社員総会の日時、場所、議題を通知する書面です。書面表決や委任状の案内を含め、法定の招集期間に沿った記載としています。後日の紛争を防ぐための確認欄をあらかじめ設けています。
⚠ 本書式は弁護士監修前の草稿である。監修完了まで販売・配布・公開を禁止する。 本書式は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別・具体的な法律相談に代わるものではない。
社員総会招集通知(非営利法人)
第1部: 書式本文
社員総会招集通知
【社員宛名】様
【発信年月日】
一般社団法人【法人名称】 理事 【理事氏名】
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 下記のとおり定時社員総会を開催いたしますので、ご出席くださいますようご案内申し上げます。なお、当日ご出席いただけない場合は、書面又は代理人によって議決権を行使することができますので、【回答期限】までに同封の議決権行使書面をご返送いただくか、委任状をご提出ください。
敬具
記
- 日時: 【開催年月日】 【開催時刻】から
- 場所: 【開催場所】(所在地: 【住所】)
- 会議の目的である事項 第1号議案: 【議案1】(例: 計算書類承認の件) 第2号議案: 【議案2】(例: 理事選任の件) 第3号議案: 【議案3】(該当する場合のみ記載)
- 書面による議決権行使の可否: 【可・不可】
- 電磁的方法による議決権行使の可否: 【可・不可】
- 議決権行使書面・委任状の提出期限: 【総会前日の営業時間終了時等】
- 提出先: 【法人名称】事務局 【住所・連絡先】
- 当日の受付開始時刻: 【時刻】
- 継続会・延会となった場合の取扱い: 【改めて通知する・当日案内する等】
以上
添付書類: 社員総会参考書類、議決権行使書面、委任状用紙
(注記) 本通知は、理事会設置一般社団法人においては理事会の決議に基づき理事が発するものであり(一般法人法第38条第2項)、理事会非設置の法人においては理事が単独で招集事項を決定することができる。
第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン
法人(理事)の立場
A. 招集手続の適法性を通知上で確認する修正 文例: 「本通知は、社員総会の日の1週間前までに発するものとし、定款上の招集期間短縮の定めがある場合はこれによる。」 一言解説: 招集期間の起算方法(発信主義)を誤ると招集手続の瑕疵として決議取消事由になり得るため、発送日を記録し、期間計算の根拠を社内で共有しておくことが理事側の防御として有効である。
B. 招集期間を定款の下限に短縮する修正 文例: 「本通知は、定款第【条数】条の定めにより、社員総会の日の【日数】日前までに発しております。」 一言解説: 一般法人法第39条は原則として総会の日の1週間前までの発送を求めるが、理事会非設置の法人では定款でこれを下回る期間を定めることができるため、実務上の招集リードタイムを圧縮できる場合がある。
C. 電磁的方法による通知への切替え 文例: 「あらかじめ電磁的方法による通知を承諾された社員の皆様には、電子メールにより本通知を発送しております。承諾書は法人事務局にて保管しております。」 一言解説: 第39条第3項により社員の承諾を得れば電磁的方法での通知発送が可能となり、郵送コストと発送期間を短縮できる。承諾の有無を社員ごとに管理する台帳を整備しておくと、発送方法の誤りを防止できる。
社員の立場
A. 書面表決の選択肢を明確に求める修正 文例: 「社員は、出席できない場合であっても、議決権行使書面により賛否を明示して議決権を行使することができる旨を確認する。」 一言解説: 社員が出席困難な場合の議決権確保のため、第38条第1項第3号に基づく書面表決の可否を通知上で明確にさせることが社員の権利保護につながる。
B. 議案の内容を具体的に開示させる修正 文例: 「各議案の提案理由及び議決権行使書面の記載例を添付書類として交付する。」 一言解説: 社員が的確に賛否を判断できるよう、参考書類(第41条)の充実を求めることは社員側の防御的な修正として有効である。
