着工から完成までの作業工程を可視化する工程表です。主要工種の期間、検査日程、天候による予備日の設定を管理できます。必要事項を埋めるだけで短時間に整えられる書式です。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
工事工程表様式
第1部: 書式本文
工事工程表
工事名:【工事名称】 工事場所:【工事場所】 発注者:【発注者名】 受注者:【受注者名(建設業許可番号:【許可番号】)】 契約工期:【着工予定日】から【完成予定日】まで 作成日:【作成年月日】 作成者:【作成者氏名・職名】
第1条(目的) 本工程表は、上記工事について、受注者が発注者に対し、着工から完成に至るまでの作業手順、各工種の実施期間及び検査日程の予定を示すものであり、公共工事標準請負契約約款【第3条】に定める工程表として提出する。
第2条(工程表の構成) 本工程表は、以下の形式により作成する。 1. 主要工種一覧(仮設工事、土工事、基礎工事、躯体工事、仕上工事、設備工事等【工種名を記載】) 2. 各工種の開始予定日・完了予定日 3. 各工種間の先行・後続関係(バーチャート又はネットワーク工程表による) 4. マイルストーン(社内検査、発注者立会検査、中間検査、完成検査等)の予定日 5. 天候不順、資材調達の遅延等に備えた予備日数【日数】日間
第3条(主要工種と実施期間) | 工種 | 開始予定日 | 完了予定日 | 所要日数 | |---|---|---|---| |【仮設工事】|【年月日】|【年月日】|【日数】日| |【土工事・基礎工事】|【年月日】|【年月日】|【日数】日| |【躯体工事】|【年月日】|【年月日】|【日数】日| |【仕上工事】|【年月日】|【年月日】|【日数】日| |【設備工事】|【年月日】|【年月日】|【日数】日| |【外構工事】|【年月日】|【年月日】|【日数】日|
第4条(検査日程) 1. 中間検査予定日:【年月日】(対象工種:【工種名】) 2. 完成検査予定日:【年月日】 3. 検査に立ち会う者:発注者側【職名・氏名】、受注者側【現場代理人氏名】
第5条(予備日の設定) 天候不順、想定外の地中障害物の発見、資材の納期遅延その他受注者の責に帰すことができない事由による工程遅延に備え、【日数】日の予備日を設定する。予備日を超えて工程に遅延が生じるおそれがある場合、受注者は速やかに発注者に報告し、工程表の見直しについて協議するものとする。
第6条(工程変更の手続) 1. 受注者は、工程に変更が生じた場合又は生じるおそれがある場合、遅滞なくその理由及び影響範囲を書面により発注者に報告する。 2. 発注者は、報告を受けた後【日数】日以内に承認又は是正の指示を行う。 3. 工程変更が契約工期の変更を伴う場合は、別途、工期変更に関する協議を行う。
第7条(進捗管理) 受注者は、【週次・月次】で工程の実施状況を発注者に報告し、予定工程と実績との対比を明らかにする。乖離が【割合】%を超えた場合、受注者は挽回策を提示する。
第8条(添付書類) 本工程表には、以下を添付する。 1. バーチャート工程表(別紙) 2. 施工体制台帳の写し 3. 主要資材の発注・搬入計画表
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節: 受注者(施工者)の立場からの修正例
A-1. 予備日を厚めに確保したい場合 第5条を「天候不順等による工程遅延に備え、【日数(例:全体工期の10%相当)】日の予備日を設定する。予備日は、季節・地域の平年降雨日数を踏まえて算定する。」に修正する。降雨実績等の客観データを付すことで、発注者との協議を有利に進められる。
A-2. 資材調達リスクを明示したい場合 第2条第5号に「半導体・鋼材等、納期に長期のリードタイムを要する資材については、発注時期を別紙調達計画表に明記する。」を追加する。近年の資材供給不安を踏まえ、工程遅延の原因を事前に明確化する趣旨である。
B節: 発注者の立場からの修正例
