セット内容
- 利用規約(EC・通販サイト向け)Word形式
- 売買契約の成立時期・キャンセル条件の解説
- 特定商取引法表記との整合チェックリスト
こんな場面で
ネットショップ・通販サイトを運営する事業者が、購入者との取引条件をあらかじめ明文化したい場面。
特長
- 注文確定・契約成立のタイミングを明確化し、在庫切れ時の対応条項を収録
- 返品・キャンセル・返金条件を特定商取引法表記と整合させた条項構成
- 特定商取引法に基づく表記(tokushoho-hyoki)とあわせてEC運営の基本書類を揃えられる
利用規約(EC・通販サイト)(監修用ドラフト)
⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。
商品ID: riyokiyaku-ec / 価格: 2,980円 / 立場バージョン: 事業者(運営者)
本ドラフトは第2部で「デジタルコンテンツ・無形商材特化版」「実店舗連携(O2O)版」の2バリエーションの差分を提示する構成とし、第1部には有形商品の通信販売を想定した標準構成をベース条文として掲載する。
第1部: 規約本文(標準構成・有形商品の通信販売)
〇〇〇〇(以下「本サイト」という。)利用規約
本規約は、〇〇株式会社(以下「運営者」という。)が運営するインターネット通販サイト「〇〇〇〇」(以下「本サイト」という。)の利用条件を定めるものである。本サイトを利用する者(以下「利用者」という。)は、本規約に同意の上、本サイトを利用するものとする。
第1条(適用)
- 本規約は、利用者と運営者との間の本サイトの利用に関する一切の関係に適用されるものと解される。
- 運営者が本サイト上で別途掲載する個別規定又はガイドライン(特定商取引法に基づく表記、プライバシーポリシー等を含む。)は、本規約の一部を構成するものとする。
- 本規約の内容と前項の個別規定の内容が抵触する場合には、個別規定の内容が優先されるものと解される。
第2条(定義)
本規約において使用する用語の意義は、次の各号に定めるとおりとする。 (1)「商品」とは、本サイトにおいて運営者が販売する物品をいう。 (2)「注文」とは、利用者が本サイトの所定の手続に従い、商品の購入を申し込む意思表示をいう。 (3)「会員」とは、第4条に定める会員登録を行った利用者をいう。 (4)「売買契約」とは、本規約に基づき運営者と利用者との間で成立する商品の売買に関する契約をいう。
第3条(本規約への同意及び定型約款としての性質)
- 利用者は、本サイトを利用することにより、本規約の内容に同意したものとみなされる。
- 本規約は、民法第548条の2第1項に定める定型約款に該当するものと解される。運営者は、本サイトを不特定多数の利用者との間で画一的に取引を行うことを目的として本規約を準備しており、利用者が本サイトを利用して注文を行うこと(個別の条項の内容を認識していない場合を含む。)をもって、本規約の個別の条項について合意をしたものとみなされる。
- 運営者は、次の各号のいずれかに該当するときは、民法第548条の4の規定に基づき、利用者の個別の同意を要することなく本規約の内容を変更することができる。 (1)本規約の変更が、利用者の一般の利益に適合するとき (2)本規約の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、本条に基づき規約を変更することがある旨の定めの有無及びその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき
- 前項に基づき本規約を変更する場合、運営者は、変更の効力発生時期を定め、かつ、本規約を変更する旨及び変更後の内容並びにその効力発生時期を、効力発生時期が到来するまでに本サイト上での掲示その他相当の方法により周知するものとする。
第4条(会員登録)
- 本サイトの利用を希望する者は、運営者所定の方法により会員登録の申請を行うものとする。
- 運営者は、会員登録の申請者が次の各号のいずれかに該当すると判断した場合、会員登録を承認しないことがある。 (1)登録事項の全部又は一部につき虚偽、誤記又は記載漏れがあった場合 (2)過去に本規約違反等により利用停止等の措置を受けたことがある場合 (3)反社会的勢力等(第16条に定義する。)に該当すると判断した場合 (4)その他運営者が会員登録を適当でないと判断した場合
