賠償金を支払った当事者が相手方に対する求償権を放棄する合意書です。放棄の範囲、対価、他の債権への影響を明確にします。相手方との認識のずれを防ぐ具体的な記載例を示します。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

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求償権放棄合意書

第1部: 書式本文

求償権放棄合意書

【求償権者】(以下「甲」という。)と【相手方】(以下「乙」という。)は、【事故発生日:年月日】に発生した【事故の概要】(以下「本件事故」という。)に関連して甲が乙に対して取得した求償権の取扱いについて、以下のとおり合意する。

第1条(求償権の発生原因) 甲は、本件事故により【被害者名又は保険契約者名】に生じた損害につき、【保険契約番号等】に基づき金【 】円を支払ったことにより、保険法第25条の規定に基づき、被害者が乙に対して有していた損害賠償請求権を【全額/一部】取得した。

第2条(放棄する権利の範囲) 甲は、乙に対し、前条により取得した求償権のうち、次に定める範囲について放棄する。 (1) 元本 金【 】円 (2) 【元本に付帯する遅延損害金・利息の有無を記載】 (3) 【放棄の対象外とする部分がある場合はその金額及び理由】

第3条(放棄の対価) 乙は、本合意締結の対価として、甲に対し金【 】円を、【支払期日】までに、甲の指定する銀行口座【銀行名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義】に振り込む方法で支払う。振込手数料は乙の負担とする。

第4条(対価を伴わない場合の特則) 前条の対価の授受を行わない場合、甲及び乙は、その旨及び放棄の理由(【示談成立に伴う一括処理、乙の資力不足による回収不能等】)を別紙【 】に明記し、本合意書に添付する。

第5条(他の債権への不影響) 本合意による求償権の放棄は、甲が乙以外の第三者に対して有する求償権、及び本件事故に起因するがその他の権利(物損以外の人身損害に関する求償権等)には一切影響を及ぼさないものとする。

第6条(残存債権の確認) 甲及び乙は、第2条に定める放棄の範囲を超える求償権が存在しないことを相互に確認する。ただし、本件事故後に新たな損害(後遺障害の発生等)が判明した場合の取扱いは第9条による。

第7条(求償権放棄の意思表示の確定) 甲による求償権の放棄の意思表示は、本合意書への甲の記名押印をもって確定的に効力を生じるものとし、乙による対価の支払完了を条件としない。ただし、乙が第3条の支払を履行しない場合、甲は第10条に基づき本合意を解除できる。

第8条(第三者への通知) 甲は、本合意締結後【 】日以内に、本件求償権に利害関係を有する第三者(【元請保険会社、共同不法行為者等】)に対し、放棄の事実を書面で通知する。

第9条(後発損害への対応) 本合意締結後に本件事故に起因する後発的な損害(症状固定後の後遺障害等)が判明した場合、甲は当該後発損害に対応する求償権について、本合意の放棄の効力が及ばないことを確認し、別途乙と協議する。

第10条(解除) 乙が第3条の支払を期日までに履行しない場合、甲は催告のうえ本合意を解除し、放棄した求償権を再度行使できるものとする。

第11条(秘密保持) 甲及び乙は、本合意の内容及び本件事故に関する非公開情報を、法令に基づく場合又は相手方の書面による承諾がある場合を除き、第三者に開示してはならない。

第12条(合意管轄) 本合意に関する紛争については、【裁判所名】地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第13条(協議事項) 本合意に定めのない事項及び本合意の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠実に協議のうえ解決する。

以上の合意の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ各1通を保有する。

【作成年月日】 甲(求償権者) 住所:     氏名:     印 乙(相手方) 住所:     氏名:     印

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節 求償権者(保険会社・支払者側)の視点による修正パターン

求償権者側が本合意書を用いる典型例は、示談の早期成立を優先し、少額の残債権を回収コストとの見合いで放棄する場面である。この場合、第2条を次のように修正する。

修正例(第2条): 「甲は、乙に対し、前条により取得した求償権全額(元本・遅延損害金を含む)を放棄する。ただし、乙が本合意締結後に虚偽の資力申告をしていたことが判明した場合、甲は放棄の意思表示を撤回できるものとする。」

