社員総会に出席できない社員が議決権行使を委任する書式です。委任先の指定と各議案への賛否の指示欄を備えます。社内の承認手続と証跡管理にもそのまま活用できます。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
社員総会委任状(非営利法人)
第1部: 書式本文
社員総会委任状
一般社団法人【法人名称】 御中
私は、下記の者を代理人と定め、【開催年月日】開催の【定時・臨時】社員総会に関する一切の議決権行使を委任します。
記
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受任者 住所: 【受任者住所】 氏名: 【受任者氏名】(当法人の社員であるか否かを問わず定款の定めに従い選定) 受任者との関係: 【同一社員・親族・専門家等】
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対象となる社員総会の特定 開催年月日: 【開催年月日】 会議の目的である事項: 招集通知記載の第1号議案から第【数】号議案まで
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委任する議決権行使の内容 第1号議案 【議案名】: 賛成 □ 反対 □ 棄権 □ 第2号議案 【議案名】: 賛成 □ 反対 □ 棄権 □ (指示のない議案については、受任者の裁量に一任する □ )
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委任の期間 本委任状は、上記社員総会及びその継続会・延会に限り効力を有する。
【委任年月日】
委任者(社員) 住所: 【委任者住所】 氏名: 【委任者氏名】 印
(備考) 本委任状は、社員が議決権行使を第三者に委ねる際の書面であり、社員本人が書面のみで賛否を表明する議決権行使書面とは制度上区別される。両者を併用する場合、法人側はいずれが先に到達したかによって優先関係を運用上明確にしておく必要がある。
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
委任する社員の立場
A. 委任状の効力範囲を限定し、各議案への賛否を個別に指定する修正 文例: 「本委任状は、【開催年月日】開催の社員総会に限り効力を有し、当該社員総会が延期又は続行された場合を除き、他の総会には及ばない。受任者は、前項の指示に反する議決権行使をしてはならない。」 一言解説: 委任状が漠然と将来の総会にまで及ぶかのような記載を避けて対象総会を特定するとともに、議案ごとに賛否を明示することで、委任者本人の意思とは異なる議決権行使が行われるリスクを抑えられる。
B. 委任の撤回権を明記する修正 文例: 「委任者は、社員総会の開催前であればいつでも本委任状を撤回することができる。撤回は法人所定の様式による書面をもって行うものとする。」 一言解説: 一般法人法第50条は委任状の提出を前提とするが、撤回の可否は明文がないため、委任者の権利保護として撤回条項と撤回の方式を明示しておくことが望ましい。委任者が総会当日に自ら出席した場合は、委任状の効力が当然に失われる旨もあわせて定めておくと運用がぶれにくい。
受任者の立場
A. 裁量権の範囲を明確にする修正 文例: 「指示のない事項及び緊急動議については、受任者の裁量により議決権を行使することができる。」 一言解説: 総会当日に修正動議等が提出される場合に備え、受任者が対応に窮しないよう裁量の範囲をあらかじめ明確化しておく。
B. 代理権証明書面の提出義務を確認する修正 文例: 「受任者は、本委任状を社員総会当日までに法人事務局に提出するものとする。提出がない場合、法人は受任者の議決権行使を拒否することができる。」 一言解説: 第50条第1項により代理権を証明する書面の提出が求められるため、受任者側としても提出期限・提出方法及び未提出時の帰結を確認しておくことでトラブルを防げる。
場面別バリエーション: 社員以外の第三者を受任者とする場合
文例: 「本委任状の受任者は、定款第【条数】条の定めにより社員以外の第三者(【氏名】)とする。」 一言解説: 定款で代理人資格を社員に限定する例があるため、社員以外を受任者とする場合は定款の定めを確認し、その根拠を委任状上に明記しておく。
