清算事務終了後に清算人が作成する決算報告書。会社法第507条第1項と会社法施行規則第150条の記載事項に従い、債権取立額・清算費用・残余財産分配額を示します。

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清算結了の決算報告書

第1部: 書式本文

本書式は、清算株式会社の清算人が、清算事務終了後に会社法第507条第1項の規定に基づき作成する決算報告書であり、清算結了登記の添付書面として使用する。会社法施行規則第150条に定める記載事項に従い、以下の項目を記載する。決算報告書は、解散決議・清算人選任(会社法第475条以下)、債権申出の公告及び催告(会社法第499条)、現務の結了・債権の取立て・債務の弁済(会社法第481条第1号ないし第3号)を経て、最終的に残余財産の分配が完了した段階で作成する、清算手続の最終局面の書面である。

決算報告書

【会社名】

  1. 債権の取立て及び資産の処分による収入の額:金【債権取立額等収入合計額】円 内訳:債権取立額 金【債権取立額】円、資産処分による収入額 金【資産処分収入額】円

  2. 債務の弁済、清算に係る費用の支払その他の費用の額:金【弁済及び清算費用合計額】円 内訳:債務弁済額 金【債務弁済額】円、清算事務に係る費用(清算人報酬、公告費用、専門家報酬等)金【清算費用額】円

  3. 残余財産の額:金【残余財産の額】円

  4. 1株当たりの分配額:金【1株当たり分配額】円(発行済株式総数【発行済株式総数】株)

  5. 残余財産の分配を完了した年月日:令和【年】年【月】月【日】日

  6. (付記)債権申出公告掲載日及び債権申出期間:令和【年】年【月】月【日】日(官報【号数】号)、申出期間【2か月を下らない期間】

  7. (付記)清算開始時の財産目録・貸借対照表作成日:令和【年】年【月】月【日】日(会社法第492条第1項)

上記のとおり清算事務が結了したことを証明する。

令和【年】年【月】月【日】日 【本店所在地】 【会社名】 清算人 【清算人氏名】 印

本決算報告書の作成に当たっては、清算開始時の財産目録・貸借対照表(会社法第492条)から清算結了時までの財産の増減を継続的に記録した清算事務日誌を基礎資料とし、収入・費用の各項目が当該日誌の記載と一致していることを確認したうえで数値を確定させる。

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A節: 清算株式会社(株主総会の承認を経て作成する場合)

修正条文例: 「本決算報告書は、令和【年】年【月】月【日】日開催の株主総会に提出し、会社法第507条第3項の規定に基づき、出席株主の議決権数【議決権数】個をもって承認可決された。承認をもって清算事務は結了したものとする。」

一言解説: 決算報告書は清算人が作成するだけでなく、会社法第507条第3項により株主総会の承認を受けることで初めて清算結了の効果(清算人の任務終了、責任の一部解除)が確定するため、承認決議の日付・議決権数を明記し、株主総会議事録と整合させる必要がある。株主総会の招集通知には決算報告書を添付又は事前送付し、株主が内容を確認したうえで決議に臨めるようにしておくことが望ましい。

B節: 登記申請用(清算結了登記の添付書面として簡潔に整理する場合)

修正条文例: 「本決算報告書は、【会社名】の清算結了登記(令和【年】年【月】月【日】日申請予定)の添付書面として作成するものであり、会社法施行規則第150条各号に定める事項(収入の額、費用の額、残余財産の額、1株当たりの分配額)を全て記載している。」

一言解説: 登記申請の添付書面として用いる場合、記載事項の一つでも欠けると補正の対象となるため、会社法施行規則第150条各号(収入の額、費用の額、残余財産の額、1株当たりの分配額)を漏れなく機械的にチェックした上で提出する運用が望ましい。また、清算結了登記の申請期限にも留意し、承認後は速やかに登記申請書類一式を整える必要がある。

第3部: 書き方と法的ポイントの解説

本書式は、清算株式会社が清算事務(現務の結了、債権の取立て、債務の弁済、残余財産の分配)を全て終えた後、清算結了の手続として決算報告書を作成する場面で使用する。清算事務の途中経過を報告する清算事務報告や、清算開始時の財産目録・貸借対照表(会社法第492条)とは性質が異なり、これらの代わりにはならない点に留意する。特別清算(会社法第510条以下)に移行した場合の決算報告は別の規律に服するため、通常清算を前提とする本書式をそのまま使用することはできない。

根拠法令は、清算人の決算報告書作成義務及び株主総会承認を定める会社法第507条(第1項で決算報告書の作成、第3項で株主総会の承認)、並びに決算報告書の記載事項を定める会社法施行規則第150条(収入の額、費用の額、残余財産の額、1株当たりの分配額の各号)である。また、清算結了に伴う変更登記(清算結了登記)については商業登記法上、決算報告書の承認を証する書面(株主総会議事録)を併せて添付することが一般的であり、登記期間については会社法第926条により株主総会の承認の日から2週間以内とされている。

実務でよくある失敗として、第一に、債権取立額と資産処分による収入額を区別せずに一括計上してしまい、会社法施行規則第150条第1号の内訳が不明確になる例がある。対策として、清算事務の過程で作成する財産目録・清算事務日誌と突合し、収入項目を取立額と処分収入とに分けて記録しておく。第二に、清算人報酬や専門家報酬などの清算費用を「債務の弁済」に含めて計上してしまい、費用項目の内訳が不透明になる例がある。対策として、清算費用は債務弁済額と区分した独立の科目として集計し、領収書等の裏付け資料を保管する。第三に、残余財産の分配が完了する前に決算報告書を作成・承認してしまい、分配未了の状態で清算結了登記を申請してしまう例があるが、これは清算事務が実質的に終了していないにもかかわらず結了登記を行うことになりかねず、後日の補正や更正の原因となる。対策として、残余財産分配の完了日を確定させたうえで決算報告書を作成し、株主総会の承認決議もその後に行う順序を徹底する。第四に、会社法第499条に基づく債権申出の公告及び催告(申出期間2か月を下らない期間)が完了する前に債務の弁済を進めてしまい、後から判明した債権者への対応が漏れる例がある。対策として、決算報告書の作成に先立ち、債権申出期間の満了日及び申出のあった債権の弁済状況を清算事務日誌で確認し、未弁済の債権が残っていないことを確かめる。会社の資産構成や税務上の取扱いによって数値の整理方法が異なる場合があるため、個別事案は専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 債権の取立て及び資産処分による収入の額の内訳を区分して記載したか
  • [ ] 債務の弁済額と清算に係る費用(報酬・公告費用等)を区分して記載したか
  • [ ] 残余財産の額が収入額から費用額を控除した金額と整合しているか
  • [ ] 1株当たりの分配額と発行済株式総数の記載に誤りがないか
  • [ ] 残余財産の分配が実際に完了した日付を確認したか
  • [ ] 決算報告書を株主総会に提出し、承認決議を得る手続を予定しているか
  • [ ] 会社法施行規則第150条各号の記載事項に漏れがないか
  • [ ] 清算結了登記の添付書面として株主総会議事録と整合させたか
  • [ ] 清算事務日誌・財産目録等の裏付け資料を保管しているか
  • [ ] 会社法第499条の債権申出公告・催告期間(2か月を下らない期間)が満了しているか
  • [ ] 申出のあった債権について弁済漏れがないか清算事務日誌で確認したか