社労士が企業と締結する顧問契約書。社会保険労務士法の一号・二号業務や三号業務の区分、給与計算の範囲、電子申請の委任と報酬体系を明確化します。

以下はAIが作成し弁護士監修前のβ版である。一般的な参考情報として無料公開しており、個別事案への適合性は保証しない。重要な取引に使用する際は専門家によるレビューを受けること。監修完了後に正式版へ差し替える。

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社会保険労務士顧問契約書

第1部: 書式本文

【社会保険労務士事務所名又は社会保険労務士法人名】(以下「甲」という。)と【依頼者商号】(以下「乙」という。)とは、乙の労務管理及び社会保険・労働保険に関する事務の処理に関し、次のとおり社会保険労務士顧問契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(目的) 本契約は、社会保険労務士法(以下「法」という。)に基づき社会保険労務士である甲が乙から労働社会保険諸法令に基づく手続及び労務管理に関する相談指導(以下「本件業務」という。)を受任し、乙がその対価を支払うことに関する基本的な権利義務関係を定めることを目的とする。

第2条(委任事務の範囲) 1. 甲が乙から受任する本件業務は、法第2条第1項に定める区分に従い、次の各号のとおりとする。  (1) 一号業務: 労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成及び行政機関への提出代行、並びに申請等について行政機関の調査又は処分に関し行政機関に対してする主張若しくは陳述の代理(法第2条第1項第1号)  (2) 二号業務: 労働社会保険諸法令に基づき事業所に備え付けるべき帳簿書類の作成(同項第2号)  (3) 三号業務: 労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項についての相談及び指導(同項第3号) 2. 前項各号のうち乙が甲に委託する具体的な範囲は、別紙業務委託明細書に定めるとおりとする。三号業務は一号及び二号業務と異なり社会保険労務士の独占業務ではないが、本契約においては甲がこれを受任するものとする。

第3条(給与計算業務) 甲が乙から給与計算業務の委託を受ける場合、当該業務は法第2条第1項に定める社会保険労務士業務そのものではなく、乙から独立に委託される準委任事務であることを甲乙は確認する。給与計算の基礎となる勤怠情報及び諸手当の支給基準は、乙が甲に提供するものとし、その内容の正確性について乙が責任を負う。

第4条(電子申請の代理) 1. 甲は、乙から委任状の交付を受けたうえで、電子政府の総合窓口等を通じた電子申請により一号業務を代行することができる。 2. 乙は、電子申請の代理に必要なアカウント情報その他の電子証明書に関する情報を適切に管理し、甲に対しその利用範囲を明示するものとする。

第5条(特定個人情報の取扱い) 甲は、本件業務の遂行にあたり乙の従業員等のマイナンバーを含む特定個人情報の提供を受けた場合、番号法その他関係法令に従い適切に取り扱い、本件業務の目的以外に利用しない。

第6条(乙の協力義務) 乙は、本件業務の遂行に必要な就業規則、労働者名簿、賃金台帳その他の資料を、甲が指定する期限までに提供する。

第7条(報酬) 1. 乙は甲に対し、本件業務の対価として、月額顧問料金【〇〇】円(消費税別)を毎月末日までに翌月分を甲の指定する口座に振り込む方法により支払う。 2. 給与計算業務、就業規則の作成又は改定、助成金申請その他別紙業務委託明細書に定めのない業務については、甲乙協議の上、別途報酬を定める。

第8条(善管注意義務及び免責) 1. 甲は、善良な管理者の注意をもって本件業務を遂行する。 2. 甲の業務遂行が、乙から提供された資料の不備、虚偽又は提出遅延に起因して不適切なものとなった場合、甲はこれによって乙に生じた損害について責任を負わない。

第9条(秘密保持) 甲及び乙は、本契約の履行に関連して知り得た相手方の営業上又は人事労務上の情報を、法令に基づく場合を除き、相手方の書面による承諾なく第三者に開示又は漏えいしてはならない。

第10条(契約期間及び解除) 1. 本契約の有効期間は、契約締結日から1年間とし、期間満了の1か月前までにいずれの当事者からも書面による終了の申出がないときは、同一条件でさらに1年間更新するものとし、以後も同様とする。 2. 甲又は乙は、相手方に本契約の重大な違反があり、相当の期間を定めて催告したにもかかわらず是正されない場合、本契約を解除することができる。

第11条(反社会的勢力の排除) 甲及び乙は、自己が暴力団その他の反社会的勢力に該当せず、これらと関係を有しないことを表明し保証する。

第12条(協議及び合意管轄) 1. 本契約に定めのない事項又は解釈に疑義が生じた事項は、甲乙誠意をもって協議し解決する。 2. 本契約に関する紛争については、【〇〇地方裁判所】を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

