経営悪化や重大な経歴詐称を理由に内定を取り消す場面で交付する書式。解約権留保の限界を示す判例と職業安定法上の新卒者に係る届出の留意点を整理する。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

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採用内定取消通知書

第1部: 書式本文

【発行年月日】

【内定者氏名】様

【会社名】 【代表者役職・氏名】 印

採用内定取消通知書

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 【20〇〇年〇月〇日】付にて貴殿に対し採用内定を通知いたしましたが、誠に遺憾ながら下記の理由により、当該内定を取り消させていただくことになりましたので通知いたします。

第1条(取消しの対象) 【会社名】(以下「甲」という)が【20〇〇年〇月〇日】付で【内定者氏名】(以下「乙」という)に通知した採用内定を、本通知をもって取り消す。

第2条(取消しの理由) 本内定取消しの理由は下記のとおりである。 【具体的な取消事由を記載。例:乙が選考時に提出した経歴書に重大な虚偽の記載があり、当該虚偽がなければ内定を出さなかったと認められる事実が判明したため/甲の経営状況が著しく悪化し、事業計画の変更により当該職種の採用継続が客観的に不可能となったため】

第3条(取消理由の説明) 甲は、乙からの求めがあった場合、本内定取消しの具体的な理由について書面により追加説明を行う。

第4条(損害への対応) 甲は、本内定取消しにより乙に生じた損害について、その内容を確認のうえ、法令に従い誠実に協議する。乙が本内定を前提として負担した費用(転居費用等、合理的な範囲のもの)がある場合は、その申告を受け付ける窓口を第6条のとおり設ける。

第5条(新卒者に関する対応)※新卒採用の場合 甲は、乙が新規学卒者に該当する場合、職業安定法関係の指針に基づき、内定取消しの事実をハローワーク及び学校の長に通知するとともに、乙の就職先確保に向けた支援(求人情報の提供等、可能な範囲での協力)を行う。

第6条(問い合わせ窓口) 本通知に関する問い合わせ先は【部署名・担当者名・連絡先】とする。

第7条(他の選考機会の案内) 甲は、可能な範囲において、乙に対し他の求人情報の提供その他の再就職支援を行うよう努める。

第8条(書類の返却) 甲は、乙から提出を受けた書類のうち返却を希望するものがあれば、乙の申出に応じて速やかに返却する。

第9条(謝意) 甲は、本内定取消しにより乙及び関係者に多大なご迷惑をおかけすることを深くお詫び申し上げる。

敬具

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節: 経歴詐称等を理由とする場合

経歴詐称を理由とする取消しでは、第2条に「詐称の内容が採否判断に与えた影響」を具体的に記載することが重要である。単に「経歴に誤りがあった」というだけでは解約権留保の趣旨に照らして取消理由として不十分と判断される可能性があるため、「乙は選考時に【資格・職歴等】を有する旨申告したが、実際には有しておらず、当該資格・職歴が採用の重要な考慮要素であったため、内定当時知ることができず、かつ知っていれば内定を出さなかったと認められる」旨を具体的な事実関係とともに記載する。第3条の追加説明の機会を必ず設け、一方的な通知のみで終わらせないことが望ましい。詐称の程度が軽微で採否判断に実質的影響を及ぼさない場合(例えば入社後の配属に関係しない資格の記載誤り等)は、取消しではなく厳重注意等のより軽い対応にとどめることも検討すべきである。

B節: 経営上の理由による場合

経営悪化等の会社側の事情による取消しでは、整理解雇に準じた厳格な要件(人員削減の必要性、解雇回避努力、対象者選定の合理性、手続の妥当性)を満たすことが求められる場合がある。第2条には「事業計画変更の経緯」「他の代替手段(配置転換・採用時期の延期等)を検討したが実施できなかった経緯」を具体的に記載する。また第4条の損害対応をより手厚くし、「甲は乙に対し、内定取消しに伴う一時金として金【  】円を支払う」等の具体的な補償内容を明記することが、事後の紛争を防止するうえで有効である。加えて、経営上の理由による取消しは対象者が複数名にわたる場合が多いため、対象者の選定基準(配属予定部署の事業縮小状況等)を社内で文書化し、恣意的な選定ではないことを説明できるよう準備しておくことが望ましい。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

本書式は、内定成立後、就労開始前の段階で、経歴詐称の発覚や経営状況の著しい悪化等、内定当時予見できなかった重大な事由が生じた場合に交付する。単なる「配属先の都合」や「軽微な書類不備」を理由とする取消しでは正当性が認められない可能性が高く、使用すべきでない。また、内定者からの自発的な辞退を会社側が一方的に「取消し」として扱うことも不適切であり、その場合は取消通知ではなく辞退の受領を確認する書面を用いるべきである。

法的な観点では、採用内定によって成立する労働契約は始期付解約権留保付労働契約とされ、その解約(内定取消し)は実質的に解雇に該当する。最高裁は大日本印刷事件(昭和54年7月20日判決)において、内定取消事由は「採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認できるもの」に限られると判示している。したがって、労働契約法第16条の解雇権濫用法理に準じた厳格な審査に耐えうる理由と手続が必要となる。また新規学卒者の内定取消しについては、職業安定法及び関連の指針(新規学校卒業者の採用に関する指針等)により、事業主はハローワーク・学校への通知義務や、内定取消しの理由の書面での明示、対象者の就職先確保に向けた支援等の対応を求められる点に留意する必要がある。

実務でよくある失敗として、第一に、経歴詐称を理由とする取消しにおいて、詐称の内容が採否判断に実質的な影響を与えたことを具体的に立証できず、後日、内定取消しが無効と判断されるケースがある。第2条のように詐称内容と採否判断への影響を具体的に記載し、社内での判断過程(誰がいつ何を確認したか)を記録に残すことが対策となる。第二に、経営上の理由による取消しにおいて、他の対応策(配置転換や採用時期の延期等)の検討を行わないまま取消しに踏み切り、整理解雇に準じた要件を欠くと評価されるケースがある。検討経緯を書面化し、第2条に反映させることが望ましい。第三に、新卒者の内定取消しにおいて、ハローワークや学校への通知義務を失念するケースがある。第5条のように新卒者向けの対応条項を明記し、社内の対応フローに組み込むことが有効である。

また、内定取消しは、対象となる内定者本人だけでなく、取消しの事実が学校や関係機関を通じて他の応募者・在校生に波及し、企業の採用活動全体への信用に影響を及ぼすことがある。そのため、取消しに至る経緯や社内の意思決定プロセスを丁寧に記録し、対外的な説明が必要となった場合に備えておくことも実務上重要な視点である。

なお、内定取消しの有効性は個別の事実関係により判断が大きく異なるため、実施前に専門家に確認することが強く望まれる。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 取消理由が具体的な事実に基づき記載されているか(抽象的な理由になっていないか)
  • [ ] 経歴詐称の場合、詐称内容が採否判断に与えた影響が明記されているか
  • [ ] 経営上の理由の場合、代替措置の検討経緯が記録・反映されているか
  • [ ] 内定当時に知ることができなかった事由であることが確認できるか
  • [ ] 内定者への説明機会(第3条)が設けられているか
  • [ ] 新規学卒者の場合、ハローワーク・学校への通知義務への対応が反映されているか
  • [ ] 損害・補償に関する対応方針が社内で確定しているか
  • [ ] 取消通知の発出前に社内で法的リスクの検討(労働契約法第16条等)を行ったか
  • [ ] 問い合わせ窓口・追加説明の体制が整っているか
  • [ ] 内定者本人の自発的辞退のケースと混同していないか