災害による建物被害の程度について市区町村へ罹災証明書の交付を求める申請書です。被害状況の記載と写真添付の要領を示します。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
罹災証明書交付申請書
第1部: 書式本文
災害により建物に被害を受けた者が、市区町村に対して罹災証明書の交付を求める際に、以下の項目を記載して申請する。
1. 申請日 記載要領: 申請窓口への提出日又は郵送の発送日を西暦で記載する。記入例:「20XX年9月5日」。
2. 申請者情報 記載要領: 氏名、住所、生年月日、連絡先電話番号、り災した建物との関係(所有者/賃借人/同居者等)を記載する。記入例:「氏名:〇〇〇〇、り災建物の所有者(単独名義)」。
3. り災した建物の所在地 記載要領: 住民票上の住所と異なる場合は、り災した建物の実際の所在地(番地・建物名・部屋番号)を正確に記載する。
4. り災した建物の所有関係 記載要領: 所有者本人か、賃借人か、共有名義かを記載し、共有の場合は他の共有者氏名も付記する。
5. 災害の種類及び発生日 記載要領: 地震・水害(洪水・内水氾濫等)・火災・風害等の種類と、発生年月日を記載する。記入例:「令和〇年台風〇号による豪雨に伴う内水氾濫、20XX年9月2日発生」。
6. り災の程度(自己申告) 記載要領: 全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊・一部損壊等、被害認定基準に基づく区分の見込みを自己申告する。最終的な区分は市区町村の調査により確定する旨を理解した上で記載する。
7. り災状況の具体的記載 記載要領: 浸水の場合は浸水の深さ(床上〇センチメートル等)、地震の場合は損傷箇所(外壁のひび割れ、屋根瓦の落下等)を具体的に記述する。記入例:「床上浸水約45センチメートル、1階居室の壁面クロス及び床材が広範囲に濡損」。
8. 罹災証明書の使用目的 記載要領: 保険金請求、税の減免申請、被災者生活再建支援金の申請、公営住宅への入居申込み等、使用目的を記載する。
9. 添付書類 記載要領: り災状況の写真(建物全景、被害箇所の接写)、罹災前の状態が分かる資料(可能であれば)、本人確認書類の写しを添付する。
10. 写真撮影上の留意事項 記載要領: 建物の四方向からの外観写真、浸水があった場合は目盛り等で高さが分かるように撮影した写真、被害箇所ごとの接写を用意する旨を記載する。
11. 代理申請の場合の委任状 記載要領: 申請者本人以外が申請する場合、委任者・受任者の氏名、委任の範囲を記載した委任状を添付する。
12. 被害認定調査(現地調査)の希望 記載要領: 一次調査の結果に納得できない場合の二次調査(再調査)申請の要否、現地調査の立会い希望日時を記載する。
13. 過去の罹災証明書交付履歴 記載要領: 同一建物について過去に交付を受けた罹災証明書がある場合、交付年月日と当時の被害区分を記載する。
14. 交付方法及び部数 記載要領: 窓口受取又は郵送の別、必要部数、郵送の場合の送付先住所を記載する。
15. り災証明とあわせて必要となる関連証明 記載要領: 罹災届出証明書(調査未了時の暫定証明)や被災証明(動産等の被害を含む場合)など、あわせて申請すべき関連証明の要否を記載する。記入例:「保険会社への一次連絡用に罹災届出証明書を先行して申請」。
16. 世帯構成・被災者生活再建支援金との関連情報 記載要領: 同一世帯の被災者生活再建支援金申請の予定有無、世帯人数、住家の全壊・大規模半壊等の該当見込みを記載する。支援金の支給対象区分と罹災証明書の判定区分が連動するため正確に記載する。
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 被災者(申請者)の立場での記載パターン
A-1. 水害(床上浸水)での記載例
記載例:「令和〇年9月2日の豪雨により、自宅1階が床上約45センチメートルまで浸水した。浸水は約6時間継続し、床材、壁面下部及び台所設備の一部が使用不能となった。浸水の痕跡は壁面に残存しており、写真により確認可能である。」 一言解説: 浸水の深さと継続時間という被害認定基準上重視される客観的指標を具体的に示す記載である。
