セット内容
- 利用規約(Webサービス・アプリ向け)Word形式
- 禁止事項・免責条項の逐条解説
- 消費者契約法との抵触チェックリスト
こんな場面で
新規にWebサービス・アプリをローンチする事業者が、ユーザーとの利用条件をあらかじめ明文化したい場面。
特長
- 定型約款としてのみなし合意(民法548条の2)を意識した条項構成
- 禁止事項・アカウント停止・免責事項を標準装備
- プライバシーポリシー(privacy-policy-web)とセットで利用することでサービス公開時の必須書類を揃えられる
利用規約(Webサービス・アプリ)標準版(監修用ドラフト)
⚠ 本ファイルは弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布を禁止する。
商品ID: riyokiyaku-web-service / 価格: 2,980円 / 立場バージョン: 事業者(サービス提供者)
本ドラフトは、Webサービス及びアプリの提供事業者が利用者との間で締結する利用規約を想定した標準版であり、民法548条の2以下の定型約款規律への対応を組み込んだ構成としている。第2部では、BtoC(消費者向け)とBtoB(事業者向け)の違い、及び無料版・有料課金(サブスクリプション)版の違いに応じた修正パターンを提示する。
第1部: 契約書本文(標準版)
〇〇〇〇利用規約
本利用規約(以下「本規約」という。)は、〇〇〇〇株式会社(以下「当社」という。)が提供するサービス「〇〇〇〇」(ウェブサイト及びアプリケーションを含む。以下「本サービス」という。)の利用条件を定めるものである。本サービスを利用する全ての者(以下「利用者」という。)は、本規約に同意した上で本サービスを利用するものとする。
第1条(本規約の適用及び定型約款該当性)
- 本規約は、利用者と当社との間の本サービスの利用に関する一切の関係に適用される。
- 本規約は、民法第548条の2第1項に規定する定型約款に該当するものとし、利用者が本サービスの利用を開始した場合、本規約の個別の条項について合意したものとみなす。
- 当社は、本規約を本サービスの利用申込画面又は当社ウェブサイトの分かりやすい場所に掲示し、利用者が本サービスの利用を開始する前に本規約の内容を確認できる状態を確保するものとする。
第2条(利用登録)
- 本サービスの利用を希望する者は、当社の定める方法により利用登録を申請し、当社がこれを承認することによって、利用登録が完了するものとする。
- 当社は、利用登録の申請者に次の各号のいずれかの事由があると判断した場合、利用登録の申請を承認しないことがあり、その理由について開示する義務を負わない。 (1)虚偽の事項を届け出た場合 (2)本規約に違反したことがある者からの申請である場合 (3)その他、当社が利用登録を相当でないと判断した場合
第3条(アカウントの管理)
- 利用者は、自己の責任において、本サービスに関するID・パスワード等の認証情報を適切に管理するものとする。
- 利用者は、いかなる場合にも、認証情報を第三者に譲渡又は貸与し、若しくは第三者と共用してはならない。
- 認証情報の管理不十分、使用上の過誤、第三者の使用等によって生じた損害に関する責任は利用者が負うものとし、当社は故意又は重過失がある場合を除き責任を負わない。
第4条(利用料金及び支払方法)
- 利用者は、当社が提供する有料プランを利用する場合、当社が別途定め、当社ウェブサイトに表示する利用料金を、当社が指定する方法により支払うものとする。
- 利用者が利用料金の支払を遅滞した場合、利用者は年14.6%の割合による遅延損害金を当社に支払うものとする。
- 有料プランの内容及び料金は、第18条(本規約の変更)に定める手続に従い変更されることがある。
第5条(禁止事項)
利用者は、本サービスの利用にあたり、次の各号に該当する行為をしてはならない。
(1)法令又は公序良俗に違反する行為 (2)犯罪行為に関連する行為 (3)当社、他の利用者又はその他第三者のサーバー又はネットワークの機能を破壊し、又は妨害する行為 (4)当社のサービスの運営を妨害するおそれのある行為 (5)他の利用者に関する個人情報等を収集又は蓄積する行為 (6)不正アクセスをし、又はこれを試みる行為 (7)他の利用者に成りすます行為 (8)当社が許諾しない本サービス上での広告、宣伝、勧誘、又は営業行為 (9)当社のサービスに関連して、反社会的勢力に対して直接又は間接に利益を供与する行為 (10)その他、当社が不適切と判断する行為
第6条(本サービスの提供の停止等)
