下請の重層構造を明らかにする施工体制台帳の様式です。建設業法第24条の8に基づき、許可番号や技術者の配置を記録します。押さえるべき法令上の要件を反映した記載としています。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
施工体制台帳(公共工事用)
第1部: 書式本文
施工体制台帳
作成年月日: 令和【 】年【 】月【 】日 作成者(元請負人): 【会社名】【許可番号 国土交通大臣/都道府県知事 許可(般-【 】)第【 】号】
1. 発注者に関する事項 発注者名: 【 】 工事名: 【 】 工事場所: 【 】 工期: 自 令和【 】年【 】月【 】日 至 令和【 】年【 】月【 】日 契約金額: 金【 】円 契約年月日: 令和【 】年【 】月【 】日 発注者の監督員名: 【 】
2. 元請負人に関する事項 商号又は名称: 【 】 代表者氏名: 【 】 主任技術者(監理技術者)氏名・資格: 【 】/ 資格者証交付番号【 】 専任・非専任の別: 【 】 健康保険等の加入状況: 健康保険【加入・適用除外】厚生年金保険【加入・適用除外】雇用保険【加入・適用除外】 建設業許可(業種): 【 】
3. 一次下請負人に関する事項(下請負人ごとに作成) 商号又は名称: 【 】 許可番号: 【 】 代表者氏名: 【 】 工事内容・工期: 【 】 下請契約の請負代金額: 金【 】円 主任技術者氏名・資格: 【 】 安全衛生責任者氏名: 【 】 健康保険等の加入状況: 【 】 再下請負の有無: 【有・無】
4. 二次以下の下請負人に関する事項 (一次下請負人が更に下請契約を締結した場合、上記3と同様の事項を、再下請負通知書に基づき、下請次数ごとに記載する。) 商号又は名称: 【 】 許可番号: 【 】 下請次数: 【 】次 工事内容・工期: 【 】 下請契約の請負代金額: 金【 】円 主任技術者氏名・資格: 【 】
5. 添付書類一覧 一 施工体系図(別紙) 二 各下請契約書の写し 三 各下請負人の建設業許可通知書の写し 四 主任技術者及び監理技術者の資格を証する書面の写し 五 健康保険等の加入を証する書面(健康保険被保険者証の写し等) 六 再下請負通知書(下請負人から元請負人への提出書面)
6. 台帳の備置き及び提出 元請負人は、本台帳を工事現場ごとに備え置き、工事目的物を発注者に引き渡すまでの間、必要な事項に変更が生じた場合は速やかに変更を行う。発注者から提出を求められたときは、遅滞なく提出する。
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
A節: 元請負人の立場からの記載パターン
A-1(下請負人からの通知徴求) 「元請負人は、下請契約を締結した下請負人に対し、契約締結後【7】日以内に再下請負通知書(下請負人の商号、許可番号、工事内容、再下請負の有無、健康保険等の加入状況、配置技術者を記載したもの)の提出を求め、これに基づき台帳を作成・更新するものとする。」 一言解説: 建設業法第24条の8第2項は、下請負人に対し元請負人への必要事項の通知義務を課しており、台帳の正確性を担保するための徴求手続を明記することが実務上重要である。
A-2(電子的作成の場合) 「本台帳は、建設業法施行規則第14条の2第4項の規定に基づき、電磁的方法により作成することができる。この場合、元請負人は工事現場において、必要に応じて当該台帳の内容を電子計算機の映像面に表示する方法その他の方法により、発注者又は関係者の閲覧に供することができる状態を確保するものとする。」 一言解説: 台帳は書面のほか電子的方法での作成・保存が認められており、現場での閲覧性を確保する運用を明記するパターン。
B節: 発注者の立場からの確認パターン
B-1(台帳の提出・閲覧請求) 「発注者は、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第15条第2項の規定に基づき、元請負人に対し、施工体制台帳の写しの提出を求めることができる。元請負人は、当該請求を受けた日から【7】日以内にこれに応じるものとする。」 一言解説: 公共工事については、発注者への台帳の写しの提出が入契法上義務付けられており(民間工事における発注者への提出義務とは異なる)、この点を明記する。