- 会員は、登録事項に変更が生じた場合、速やかに運営者所定の方法により変更の届出を行うものとする。
- 会員は、自己の会員ID及びパスワードを自己の責任において厳重に管理するものとし、第三者に利用させ、又は貸与、譲渡、名義変更、売買等をしてはならない。
第5条(注文の方法)
利用者は、本サイトの所定の画面に従って必要事項を入力し、注文内容を確認の上、注文手続を行うものとする。
第6条(売買契約の成立)
- 売買契約は、利用者が第5条の注文手続を完了した後、運営者が当該注文を承諾する旨の通知(電子メールその他運営者が定める方法によるものとし、以下「注文確定通知」という。)を発信した時点で成立するものと解される。運営者が注文確定通知を発信するまでの間、利用者の注文は運営者に対する申込みの意思表示にとどまるものとする。
- 運営者は、次の各号のいずれかに該当する場合、注文確定通知を発信せず、注文を承諾しないことがある。 (1)利用者が過去に本規約に違反したことがある場合 (2)利用者が提供した情報の全部又は一部に虚偽、誤記又は記載漏れがあった場合 (3)代金の支払いが確認できない場合又は支払方法に問題があると判断される場合 (4)在庫切れ、商品の生産・販売の中止その他の事由により商品を提供できない場合 (5)天災地変その他運営者の責めに帰すことのできない事由により商品を提供できない場合 (6)その他運営者が注文の承諾を適当でないと判断した場合
- 前項各号に該当し注文を承諾しない場合、運営者は、利用者に対しその旨を通知するものとする。この場合において、利用者が既に代金を支払っているときは、運営者は速やかにこれを返金するものとする。
第7条(在庫切れ時の対応)
- 運営者は、本サイトに掲載する商品の在庫状況を可能な限り正確に表示するよう努めるものとするが、複数の利用者が同時に注文手続を行った場合その他の事由により、注文確定通知の発信前後を問わず、商品の在庫が確保できない事態が生じ得るものと解される。
- 前項の事態が生じた場合、運営者は、利用者に対し速やかにその旨を通知し、次の各号のいずれかの方法により対応するものとする。 (1)売買契約を解除し、既に受領した代金があるときはこれを返金する方法 (2)代替商品の提案その他利用者との協議による方法 (3)入荷時期の見込みを案内し、利用者の意向を確認した上で発送を留保する方法
- 前項第1号により売買契約が解除された場合、運営者は、当該解除により利用者に生じた損害について、運営者に故意又は重過失がある場合を除き、賠償の責任を負わないものと解される。
第8条(商品の引渡し及び危険負担)
- 運営者は、売買契約成立後、合理的な期間内に商品を発送するものとする。
- 商品の引渡しは、運営者が指定する運送業者に商品を引き渡した時点をもって完了するものと解される。
- 商品の引渡し完了後に生じた商品の滅失又は損傷の危険は利用者が負担するものとする。ただし、当該滅失又は損傷が運営者の責めに帰すべき事由による場合はこの限りでない。
第9条(代金の支払い)
- 利用者は、本サイトが定める支払方法(クレジットカード決済、代金引換、銀行振込、その他運営者が指定する決済手段)のうちいずれかにより、商品代金及び送料等の付随費用を支払うものとする。
- クレジットカード決済を利用する場合、利用者とクレジットカード会社との間の契約に従うものとし、運営者はクレジットカード会社との間の紛争について一切の責任を負わないものと解される。
第10条(商品の契約不適合)
- 運営者が発送した商品が種類、品質又は数量に関して売買契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であった場合、利用者は、商品到着後〇日以内に運営者所定の方法により通知することにより、運営者に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
- 前項の場合において、利用者に不相当な負担を課すものでないときは、運営者は、利用者が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
