建築主が建築士事務所へ設計と工事監理を委託する場面で用いる業務委託契約書。建築士法の重要事項説明と再委託の制限を踏まえ、成果物の著作権と変更時の報酬を定める。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。

設計・工事監理業務委託契約書

第1部: 書式本文

設計・工事監理業務委託契約書

【建築主名】(以下「甲」という。)と【建築士事務所名】(以下「乙」という。)は、下記建築物の設計及び工事監理業務(以下「本業務」という。)について、次のとおり業務委託契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(委託業務の範囲) 乙が受託する業務は、基本設計業務、実施設計業務及び工事監理業務(以下総称して「本業務」という。)とし、各業務の具体的な作業内容は別紙「業務委託書」記載のとおりとする。

第2条(業務期間) 基本設計及び実施設計業務の履行期間は【年月日】から【年月日】までとし、工事監理業務の履行期間は工事請負契約の工期に応じて別途定める。

第3条(委託報酬) 本業務の委託報酬は金【 】円(消費税別)とし、乙は国土交通省告示に定める業務報酬基準の考え方を参考にその算定根拠を甲に説明する。甲は乙に対し、基本設計完了時、実施設計完了時、工事監理業務完了時に分割して支払う。

第4条(重要事項説明) 乙は、本契約締結に先立ち、建築士法の定めるところにより、管理建築士等をして本業務の内容、報酬額、担当する建築士の氏名その他の重要事項を記載した書面を交付して説明させる。

第5条(再委託の制限) 乙は、本業務のうち構造設計又は設備設計に係る部分を除き、甲の書面による事前の承諾を得ない限り、本業務の全部又は主たる部分を第三者に再委託してはならない。再委託する場合、乙は再委託先の名称及び業務範囲を甲に通知する。

第6条(成果物の著作権) 本業務により作成される設計図書その他の成果物に係る著作権(著作権法上の権利を含む)は乙に帰属する。ただし、乙は甲に対し、本建築物の建築、維持管理及び増改築に必要な範囲で成果物を利用することを許諾する。

第7条(設計変更時の報酬) 甲の指示又は法令改正等甲乙いずれの責めにも帰さない事由により設計内容の大幅な変更が生じ、これにより乙の業務量が増加する場合、甲乙協議のうえ追加報酬を定める。

第8条(工事監理業務の実施方法) 乙は、工事施工者が設計図書のとおりに工事を実施しているかを確認し、設計図書と工事内容に照合して不一致が認められるときは、施工者に対し是正を求めるとともに、その状況を甲に報告する。乙は工事監理業務の実施状況を定期的に甲に報告する。

第9条(確認申請等の手続への協力) 乙は、建築基準法上の確認申請その他本建築物に必要な行政手続について、必要な書類の作成及び手続の代行を行う。

第10条(秘密保持) 甲及び乙は、本業務の遂行を通じて知り得た相手方の秘密情報を第三者に漏えいしてはならない。

第11条(責任の制限) 乙の本業務に関する債務不履行又は契約不適合に基づく損害賠償責任は、乙に故意又は重過失がある場合を除き、本契約の委託報酬額を上限とする。

第12条(解除) 甲又は乙が本契約に違反し、相当期間を定めた催告後も是正されない場合、相手方は本契約を解除できる。

以上を証するため本契約書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ各1通を保有する。

【締結日】 甲(建築主)【住所・氏名・印】 乙(建築士事務所)【住所・氏名・印】

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 建築士事務所側が有利になる修正例

A-1. 施工者の不履行に対する監理責任の限定 「乙の工事監理業務は、設計図書との照合及び是正の指摘にとどまるものとし、施工者の施工上の過失又は債務不履行について乙が責任を負うものではない。」 一言解説: 工事監理者は施工そのものを行う立場ではないため、施工品質の直接責任を負わない趣旨を明確にする。

A-2. 著作権に基づく再利用への対価請求 「甲が本建築物と類似する別の建築物の設計に本成果物を転用しようとする場合、乙の別途の許諾及び対価の支払を要する。」 一言解説: 標準設計の使い回しによる無断転用を防ぎ、著作権法上の権利を実効化する。

