事業年度ごとに作成し所轄庁へ提出する事業報告書の様式です。活動の成果、実施日時と場所、従事者数を具体的に記載します。相手方との認識のずれを防ぐ具体的な記載例を示します。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
NPO法人事業報告書様式
第1部: 書式本文
本書式は、特定非営利活動促進法第28条に基づき、法人が毎事業年度作成し事務所に備え置くとともに、同法第29条に基づき所轄庁へ提出する事業報告書の記載項目一覧である。
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表題・対象事業年度 「令和◯年度事業報告書(自 令和◯年◯月◯日 至 令和◯年◯月◯日)」と記載する。
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法人の基本情報 法人名、主たる事務所の所在地、代表者氏名を記載する。
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事業実施の概況(総括) 「当法人は、定款に定める【子どもの学習支援】事業を中心に、本年度は延べ【120】回の活動を実施し、【延べ800名】の受益者に対しサービスを提供した。」のように、年間を通じた活動量を数値で総括する。
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事業ごとの記載欄(講座開催型の記載例) 事業名:【学習支援講座「まなびの場」】 実施日時:【毎週土曜日 午後2時から午後4時まで、令和◯年4月から令和◯年3月まで、計48回】 実施場所:【◯◯市立◯◯公民館 第2会議室】 従事者数:【講師3名、補助スタッフ延べ96名(1回あたり2名)】 受益者数:【小学生延べ480名】 実施内容:「【算数・国語の学習支援を中心に、個別指導形式で実施した。年度末には理解度アンケートを実施し、参加児童の82%が「学習内容が理解しやすくなった」と回答した。】」
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事業ごとの記載欄(物品無償配布型の記載例) 事業名:【子育て世帯向け食料品配布事業】 実施日時:【令和◯年6月15日、9月21日、12月14日の3回、各回午前10時から正午まで】 実施場所:【◯◯市◯◯町 ◯◯集会所】 従事者数:【運営スタッフ延べ24名、ボランティア延べ36名】 受益者数:【対象世帯延べ150世帯、配布物資 米・レトルト食品等 延べ約1.2トン】 実施内容:「【市内の子育て世帯を対象に、事前申込制で食料品を無償配布した。配布物資は企業・個人からの寄附【総額◯◯円相当】によって賄った。】」
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従事者数・受益者数の集計方法に関する注記 「従事者数は、各活動日ごとの実働人員をのべ人数で集計した。受益者数は、講座型事業については参加登録者数、配布型事業については配布時の来場世帯数を基礎として集計した。」のように、数値の算出根拠を明記する。
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実施体制に関する記載 「事業の実施にあたっては理事会が四半期ごとに進捗を確認し、必要に応じて事業計画の見直しを行った。」のように、意思決定プロセスを記載する。
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その他の事業(収益事業)を行った場合の記載 「その他の事業として【物品販売事業】を実施し、売上高【◯◯円】を特定非営利活動に係る事業に充当した。」のように、区分経理の状況を記載する。
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寄附金・助成金の受入状況 「本年度は、個人寄附【◯◯件・合計◯◯円】、企業からの助成金【◯◯財団・◯◯円】を受け入れ、いずれも【子育て世帯向け食料品配布事業】の実施財源に充てた。」のように、資金使途を対応させて記載する。
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社員数・会員数の推移 「本年度末現在の社員数は【◯◯名】(前年度末比【+◯】名)であった。」と記載する。
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役員の異動状況 「本年度中、監事1名が任期満了により退任し、後任として【氏名】が就任した。」のように、役員名簿と整合する形で記載する。
