事業譲渡・株式譲渡の売主に競業避止義務を課す合意書です。会社法第21条の範囲を踏まえ、地域・期間・業務範囲を合理的に限定します。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

競業避止合意書(M&A売主用)

第1部: 書式本文

【買主名】(以下「甲」という。)と【売主(旧オーナー)氏名】(以下「乙」という。)は、乙が保有する【対象会社名】(以下「対象会社」という。)の株式又は対象会社の事業を甲に譲渡する取引(以下「本取引」という。)に関連し、乙の競業避止義務について、次のとおり合意書(以下「本合意書」という。)を締結する。

第1条(目的) 本合意書は、本取引により甲が取得する事業価値(顧客基盤、営業秘密、ブランド等を含む。)を保護するため、乙が本取引後の一定期間、対象会社の事業と競合する事業を行わないことを目的とする。

第2条(競業避止義務の対象事業) 乙が本合意書に基づき従事してはならない事業(以下「制限対象事業」という。)は、本取引時点において対象会社が現に営む【〇〇事業】及びこれと実質的に同一の事業とする。

第3条(競業避止義務の対象地域) 制限対象事業に係る競業避止義務の対象地域は、【〇県〇市】及びこれに隣接する市町村の区域とする。

第4条(競業避止義務の期間) 1. 乙は、本取引のクロージング日から起算して【〇年間】(以下「制限期間」という。)、自ら制限対象事業を営み、又は制限対象事業を営む会社の役員若しくは主要株主に就任してはならない。 2. 制限期間は会社法第21条第1項の原則的な期間である20年の範囲内で定めるものとし、これを超える期間を定める場合は、同条第2項に基づき30年を上限とする特約であることを明記する。

第5条(株式譲渡における位置づけ) 本取引が対象会社の株式譲渡である場合、乙の競業避止義務は法律上当然に生じるものではなく、本合意書に基づく任意の合意によってのみ発生することを甲及び乙は確認する。

第6条(適用除外) 乙が対象会社の役員又は従業員として本取引後も甲のグループに残留し、対象会社の事業に従事する場合、当該職務の遂行は前2条の義務の違反に該当しない。

第7条(第三者を通じた迂回行為の禁止) 乙は、自己の配偶者、親族又は乙が実質的に支配する会社を利用して制限対象事業を営むことにより、第2条から第4条までの義務を潜脱してはならない。

第8条(独占禁止法上の留意) 甲及び乙は、本合意書に定める制限が、事業譲渡等に伴う競業避止義務の合理的な範囲を超え、独占禁止法上の不当な取引制限その他の不公正な取引方法に該当することのないよう、制限対象事業、地域及び期間を本取引により保護すべき事業価値との関係で必要かつ合理的な範囲に限定する。

第9条(違反時の差止め及び損害賠償) 1. 乙が本合意書の義務に違反した場合、甲は乙に対し、当該違反行為の差止めを請求することができる。 2. 甲は、乙の違反行為により生じた損害の賠償を乙に請求することができる。

第10条(秘密保持) 乙は、対象会社の役員又は株主であった間に知り得た対象会社の営業秘密を、本取引後も第三者に開示し、又は自己若しくは第三者のために利用してはならない。

第11条(協議事項) 本合意書に定めのない事項又は疑義が生じた事項については、甲乙誠実に協議のうえ解決する。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 買主向けの修正

A-1. 会社法第21条の法定期間を上回る延長

修正後:「制限期間は本取引のクロージング日から起算して【25年間】とし、乙は会社法第21条第2項に基づき当該期間の特約を行うことに同意する。」 一言解説: 会社法第21条第1項の原則20年を超えて制限期間を延長する場合、同条第2項の特約として明確に位置づける買主側の修正である。

A-2. 制限対象事業の将来展開分野への拡張

追加条文例:「制限対象事業には、本取引時点で対象会社が具体的な準備を進めていた新規事業として別紙に記載する事業を含む。」 一言解説: 買収時点で着手前の新規事業計画がある場合に、その事業価値も保護対象に含めたい買主側の修正である。ただし対象範囲が不当に広範とならないよう、具体的な準備状況を別紙で特定することが前提となる。