A-2. 地震での屋根瓦損傷・一部損壊の記載例
記載例:「地震により屋根瓦の約2割が破損又は脱落し、雨漏りが発生している。外壁にも複数箇所でひび割れが確認される。応急的にブルーシートで養生済みであるが、恒久的な補修は未了である。」 一言解説: 被害割合(屋根の何割が損傷したか)を具体的な数値で示し、一部損壊か半壊かの判断材料を提供する記載である。
B. 市区町村側の案内文言としての書き換えパターン
B-1. 二次調査(再調査)申請の案内文言
記載例:「一次調査の結果(判定区分:一部損壊)にご不明な点がある場合、通知書到達日から原則30日以内に二次調査(再調査)を申請することができます。申請には現地調査の立会いが必要です。」 一言解説: 再調査の申請期限を明記することで、申請者が期限徒過により不服申立ての機会を失わないよう案内する文言である。
B-2. 被害認定基準の説明文言
記載例:「り災の程度は、内閣府が定める災害に係る住家の被害認定基準運用指針に基づき、損害割合(経済的被害の割合)を基準として、全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊に区分して判定します。」 一言解説: 被害区分の判定基準が全国共通の運用指針に基づくものであることを説明し、申請者の理解を促す文言である。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本書式は、地震・水害・火災その他の災害により住家等が被害を受けた者が、公的な支援制度の利用や保険金請求のために市区町村へ罹災証明書の交付を申請する場面で使用する。他方で、罹災証明書はり災の事実及び程度を証明するものであり、損害賠償責任の有無や過失割合を証明するものではないため、そのような目的での使用は想定されていない。
主な法的根拠としては、市町村長が、当該市町村の区域内で災害が発生した場合において、当該災害の被害を受けた者から申請があったときは、遅滞なく住家の被害その他当該市町村長が定める種類の被害の状況を調査し、罹災証明書を交付しなければならない旨を定める災害対策基本法第90条の2が挙げられる。また、被災者生活再建支援金の支給に関しては被災者生活再建支援法が、応急的な救助措置については災害救助法が関係する。写真等の個人情報の取扱いについては個人情報保護法の適用にも留意する。
申請時にありがちな不備としては、被害状況の写真を片付け・清掃を終えた後に撮影してしまい、被害の程度を客観的に裏付ける証拠が不十分になることがまず挙げられる。片付けに着手する前に、必ず四方向からの外観写真と被害箇所の接写を済ませるよう、申請書の記載欄でも注意を促す必要がある。次に、浸水の深さなどの数値情報を記載せず、「かなり浸水した」といった抽象的な表現にとどめてしまう例も多い。記載欄にはセンチメートル単位での記入例を示し、具体的な数値の記載を促すとよい。さらに、一次調査の結果に納得できない場合の再調査申請期限を把握しないまま期限が過ぎてしまうこともある。通知書を受け取った後の申請期限は、申請書又は案内文の目立つ位置に明記しておくことが望ましい。
なお、被害区分の認定結果に対する不服申立ての可否や各種支援制度の適用可否は、個々の災害の指定状況や自治体の運用により異なるため、個別の事案については弁護士等の専門家に確認することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- 申請者とり災建物との関係(所有者/賃借人等)を裏付ける書類を用意したか
- り災した建物の所在地を住民票上の住所と区別して正確に記載したか
- 災害の種類と発生日を市区町村が指定する災害名と一致させたか
- 片付け・清掃前の被害状況写真(四方向・接写)を撮影したか
- 浸水があった場合、浸水の深さを数値で記載したか
- 罹災証明書の使用目的(保険金請求・税減免等)を明確にしたか
- 代理申請の場合、委任状及び代理人の本人確認書類を準備したか
- 過去の罹災証明書交付履歴の有無を確認したか
- 一次調査結果への不服申立て(二次調査)の期限を確認したか
- 交付方法(窓口/郵送)と必要部数を決めたか
- 本人確認書類(運転免許証等)の写しを添付したか
- 申請窓口の受付時間及び必要な予約の有無を確認したか