- 第1項の契約不適合が利用者の指示によって生じたときその他利用者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、利用者は、前2項の履行の追完を請求することができない。
- 本条の契約不適合責任の対象となる期間及び範囲については、個別の商品ページにおいて別段の定めをすることがあり、その場合は当該定めが優先するものと解される。
- 利用者が消費者である場合、消費者契約法その他の消費者保護法令により本条の規定の一部が制限され、又は利用者に有利に修正される場合があると解される。
第11条(返品・キャンセル・返金)
- 利用者は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、商品到着後〇日以内に運営者所定の方法により連絡の上、商品の返品をすることができる。 (1)第10条の契約不適合が認められる場合 (2)運営者が本サイト上で返品・キャンセルを認める旨を個別に表示している場合
- 前項に基づく返品の場合、返品に要する送料及び返金に要する手数料の負担については、特定商取引法に基づく表記に定めるところによるものとする。
- 利用者の都合による返品(第1項各号に該当しない場合の返品)については、運営者が特定商取引法に基づく表記において別途定める条件に従うものとし、当該表記に定めがない場合、運営者は返品に応じる義務を負わないものと解される。
- 注文確定通知の発信後、発送前の注文のキャンセルについては、運営者所定の方法による申出があった場合に限り、運営者の判断により応じることができるものとする。
- 返金は、利用者が商品代金の支払いに用いた決済手段と同一の方法により行うことを原則とするが、当該方法による返金が困難な場合、運営者が別途指定する方法によることができる。
第12条(禁止事項)
利用者は、本サイトの利用にあたり、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない。 (1)法令又は公序良俗に違反する行為 (2)犯罪行為に関連する行為 (3)運営者、他の利用者又は第三者の知的財産権、肖像権、プライバシーその他の権利利益を侵害する行為 (4)本サイトのサーバー又はネットワークの機能を破壊し、又は妨害する行為 (5)本サイトの運営を妨害するおそれのある行為 (6)不正アクセスをし、又はこれを試みる行為 (7)他の利用者に関する個人情報等を収集又は蓄積する行為 (8)他の利用者になりすます行為 (9)運営者が許諾しない本サイト上での宣伝、広告、勧誘又は営業行為 (10)反社会的勢力等への利益供与 (11)商品を転売、再販売その他営利目的で大量に購入する行為であって運営者が不適当と判断するもの (12)その他運営者が不適切と判断する行為
第13条(本サイトの提供の停止等)
運営者は、次の各号のいずれかに該当する場合、利用者に事前に通知することなく、本サイトの全部又は一部の提供を停止又は中断することができるものとする。 (1)本サイトに係るコンピュータシステムの保守点検又は更新を行う場合 (2)地震、落雷、火災、停電又は天災等の不可抗力により本サイトの提供が困難となった場合 (3)コンピュータ又は通信回線等が事故により停止した場合 (4)その他運営者が本サイトの提供が困難と判断した場合
第14条(利用制限及び登録抹消)
運営者は、利用者が次の各号のいずれかに該当する場合、事前の通知なく、当該利用者について本サイトの利用を制限し、又は会員登録を抹消することができるものとする。 (1)本規約のいずれかの条項に違反した場合 (2)登録事項に虚偽の事実があることが判明した場合 (3)料金等の支払債務の不履行があった場合 (4)運営者からの連絡に対し、一定期間返答がない場合 (5)本サイトについて、最終の利用から一定期間利用がない場合 (6)その他、運営者が本サイトの利用を適当でないと判断した場合
第15条(免責事項)
- 運営者は、本サイトに事実上又は法律上の瑕疵(安全性、信頼性、正確性、完全性、有効性、特定目的への適合性、セキュリティ等に関する欠陥、エラーその他の不具合を含む。)がないことを、明示的にも黙示的にも保証するものではないと解される。
- 運営者は、本サイトに起因して利用者に生じたあらゆる損害について、運営者の故意又は重過失による場合を除き、一切の責任を負わないものと解される。
