使途を特定して行う寄附の条件を定める契約書です。負担付贈与としての性質、報告義務、目的達成不能時の返還を規定します。関連書式とあわせて使うことで手続の漏れを防げます。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

寄附契約書(使途特定型)

第1部: 書式本文

【寄附者】【寄附者名】(以下「甲」という。)と【受領法人名】(以下「乙」という。)とは、甲が乙に対して行う寄附に関し、次のとおり契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(寄附の目的) 甲は、乙が行う【〇〇事業】(以下「本事業」という。)の実施に充てることを目的として、乙に対し寄附金を交付する。

第2条(寄附金額及び支払方法) 1. 甲が乙に交付する寄附金の額は、金【〇〇〇〇円】とする。 2. 甲は、前項の寄附金を、【〇〇〇〇年〇〇月〇〇日】までに、乙の指定する銀行口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。

第3条(使途の限定) 乙は、第2条の寄附金を、本事業の実施に要する費用(【人件費・活動費・事務費等の内訳】)にのみ充当するものとし、本事業以外の目的に流用してはならない。

第4条(負担の内容) 1. 本契約は、乙が第5条の報告義務その他本契約に定める義務を履行することを負担とする負担付贈与としての性質を有する。 2. 乙は、前項の負担を履行する限度において、寄附金を受領する権利を有する。

第5条(実績報告義務) 1. 乙は、寄附金を本事業に充当した実績について、【毎事業年度終了後3か月】以内に、収支の内訳及び活動の成果を記載した報告書を作成し、甲に提出するものとする。 2. 甲は、乙に対し、前項の報告書の記載事項に関し、追加の資料提出又は説明を求めることができる。

第6条(使途の変更) 乙は、やむを得ない事情により本事業の内容を変更する必要が生じた場合、あらかじめ甲に対しその理由及び変更後の使途を書面で通知し、甲の書面による承諾を得なければ、寄附金の使途を変更してはならない。

第7条(目的達成不能の場合の取扱い) 1. 本事業が中止され、又は実施が不可能となった場合その他本事業の目的を達成することができなくなったと認められる場合、乙は、直ちにその旨を甲に通知するものとする。 2. 前項の場合において、寄附金のうち本事業に充当されていない残額があるときは、乙は、甲の指示に従い、当該残額を甲に返還し、又は甲の承諾を得て他の類似事業に充当するものとする。

第8条(用途違反の場合の返還) 乙が第3条に違反して寄附金を本事業以外の目的に使用したことが判明した場合、甲は、本契約を解除し、乙に対し、当該用途違反に係る金額の返還を請求することができる。

第9条(資料閲覧及び監査への協力) 乙は、甲又は甲が指定する第三者が、本事業に係る帳簿及び証憑書類の閲覧又は監査を求めた場合、正当な理由がない限りこれに応じるものとする。

第10条(秘密保持) 甲及び乙は、本契約の締結及び履行の過程で知り得た相手方の営業上又は個人の秘密を、相手方の事前の承諾なく第三者に開示又は漏えいしてはならない。ただし、甲の氏名等を寄附者として公表することについて甲が別途同意した場合はこの限りでない。

第11条(反社会的勢力の排除) 甲及び乙は、自らが反社会的勢力に該当せず、かつ将来にわたっても該当しないことを表明し、保証する。

第12条(準拠法及び合意管轄) 本契約は日本法に準拠し、本契約に関する紛争については、【〇〇地方裁判所】を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第13条(協議事項) 本契約に定めのない事項又は本契約の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠実に協議の上解決する。

以上

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節: 寄附者の立場から

A-1. 第7条の返還規定を寄附者主導で発動しやすくする修正

修正例: 「本事業の実施状況が計画から著しく遅延していると甲が合理的に判断した場合、甲は、乙に対し是正を求めることができ、乙が是正に応じない場合、甲は未充当の寄附金残額の返還を請求することができる。」 解説: 寄附者としては、目的達成不能が確定するまで待たなければ返還を求められない構成では機動的な対応ができない。遅延段階での是正要求権を組み込むことで、資金拠出後のガバナンスを強化できる。

