販売店がSaaSを自己名義で再販する契約書。独占禁止法が禁じる再販売価格の拘束に留意し、請求主体・サポート範囲・終了時の顧客承継を規定する。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

SaaS再販売(リセラー)契約書

第1部: 書式本文

第1条(目的) 甲(提供元)は、乙(販売代理店)に対し、【サービス名】(以下「本サービス」という。)を、乙が自己の名義でエンドユーザーに再販売することを許諾する。

第2条(再販売の方式) 乙は、自己を契約当事者としてエンドユーザーと利用契約を締結し、自己の名義で請求及び集金を行う。エンドユーザーとの契約条件は、甲の定める最低利用条件(別紙)に反しない範囲で乙が定めることができる。

第3条(販売価格の決定) 乙が定めるエンドユーザー向け販売価格は、乙の裁量により決定するものとし、甲は乙に対し特定の販売価格若しくは最低販売価格を指示せず、又はこれを事実上強制しない。

第4条(仕入価格) 甲が乙に提示する卸価格は、【定価に対する割引率/固定額】とし、別紙価格表のとおりとする。

第5条(サポート範囲) エンドユーザーからの一次問合せは乙が対応し、乙で解決できない技術的問合せについて甲へエスカレーションする。エンドユーザーに対する請求・集金・契約管理は乙の責任で行う。

第6条(顧客情報の取扱い) 乙は、獲得したエンドユーザーの情報を自社の顧客情報として管理する。甲へのエスカレーションに必要な範囲を除き、甲は乙の顧客情報に直接アクセスしない。

第7条(表示・広告) 乙は、本サービスの機能等について広告表示を行う場合、実際の仕様と異なる表示又は誇大な表示を行ってはならず、景品表示法その他の関連法令を遵守する。

第8条(契約終了時の顧客承継) 本契約が終了する場合、甲及び乙は、既存のエンドユーザーとの契約関係の承継又は解約について、エンドユーザーへの影響を考慮し協議のうえ定める。乙は、契約終了により、正当な理由なくエンドユーザーへのサービス提供を突然停止してはならない。

第9条(独占禁止法上の留意) 甲は、乙が定める販売価格に関与し、又は乙の販売地域・販売先を不当に制限する行為(独占禁止法上の再販売価格の拘束又は不公正な取引方法に該当するおそれのある行為)を行わない。

第10条(競合品の取扱い) 乙は、甲の事前の承諾を得ることなく、本サービスと競合する製品・サービスを取り扱うことが〔できる/できない〕ものとする。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 提供元向け

A-1. 最低利用条件の明確化

修正条文例:「乙がエンドユーザーとの間で定める利用条件は、別紙に定めるデータ取扱い及びセキュリティに関する最低基準を下回ってはならない。」 一言解説: 再販売先が独自に定める規約が、提供元の求めるセキュリティ水準を下回ることを防ぐ修正である。

A-2. ブランド毀損行為の禁止

修正条文例:「乙は、本サービスの品質又は機能について、甲のブランドを毀損するおそれのある不適切な表示又は説明を行ってはならない。」 一言解説: 再販売先の営業活動が提供元のブランドに悪影響を及ぼすことを防止する修正である。

B. 販売代理店向け

B-1. 卸価格の据置期間

修正条文例:「甲は、卸価格を変更する場合、変更の【〇か月】前までに乙に通知するものとし、通知前に締結済みのエンドユーザー契約には従前の卸価格を適用する。」 一言解説: 卸価格の急な変更によって、既に締結済みの顧客契約で採算が悪化することを防ぐ修正である。

B-2. 契約終了時の顧客保護の強化

修正条文例:「本契約が甲の都合により終了する場合、甲は、乙が獲得したエンドユーザーに対し、少なくとも【〇か月】のサービス提供継続又は円滑な移行のための協力を行う。」 一言解説: 提供元都合の契約終了が、販売代理店の顧客との関係に一方的な不利益を及ぼさないようにする修正である。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面/使ってはいけない場面 本書式は、SaaS提供元が販売代理店(リセラー)にサービスを卸し、代理店が自己の名義でエンドユーザーと契約して再販売する場面で用いる。エンドユーザーに提供元の存在を一切開示しないOEM・ホワイトラベル型の提供とは異なり、リセラー型では提供元のブランドを前提としつつ、契約主体と請求主体が代理店になる点が特徴である。単なる見込顧客の紹介にとどまり、契約主体が常に提供元となる場合は、紹介型パートナー契約を用いる方が実態に適合する。

根拠法令 再販売価格に関して、独占禁止法は、事業者が取引の相手方(代理店)に対し、正当な理由なく販売価格を指示し、これを遵守させることを不公正な取引方法(再販売価格の拘束)として原則禁止している(独占禁止法第2条第9項第4号、第19条)。提供元が卸価格や推奨価格を示すこと自体は直ちに違法ではないが、価格遵守を事実上強制する言動や、遵守しない代理店への出荷停止等の措置を伴う場合は違法となるリスクが高まる。第3条及び第9条のように、価格決定権が代理店にあることを明記することが望ましい。また、代理店による広告表示については、景品表示法上の優良誤認表示・有利誤認表示の規制が適用される点にも留意する必要がある。

実務でよくある失敗と対策 第一に、提供元が卸価格表に「エンドユーザー向け推奨価格」を示し、実質的にこれを下回る販売を認めない運用を行った結果、独占禁止法上の再販売価格の拘束に該当するおそれが生じる失敗がある。第3条及び第9条のように価格決定権が代理店にあることを条文上明確にすることが対策となる。第二に、契約終了時にエンドユーザーとの契約承継のルールを定めず、突然サービス提供が停止しエンドユーザーとのトラブルに発展する失敗がある。第8条及びB-2のように移行期間や協力義務を明記することが有効である。第三に、代理店による誇大な広告表示が提供元のブランドイメージを損ない、景品表示法上のリスクにもつながる失敗がある。第7条及びA-2のように表示に関する遵守義務を明記する必要がある。

第四に、卸価格の変更を予告なく実施し、既に販売活動を進めていた代理店が採算割れの状態で契約済みの顧客に対応せざるを得なくなる失敗もある。B-1のように既存契約への適用除外や予告期間を設けることで、代理店の事業計画への影響を緩和することが対策となる。

再販売価格に関する独占禁止法上の該当性は取引の実態によって判断が分かれるため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] エンドユーザーとの契約主体が代理店(乙)であることを明確にしたか
  • [ ] 代理店の販売価格の決定権が代理店にあることを明記したか(再販売価格の拘束の回避)
  • [ ] 卸価格の算定方法及び変更時の予告期間を定めたか
  • [ ] サポート・エスカレーションの分担及び請求・集金の主体を定めたか
  • [ ] 顧客情報の管理主体及び提供元のアクセス範囲を定めたか
  • [ ] 広告表示に関する遵守義務(景品表示法等)を定めたか
  • [ ] 契約終了時のエンドユーザーとの契約承継又は移行支援の手続を定めたか
  • [ ] 独占禁止法上の再販売価格拘束・取引先制限に該当する行為がないか確認したか
  • [ ] 競合製品の取扱いに関する制限の有無を定めたか
  • [ ] 提供元による最低利用条件(セキュリティ基準等)の遵守を代理店に義務付けたか