- 前項の規定にかかわらず、運営者と利用者との間の売買契約が消費者契約に該当する場合には、本条による免責は、運営者の故意又は重過失による場合には適用されないものと解され、また軽過失による場合であっても、本サイトの提供する役務等の内容によっては責任の一部制限にとどまる場合があり得る。
- 運営者は、利用者と他の利用者又は第三者との間において生じた取引、連絡又は紛争等について一切責任を負わない。
第16条(反社会的勢力の排除)
- 利用者は、自己が、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団その他これらに準ずる者(以下「反社会的勢力等」という。)に該当しないことを表明し、保証する。
- 運営者は、利用者が前項の表明保証に違反したと判断した場合、事前の通知又は催告を要せず、当該利用者との間の売買契約を解除し、又は本サイトの利用を制限することができるものとする。
第17条(知的財産権)
本サイトに関する知的財産権は全て運営者又は運営者にその利用を許諾した権利者に帰属し、利用者は、本規約に基づく本サイトの利用許諾を受けるにすぎず、本サイトに関する運営者又は当該権利者の知的財産権の移転又は使用許諾を受けるものではないと解される。
第18条(利用者情報の取扱い)
運営者は、本サイトの利用によって取得する個人情報については、運営者が別途定めるプライバシーポリシーに従い適切に取り扱うものとする。
第19条(規約の変更)
運営者は、第3条第3項及び第4項に定める場合のほか、民法その他の法令に反しない範囲において、本規約を変更できるものとする。
第20条(権利義務の譲渡の禁止)
利用者は、運営者の書面による事前の承諾なく、利用契約上の地位又は本規約に基づく権利若しくは義務を第三者に譲渡し、又は担保に供してはならない。
第21条(分離可能性)
本規約のいずれかの条項又はその一部が、消費者契約法その他の法令により無効又は執行不能と判断された場合であっても、本規約の残りの規定及び当該無効又は執行不能となった規定の残りの部分は、なお完全に効力を有するものと解される。
第22条(準拠法・合意管轄)
- 本規約の解釈にあたっては、日本法を準拠法とする。
- 本サイトに関して紛争が生じた場合には、〇〇地方裁判所(又は簡易裁判所)を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
以上
第2部: 立場別・商材別バリエーション
本商品は、標準構成(有形商品の通信販売)に加え、「デジタルコンテンツ・無形商材特化版」及び「実店舗連携(O2O)版」の2バリエーションを想定する。以下は各バージョンへ調整する際の差分(代替条文)である。
A. デジタルコンテンツ・無形商材特化版への変更
電子書籍、動画配信、オンラインサロン、ダウンロード販売等、有体物の引渡しを伴わない商材を想定した修正。
A-1. 第6条(売買契約の成立)にダウンロード開始・視聴開始の取扱いを追加
追加条文例: 「デジタルコンテンツについては、利用者が本サイト上でダウンロード又はストリーミング再生を開始した時点をもって、当該コンテンツの提供が開始されたものとみなす。」
解説: 有体物と異なり「引渡し」の概念が観念しにくいため、提供開始のタイミングを明確化する条項が必要になると考えられる。
A-2. 第8条(商品の引渡し及び危険負担)を削除し、提供方法条項に差替え
修正後: 「運営者は、利用者による代金の支払完了確認後、合理的な期間内に、本サイト上でのダウンロードリンクの提供、視聴用アカウントの発行その他運営者が定める方法により、デジタルコンテンツを提供するものとする。」
解説: 危険負担の概念は有体物の滅失・損傷を前提とするため、無形商材では引渡し・提供方法の条項に置き換えるのが一般的である。
A-3. 第11条(返品・キャンセル・返金)にデジタルコンテンツの特則を追加
追加条文例: 「利用者が第1項各号に該当しない理由により返金を求める場合であっても、運営者が別途認める場合を除き、次の各号のいずれかに該当するときは返金に応じないものとする。(1)利用者が既にコンテンツの全部又は一部を視聴、閲覧又はダウンロードした場合(2)利用者の請求により、運営者が第6条に基づき提供を開始した場合」
