ストーカー規制法の禁止行為に当たるつきまといや執拗な連絡について、直ちに中止し接近しないよう求め、警察への相談も予告します。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
つきまとい行為中止警告書
第1部: 書式本文
【警告を受ける者の住所】 【警告を受ける者の氏名】 様
【作成日】
【警告者の住所】 【警告者の氏名】 印
件名: つきまとい行為の中止に関する警告
警告者は、貴殿に対し、下記のとおり警告する。
- 警告者は、【警告を受ける者との関係。例:元交際相手、職場の元同僚、面識のない者等】である貴殿から、【行為が始まった時期】頃より、下記の行為(以下「本件行為」という。)を反復して受けている。
- 態様1: 【自宅・勤務先付近での見張り、押し掛け、尾行等】
- 態様2: 【面会・交際・復縁の要求を繰り返す電話・メール・SNSメッセージ等】
- 態様3: 【行動を監視していると告げる言動、拒否後も連絡を継続する態様等】
- 本件行為の発生日時・場所・内容について、警告者は、【日記・録音・メッセージの保存・写真等】により記録している。
- 警告者は、貴殿に対し、これまで【口頭・メール等で拒絶の意思を伝えた経緯】のとおり、繰り返し本件行為の中止を求めてきたが、貴殿は本件行為を継続している。
- 本件行為は、ストーカー行為等の規制等に関する法律第2条に定める「つきまとい等」に該当するおそれがあり、反復して行われる場合には同条にいう「ストーカー行為」として同法上の規律の対象となる可能性がある。
- 警告者は、貴殿に対し、本書をもって、次の各行為を直ちに中止するよう強く求める。
- 警告者の自宅、勤務先その他警告者が現に所在する場所又はその付近における見張り、押し掛け及びうろつき
- 警告者に対する面会、交際その他の要求
- 警告者に対する電話、メール、SNSメッセージその他の手段による接触
- その他、警告者の行動を監視していると思わせるような言動
- 貴殿が本書到達後も本件行為を継続する場合、警告者は、警察への相談及び被害の申告、ストーカー行為等の規制等に関する法律第4条に基づく警告の申出、同法第5条に基づく禁止命令等の申出その他の法的手続を速やかに講じる。
- 貴殿が本件行為を直ちに中止し、以後、警告者に一切接触しないことを誓約される場合には、その旨を【回答期限、例:1週間】以内に書面でご回答いただきたい。
- 本書は、警告者が既に相談している、又は今後相談する警察その他の関係機関に対し、証拠として提出する場合がある。
- 本書に対するご連絡は、下記宛先までお願いする。なお、警告者は、直接の面会や電話による接触を求めていない。
以上
連絡先(書面によるご回答のみ受け付ける) 【担当窓口・住所】
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A. 警告する側の立場で作成する場合
修正後の文例:
貴殿による本件行為は、【頻度・期間】にわたり継続しており、直近では【直近の具体的な行為】のとおり、行為の頻度及び態様がエスカレートしているものと考える。これ以上の継続は看過できない。
一言解説: 単発の行為ではなく反復性・エスカレーションの経過を示すことは、ストーカー行為等の規制等に関する法律上の「つきまとい等」該当性や、警察への相談時の状況説明において重要な要素となる。日時・場所を一覧化した別紙を添付する運用も有効である。
B. 警告を受けた側が回答書として転用する場合
修正後の文例:
ご指摘の行為について、【認める部分・事実関係を異にする部分】を踏まえ、警告者に対し、以後一切連絡及び接触を行わないことを誓約する。
一言解説: 行為を認めて中止を誓約する場合と、事実関係そのものを争う場合とでは対応の方向性が大きく異なるため、回答書では自らの認識と今後の行動方針を明確に区別して記載することが望ましい。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
本書式は、つきまとい等の行為が反復して行われており、当事者間の話し合いでは中止が見込めず、行為を書面で明確に指摘し中止を求める必要がある場合に使用する。他方、身体への危害が差し迫っているなど緊急性の高い状況では、本書式の送付を待たず、直ちに警察へ通報することを優先すべきであり、本書式はその代わりとなるものではない。また、相手方の所在が不明で送付自体が困難な場合にも適さない。
根拠法令としては、ストーカー行為等の規制等に関する法律(正式名称: ストーカー行為等の規制等に関する法律)第2条(つきまとい等及びストーカー行為の定義)、第3条(つきまとい等の反復の禁止)、第4条(警察本部長等による警告)、第5条(公安委員会による禁止命令等)を挙げることができる。あわせて、つきまとい行為が私生活の平穏を害するものである場合には、民法第709条に基づく不法行為として、将来の接触禁止を求める差止め請求や損害賠償請求の根拠となり得る。
実務でよくある失敗として、次の点が挙げられる。第一に、本書のような私人が発する警告文書を、同法第4条に定める公的な「警告」そのものと誤解し、その法的効力を過大に説明してしまう例がある。この対策として、第4項・第6項では、法律上の警告や禁止命令はあくまで警察本部長等又は公安委員会が行うものであり、本書は警告者自身の意思表示及び事実関係の記録として送付するものであることを区別して記載する。第二に、行為の日時・場所・態様を記録しないまま本書を送付し、その後の警察への相談や法的手続で立証に窮する例がある。この対策として、第2項で記録の方法を具体的に確保しておく。第三に、警告書の送付によってかえって相手方を刺激し、行為がエスカレートする可能性を考慮しない例がある。この対策として、連絡先を書面のみとし、直接の接触を求めない体裁とするとともに、緊急性が高い場合には警告書の送付より先に警察への通報を優先する。また、警告書を送付すること自体が相手方を刺激し、行為の頻度や態様が悪化する事例も報告されているため、送付の可否及びタイミングについては、家族や職場の協力体制、避難先の確保など、送付後の安全確保策とあわせて検討する必要がある。個別の事案における危険性の評価や対応の優先順位については、送付前に弁護士や警察の相談窓口など専門家に確認することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- [ ] つきまとい行為の日時・場所・態様を具体的に記録したか
- [ ] 記録媒体(日記、録音、メッセージの保存、写真等)を確保したか
- [ ] 相手方の氏名・住所が判明しており、送付方法が現実的か確認したか
- [ ] これまでに拒絶の意思を伝えた経緯を整理したか
- [ ] 身体の安全に差し迫った危険がある場合、警告書の送付より先に警察へ通報する準備をしたか
- [ ] 警察のストーカー相談窓口へ事前に相談し、対応方針を確認したか
- [ ] 本書が私人間の警告であり、法律上の公的な「警告」(同法第4条)ではないことを理解しているか
- [ ] 回答窓口を書面のみとするなど、直接の接触を避ける送付方法にしたか
- [ ] 送付後も相手方の行動に変化がないか継続して記録する体制を整えたか
- [ ] 送付前に弁護士等の専門家へ相談したか
- [ ] 家族や職場など周囲に事情を共有し、緊急時の連絡・避難体制を整えたか
- [ ] 送付後に相手方の行動が悪化した場合の対応手順(通報先、避難先等)を事前に決めたか