- 当社は、次の各号のいずれかに該当する場合、利用者に事前に通知することなく本サービスの全部又は一部の提供を停止又は中断することができる。 (1)本サービスにかかるコンピュータシステムの保守点検又は更新を行う場合 (2)地震、落雷、火災、停電又は天災などの不可抗力により、本サービスの提供が困難となった場合 (3)コンピュータ又は通信回線等が事故により停止した場合 (4)その他、当社が本サービスの提供が困難と判断した場合
- 当社は、本サービスの提供の停止又は中断により、利用者又は第三者が被ったいかなる不利益又は損害についても、理由を問わず責任を負わないものとする。ただし、当社の故意又は重過失による場合はこの限りでない。
第7条(アカウント停止・利用制限)
- 当社は、利用者が次の各号のいずれかに該当する場合、事前の通知なく、当該利用者に対して本サービスの全部若しくは一部の利用を制限し、又は利用者としての登録を抹消することができる。 (1)本規約のいずれかの条項に違反した場合 (2)登録事項に虚偽の事実があることが判明した場合 (3)料金等の支払債務の不履行があった場合 (4)当社からの連絡に対し、一定期間返答がない場合 (5)本サービスについて、最終の利用から一定期間利用がない場合 (6)その他、当社が本サービスの利用を適当でないと判断した場合
- 当社は、本条に基づき当社が行った行為により利用者に生じた損害について、当社の故意又は重過失による場合を除き、一切の責任を負わない。
第8条(保証の否認及び免責事項)
- 当社は、本サービスに事実上又は法律上の瑕疵(安全性、信頼性、正確性、完全性、有効性、特定の目的への適合性、セキュリティなどに関する欠陥、エラーやバグ、権利侵害などを含む。)がないことを明示的にも黙示的にも保証しない。
- 当社は、本サービスに起因して利用者に生じたあらゆる損害について、当社の故意又は重過失による場合を除き、一切の責任を負わない。
- 前項の規定にかかわらず、当社と利用者との間の本サービスに関する契約が消費者契約法に定める消費者契約に該当する場合、当社は、当社の債務不履行又は不法行為(当社の故意又は過失によるものに限る。)により利用者に生じた損害のうち、当社に故意又は重過失がない場合には、通常生じうる範囲の損害に限り、かつ、当社が当該損害発生時に利用料金として受領した額を限度として賠償する責任を負うものとする。
- 当社は、本サービスに関して、利用者と他の利用者又は第三者との間において生じた取引、連絡又は紛争等について一切責任を負わない。
第9条(利用者の投稿データの取扱い)
- 利用者は、本サービスを利用して投稿その他送信を行ったコンテンツ(以下「投稿データ」という。)について、自らが投稿その他送信を行う正当な権限があること、及び投稿データが第三者の権利を侵害していないことについて、当社に対し表明し、保証する。
- 利用者は、当社に対し、投稿データを本サービスの提供、改善、宣伝広告のために利用(複製、公衆送信、翻案等を含む。)することを許諾する。
第10条(知的財産権)
- 本サービスに関する知的財産権は全て当社又は当社にライセンスを許諾している者に帰属しており、本規約に基づく本サービスの利用許諾は、本サービスに関する当社又は当社にライセンスを許諾している者の知的財産権の利用許諾を意味するものではない。
- 利用者は、当社が提供する情報について、著作権法上認められる私的利用の範囲を超えて、複製、転載、改変、翻案等を行ってはならない。
第11条(利用者による退会)
利用者は、当社の定める手続により、いつでも本サービスから退会できるものとする。ただし、退会時点で未払いの利用料金がある場合、利用者は当該未払金を支払う義務を免れない。
第12条(秘密保持)
利用者は、本サービスに関連して当社が利用者に対して秘密に取り扱うことを示して開示した非公開の情報について、当社の事前の書面による承諾がある場合を除き、秘密として取り扱うものとする。
第13条(利用者情報の取扱い)
当社は、本サービスの利用によって取得する個人情報については、当社が別途定める「プライバシーポリシー」に従い適切に取り扱うものとする。
第14条(権利義務の譲渡の禁止)
利用者は、当社の書面による事前の承諾なく、利用契約上の地位又は本規約に基づく権利若しくは義務を第三者に譲渡し、又は担保に供することはできない。
第15条(反社会的勢力の排除)
- 利用者は、自己が現在、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団その他これらに準ずる者(以下「反社会的勢力」と総称する。)に該当しないことを表明し、将来にわたっても該当しないことを確約する。