解説: 特定商取引法上、通信販売には法定のクーリング・オフ制度はないものの、デジタルコンテンツは提供開始後の返金を制限する取扱いが実務上一般的とされる。もっとも、消費者契約法上の不当条項規制との関係で、一律に返金を拒否する条項が有効と解されるかは個別の事情によると考えられ、購入者において表示のタイミング等を含め慎重な検討が望ましい。
A-4. 第3条(定型約款)に利用条件の継続的適用に関する留意点を追加
解説: サブスクリプション型のオンラインサロン等では、利用期間中に規約が変更される場面が想定されるため、民法548条の4に基づく変更手続(周知方法・効力発生時期)をより具体的に定めることが望ましいと考えられる。
A-5. 第17条(知的財産権)にコンテンツの二次利用禁止を追加
追加条文例: 「利用者は、運営者の事前の書面による承諾なく、提供を受けたデジタルコンテンツを複製、転載、再配布、貸与、販売その他の方法により第三者に利用させてはならない。」
解説: 無形商材は複製・拡散が容易であるため、有形商品版よりも二次利用禁止の条項を具体的かつ強く定める必要があると考えられる。
B. 実店舗連携(O2O)版への変更
ネット注文・店舗受取(クリック・アンド・コレクト)や、実店舗での返品対応を前提とするO2O(Online to Offline)型事業者向けの修正。
B-1. 第8条(商品の引渡し)に店舗受取の選択肢を追加
追加条文例: 「利用者は、注文手続の際、商品の受領方法として配送又は運営者が指定する店舗での受取(以下「店舗受取」という。)のいずれかを選択することができる。店舗受取を選択した場合、商品の引渡しは、利用者が指定店舗において商品を受領した時点をもって完了するものとする。」
解説: 店舗受取の場合、引渡し完了の時点及び危険負担の移転時期が配送の場合と異なるため、明確に条項を分ける必要があると考えられる。
B-2. 第11条(返品・キャンセル・返金)に店舗持込み返品を追加
追加条文例: 「利用者は、第1項各号に該当する場合、運営者所定の郵送による返品手続のほか、運営者が指定する店舗への商品持込みによる返品手続を選択することができる。」
解説: 実店舗を有する事業者では、店舗窓口を返品受付に活用することで利用者の利便性を高める一方、店舗スタッフへの返品対応マニュアル整備等の運用体制の確認が必要になると考えられる。
B-3. 第7条(在庫切れ時の対応)に店舗在庫との連携を追加
追加条文例: 「運営者は、本サイトの在庫表示について、実店舗の在庫状況とリアルタイムに連携するよう努めるものとするが、店舗における対面販売等により在庫表示と実際の在庫数に一時的な相違が生じる場合があることを、利用者はあらかじめ承諾するものとする。」
解説: O2O事業者特有のリスクとして、オンライン在庫と店舗在庫の同期タイムラグに関する免責的な説明を加えることが望ましいと考えられる。
B-4. 会員登録条項(第4条)に店舗会員証との統合を追加
追加条文例: 「運営者が実店舗において発行する会員証又は会員番号を保有する利用者は、当該会員番号を用いて本サイトの会員登録を行うことにより、店舗及び本サイトの購買履歴・ポイント等を統合して管理することができるものとする。」
解説: 店舗会員基盤とECの会員基盤を統合する場合、個人情報の取得・利用目的の通知内容が店舗会員規約とEC利用規約の両方で整合しているかを確認する必要があると考えられる。
B-5. 第9条(代金の支払い)に店舗決済との連携を追加
追加条文例: 「店舗受取を選択した場合、利用者は、事前決済(オンライン決済)のほか、商品受取時に店舗窓口において代金を支払う方法(店頭決済)を選択することができる。店頭決済を選択した場合の売買契約の成立時期及びキャンセル条件については、第6条及び第11条の規定にかかわらず、店舗の実務に応じて別途定めるものとする。」
解説: 店頭決済を認める場合、オンライン注文とは異なる契約成立・キャンセルルールが必要になり得るため、標準条項からの調整が必須になると考えられる。
第3部: 逐条解説(購入者向け)
第1条・第2条(適用・定義) 規約の適用範囲と用語の統一的な定義を行う条項。特定商取引法に基づく表記(別商品)との役割分担を明確にし、両書類の内容に齟齬が生じないよう管理することが重要である。
