譲渡等の複数の類型があり、それぞれ契約承継の法的性質(包括承継か特定承継か)が異なるため、承継スキームに応じた対応が必要である。第二に、移転前後の債権債務の帰属を明確にしないまま承諾書を締結し、移転日をまたぐ取引について乙丙いずれに請求すべきか争いになる例がある。第4条のように、移転日を基準とした債権債務の帰属を明記することが望ましい。第三に、丙の信用力を十分確認しないまま形式的に承諾し、移転後に丙の支払能力に問題が生じても契約解除の手段が用意されていない例がある。第8条のような移転後の解除権を確保しておくことが対策となる。事業譲渡の適法性や承継の具体的な範囲については、専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 承継のスキーム(合併・会社分割・事業譲渡のいずれか)を確認し、相手方の承諾の要否を検討したか
  • [ ] 乙丙間の事業譲渡が会社法第467条の株主総会承認等の手続を経ているか確認したか
  • [ ] 移転対象契約(付随する覚書・個別契約を含む)を漏れなく特定したか
  • [ ] 移転日を基準とした債権債務の帰属を明確にしたか
  • [ ] 丙の信用状態・業務遂行能力を確認する資料の提出を求めたか
  • [ ] 乙の一定期間の連帯責任の要否・期間を検討したか
  • [ ] 秘密保持義務が丙に承継されることを明記したか
  • [ ] 移転後に信用不安が判明した場合の甲の解除権を定めたか
  • [ ] 取引条件の維持又は見直しに関する移転後の取扱いを検討したか
  • [ ] 監督官庁への届出や取引先への通知等の付随手続を洗い出したか