- 当社は、利用者が前項に違反した場合、何らの催告を要せず、本サービスの利用を停止し、又は利用契約を解除することができる。
第16条(定型約款の変更)
- 当社は、次の各号のいずれかに該当する場合には、民法第548条の4の規定に基づき、利用者の個別の同意を要することなく本規約を変更することができる。 (1)本規約の変更が、利用者の一般の利益に適合するとき (2)本規約の変更が、本サービス利用契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、本条の規定により本規約を変更する旨及びその内容並びに効力発生時期その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき
- 当社は、本規約を変更する場合には、変更の内容及び効力発生時期をあらかじめ当社ウェブサイト上での掲示その他相当な方法により周知するものとし、当該周知は、効力発生時期の到来までに行うものとする。
- 前項の変更は、効力発生時期が到来した時点で効力を生じるものとする。
第17条(本規約の一部無効)
本規約のいずれかの条項又はその一部が、消費者契約法その他の法令により無効又は執行不能と判断された場合であっても、本規約の残りの規定及び一部が無効又は執行不能と判断された規定の残りの部分は、継続して完全に効力を有するものとする。
第18条(本規約の変更手続以外の改定)
当社は、法令の変更、本サービスの内容の変更その他相当の理由がある場合、第16条に定める手続に加え、利用者に個別に通知した上で本規約を改定することができる。
第19条(準拠法)
本規約及び本サービスの利用契約の準拠法は日本法とする。
第20条(合意管轄)
本規約及び本サービスに関して当社と利用者との間で生じた紛争については、〇〇地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
以上
〇〇〇〇年〇〇月〇〇日制定
〇〇〇〇株式会社
第2部: 業種・利用場面パターン別の修正
本規約は事業者(サービス提供者)の立場から作成した標準版である。以下は、想定する利用場面ごとの代表的な修正パターンを提示する。想定するバリエーション軸は「A. BtoC消費者向けサービス/BtoB事業者向けサービスの違い」「B. 無料版/有料課金(サブスクリプション)版の違い」の2軸である。
A. BtoC消費者向けサービスとBtoB事業者向けサービスの違い
A-1. 適用対象の明確化(第1条関連)
BtoC版: 「本規約は、消費者である利用者と当社との間の本サービスの利用に関する一切の関係に適用される。」と明記し、消費者契約法の適用を前提とした条項設計を行う。
BtoB版: 「本サービスは事業者向けに提供するものであり、利用者は、事業として又は事業のために本サービスの利用契約の当事者となるものであることを表明し、保証する。」との一文を追加し、消費者契約法の直接適用がないことを明確にする。
解説: BtoB版であっても、利用者が実質的に個人事業主や小規模事業者である場合、消費者性の有無が争われる可能性はゼロではない点に留意する必要がある。
A-2. 免責条項(第8条)の書き分け
BtoC版: 第8条第3項のとおり、消費者契約法8条・8条の2・9条を意識し、故意・重過失の場合の免責を排除し、損害賠償の範囲及び上限を明記する構成を維持することが望ましい。
BtoB版: 事業者間契約であるため、消費者契約法の直接適用はなく、次のような免責範囲の拡張が可能である。
「当社は、本サービスに起因して利用者に生じた損害について、当社の故意又は重過失による場合を除き、直接かつ通常の損害に限り、利用者が当社に支払った過去〇か月分の利用料金相当額を上限として賠償する責任を負うものとし、逸失利益、事業機会の喪失その他の間接損害・特別損害については、予見の有無を問わず責任を負わない。」
解説: 事業者間契約であっても、あまりに一方的な免責は独占禁止法上の優越的地位の濫用や公序良俗違反が問題となる余地があるため、上限額を明記するなど一定の合理性を確保する設計が望ましい。
A-3. 合意管轄・準拠法条項(第19条・第20条)の調整
BtoC版: 消費者の住所地又は事業者の本店所在地のいずれかを管轄とする条項が消費者団体等から問題視される例があるため、専属的合意管轄の妥当性について特に留意する必要がある。
BtoB版: 当社(サービス提供者)本店所在地を管轄する専属的合意管轄とすることが一般的である。