一言解説: 資力不足を理由とする放棄では、後日の資力回復に備えて撤回条項を残しておくことで、安易な放棄による回収可能性の喪失を防げる。

B節 相手方(求償を受ける側)の視点による修正パターン

相手方側で使用する場合、放棄の確定性を重視し、甲からの撤回や再請求を防ぐ条項を追加すべきである。第7条を次のように修正する。

修正例(第7条): 「甲による求償権の放棄の意思表示は、本合意書への記名押印により確定的に効力を生じ、以後、甲は理由の如何を問わず放棄した権利を再度行使しないものとする。乙の支払遅延があった場合も、甲は本合意の解除ではなく、遅延損害金の請求にとどめるものとする。」

一言解説: 相手方にとっては、解除条項が残っていると放棄の効力が不安定になるため、解除権を制限し金銭的救済に限定させることで法的安定性を確保できる。

C節 複数の求償先が存在する場合の書き換えパターン

共同不法行為者が複数存在し、そのうち一部の相手方についてのみ求償権を放棄する場合は、放棄の効果が他の求償先に及ばないことを明示する必要がある。第5条を次のように補強する。

補強例(第5条): 「甲は、乙以外の共同不法行為者【氏名】に対する求償権については、本合意による影響を一切受けないものとし、乙に対する求償権の放棄が、他の共同不法行為者に対する求償額の算定(過失割合按分後の負担額)に影響を及ぼさないことを確認する。」

一言解説: 共同不法行為の場合、一部の債務者に対する放棄が他の債務者の負担部分にどう影響するかは争いが生じやすいため、負担割合と切り離して整理する条項を置くことが望ましい。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面

本書式は、保険会社等の求償権者が、既に発生した具体的な求償権の全部又は一部を放棄する意思を明確化し、後日の紛争を防止する目的で使用する。示談の一環として一括処理する場合や、回収コストが見込み回収額を上回ると判断した場合に適する。

使ってはいけない場面

将来発生するかどうか不確定な権利の包括的放棄には適さない。保険法第25条に基づく代位取得前の抽象的な期待権を放棄の対象とすることはできず、代位取得の時期(保険金支払時)を条文上明確にしないまま作成すると、放棄の対象が特定できず無効と判断されるおそれがある。

根拠法令

保険法第25条は、保険者が保険給付を行った場合に、被保険者等が第三者に対して有する権利を保険価額の限度で取得することを定める(いわゆる請求権代位)。求償権の放棄は、この代位取得後の権利処分行為であり、民法上の意思表示として、その範囲・対象が明確であることが求められる。

よくある失敗と条項上の対策

  1. 放棄の範囲が曖昧: 「一切の請求権を放棄する」とのみ記載すると、後発損害まで含むか争いになる。第9条のように後発損害を明示的に除外する条項を置く。
  2. 対価の授受と放棄の効力発生時期の混同: 対価未払でも放棄の意思表示自体は有効に成立し得るため、第7条のように意思表示の確定時期を明確にする。
  3. 第三者への影響の不記載: 共同不法行為者や元請保険会社との関係を記載しないと、二重請求や求償の連鎖が生じ得る。第5条・第8条で第三者への影響と通知義務を明記する。

また、求償権の放棄は、放棄する側の会計・税務上の処理(貸倒損失又は寄付金としての扱い等)にも影響し得るため、金額が大きい場合には社内の経理・税務担当部門とも連携して処理することが望ましい。

なお、求償権の放棄は金額や当事者の状況により法的評価が大きく異なるため、個別事案は専門家に確認のうえ、本書式の条項を事案に即して修正して使用する必要がある。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 求償権が保険法第25条に基づき現実に代位取得されていることを確認したか
  • [ ] 放棄する権利の元本・遅延損害金・利息の範囲を金額で特定したか
  • [ ] 対価の有無及び金額、支払期日、振込先口座を明記したか
  • [ ] 対価を伴わない場合の理由を書面化したか
  • [ ] 後発損害(後遺障害等)への対応方針を定めたか
  • [ ] 放棄の対象外とする権利(他の求償権等)を明記したか
  • [ ] 第三者(共同不法行為者・他の保険会社等)への通知義務を定めたか
  • [ ] 放棄の意思表示の確定時期(記名押印時か対価受領時か)を明確にしたか
  • [ ] 解除条項の要否とその発動要件を検討したか
  • [ ] 合意管轄裁判所を記載したか
  • [ ] 押印者が代表権又は正当な権限を有することを確認したか
  • [ ] 事案の金額・重要性に応じて専門家への確認を行ったか