場面別バリエーション: 電磁的方法による代理権の証明を認める場合
文例: 「委任者は、法人の承諾を得て、代理権を証明する書面の提出に代えて、法務省令で定める方法により当該事項を電磁的方法で提供することができる。」 一言解説: 第50条第3項により、法人が承諾すれば書面提出に代えて電磁的方法による代理権の証明が可能となるため、オンライン総会の運用と組み合わせる場合はこの規定を活用できる。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
使用場面の解説
本書式は、一般社団法人の社員が社員総会に自ら出席できない場合に、議決権の行使を第三者に委任する際に使用する。定時総会・臨時総会のいずれでも利用でき、議案ごとの賛否指示欄を設けることで委任者の意思を明確に残せる。出張、疾病、遠隔地居住など出席が困難な事情がある社員が、家族や他の社員、専門家等に議決権行使を委ねる典型的な場面で用いられる。会員数の多い法人では、出席率を確保し決議の定足数を満たす目的でも活用される。
使ってはいけない場面の解説
定款で代理人の資格を社員に限定している法人において、社員以外を受任者に指定する場合は、その定款の定めとの整合性を必ず確認する必要がある。また、書面による議決権行使(議決権行使書面)そのものとは異なる制度であるため、両者を混同して使用してはならない。判断能力に疑義のある社員から取得した委任状をそのまま有効なものとして扱うことも避けるべきであり、疑義がある場合は本人への確認を行う運用とする。委任状の記載内容が空欄のまま署名のみを取得する、いわゆる白紙委任の運用は、後日の紛争リスクが高いため避けるべきである。
根拠法令の解説
議決権の数は第48条、議決権の代理行使は第50条に規定される。第50条第2項により代理権の授与は社員総会ごとに行う必要があり、第5項により法人は代理権を証明する書面を総会の日から3か月間主たる事務所に備え置く義務を負う。決議要件は第49条に規定される。委任状による代理は法的性質としては民法上の代理(民法第99条以下)の一場面であり、受任者が委任の範囲を逸脱して議決権を行使した場合には、無権代理に関する民法の規律(民法第113条以下)との関係が問題となり得る点にも留意する。
よくある失敗と対策の解説
第一に、委任状に議案ごとの賛否欄を設けず、全面的な白紙委任としてしまう例がある。委任者の意思を明確化するため、議案ごとの賛否指示欄を設けることが望ましい。 第二に、複数の総会にまたがって有効な委任状を作成してしまう例がある。第50条第2項の趣旨により、代理権の授与は総会ごとに行う必要があるため、対象となる総会を特定して記載する。 第三に、受任者の資格について定款の定めを確認しないまま作成し、当日の受付で拒否される例がある。事前に定款の代理人資格条項を確認しておく。 第四に、委任者の署名(記名押印)を欠いたまま提出され、後日委任の真正性が争われる例もある。原本の押印又は本人確認可能な電磁的方法での取得を徹底する。
委任状の様式や運用は法人の定款・内規、及び社員間の力関係や過去の紛争の有無といった個別の事情によっても異なるため、個別事案は専門家に確認のうえ最終的な様式を確定することが望ましい。
第4部: 使用前チェックリスト
- 対象となる社員総会の開催日を特定して記載したか
- 受任者の氏名・住所を正確に記載したか
- 受任者が定款上の代理人資格要件を満たしているか
- 各議案について賛否の指示欄を設けたか
- 指示のない事項の取扱い(受任者裁量か棄権か)を明記したか
- 委任者本人の署名(記名押印)があるか
- 委任状の提出期限・提出先を確認したか
- 委任の撤回に関する定めを設けるか検討したか
- 代理権を証明する書面としての備置き義務(3か月間)を法人側で認識しているか
- 委任状の様式が定款・内規の定めと矛盾していないか
- 委任者本人からの提出であることを確認する運用(押印照合・本人確認)を定めたか
- 電磁的方法による代理権証明を認めるかどうかを検討したか
- 受任者と委任者の関係(同一社員か第三者か)を記載したか
- 総会当日に委任者本人が出席した場合の委任状の効力を運用上定めたか