買収後の統合方針を当事者間で共有する覚書です。統合体制、意思決定ルール、報告ライン、統合対象領域の優先順位を定めます。必要事項を埋めるだけで短時間に整えられる書式です。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

PMI統合方針覚書

第1部: 書式本文

〇〇〇〇(以下「甲」という。買収会社)と〇〇〇〇(以下「乙」という。対象会社)とは、甲による乙の株式取得(令和〇年〇月〇日クロージング。以下「本件買収」という。)後の統合(以下「PMI」という。)の進め方について、次のとおり覚書(以下「本覚書」という。)を締結する。

第1条(目的) 本覚書は、本件買収後のPMIを円滑に進めるため、統合推進体制、意思決定ルール、報告ライン及び統合対象領域の優先順位について、甲乙間の基本方針を確認することを目的とする。

第2条(統合委員会の設置) 1. 甲及び乙は、PMIを推進するため、共同で統合委員会(以下「本委員会」という。)を設置する。 2. 本委員会は、甲が指名する【3】名及び乙が指名する【2】名で構成し、甲が指名する者を委員長とする。 3. 本委員会は、原則として月【1】回開催し、PMIの進捗状況の確認、課題の協議及び対応方針の決定を行う。

第3条(意思決定権限の所在) 1. 乙の日常の事業運営に関する事項は、本覚書に別段の定めがある場合を除き、引き続き乙の取締役会及び代表取締役の権限に属する。 2. 別紙に定める重要事項(年間予算、主要な人事、多額の投資、既存取引先との契約の重要な変更等)については、乙は事前に本委員会に付議し、本委員会の承認を得るものとする。 3. 前項の重要事項の範囲及び金額基準は、統合の進捗に応じて甲乙協議の上、見直すことができる。

第4条(報告ライン) 1. 乙は、月次の経営状況(業績、資金繰り、主要な人事異動、重大なクレーム等)について、本委員会に対し月次報告書を提出する。 2. 乙は、乙の事業運営に重大な影響を及ぼす事象が発生し、又は発生するおそれがある場合、速やかに甲に報告する。 3. 甲は、本委員会を通じて把握した情報を、本件買収の統合目的の範囲内で利用し、乙の事業上の秘密を不当に流用しない。

第5条(統合対象領域及び優先順位) 1. 甲及び乙は、PMIの対象領域を、別紙のとおり優先順位を付して整理する。 2. 第一優先領域は、管理部門(経理・法務・内部統制)の統合及び甲の内部統制システムへの組み込みとする。 3. 第二優先領域は、人事制度(等級・評価・給与体系)の統合とする。 4. 第三優先領域は、基幹システムの統合及び業務プロセスの標準化とする。 5. 営業体制及び顧客対応については、乙の既存の取引関係への影響を考慮し、当面は現行体制を維持しつつ、本委員会において統合の要否及び時期を継続的に検討する。

第6条(対象会社の独立性の当面の維持範囲) 1. 乙の商号、屋号及び既存の取引先との契約関係は、本委員会が別段の決定をするまでの間、従前どおり維持する。 2. 乙の役職員の雇用条件は、本覚書締結時点で【12】か月間、本件買収前の水準から重要な不利益変更を行わない。 3. 前二項の維持期間経過後の取扱いについては、本委員会において改めて協議する。

第7条(独占禁止法上の留意) 甲及び乙は、本件買収がクロージングに至るまでの間及び統合の実施にあたり、独占禁止法上の企業結合規制その他の関連法令を遵守し、法令上必要な手続が完了するまでの間、競争上機微な情報の共有を制限する。

第8条(善管注意義務との関係) 甲及び乙の役職員は、本委員会における決定及びPMIの実施にあたり、それぞれ自らが属する会社に対する善良な管理者の注意義務を遵守する。

第9条(秘密保持) 甲及び乙は、本覚書及びPMIの実施の過程で知り得た相手方の秘密情報を、PMIの目的以外に使用し、又は第三者に開示してはならない。

第10条(効力) 本覚書は当事者間の基本方針を確認するものであり、本覚書の定めに基づき個別の統合施策を実施する場合には、必要に応じて別途個別合意を締結する。

第11条(有効期間) 本覚書の有効期間は、締結日から【24】か月間とする。ただし、本委員会が必要と認める場合、甲乙協議の上、期間を延長することができる。

第12条(協議事項) 本覚書に定めのない事項又は本覚書の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠実に協議して定める。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 買収会社(甲)向けの修正