B. 売主(旧オーナー)向けの修正

B-1. 対価の明記と期間の限定

修正後:「甲は、本条に定める競業避止義務を課すことの対価として、本取引の譲渡対価とは別に【〇円】を乙に支払うものとし、制限期間は【10年間】とする。」 一言解説: 会社法第21条第1項の原則期間である20年よりも短い期間へ限定し、あわせて義務の対価を明確化することで合理性を高める売主側の修正である。

B-2. 適用除外の対象拡大(親族の独立した事業)

修正後:「乙の配偶者又は親族が、乙の資金提供又は経営関与を伴わずに独立して営む事業は、第7条の迂回行為に該当しない。」 一言解説: 競業避止義務が乙本人の事業活動を超えて親族の独立した事業活動にまで及ばないよう、適用除外の範囲を明確にする売主側の修正である。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面/使ってはいけない場面 本書式は、事業譲渡又は株式譲渡により対象会社のオーナー経営者から株式若しくは事業を取得する際に、旧オーナーが取得後に同種事業を営んで買主の事業価値を害することを防止する場面で用いる。他方、対象会社の一般従業員や、対象会社の経営に関与していなかった少数株主との間で広範な競業避止義務を課す場合には、事業価値保護の必要性との均衡を欠き無効と判断されるリスクが高いため、本書式をそのまま用いるべきではない。

根拠法令 会社法第21条第1項は、事業を譲渡した会社が、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(東京都の特別区及び政令指定都市にあっては区)及びこれに隣接する市町村の区域内において、譲渡の日から20年間は同一の事業を行ってはならない旨を定める。同条第2項は、当事者の特約により、この期間を30年まで伸長できる旨を定める。もっとも、本条は事業譲渡会社たる法人自体の競業避止義務を定めるものであり、株式譲渡において個人株主である旧オーナーに競業避止義務を課す場合は、同条の法定義務ではなく、契約による任意の合意として構成する必要がある。また、制限の範囲が事業価値保護の必要性を超えて広範である場合、独占禁止法上の不当な取引制限又は不公正な取引方法に該当するおそれがある点にも留意を要する。

実務でよくある失敗と対策 第一に、株式譲渡であるにもかかわらず会社法第21条が当然に適用されると誤解し、契約上の競業避止条項を定めないまま取引を終える失敗がある。第5条のように任意合意である旨を確認し、明示的に条項化することが対策となる。第二に、制限対象事業や地域を過度に広範に定め、乙の職業選択の自由を不当に制約するものとして無効と判断されるリスクがある。第2条・第3条のように事業内容及び地域を具体的に特定することが対策となる。第三に、乙が親族名義や別会社を利用して事実上同一の事業を営み、義務が潜脱される失敗もある。第7条のように迂回行為の禁止を明記することが対策となる。

競業避止義務の有効性及び独占禁止法上の適法性の判断は個別の取引実態によって異なるため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 本取引が株式譲渡か事業譲渡かを確認し、会社法第21条の適用の有無を整理したか
  • [ ] 制限対象事業を対象会社の現に営む事業に即して具体的に特定したか
  • [ ] 対象地域を同一市町村及び隣接市町村を基準に合理的な範囲で定めたか
  • [ ] 制限期間が会社法第21条第1項(原則20年)・第2項(特約30年上限)の範囲内か確認したか
  • [ ] 乙が対象会社の役員・従業員として残留する場合の適用除外を定めたか
  • [ ] 第三者名義を利用した迂回行為の禁止条項を設けたか
  • [ ] 独占禁止法上の不当な取引制限に該当しない範囲に限定されているか確認したか
  • [ ] 競業避止義務の対価の要否及び金額を検討したか
  • [ ] 違反時の差止め及び損害賠償の請求根拠を明記したか
  • [ ] 秘密保持義務の対象及び存続期間を確認したか