B-1. 進捗報告の頻度を高めたい場合 第7条の「【週次・月次】」を「毎週」に固定し、「受注者は毎週金曜日までに前週の実績及び翌週の予定を書面又は電子データで提出する。」と修正する。工程遅延の早期発見を目的とする。
B-2. マイルストーン未達時の対応を明確にしたい場合 第6条に第4項として「マイルストーンの遅延が【日数】日を超えた場合、発注者は受注者に対し工程回復計画書の提出を求めることができる。」を追加する。発注者の管理権限を書式上も担保する趣旨である。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
使う場面 公共工事標準請負契約約款に基づく契約において、契約締結後速やかに(通常は着工前又は着工と同時に)提出する工程管理の基礎資料として使用する。民間工事でも同種の様式を援用できるが、その場合は約款条項の引用箇所を契約約款の該当条に読み替える必要がある。
使ってはいけない場面 既に完成した工事の実績記録として遡って作成する目的には使用しない。工程表はあくまで予定表であり、実績との対比は別途「工程実績報告書」等の書式で行うべきである。また、下請契約における下請人への一方的な工程指示書として流用すると、建設業法第19条の3(不当に低い請負代金の禁止)や下請代金支払遅延等防止法上の問題を招くおそれがあるため、下請契約用途には別途調整が必要である。
根拠法令 - 公共工事標準請負契約約款(中央建設業審議会決定)第3条:工程表の提出義務 - 同約款第29条:工期の変更方法 - 同約款第21条:条件変更等による工期の調整 - 建設業法第20条:建設工事の見積り等における工期の適正な設定 - 建設業法第19条:建設工事の請負契約の内容(工事着手の時期及び工事完成の時期を書面に記載する義務)
よくある失敗と条項上の対策 1. 予備日を設けずに工程を作成し、天候不順で即座に契約工期違反となるケース。対策として第5条のように予備日を明記し、算定根拠(平年の気象データ等)を残す。 2. 工程変更時の報告義務・承認手続を定めず、後日「言った・言わない」の紛争になるケース。対策として第6条のように報告期限・承認期限を数値で明記する。 3. マイルストーンと契約上の「完成」概念が一致せず、検査日程の調整で混乱するケース。対策として第4条で契約約款上の完成検査(約款第31条)の日程と本工程表の完成検査予定日を一致させる。
また、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入札契約適正化法)第14条は、施工体制の適正化を求めており、工程表の作成・提出は施工体制台帳とあわせて発注者による施工状況の把握手段としても位置づけられる。受注者は、工程表の提出が単なる形式的手続ではなく、同法及び建設業法上の適正な施工体制確保の一環であることを踏まえ、実態に即した工程を作成する必要がある。
本工程表は工程管理の実務ツールであり、契約書そのものに代わるものではない。工期の法的効力や工期延長の是非を含め、本書式の適用可否については個別事案は専門家に確認することを推奨する。
第4部: 使用前チェックリスト
- 工事名・工事場所・発注者名・受注者名が契約書と一致しているか
- 契約工期(着工予定日・完成予定日)が契約書記載と一致しているか
- 主要工種の抜け漏れがないか(仮設から外構まで網羅されているか)
- 各工種の所要日数の合計が契約工期内に収まっているか
- 予備日が設定され、その算定根拠が説明可能か
- 検査日程(中間検査・完成検査)が約款上の手続と整合しているか
- 進捗報告の頻度・様式・報告先が明記されているか
- 工程変更時の報告・承認手続の期限が具体的な日数で定められているか
- バーチャート等の別紙が添付され、本文の工種と対応しているか
- 施工体制台帳・調達計画表など添付書類が最新版か
- 作成者・承認者の押印又は電子署名欄が設けられているか
- 提出先(発注者担当部署)と提出方法(書面・電子)が明確か