対象建設工事の分別解体等の計画を届け出る書式です。建築物の構造、廃棄物の種類と量、解体工程の記載要領を示します。相手方との認識のずれを防ぐ具体的な記載例を示します。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
建設リサイクル法に基づく届出書
第1部: 書式本文
分別解体等の計画等に関する届出書
第1条(届出の趣旨) 本届出書は、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(以下「建設リサイクル法」という)第10条第1項の規定に基づき、【発注者名又は自主施工者名】が【都道府県知事又は権限を有する市長】に対して行う対象建設工事の届出とする。
第2条(工事の概要) 一 工事名称:【工事名称】 二 工事の場所:【施工場所住所】 三 工事の種類:【建築物の解体・新築・増築・修繕改装・その他工作物の工事の別】 四 発注者:【氏名又は名称・住所】 五 元請業者:【商号・所在地・建設業許可番号】
第3条(対象建設工事の該当性) 本工事は、建設リサイクル法施行令第2条の規模基準のうち、次のいずれかに該当するものとする。 一 建築物の解体工事:床面積合計【80】㎡以上 二 建築物の新築・増築工事:床面積合計【500】㎡以上 三 建築物の修繕・模様替等(リフォーム等):請負代金額【1億円】以上 四 その他工作物に関する工事(土木工作物等):請負代金額【500万円】以上
第4条(建築物の構造等) 一 構造:【木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造等】 二 階数:【地上○階地下○階】 三 延床面積:【○○㎡】 四 built年(既存建築物の場合):【○○年】
第5条(分別解体等の計画) 一 工事着手予定日:【年月日】 二 工事完了予定日:【年月日】 三 分別解体等の方法:【手作業・機械作業の別、解体順序】 四 対象建設資材の種類:コンクリート、コンクリート及び鉄からなる建設資材、木材、アスファルト・コンクリートのうち該当するもの【 】
第6条(発生が見込まれる特定建設資材廃棄物の種類及び量) 一 コンクリート塊:【○○トン】 二 建設発生木材:【○○トン】 三 アスファルト・コンクリート塊:【○○トン】 四 その他:【種類・量】
第7条(再資源化等をするための施設の名称及び所在地) 【再資源化施設名称・所在地・許可番号】
第8条(工程の概要) 仮設工事、屋根解体、外壁解体、基礎解体等の順序及び各工程の概算日数を【別紙工程表】のとおり定める。
第9条(添付書類) 本届出書には、設計図又は写真、工程表、その他都道府県知事等が規則で定める書類を添付する。
第10条(届出時期) 本届出は、建設リサイクル法第10条第1項の規定により、工事着手の日の【7日前】までに行うものとする。
第11条(届出内容の変更) 本届出の内容(工事着手予定日、分別解体等の方法、再資源化施設等)に変更が生じた場合、発注者又は自主施工者は、変更後遅滞なく変更届出書を提出する。
第12条(工事中止時の対応) 天災その他やむを得ない事由により工事を中止する場合、発注者又は自主施工者は、その旨及び再開見込み時期を届出先の行政庁に速やかに報告する。
第13条(近隣への周知) 元請業者は、分別解体等に伴う騒音・振動・粉じん対策を含む工事概要を、工事現場周辺の住民に対し工事着手前に周知する。
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節: 発注者・自主施工者の視点
発注者にとっては、届出内容が実際の工事内容と齟齬なく、工期にも影響しないことが重要となる。
Before(第5条・原案): 「工事着手予定日:【年月日】、工事完了予定日:【年月日】」
After(発注者に有利な修正): 「工事着手予定日は元請業者からの分別解体等の計画提出後に確定するものとし、届出内容に変更が生じた場合、発注者は速やかに変更届出の要否を元請業者と協議する。」 一言解説:着工日は設計変更等で流動的になりやすいため、届出後の変更手続を条文上あらかじめ想定しておくことでトラブルを防止する。
B節: 都道府県知事(行政庁)の視点に立った記載整備
都道府県知事側(受理する行政庁)の運用実務を踏まえると、届出書の記載事項の網羅性と添付書類の整合性が審査上の重要ポイントとなる。
Before(第9条・原案): 「本届出書には、設計図又は写真、工程表、その他規則で定める書類を添付する。」
After(行政実務に即した修正): 「添付書類は、建設リサイクル法施行規則第2条各号に定める書類(設計図又は写真、工程表、案内図、公図の写し等)を漏れなく添付するものとし、不備がある場合は届出者において速やかに補正する。」 一言解説:添付書類の不備は届出の受理遅延や工事着手日の見直しにつながるため、施行規則上の要求事項を具体的に条文へ落とし込む必要がある。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
使う場面/使ってはいけない場面 本書式は、建設リサイクル法施行令第2条の規模基準(解体80㎡以上、新築等500㎡以上、その他工作物1億円以上等)に該当する対象建設工事について、工事着手前に都道府県知事等へ届け出る場面で使用する。規模基準に満たない小規模工事や、届出主体が不明確な共同発注のケースでは、事前に該当性を精査したうえで使用の要否を判断する必要がある。
根拠法令 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律第10条(届出義務)、同法施行令第2条(対象建設工事の規模基準)、同法第13条(届出への勧告・変更命令)、無届出等に対する罰則を定める同法第52条を中心的な根拠とする。
よくある失敗と対策 第一に、工事の請負代金額に消費税を含めるか否かを誤り、規模基準の判定を誤るケースがある。対策として、第3条に金額算定の基準(税込・税抜の別)を明記し、算定根拠を発注者・元請業者間で共有する条項を設ける。 第二に、工事着手の7日前という届出期限を徒過し、無届のまま着工してしまう失敗がある。対策として、第10条のように届出期限を明記したうえで、工程表(第8条)との整合を事前に確認する手続を組み込む。 第三に、共同住宅の複数棟工事等で床面積の合算範囲を誤り、対象建設工事に該当するかの判断を誤ることがある。対策として、第4条において対象建築物の範囲及び床面積の算定単位を明確化しておく。
第四に、工事着手後に分別解体等の方法や再資源化施設が変更されたにもかかわらず、変更届出を怠るケースもある。対策として、第11条のように変更届出義務を明文化し、変更の都度速やかに提出する運用を徹底する。
なお、規模基準の該当性判断や届出書式の細部、変更届出の要否は自治体ごとに運用が異なる場合があるため、個別の事案については弁護士・行政書士等の専門家に確認することを推奨する。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 工事が建設リサイクル法施行令第2条の規模基準に該当するか確認したか
- [ ] 届出者(発注者又は自主施工者)が正しく特定されているか
- [ ] 工事着手予定日の7日前までに届出が完了する工程になっているか
- [ ] 建築物の構造・階数・延床面積等が正確に記載されているか
- [ ] 特定建設資材廃棄物の種類・量の見込みが記載されているか
- [ ] 再資源化施設の名称・所在地・許可番号が確認できているか
- [ ] 分別解体等の方法(手作業・機械作業の別)が工程表と整合しているか
- [ ] 添付書類(設計図・写真・工程表・案内図等)が施行規則の要求を満たしているか
- [ ] 元請業者の建設業許可番号等の記載に誤りがないか
- [ ] 届出後の内容変更が生じた場合の変更届出手続を把握しているか