B. 無料版と有料課金(サブスクリプション)版の違い
B-1. 利用料金条項(第4条)の分岐
無料版: 第4条を「本サービスは無料で提供する。ただし、当社は、別途有料プランを提供することがあり、その内容及び条件は当社が別途定めるものとする。」に簡略化する。
有料課金(サブスクリプション)版: 次の条項を追加することが望ましい。
「利用者は、有料プランの契約期間中、当社が定める周期(月次又は年次)で自動的に利用料金の請求を受けるものとする。利用者が有料プランを解約しない限り、契約は同一条件で自動的に更新されるものとする。」
「利用者が既に支払った利用料金は、法令に特別の定めがある場合を除き、理由の如何を問わず返金しないものとする。ただし、当社の責めに帰すべき事由によりサービスを提供できなかった期間に対応する部分については、この限りでない。」
B-2. 中途解約・返金ポリシーの明記(有料課金版で特に重要)
有料課金版では、次のような返金不可の原則と例外を明記することが望ましい。
「利用者都合による中途解約の場合、既払いの利用料金は日割り計算を含め返金しないものとする。ただし、特定商取引法上の特則が適用される取引形態(定期購入等)に該当する場合は、当該法令に従うものとする。」
解説: サブスクリプション型サービスの解約・返金トラブルは近年、国民生活センター等への相談が増加している分野であり、解約導線の分かりやすさ(ワンクリック解約等)についても実装面の配慮が求められる傾向にある。
B-3. 無料版から有料版への移行時の同意取得
無料版から有料プランへのアップグレード時に、料金・課金周期・自動更新の有無について利用者の明示的な確認(チェックボックス等)を経る運用を前提とした一文を追加することが望ましい。
第3部: 逐条解説(購入者向け)
第1条(本規約の適用及び定型約款該当性) 2020年施行の改正民法により新設された定型約款規律(民法548条の2以下)に対応するための条項である。「定型取引」(不特定多数を相手方とし、内容の画一性が双方にとって合理的な取引)に該当することを前提に、みなし合意の効果を発生させるための要件として、①定型約款を準備したこと、②定型取引を行うことの合意があること、③相手方が表示・準備行為の状況等から約款によることを認識し得る状態にあることが求められる。第3項の「掲示」は、利用申込画面での掲示や規約への同意チェックボックスの設置等、利用開始前に利用者が規約内容を確認できる状態を確保する運用と一体で機能する条項であるため、実装(UI)と条文の整合性を保つ必要がある。
第2条(利用登録) 登録拒否事由を列挙する条項。理由開示義務を負わない旨を明記するのが一般的だが、消費者向けサービスにおいては、登録拒否が差別的取扱いに当たらないよう運用上の配慮が必要になる場合がある。
第3条(アカウントの管理) IDパスワード等の管理責任を利用者に負わせる標準条項。当社側の故意・重過失がある場合まで免責されない旨を明記している点は、後述する消費者契約法との抵触リスクを軽減する観点からも重要である。
第4条(利用料金及び支払方法) 料金体系の変更が定型約款の変更手続(第16条)に服する旨を明確にした条項。サブスクリプション型の場合は、第2部Bで述べたとおり自動更新・返金不可の原則を明記する必要がある。
第5条(禁止事項) サービスの健全な運営を確保するための標準的な禁止行為リスト。列挙されている行為は例示列挙であり、最後に「その他、当社が不適切と判断する行為」という包括条項を置くのが一般的だが、この包括条項のみを理由にアカウント停止を行うと恣意的な運用との批判を受けやすいため、可能な限り個別の禁止行為に該当する理由を併記する運用が望ましい。
第6条(本サービスの提供の停止等) システムメンテナンス・不可抗力による停止に関する免責条項。第7条・第8条と並び、後述の消費者契約法上の論点(全部免責条項の無効リスク)が特に関係する条項の一つである。
第7条(アカウント停止・利用制限) 利用規約違反時の制裁措置に関する条項。無催告での利用制限・登録抹消を可能とする設計が一般的だが、利用者の財産的利益(有料プランの未消化分等)に配慮した猶予期間の設定を検討する余地がある。
第8条(保証の否認及び免責事項) 本規約の中核となる免責条項。第1項・第2項は事業者間取引を念頭に置いた広い免責文言であるが、第3項でBtoC取引(消費者契約)の場合の例外を設けている点に注目してほしい。これは消費者契約法8条(事業者の損害賠償責任を免除する条項の無効)への対応を意識した設計であり、詳細は第4部で述べる。