A-1. 重要事項の付議基準の具体化と拒否権の明記

修正後:「第3条第2項の重要事項のうち、金〇〇円を超える投資又は既存主要取引先との契約の解消については、本委員会における甲指名委員の過半数の同意を要するものとし、当該同意がない場合、乙は当該事項を実施しない。」 一言解説: 統合初期は乙の意思決定に対する実質的な関与を確保する必要があるため、買収会社側は金額基準を明確化した上で事実上の拒否権を持たせる修正を行う。

A-2. 内部統制報告の即時性強化

追加条文例:「乙は、会計処理の誤り、資金の不正使用の疑いその他内部統制上重大な事象を認識した場合、月次報告を待たず【3】営業日以内に甲に報告する。」 一言解説: 買収後は甲の連結決算や内部統制の適正性にも影響するため、重大事象については月次報告とは別に即時報告ルートを設ける修正である。

B. 対象会社(乙)向けの修正

B-1. 雇用条件維持期間の延長及び対象範囲の明確化

修正後:「第6条第2項の雇用条件の維持期間は【24】か月間とし、対象には基本給、賞与算定基準及び退職金制度を含む。」 一言解説: 買収後の従業員の不安を軽減し人材流出を防ぐため、対象会社側は維持期間の延長及び対象条件の明確化を求める修正を行う。

B-2. 商号・ブランドの継続使用に関する確認

追加条文例:「乙の商号及び既存のブランド名称の変更又は廃止を行う場合、甲は事前に本委員会において乙の意見を聴取し、変更の要否及び時期を協議の上決定する。」 一言解説: 商号やブランドは対象会社の取引先との信頼関係に直結するため、乙側は一方的な変更を避けるための協議手続を求める修正を行う。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面/使ってはいけない場面 本書式は、株式取得によるM&Aのクロージング後、買収会社と対象会社との間で統合方針の大枠を確認する場面で用いる。株式譲渡契約や資本業務提携契約に定める権利義務そのものを変更する場合には、本覚書ではなく当該契約の変更契約を用いるべきであり、本覚書はあくまで運用上の基本方針の共有にとどめる位置付けである。また、統合の実施が独占禁止法上の企業結合規制の届出・審査対象となる場合、クロージング前(いわゆるガンジャンピング規制の適用場面)に事業運営の実質的な統合に踏み込む内容を盛り込むことは避けるべきである。

根拠法令 乙の取締役は、本委員会での決定に従う場合であっても、会社法第330条及び民法第644条に基づく善管注意義務並びに会社法第355条の忠実義務を負い続ける。本委員会への付議事項の範囲を定めるにあたっては、乙の取締役会がこれらの義務を放棄したと評価されないよう、最終的な意思決定権限の所在を明確にしておく必要がある。また、会社法第362条第4項第6号等に基づき整備される内部統制システムとの関係で、乙の管理部門を甲の内部統制システムに組み込む場合には、両社の体制の整合性を確認する必要がある。企業結合後の情報共有や事業活動の調整については、独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)上のガンジャンピング規制及び競争者間の情報交換規制との関係にも留意が必要である。

実務でよくある失敗と対策 第一に、本委員会への付議事項が抽象的に定められ、乙の取締役会の意思決定権限との関係が不明確になり、後日どちらの機関が最終決定権を持つか争いになる失敗がある。第3条及びA-1のように金額基準や対象事項を具体的に定めることが対策となる。第二に、雇用条件維持の期間や対象が曖昧なため、統合初期に従業員の離職が相次ぐ失敗がある。B-1のように維持期間と対象条件を明記することが対策となる。第三に、クロージング前又は企業結合審査が完了する前に競争上機微な情報を共有してしまい、独占禁止法上の問題を指摘される失敗がある。第7条のように情報共有の時期的制限を明記することが対策となる。

企業結合規制への該当性及び善管注意義務の具体的な範囲は個別の取引構造により異なるため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 統合委員会の構成、開催頻度及び決定事項の範囲を定めたか
  • [ ] 乙の取締役会の権限と本委員会への付議事項の切り分けを明確にしたか
  • [ ] 重要事項の金額基準その他の付議基準を具体的に定めたか
  • [ ] 月次報告及び重大事象発生時の即時報告ルートを定めたか
  • [ ] 統合対象領域(人事・システム・営業等)の優先順位を整理したか
  • [ ] 対象会社の商号・ブランド・雇用条件の当面の維持範囲及び期間を定めたか
  • [ ] 独占禁止法上の企業結合規制及びガンジャンピング規制への抵触の有無を確認したか
  • [ ] 乙役職員の善管注意義務・忠実義務との整合性を確認したか
  • [ ] 秘密情報の共有範囲及び利用目的の限定を定めたか
  • [ ] 本覚書の有効期間及び見直しの手続を定めたか