訪問販売や電話勧誘の営業を断ったのに接触が続く場合に、特定商取引法第3条の2及び第17条の再勧誘禁止を挙げて中止を求めます。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
再勧誘拒絶通知書
第1部: 書式本文
【差出人住所】 【差出人氏名】
【送付日:西暦〇〇〇〇年〇月〇日】
【宛先事業者名】 御中 【宛先住所又は担当部署】
再勧誘拒絶通知書
貴社【担当者名(判明していれば)】は、下記のとおり、私に対し【訪問販売/電話勧誘販売】による勧誘を行いました。
第1. 経緯 〇〇〇〇年〇月〇日、貴社は私の【自宅/携帯電話】に【訪問/電話】し、【商品名・サービス名】の販売について勧誘を行いました。私はその際、口頭で「契約するつもりはありません」「今後の勧誘は不要です」と明確に伝え、契約を締結しない旨の意思を表示しました。
第2. その後の状況 にもかかわらず、貴社は〇〇〇〇年〇月〇日、〇〇〇〇年〇月〇日及びそれ以降、合計【 】回にわたり、同一の商品・サービスについて重ねて勧誘の【訪問/電話】を行いました。
第3. 法的根拠 【訪問販売の場合】 特定商取引法第3条の2第2項は、訪問販売を行う者に対し、その相手方が契約を締結しない旨の意思を表示したときは、当該勧誘を継続すること及び当該意思表示をした者に対し再び勧誘をすることを禁止しています。私は第1項記載のとおり明確に契約締結拒絶の意思を表示しており、これ以降の勧誘は同項に違反するものです。
【電話勧誘販売の場合】 特定商取引法第17条は、電話勧誘販売を行う者に対し、相手方が契約を締結しない旨の意思を表示したときは、当該勧誘を継続すること及び当該意思表示をした者に対し再び勧誘の電話をかけることを禁止しています。私は第1項記載のとおり明確に契約締結拒絶の意思を表示しており、これ以降の電話勧誘は同条に違反するものです。
第4. 意思表示 私は本書をもって、改めて明確に、貴社【商品名・サービス名】に関する契約を締結する意思がないこと、及び今後一切の勧誘(訪問・電話・メール等の方法を問わない)を行わないよう求めます。
第5. 今後の対応 本書到達後も再勧誘が継続する場合、私は所轄の消費生活センター及び経済産業省・都道府県等の行政機関への情報提供、特定商取引法違反を理由とする行政処分の申出、並びに民法第709条に基づく不法行為に基づく損害賠償請求を含む法的措置を検討いたします。
第6. 末尾 以上、書面にて通知いたします。
【差出人氏名】
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 拒絶する消費者側の視点
修正条文例: 「私は〇〇〇〇年〇月〇日の訪問時、担当者に対し明確な言葉で契約締結の意思がない旨を告げており、これは特定商取引法第3条の2第2項にいう『契約を締結しない旨の意思』の表示に該当する。」
一言解説:同項の「意思表示」は明確な拒絶の言葉であることが望ましく、あいまいな態度(検討する、また今度等)では該当性が争われ得るため、実際に述べた言葉をできる限り具体的に記載します。
修正条文例: 「貴社担当者は同一商品ではなく類似の別商品を提案する形で勧誘を継続しているが、実質的に同一の勧誘行為の延長であり、特定商取引法第17条の再勧誘禁止の趣旨に反する。」
一言解説:事業者が商品名を変えることで再勧誘規制を回避しようとする場合には、実質的に同一の勧誘であることを具体的事実(担当者・時期・内容の近接性)で示す必要があります。
B. 勧誘した事業者側の視点
修正条文例: 「当社担当者の記録によれば、ご指摘の日時における応対では契約締結拒絶の明確な意思表示は確認されておらず、『検討する』旨のご回答であったと認識している。事実関係について確認させていただきたい。」
一言解説:事業者側は、拒絶の意思表示があったとされる具体的日時・内容を確認し、社内の応対記録(通話録音・訪問記録等)と照合した上で対応することが重要です。