第3条(定型約款としての性質) 2020年(令和2年)施行の民法(債権関係)改正により新設された定型約款に関する規定(民法第548条の2〜第548条の4)に対応する条項である。ウェブサイトの利用規約は、不特定多数の顧客との取引に用いられ、かつ、内容の全部又は一部が画一的であることが双方にとって合理的であるものと評価されることが多く、定型約款に該当する例が一般的であると解される。定型約款に該当する場合、利用者が個別条項の内容を認識していなくても合意があったものとみなされる(みなし合意)反面、民法第548条の2第2項により、相手方の利益を一方的に害する不当条項は合意をしなかったものとみなされる点に留意が必要である。また、規約変更については、民法第548条の4の要件(変更が利用者の利益に適合すること、又は契約目的に反せず変更の必要性・相当性等に照らして合理的であること)を満たし、かつ周知手続を履践する必要があり、単に「運営者はいつでも規約を変更できる」とだけ定めても、実際の変更が同条の要件を満たさなければ効力を争われるリスクがあると考えられる。
第4条(会員登録) なりすまし・ID/パスワードの管理に関する条項。フィッシング詐欺等による不正利用のリスクを踏まえ、二段階認証の導入等のセキュリティ対策と条文の整合性を確認することが望ましい。
第5条・第6条(注文の方法・売買契約の成立) 契約成立時期を「利用者の注文=申込み」「運営者の注文確定通知=承諾」という構成で明確化した点が重要である。電子契約の実務では、単に「システムが自動返信メールを送った時点」を承諾時期とするか、「人手による確認後に確定通知を送る時点」とするかで契約成立の早さが変わるため、実際の受注フローに即して調整する必要がある。契約成立時期を明確にしないと、在庫切れ時に「既に契約は成立しているのに履行できない」という債務不履行の問題が生じやすくなる点に留意が必要である。
第7条(在庫切れ時の対応) 本規約の特徴的な条項の一つ。契約成立前の申込みの拒絡(第6条第2項第4号)と、契約成立後の在庫切れ(第7条)を区別して整理している。契約成立後に履行不能となった場合の処理は、民法上の危険負担・履行不能の規律(民法第536条等)にも関連するため、免責の範囲(運営者の故意・重過失の場合を除く旨の限定)が消費者契約法第8条・第9条との関係で有効と解されるかは、個別の事情に照らした検討を要すると考えられる。
第8条(商品の引渡し及び危険負担) 2020年民法改正により、危険負担に関する規律が「債務者主義」に一本化され(改正民法第536条)、また改正前商法にあった規定も踏まえ、実務上は引渡し時点を基準に危険移転を明確化する契約実務が一般的である。本条は、引渡し完了時点(運送業者への引渡し時)を基準に危険負担を移転させる構成としているが、消費者契約においては、この基準時期が消費者に不利に働く可能性がある点(配送中の事故リスクを消費者が負う形になる点)について、実務上、運営者側で配送保険を付保する等の対応と併せて検討することが望ましいと考えられる。
第9条(代金の支払い) 決済手段ごとに異なる法令(割賦販売法、資金決済法等)が適用され得る点に留意が必要である。特にクレジットカード決済については、割賦販売法上の加盟店管理に関する義務が決済代行会社を通じて課される場合があり、本規約とは別に決済代行会社との契約内容の確認が必要になると考えられる。
第10条(商品の契約不適合) 2020年民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」に整理された点に対応する条項である(改正民法第562条〜第564条)。契約不適合責任は、瑕疵担保責任と異なり、履行の追完請求権が明文化された点が特徴であり、本条第1項はこれを反映している。契約不適合責任に関する規定は、事業者間取引では期間・範囲を大幅に制限する例もあるが、消費者契約においては消費者契約法第8条により、事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させる条項や、事業者の責任を全部免除する条項が無効とされる場合があるため、期間制限(本文中「〇日以内」)の設定にあたっては合理的な期間を設定する必要があると考えられる。