A-3. 業務中断時の既履行部分報酬 「甲の都合により本業務が中断された場合、乙は既に履行した業務の割合に応じた報酬を甲に請求できる。」 一言解説: 甲都合の中断リスクを乙が一方的に負わないようにする。

B. 建築主側が有利になる修正例

B-1. 重要事項説明の書面化の徹底 「乙は、第4条の重要事項説明を行った際の説明書面の写しを甲に交付し、甲は当該書面の内容を確認のうえ本契約を締結する。」 一言解説: 説明の実施を記録として残し、後日の「説明を受けていない」という争いを防止する。

B-2. 工事監理業務の第三者委託の禁止強化 「乙は、工事監理業務については甲の書面による事前の承諾がある場合を除き、いかなる部分も第三者に再委託してはならない。」 一言解説: 工事監理は建築士本人の責任において行うべき中核業務であるとして、再委託の余地を最小化する。

B-3. 成果物利用権の拡張 「甲は、本建築物の売却又は賃貸に伴い第三者に対して成果物の写しを提供することができる。」 一言解説: 建築主が将来の資産処分の際に設計図書を活用できるよう利用範囲を広げる。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面 建築主が新築又は増改築にあたり、建築士事務所に基本設計・実施設計・工事監理業務を委託する場面で用いる。設計と施工を同一業者(いわゆる設計施工一貫方式)に委託する場合であっても、工事監理を担当する建築士の独立性を確保する観点から、設計・監理業務を別途明確に委託する契約書として利用できる。

使ってはいけない場面 施工者自身が実質的に工事監理も兼ねる体制(自己監理)を予定しているにもかかわらず、独立した第三者による工事監理であるかのように装って本契約を用いることは避けるべきである。工事監理の独立性が形骸化すると、設計図書との照合機能が働かず、施工品質のチェックが機能しなくなるおそれがある。

根拠法令 建築士法は、建築士事務所の開設者が設計又は工事監理の委託契約を締結しようとするときは、あらかじめ管理建築士等をして重要事項を記載した書面を交付して説明させなければならないと定めている。また同法は、建築士事務所が受託した設計又は工事監理業務を、構造設計・設備設計に係る部分等の例外を除き、他の建築士事務所に一括して再委託することを制限している。著作権法上、建築物及び建築のための図面は著作物として保護される場合があり、設計図書の著作権の帰属及び利用許諾の範囲を契約で明確にしておくことが重要である。委託報酬の算定にあたっては、国土交通省告示に定める建築士事務所の開設者がその業務に関して請求できる報酬の基準の考え方が参考にされることが多い。

実務でよくある失敗と対策 第一に、設計と施工を同一業者に発注した結果、施工上の不具合が生じた際に設計・監理と施工の責任の所在が不明確になるケースがある。第8条のように工事監理業務の実施方法(照合・是正指摘・報告)を明記し、責任の切り分けを可能にすることが対策になる。第二に、重要事項説明が形式的に済まされ、後日「聞いていない」との紛争になるケースがある。B-1のように説明書面の交付・保管を条項化することが有効である。第三に、設計図書の著作権の帰属が曖昧なまま、建築主が別のプロジェクトに設計内容を無断で転用してしまうケースがある。第6条及びA-2のように著作権の帰属と利用許諾の範囲を明確にすることが望ましい。委託報酬の算定根拠や再委託の可否の具体的な線引きは個別の業務内容により異なるため、専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 委託する業務範囲(基本設計・実施設計・工事監理)を具体的に特定しているか
  • [ ] 建築士法上の重要事項説明を契約締結前に実施し、書面を交付しているか
  • [ ] 担当する建築士(管理建築士等)の氏名・資格を確認したか
  • [ ] 委託報酬の算定根拠を明確にしているか
  • [ ] 再委託の可否及び範囲(構造設計・設備設計等の例外を含む)を定めているか
  • [ ] 成果物(設計図書)の著作権の帰属及び利用許諾の範囲を明記しているか
  • [ ] 設計変更時の追加報酬の協議手続を定めているか
  • [ ] 工事監理業務の実施方法及び施工者への是正指摘・報告の仕組みを定めているか
  • [ ] 確認申請等の行政手続の代行範囲を明記しているか
  • [ ] 責任の制限(上限額等)の妥当性を確認したか