荷主の倉庫や工場での積卸し・附帯作業の分担を明確化する覚書。標準貨物自動車運送約款の荷役作業料や待機時間料の取扱いを取り決める書式です。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

荷役作業に関する覚書

第1部: 書式本文

〇〇〇〇(以下「甲」という。荷主・委託者)と〇〇〇〇(以下「乙」という。運送事業者・受託者)とは、甲乙間の運送基本契約に基づき乙が行う運送業務に付随する荷役作業について、次のとおり覚書(以下「本覚書」という。)を締結する。

第1条(目的) 本覚書は、甲の倉庫又は工場における貨物の積込み及び取卸しその他附帯作業(以下「本件荷役作業」という。)の分担及び対価について、甲乙間の運送基本契約を補足するものとする。

第2条(荷役作業の区分) 本件荷役作業のうち、フォークリフト等を用いた積卸しは乙の運転者が行い、パレットの組み替え、検数及び伝票整理等の附帯作業は甲の担当者が行うことを原則とする。ただし、甲の要請により乙が附帯作業を行う場合は次条の附帯業務料の対象とする。

第3条(荷役作業料) 甲は乙に対し、標準貨物自動車運送約款における運送に付随する役務の取扱いを踏まえ、乙が行う積卸し及び附帯作業について、別紙料金表に定める荷役作業料を支払う。

第4条(待機時間料) 甲の都合により乙の車両が集荷場所又は配達場所において積込み又は取卸しの順番待ちのため長時間待機した場合、甲は乙に対し、待機開始から30分を超える時間について別紙料金表に定める待機時間料を支払う。

第5条(手待ち時間の記録) 乙は、待機時間料の請求にあたり、到着時刻、荷役開始時刻及び終了時刻を記録した書面又は電磁的記録を甲に提出するものとする。

第6条(安全対策) 甲は、本件荷役作業を行う場所において、乙の運転者の安全を確保するために必要な照明、通路の確保その他の環境整備を行う。乙は、フォークリフトの運転資格を有する者に運転させる。

第7条(危険物・重量物の取扱い) 危険物又は重量物の積卸しを行う場合、甲は事前にその品目及び重量を乙に通知し、必要な取扱方法を指示する。

第8条(附帯作業中の事故) 本件荷役作業中に発生した事故については、事故発生時に現に作業を行っていた当事者の使用する者の責めに帰すべき事由の有無に応じて責任を分担するものとし、甲乙いずれの責めにも帰し得ない事由による事故についてはその損害を甲乙で協議のうえ分担する。

第9条(荷姿の適正化) 甲は、貨物の荷姿及び固定方法を、荷崩れを防止するため適切な状態で乙に引き渡すものとする。荷姿の不備に起因する損害は甲の負担とする。

第10条(有効期間) 本覚書は、甲乙間の運送基本契約が効力を有する限り効力を有するものとし、荷役作業料及び待機時間料の見直しは半年ごとに協議する。

第11条(記録の保存) 甲及び乙は、荷役作業料及び待機時間料の算定根拠となった記録を、支払完了後2年間保存するものとし、相手方から請求があったときは開示に応じる。

第12条(協議) 本覚書に定めのない事項については、甲乙誠実に協議のうえ解決する。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 荷主(委託者)側の修正

A-1. 待機時間の上限設定

修正後:「乙の車両の待機時間が甲の施設の通常の混雑状況に照らして著しく長時間に及んだ場合、甲は待機時間料の算定にあたり乙に対し原因の説明を求めることができる。」 一言解説: 待機時間料の支払義務を負う荷主側としては、乙側の到着時刻の調整不備等による過大な請求を防ぐための確認条項が有用である。

A-2. 附帯作業の範囲を限定する修正

修正後:「乙が行う附帯作業は、積卸しに直接付随する範囲に限るものとし、検品、値札貼付その他の流通加工作業は含まれない。」 一言解説: 附帯作業の範囲が曖昧だと乙側から想定外の作業への対価請求を受けるおそれがあるため、荷主側は範囲を明確に限定しておくことが望ましい。

B. 運送事業者側の修正

B-1. 待機時間料の起算点の明確化

修正後:「待機時間料は、乙の車両が甲の指定する荷役場所に到着した時刻を起算点として算定する。」 一言解説: 起算点が曖昧だと荷主側の恣意的な運用を招きやすいため、到着時刻を明確な基準として固定する修正が乙側に有利である。

B-2. 荷役作業料の自動改定条項

修正後:「荷役作業料は、最低賃金の改定その他の人件費水準の変動に応じ、乙の申出により甲乙協議のうえ改定するものとする。」 一言解説: 荷役作業は人件費への依存度が高いため、賃金水準の変動を契機として料金改定を申し出られる条項を設けることが乙側の利益になる。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面/使ってはいけない場面

本書式は、既存の運送基本契約が存在することを前提に、荷役作業や待機時間の取扱いという運送に付随する論点のみを補足的に取り決める覚書として用いることを想定している。運送の基本条件そのものが未合意の場合は、本覚書のみで取引を開始するのではなく、運送基本契約又は運送引受書とあわせて整備すべきである。また、荷役作業を継続的かつ主たる業務として受託する場合は、覚書ではなく庫内作業請負契約書のような独立した契約書を用いる方が実態に適合する。

根拠法令

標準貨物自動車運送約款は、国土交通省の告示に基づき運送人の標準的な運送条件を定めるものであり、運送に付随する荷役作業や待機時間の取扱いについても参考にされることが多い。荷役作業中の事故については、乙の使用者責任その他民法上の一般原則に加え、貨物自動車運送事業法上の運行管理及び安全確保に関する規律が背景となる。附帯作業に対する対価の支払をめぐっては、下請代金支払遅延等防止法の適用がある取引類型に該当する場合、代金に相当する対価の減額や不払いが禁止され得る点にも留意が必要である。

実務でよくある失敗と対策

第一に、荷役作業料や待機時間料について明文の合意がないまま運用され、運送事業者から追加請求を受けた際に荷主側が支払根拠を争う例がある。料金表を別紙として添付し、単価及び起算点を明記することが対策となる。第二に、荷役作業中の事故について責任の所在をめぐる取り決めがなく、甲乙間で押し付け合いになる例がある。作業主体を基準とした責任分担のルールをあらかじめ定めておくべきである。第三に、待機時間の記録が運転者の自己申告のみに依存し、客観的な裏付けを欠くために料金請求が認められない例がある。デジタルタコグラフや入退場記録等の客観的な記録の活用を検討することが望ましい。第四に、荷役作業料や待機時間料の算定根拠となる記録が短期間で廃棄され、後日の料金精算や監査対応に支障が生じる例もある。保存期間及び開示手続を覚書上に明記し、記録の管理体制を運用面でも徹底することが望ましい。個別事案は専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 荷役作業の分担(甲が行う範囲・乙が行う範囲)を明確にしたか
  • [ ] 荷役作業料の単価及び算定方法を別紙で定めたか
  • [ ] 待機時間料の起算点及び上限時間の取扱いを明記したか
  • [ ] 待機時間の記録方法(客観的な記録手段)を定めたか
  • [ ] 危険物・重量物の取扱いに関する通知方法を定めたか
  • [ ] 荷役作業中の事故に関する責任分担を明記したか
  • [ ] 荷姿の不備に起因する損害の負担者を明確にしたか
  • [ ] 料金の見直し協議の頻度を定めたか
  • [ ] 運送基本契約との関係(補足であること)を明記したか
  • [ ] 安全対策(照明・通路確保等)の実施主体を確認したか