修正条文例: 「ご指摘を受け、当社は貴殿への勧誘活動を今後行わない旨、営業記録及び顧客管理システムに登録し、社内で周知徹底いたします。」
一言解説:特定商取引法違反が認められる場合、同法第38条以下の業務停止命令等の行政処分の対象となり得るため、事業者側は再発防止措置を具体的に示し、記録化することが望ましい対応です。
第3部: 書き方と法的ポイントの解説
本書式は、訪問販売又は電話勧誘販売において、一度契約締結を拒絶する意思を明確に示したにもかかわらず、事業者から同一の商品・サービスについて勧誘の連絡や訪問が続く場合に、書面で再勧誘の中止を求める場面で使用します。単に「勧誘の電話が多くて迷惑だ」という主観的な不満のみで、契約締結拒絶の意思を一度も明確に示していない場合には、まず口頭又は書面で明確な拒絶の意思表示を行うことが前提となる点に注意が必要です。また、通信販売など再勧誘規制の対象とならない取引類型には本書式の中心的な法的根拠は適用されません。
根拠法令は特定商取引法です。同法第3条の2第2項は訪問販売について、相手方が契約を締結しない旨の意思を表示した場合の勧誘継続及び再勧誘を禁止しています。同法第17条は電話勧誘販売について同様の規制を定めています。これらの規定に違反する勧誘が繰り返される場合、監督官庁は同法第38条以下に基づき業務停止命令等の行政処分を行うことができます。もっとも、これらの規定は行政取締規定としての性格を持ち、直接に個々の消費者に民事上の損害賠償請求権を発生させるものではないため、精神的苦痛等について金銭賠償を求める場合には、民法第709条の不法行為(違法な勧誘行為による権利侵害)の要件を別途主張する必要があります。
実務でよくある失敗として、第一に、契約締結拒絶の意思表示を口頭のみで行い、その内容や日時を記録していないため、再勧誘があった際に「意思表示をした」事実を立証できないケースがあります。対策として、可能な限り書面(本書式のような通知書)で明確な意思表示を行い、送付記録(内容証明郵便等)を残すことが有効です。第二に、拒絶後の再勧誘の事実(日時・回数・担当者・内容)を記録していないため、行政機関への相談や不法行為に基づく損害賠償請求の際に立証が困難になるケースです。勧誘を受けるたびに日時・方法・担当者名・内容を記録しておくことが重要です。第三に、特定商取引法違反を理由とする行政処分と、民事上の損害賠償請求とを混同し、行政に相談すれば当然に金銭的な救済を受けられると誤解するケースです。行政処分は事業者に対する規制であり、消費者個人への金銭賠償とは別の手続であることを理解しておく必要があります。個別の事案における意思表示の有効性や損害賠償請求の可否については、専門家に確認することを推奨します。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] 最初に契約締結拒絶の意思を示した日時・方法・具体的な発言内容を記録したか
- [ ] 勧誘の類型が訪問販売か電話勧誘販売かを特定し、該当条文(第3条の2第2項又は第17条)を選択したか
- [ ] 拒絶の意思表示後に行われた再勧誘の日時・回数・担当者・内容を記録したか
- [ ] 拒絶の意思表示が「検討する」等の曖昧な表現ではなく明確な拒絶であったかを確認したか
- [ ] 商品名やサービス内容を変えた形での実質的な再勧誘がないかを確認したか
- [ ] 通知書の送付方法(内容証明郵便等、記録が残る方法)を検討したか
- [ ] 今後の連絡拒否の範囲(訪問・電話・メール等)を明確に記載したか
- [ ] 行政機関(消費生活センター等)への相談・情報提供の要否を検討したか
- [ ] 不法行為に基づく損害賠償請求を行う場合の損害内容(精神的苦痛等)を整理したか
- [ ] 事業者名・担当者名・連絡先を正確に記載したか