第9条(利用者の投稿データの取扱い) UGC(ユーザー生成コンテンツ)型サービスを想定した条項。投稿データの利用許諾範囲(複製・公衆送信・翻案等)は、サービスの性質(SNS型、レビュー投稿型等)に応じて具体化する必要がある。
第10条(知的財産権) サービス自体の知的財産権が当社に帰属することを確認する条項。オープンソースコンポーネントを利用している場合は、当該部分について別途ライセンス表記が必要になる点に留意する。
第11条(利用者による退会) 退会手続を定める条項。特定商取引法上の定期購入規制の対象となるサービスでは、解約の申出を電子メールのみに限定する等、利用者にとって過度に煩雑な手続を定めることは避けるべきとされている。
第12条(秘密保持) BtoB利用者との間で非公開情報を扱う場面を想定した条項。BtoCの一般消費者向けサービスでは削除又は簡略化されることが多い。
第13条(利用者情報の取扱い) 個人情報保護法との関係はプライバシーポリシーに委ねる構成とした条項。プライバシーポリシーとの整合性(矛盾がないか)を必ず確認する必要がある。
第14条(権利義務の譲渡の禁止) 契約上の地位の第三者への移転を制限する標準条項。
第15条(反社会的勢力の排除) 契約実務上ほぼ必須の条項。BtoCサービスでは個人利用者を主な名宛人として想定しているため、表明保証文言を個人向けに平易化する例もある。
第16条(定型約款の変更) 民法548条の4に対応した条項であり、本規約の実務上最も重要な条項の一つである。同条第1項は、変更が利用者の一般の利益に適合する場合(第1号)と、契約目的に反せず変更の必要性・相当性等に照らして合理的な場合(第2号)とで、周知のタイミングに関する要件が異なる点(第2号は効力発生前の周知が効力発生要件となる)に留意する必要がある。第2項の「相当な方法」は、ウェブサイト上の掲示に加え、影響が大きい変更の場合はメール等による個別通知を併用することが望ましいとされる。
第17条(本規約の一部無効) 分離可能性(サルベージ)条項。一部条項が無効となった場合でも契約全体が無効にならないようにする一般的な条項。
第18条(本規約の変更手続以外の改定) 第16条の定型約款変更手続を補完し、個別通知を伴う改定経路を残すための条項。
第19条・第20条(準拠法・合意管轄) 国内利用者のみを想定した標準条項。越境提供を行う場合は別途、準拠法・管轄・現地消費者保護法制との関係を検討する必要がある。
第4部: 監修者への確認依頼事項
- 第1条第3項及び第16条第2項の「周知」の方法(ウェブサイト上での掲示のみで足りるか、登録済み利用者に対するメール等の個別通知を要するか)について、民法548条の4の解釈及び実務上の運用として妥当な水準を確認いただきたい。
- 第8条第3項の消費者契約法対応(損害賠償の範囲を「通常生じうる範囲」とし、上限額を利用料金相当額とする設計)が、消費者契約法8条・8条の2・9条・10条との関係で無効とされるリスクがないか、特に上限額の設定方法(一律の金額とすべきか、利用料金の実額に連動させるべきか)について確認いただきたい。
- 第8条第1項・第2項(BtoB想定部分)の「当社の故意又は重過失による場合を除き一切の責任を負わない」との包括免責文言が、事業者間契約であっても不当条項として無効又は限定解釈されるリスクがないか確認いただきたい。
- 第7条のアカウント停止・利用制限条項について、無催告かつ理由開示不要とする設計が、有料課金中の利用者との関係で消費者契約法上又は特定商取引法上の問題(既払金の取扱い等)を生じないか確認いただきたい。
- 第2部Bで示した有料課金(サブスクリプション)版の自動更新・返金不可原則が、特定商取引法の定期購入規制及び消費者庁のガイドラインに照らして、解約手続の表示方法を含め十分な水準にあるか確認いただきたい。
- 第5条の禁止事項の包括条項(「その他、当社が不適切と判断する行為」)のみを根拠とする利用制限が、裁量権の濫用として争われるリスクの程度、及びこれを軽減するための追加文言の要否を確認いただきたい。
- 第20条の合意管轄条項について、消費者を相手方とする場合に当社本店所在地のみを専属的合意管轄とすることの妥当性、及び消費者にとって著しく不利な条項として無効と判断されるリスクの有無を確認いただきたい。
- アプリ形式で提供する場合のApple App Store・Google Playの各ストア規約との整合性(特に第11条の退会手続とアプリ内課金の解約導線の relationship)について、本規約に追記すべき事項があるか確認いただきたい。