第11条(返品・キャンセル・返金) 特定商取引法上、通信販売には訪問販売等と異なり法定のクーリング・オフ制度が存在しない点が実務上しばしば誤解される論点である。もっとも、同法第11条により、返品の可否・条件について特定商取引法に基づく表記に明確に記載することが義務付けられており、当該表示がない場合には、商品到着後8日間は送料利用者負担で返品ができる旨のみなし規定(同法第15条の3)が適用される点に留意が必要である。本条と特定商取引法に基づく表記の内容を必ず整合させる必要がある。
第12条(禁止事項) 不正転売対策(第11号)は、近年のマスク・チケット等の転売問題を踏まえて追加が推奨される条項である。購入者側の事業内容によっては、購入数量制限条項を別途設けることも検討に値すると考えられる。
第13条・第14条(サイト提供の停止・利用制限) 運営上の裁量条項。利用制限・登録抹消の理由を列挙することで、恣意的な運用ではないことを示す構成となっているが、実際の運用にあたっては、理由の告知や不服申立ての機会をどの程度設けるかについて、消費者対応の観点から検討の余地があると考えられる。
第15条(免責事項) 消費者契約法第8条・第8条の2・第9条との関係が最も問題となりやすい条項である。「一切の責任を負わない」という全部免責条項は、事業者の故意又は重過失による場合には無効とされる(消費者契約法第8条第1項第3号・第4号参照)ため、本条第3項でその趣旨を明記している。もっとも、無効となる範囲や、軽過失の場合にどこまで責任制限が有効と解されるかについては裁判例の集積状況を踏まえた確認が必要と考えられる。
第16条(反社会的勢力の排除) NDA等の契約書と同様、消費者向け利用規約においても近年標準的に採用される条項である。ただし、大量の一般消費者を相手にする性質上、表明保証違反の事後的な発見・立証が事業者間契約に比べて難しい点に留意が必要である。
第17条(知的財産権) サイト自体のコンテンツ(デザイン、ロゴ、商品説明文等)に関する権利帰属を確認する条項。ユーザーレビュー等、利用者が投稿するコンテンツの権利処理については、本規約とは別に投稿規約を設ける例もある。
第18条(利用者情報の取扱い) 個人情報保護法との関係を確認する条項。個人情報取扱規程(社内規程)及びプライバシーポリシーとの整合性を保つことが望ましい。
第19条〜第22条(規約の変更・譲渡禁止・分離可能性・準拠法管轄) 一般条項群。分離可能性条項(第21条)は、消費者契約法等により規約の一部が無効とされた場合でも他の条項の効力に影響を及ぼさない旨を確認する条項であり、定型約款の実務上、近年追加されることが増えている条項である。
第4部: 監修者への確認依頼事項
- 第3条(定型約款)の記載について、民法548条の2〜548条の4の要件を満たす表現になっているか、特に規約変更条項(第19条・第3条第3項)の周知方法の記載が実務上十分と言えるか確認いただきたい。
- 第10条の契約不適合責任に関する期間制限(本文中「〇日以内」)につき、消費者契約法第8条との関係で無効とされない範囲の目安(例: 7日、14日等)を確認いただきたい。
- 第11条の返品・キャンセル・返金条項について、特定商取引法第15条の3のみなし返品制度(表示がない場合の8日間返品ルール)との整合性を、特定商取引法に基づく表記(別商品tokushoho-hyoki)の記載内容と合わせて確認いただきたい。
- 第15条の免責事項について、消費者契約法第8条・第8条の2・第9条に照らし無効となるおそれのある文言がないか、特に「軽過失の場合の責任制限」の書きぶりが有効と解される範囲を確認いただきたい。
- デジタルコンテンツ特化版(第2部A-3)の「提供開始後は返金しない」旨の条項が、消費者契約法上の不当条項規制との関係で許容される表現か確認いただきたい。
- O2O版(第2部B-5)の店頭決済における契約成立時期の別段の定めについて、標準版の契約成立ルール(第6条)との整合性及び記載の要否を確認いただきたい。
- 第12条第11号の転売目的購入者への対応条項について、購入制限の実施方法(数量制限、アカウント停止等)が独占禁止法・消費者保護法制上問題を生じないか確認いただきたい。
- 送料・手数料負担のデフォルトルール(第11条第2項が参照する特定商取引法に基づく表記側の記載)について、テンプレート上どちらの負担をデフォルトとして提示するのが実務上一般的か確認いただきたい。