A-2. 第5条の報告頻度を細分化する修正

修正例: 「乙は、寄附金の充当状況について、四半期ごとに簡易な進捗報告を行うほか、事業年度終了後には詳細な実績報告書を提出するものとする。」 解説: 高額寄附や複数年にわたる事業への寄附の場合、年1回の事後報告のみでは資金の流用リスクを早期に発見しにくい。寄附者の立場からは、中間報告の頻度を高めることが望ましい。

B節: 受領法人の立場から

B-1. 第3条の使途の限定を柔軟な範囲にとどめる修正

修正例: 「乙は、第2条の寄附金を、本事業に関連する費用(直接費用のほか、本事業の実施に合理的に必要な範囲の間接費用を含む。)に充当することができる。」 解説: 使途を直接費用のみに厳格に限定すると、事務局の管理コスト等の間接費用を賄えず、実質的に事業の実施が困難になる場合がある。受領法人の立場からは、合理的な範囲の間接費用を含める形に修正しておくことが実務上望ましい。

B-2. 第8条の返還範囲を限定する修正

修正例: 「乙が第3条に違反した場合であっても、甲が請求できる返還額は、用途違反が判明した時点で未使用の寄附金残額を上限とする。」 解説: 受領法人としては、既に適法に支出した部分まで遡って返還義務を負う構成はリスクが大きい。未使用残額を上限とする修正により、過大な返還リスクを限定できる。

場面別バリエーション: 複数年度にわたる分割寄附の場合

複数年度にわたり分割して寄附金を交付する場合、第2条を「甲は、寄附金の総額【〇〇円】を、【〇〇年度から〇〇年度までの各年度】に分割して支払う」との規定に改め、第7条の目的達成不能時の取扱いについても「既払込み分」と「未払込み分」を区別し、未払込み分については甲の支払義務自体を消滅させる旨を明記することが考えられる。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面・使ってはいけない場面の解説

本書式は、寄附者が特定の事業又はプロジェクトへの充当を条件として金銭を拠出し、受領法人がその使途について報告義務等の一定の負担を負う場面で使用する。単純に使途を問わず資金援助を行う一般寄附の場合や、対価として役務提供や広告掲載等の見返りを伴う協賛契約の場合には、本書式ではなく別の枠組み(一般寄附申込書又は協賛契約書等)を用いるべきである。

根拠法令の解説

負担付贈与については、民法第553条が「負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する」と定めている。これにより、受領法人が報告義務等の負担を履行しない場合、寄附者は、贈与そのものを無償の一方的給付として扱うのではなく、双務契約に準じた債務不履行解除等の法理を主張し得ると解される。もっとも、単なる使途の指定にとどまり、受領法人に具体的な作為義務が課されていない場合には、当該指定が民法上の「負担」に該当するか否かについて見解が分かれ得るため、第4条のように負担の内容(報告義務等)を契約上明記しておくことが実務上重要である。

よくある失敗と対策の解説

第一に、使途を抽象的にしか特定せず、事後的に何が用途違反に当たるかで争いになる失敗がある。対策として、第3条の使途を具体的な費目(人件費・活動費等)まで落とし込んで記載する。第二に、報告義務の履行時期や様式を定めず、実績報告が事実上形骸化する失敗がある。対策として、第5条に提出期限及び記載事項を明記する。第三に、目的達成不能時の残額の扱いを定めず、清算段階で当事者間の認識が食い違う失敗がある。対策として、第7条に返還又は他事業への充当という選択肢を明記し、判断権限の所在を明確にする。負担付贈与該当性の評価や返還請求の可否については事案ごとの評価を要するため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • 寄附金の使途を具体的な費目レベルまで特定して記載したか
  • 支払方法(一括・分割)及び支払期限を明確にしたか
  • 受領法人が負う負担(報告義務等)の内容を第4条で具体的に明記したか
  • 実績報告の頻度・提出期限・記載事項を定めたか
  • 使途変更が必要になった場合の承諾手続を明確にしたか
  • 目的達成不能時の未充当残額の取扱い(返還か他事業充当か)を定めたか
  • 用途違反が判明した場合の返還請求の範囲(未使用残額限定か全額か)を明確にしたか
  • 資料閲覧・監査への協力義務の範囲及び限界を定めたか
  • 寄附者名の公表可否について寄附者の意向を確認する条項を設けたか
  • 反社会的勢力排除条項及び合意管轄条項を漏れなく設けたか