場面別バリエーション: 臨時社員総会の招集
文例: 「本通知は、定款第【条数】条に基づき理事が必要と認め招集する臨時社員総会に係るものである。」 一言解説: 第36条第2項により社員総会は必要がある場合いつでも招集できるため、定時総会以外の臨時招集の場合はその招集事由を明記しておくと後日の疑義を避けられる。
場面別バリエーション: 社員による招集請求に応じて開催する場合
文例: 「本通知は、社員【氏名】からの一般法人法第37条第1項に基づく招集請求を受け、理事が招集するものである。」 一言解説: 総社員の議決権の十分の一以上を有する社員から招集請求があった場合、理事は遅滞なく招集手続を行う必要があり、対応が遅れると請求した社員が裁判所の許可を得て自ら招集することになるため、招集の経緯を通知上に明記しておくと運用の透明性が高まる。
第3部: 書き方と法的ポイント解説
使用場面の解説
本書式は、一般社団法人が定時社員総会または臨時社員総会を招集する際に、社員に対して発送する招集通知として使用する。理事会設置の有無にかかわらず利用できるが、理事会設置法人では招集事項の決定(第38条第2項)が理事会決議によることを踏まえて発信者名を整える必要がある。郵送のほか、社員の承諾を得た電子メールでの送付、法人ウェブサイトへの掲載と個別案内の組合せなど、送付手段は法人の実情に応じて選択できる。
使ってはいけない場面の解説
社員全員の同意により招集手続を省略できる場合(第40条)には、本通知そのものは不要となる。また、一般財団法人の評議員会の招集には別途の書式(評議員会招集通知)を用いるべきであり、本書式をそのまま転用することはできない。社員総会の決議の省略(第58条)による、いわゆる書面決議を予定している場合も、本通知ではなく提案書兼同意書の様式を用いる。
根拠法令の解説
社員総会の招集は第36条、社員による招集請求は第37条、招集の決定事項は第38条、招集の通知は第39条に規定される。招集手続の省略は第40条、社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付は第41条に規定される。決議要件は第49条に規定されており、通知記載の議案がいずれの決議要件(普通決議・特別決議)に該当するかをあらかじめ確認しておくと、当日の議事運営が円滑になる。
よくある失敗と対策の解説
第一に、招集通知の発送期限を誤り、総会日の1週間前を切って発送してしまう例がある。定款に短縮の定めがない限り、第39条の期間を厳守する必要がある。 第二に、書面表決や電磁的方法による議決権行使を認める旨を第38条で決定していながら、通知にその旨を記載し忘れる例がある。第38条第1項第3号・第4号に掲げた事項は通知に必ず記載しなければならない。 第三に、電磁的方法による通知を、承諾を得ていない社員にまで一律送付してしまう例がある。第39条第3項の電磁的方法による通知は、あらかじめ個別の承諾を得た社員に限られる。 第四に、招集通知の記載事項を招集決定時の内容(第38条第1項各号)と齟齬させたまま発送し、後日議案の同一性が争われる例がある。招集決定書の内容と通知の記載を突合するチェック工程を設けておく。
招集期間や記載事項の要否は法人の機関設計や定款の定めによって異なり、社員数の多寡や事業年度末の繁忙期といった実務上の事情も踏まえた調整が必要になるため、個別事案は専門家に確認のうえ運用することを推奨する。
第4部: 使用前チェックリスト
- 開催日時・場所を記載したか
- 会議の目的である事項(議案)を具体的に記載したか
- 書面又は電磁的方法による議決権行使の可否を記載したか
- 招集通知の発送期限(原則総会日の1週間前まで)を遵守しているか
- 理事会設置法人の場合、招集事項が理事会決議に基づいているか
- 電磁的方法による通知は承諾済みの社員にのみ発送しているか
- 社員総会参考書類・議決権行使書面を添付したか
- 委任状の提出期限及び提出先を明記したか
- 臨時総会の場合、招集の理由を明確にしているか
- 発信者(理事)の氏名及び法人名称を正確に記載したか
- 議案が普通決議・特別決議のいずれに該当するか確認したか
- 継続会・延会となった場合の取扱いについて言及したか