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特記事項・課題 「次年度に向けた課題として、学習支援講座の会場確保が挙げられ、複数会場での分散開催を検討している。」のように、次年度計画へつながる記述を行う。
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作成者・作成日 作成責任者(代表者)の氏名及び作成年月日を記載する欄を設ける。
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 法人(作成者)の立場から
A-1. 講座開催型事業で参加者数が計画を下回った場合
修正後:「当初計画では年間延べ600名の参加を見込んでいたが、実績は延べ480名にとどまった。要因として会場の定員制約及び広報開始時期の遅れが挙げられ、次年度は広報を前倒しで実施する。」 一言解説: 計画と実績の乖離を隠さず数値で示し、要因分析と改善策をセットで記載することで、閲覧者や所轄庁に対する説明責任を果たす書き方になる。
A-2. 物品無償配布型事業で寄附物資の評価額を示す場合
修正後:「配布した食料品等の評価額は、企業からの現物寄附分について寄附受領時の卸売価格を基準に算定し、合計約【◯◯円相当】とした。」 一言解説: 現物寄附は金額換算の基準が不明確になりやすいため、評価方法をあらかじめ定めて記載しておくと、会計監査や助成元への報告時に説明が容易になる。
B. 所轄庁・寄附者の立場から
B-1. 所轄庁が求める従事者数の記載粒度に合わせる書き換え
修正後:「従事者数は、有給スタッフ(延べ人数)と無償ボランティア(延べ人数)を区分して記載し、それぞれの合計を明示する。」 一言解説: 所轄庁によっては有給・無償の別を分けた記載を求める運用があるため、区分方式をあらかじめ定めておくと様式の作り直しを防げる。
B-2. 寄附者向けに成果を伝える書き換え
修正後:「本事業へのご寄附により、延べ150世帯の子育て世帯に食料支援を届けることができた。寄附者の皆様には、後日、活動報告レターを別途送付する。」 一言解説: 事業報告書は所轄庁提出用としての正確性を保ちながら、同じ内容を寄附者向け報告に転用できるよう、成果を具体的な数値で表現しておくと二次利用がしやすい。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本書式は、特定非営利活動法人が毎事業年度終了後に作成する定型の事業報告書であり、事務所での備置き・閲覧に供するとともに所轄庁へ提出する場面で使用する。設立初年度でまだ事業実績がない期間や、事業年度途中の中間報告としては、記載する実績数値が存在しないため本書式をそのまま使うことは適さない。
根拠となる法令は、事業報告書等の作成及び事務所への備置きと社員・利害関係人からの閲覧請求への対応を定める特定非営利活動促進法第28条、並びに毎事業年度所轄庁への事業報告書等の提出義務を定める同法第29条である。事業報告書の記載内容が実態と乖離している場合、閲覧請求への対応や所轄庁からの照会において法人の信頼性に影響しうるため、記載は具体的かつ検証可能な形にすることが望ましい。個別の記載方法や集計基準の妥当性については、法人の事業内容や会計処理方針によって異なるため、専門家に確認することが望ましい。
よくある失敗として、第一に、「多数の方に参加いただいた」といった抽象的な表現にとどまり、実施日時・場所・従事者数・受益者数が具体的に記載されない失敗がある。対策として、事業ごとに実施日時・場所・従事者数・受益者数の4項目を必ず数値で埋める運用ルールを定める。第二に、講座型事業と配布型事業など性質の異なる事業を同一の記載フォーマットで済ませ、実態が伝わりにくくなる失敗がある。対策として、事業類型ごとに記載欄のひな形を分け、物資の評価額や参加登録の方法など類型固有の項目を追加する。第三に、前年度実績との比較や計画との乖離の説明を欠き、経年での活動評価ができない失敗がある。対策として、特記事項欄に前年度比較又は計画比の記載を必ず設ける。
第4部: 使用前チェックリスト
- 対象事業年度(自◯年◯月◯日 至◯年◯月◯日)を正確に記載したか
- 事業ごとに実施日時・実施場所・従事者数・受益者数を具体的な数値で記載したか
- 講座開催型と物品無償配布型など、事業の性質に応じて記載項目を書き分けたか
- 従事者数・受益者数の集計方法(算出根拠)を注記したか
- その他の事業(収益事業)を実施した場合、区分経理の状況を記載したか
- 寄附金・助成金の受入状況とその使途を対応させて記載したか
- 社員数・会員数の年度末時点の数値と前年度比を記載したか
- 役員の異動状況を役員名簿の記載と整合させたか
- 計画値と実績値の乖離がある場合、要因と次年度対応策を記載したか
- 作成責任者の氏名及び作成年月日を記載したか
- 所轄庁への提出期限(毎事業年度1回)を確認したか
- 閲覧請求があった場合に備え、個人情報を含む箇所の取扱い方針を確認したか