B-2(施工体制の点検) 「発注者は、必要があると認めるときは、工事現場において、施工体制台帳の記載事項と実際の施工体制(下請負人、配置技術者、下請契約の内容等)が一致しているかを点検することができる。元請負人は、当該点検に協力しなければならない。」 一言解説: いわゆる「施工体制台帳に係る点検要領」に基づき発注者が行う点検への協力義務を明記し、一括下請負や名義貸しの防止に資する条項とする例。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
使う場面 公共工事において、発注者から直接工事を請け負った建設業者(元請負人)が下請契約を締結する場合に、下請負人の商号・許可番号・配置技術者・下請代金額等を記録し、施工体制の透明性を確保するために作成・備置きする場面で使用する。民間工事であっても、下請契約の総額が建設業法施行令に定める金額以上となる場合には作成義務が生じるが、公共工事については金額を問わず作成義務がある点が特徴である。
使ってはいけない場面 資材の売買のみを目的とする取引(建設工事の請負に該当しないもの)や、下請契約を一切締結しない自社施工のみの工事には作成の必要がない。また、労働者派遣により労働者を確保している場合、当該派遣労働者は下請負人としての記載対象ではなく、派遣元事業主の情報を台帳に記載することは誤りであるため、労働者派遣法上の扱いと峻別する必要がある。
根拠法令 施工体制台帳の作成義務は建設業法第24条の8を根拠とする。同条第1項は、発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者が、当該建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額(2以上の下請契約があるときはその総額)が政令で定める金額以上になる場合に台帳作成義務を負う旨を定めるが、公共工事については同条第5項及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第15条第1項により、金額にかかわらず作成義務が課される。台帳の記載事項の詳細は建設業法施行規則第14条の2に定められている。下請負人の通知義務は建設業法第24条の8第2項、施工体系図の作成義務は同条第3項を根拠とする。健康保険等の加入状況の記載については、社会保険の加入促進策の一環として同規則に明記されている。
よくある失敗と条項上の対策 第一に、二次以下の下請負人について記載を省略し、重層下請構造の透明性が確保されない例がある。第4項のように下請次数ごとの記載欄を設け、再下請負通知書の徴求を義務化することが対策となる。第二に、台帳の記載内容と実際の下請契約書・技術者配置に齟齬が生じ、発注者の点検で不一致が発覚する例がある。A-1のように契約締結後速やかな通知徴求と台帳への反映を手続化することで防止する。第三に、健康保険等の加入状況の確認を怠り、未加入業者を下請に使用していることが判明する例がある。第3項・第4項に加入状況欄を必須記載事項とすることでチェック機能を持たせている。
本書式の適用可否を含め、個別事案は専門家に確認することを推奨する。
第4部: 使用前チェックリスト
- 本工事が公共工事に該当し、下請代金額の多寡にかかわらず台帳作成義務があることを確認したか
- 発注者・工事名・工期・契約金額等の基本情報が請負契約書と一致しているか
- 元請負人の建設業許可番号・業種・技術者情報が正確に記載されているか
- 一次下請負人ごとに商号、許可番号、工事内容、下請代金額が記載されているか
- 二次以下の下請負人について、下請次数を明示して記載しているか
- 各下請負人からの再下請負通知書を受領し、台帳の記載と整合しているか
- 主任技術者・監理技術者の資格及び専任の別が各段階で記載されているか
- 健康保険・厚生年金保険・雇用保険の加入状況が下請負人ごとに記載されているか
- 添付書類(下請契約書の写し、許可通知書の写し、資格証明書の写し等)が揃っているか
- 施工体系図(第2部で扱う別様式)との整合性が取れているか
- 台帳を工事現場に備え置き、発注者からの提出・閲覧請求に対応できる体制があるか
- 施工体制に変更が生じた場合の台帳更新の手続・期限を定めているか