以上の合意を証するため本書2通を作成し、甲乙記名押印の上、各自1通を保有する。

【〇〇〇〇年〇〇月〇〇日】

(甲) 事務所又は法人名:【     】   登録番号:【     】  印

(乙) 商号:【     】   代表者:【     】  印

第2部: 立場別・場面別の書き換えパターン

A. 社会保険労務士・社会保険労務士法人向け書き換え

A-1. スタートアップ企業(電子申請中心)との顧問契約

第2条2項修正例:「本契約における本件業務は一号業務のうち社会保険・労働保険の資格取得及び喪失に関する電子申請の代行に限るものとし、三号業務の相談指導は月間【2】時間を上限とする。」 解説: 従業員数が少なく手続量が限定的なスタートアップでは、対応範囲と工数上限を明示し、無償の相談対応が際限なく広がることを防ぐ。

A-2. 中堅企業(給与計算込み)との顧問契約

第8条2項追加例:「給与計算に関する乙の損害賠償請求は、当該給与計算月の報酬額を上限とする。」 解説: 給与計算は反復継続する定型業務であり誤りのリスクが累積しやすいため、責任上限を設けて事務所の経営リスクを合理的な範囲に収める。

B. 依頼者(企業)向け書き換え

B-1. 急成長中で従業員数が増加する企業

第2条2項追加例:「委託業務の範囲は乙の従業員数の増減に応じて別紙業務委託明細書を随時見直すものとし、増員に伴う一号業務の増加分は月次で報酬に反映する。」 解説: 急成長企業は入退社手続が急増するため、固定範囲・固定報酬ではなく人員変動に連動した見直し条項を設ける。

B-2. 非正規雇用者比率の高い企業

第2条1項3号関連追加例:「三号業務には、有期雇用労働者及びパートタイム労働者に関する労働条件明示及び同一労働同一賃金に関する相談指導を含む。」 解説: パートタイム・有期雇用労働法対応の重要性が高い企業では、三号業務の対象を明示して相談指導の射程を明確にする。

第3部: 書き方と法的ポイント解説

使う場面・使ってはいけない場面 本書式は、社会保険労務士又は社会保険労務士法人が継続的に企業の労働社会保険手続及び労務相談指導を行う顧問契約に用いる。就業規則の新規作成のみを単発で依頼する場合や、個別労働紛争のあっせん代理業務(特定社会保険労務士の付記が必要な業務)を主目的とする場合には、業務範囲を個別に整理した契約書を別途用いるべきである。

根拠法令 社会保険労務士業務は法第2条第1項第1号から第3号に区分され、一号・二号業務は社会保険労務士の独占業務、三号業務は非独占業務である。法第27条は、社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者が業として一号又は二号業務を行うことを禁止しており、これに該当する行為(いわゆる非社労士行為)への関与は懲戒処分の対象となり得る。給与計算業務自体は労働社会保険諸法令に基づく事務ではないため社会保険労務士の独占業務ではないが、実務上は顧問業務に付随して提供されることが多く、本書式では独立の準委任事務として位置づけている。

実務でよくある失敗と対策 第一に、三号業務(相談指導)の範囲が無限定であるかのように運用され、事務所側の対応工数が想定を超える失敗がある。第2条2項及びA-1のように業務範囲や時間の上限を明示することで対応する。第二に、給与計算のミスによる過払い・過少払いの責任の所在が不明確になる失敗がある。第3条及びA-2のように資料提供の責任分界と損害賠償の上限を定める。第三に、特定個人情報の取扱いについて委託契約上の位置づけが曖昧なまま情報提供を受け、番号法上の安全管理措置義務の所在が不明確になる失敗がある。第5条のように取扱いの根拠と目的外利用の禁止を明記する。これらは一般的な留意点であり、個別の労務体制に応じた調整は専門家に確認することが望ましい。

第4部: 使用前チェックリスト

  • [ ] 一号・二号・三号業務の区分を明記し、独占業務と非独占業務を区別したか
  • [ ] 給与計算業務が社会保険労務士業務と別立ての準委任事務であることを明記したか
  • [ ] 電子申請代理のための委任状及びアカウント管理の取扱いを定めたか
  • [ ] 特定個人情報(マイナンバー)の取扱いと目的外利用の禁止を規定したか
  • [ ] 乙の協力義務(就業規則・賃金台帳等の提供期限)を定めたか
  • [ ] 月額顧問料と別途報酬(助成金申請・就業規則改定等)の区分を明確にしたか
  • [ ] 資料不備に起因する結果について甲の免責範囲を定めたか
  • [ ] 給与計算ミスに関する損害賠償の上限を検討したか
  • [ ] 契約更新及び解除の手続を定めたか
  • [ ] 反社会的勢力排除条項を設けたか